こんにちは、株式会社アップリメイク代表取締役の齋藤直樹です。
築年数が20年、30年と経過し、「そろそろ屋根を直した方がいいのかな」と考え始めたものの、工事の内容がよく分からず、不安を感じていませんか。
屋根の葺き替え工事は、古い屋根材を撤去して新しい屋根へ交換する、本格的な屋根リフォームです。
そのため、「工事は何日くらいかかるの?」「屋根を剥がした日に雨が降っても大丈夫?」「工事中も家で生活できる?」「近所から苦情が来ないか心配」といった疑問が出てくるのは当然ですよ。
とくに屋根は地上から状態を確認しにくく、工事が始まってからも作業内容が見えにくい場所です。
見えないからこそ、着工前に工程や雨天時の対応、追加費用が発生する条件まで把握しておくことが大切になります。
私たちアップリメイクは、1973年の創業以来、静岡で屋根・外壁塗装や外装リフォームに携わり、2026年4月末時点で施工実績は6,000件以上となりました。
この記事では、これまでの現場経験と現在の施工基準を踏まえ、屋根葺き替え工事の期間、手順、雨の日の対応、生活への影響、近隣への配慮、業者選びのポイントまで詳しく解説します。
単に「何日かかるか」を知るだけでなく、どの工程が大切なのか、どのような見積もりや説明なら安心できるのかまで分かる内容です。
最後まで読んでいただければ、工事中の暮らしを具体的にイメージでき、ご自宅に葺き替えが必要なのかを冷静に判断しやすくなるかなと思います。
記事のポイント
- 屋根葺き替え工事が必要になる住宅と、塗装・カバー工法との違い
- 一般的な戸建て住宅における工事日数と全体スケジュール
- 足場設置から屋根材撤去、下地補修、防水、仕上げまでの具体的な工程
- 雨天時の作業中断基準と、雨漏りを防ぐ雨仕舞いの確認方法
- 騒音、洗濯、換気、防犯、駐車場など工事中の生活への影響
- アスベスト、下地の腐食、太陽光パネルによって工期や費用が変わる理由
- 詳細見積もり、工程写真、保証内容から信頼できる業者を見極める方法
屋根葺き替え工事とは?塗装やカバー工法との違い
屋根葺き替え工事とは、既存の屋根材を撤去し、必要に応じて野地板や防水シートを補修・交換したうえで、新しい屋根材を施工する工事です。
屋根表面だけを塗り直す屋根塗装や、古い屋根材を残したまま新しい屋根を重ねるカバー工法とは、工事の範囲が大きく異なります。
葺き替えの大きな特徴は、屋根材を撤去することで、普段は見えない防水シートや野地板、垂木などの状態を確認できることです。
雨漏りによって野地板が腐っている場合や、屋根材の下で防水シートが破れている場合でも、傷んだ部分を直接補修できます。
ただし、葺き替えはどの住宅にも必要な工法ではありません。
屋根材の表面だけが色あせており、屋根材と下地が健全であれば、塗装で保護性能を回復できる可能性があります。
また、既存屋根がスレートや金属屋根で、下地の傷みが少なければ、カバー工法の方が費用と工期を抑えられることもあります。
大切なのは、「一番高い工事を選ぶこと」ではなく、現在の屋根の状態と、今後その家に何年住むのかに合った工事を選ぶことです。
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工法 |
主な工事内容 |
向いている状態 |
主な注意点 |
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屋根塗装 |
洗浄、補修、下塗り、中塗り、上塗りを行う |
屋根材そのものや下地に大きな損傷がなく、表面の防水性が低下している場合 |
割れや剥離が進んだ屋根材、塗装できない屋根材には適さない |
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カバー工法 |
既存屋根の上に防水シートと新しい屋根材を重ねる |
既存屋根と下地が比較的健全で、撤去を最小限にしたい場合 |
屋根が重くなり、内部の傷みを直接確認できない。瓦屋根には原則として採用できない |
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葺き替え |
既存屋根を撤去し、下地、防水シート、屋根材を更新する |
雨漏り、屋根材の著しい劣化、下地の腐食、重い瓦屋根の軽量化を検討する場合 |
撤去費と廃材処分費がかかり、工期も比較的長くなる |
ご自宅に葺き替えとカバー工法のどちらが適しているか迷っている方は、屋根の「葺き替え」と「カバー工法」はどっちが良い?費用・耐久・工期で徹底比較も判断材料としてご覧ください。
屋根葺き替えを検討した方がよい主な症状
屋根の葺き替えを検討する目安になるのは、単なる色あせではなく、屋根材や下地まで劣化が進んでいる状態です。
次のような症状がある場合は、塗装だけで解決できない可能性があります。
- 複数箇所から雨漏りしている
- 屋根材の割れ、欠け、反り、剥離が広範囲に発生している
- 屋根を歩いたときに下地が沈む、またはフカフカする
- 防水シートの寿命や破損が疑われる
- 野地板や垂木に腐食が見つかった
- 古い瓦屋根を軽い屋根へ交換して耐震性への負担を抑えたい
- 塗装に適さない屋根材が使用されている
- 過去に部分補修を繰り返しているが、雨漏りが再発している
一方で、雨漏りがあるからといって、必ず全面葺き替えが必要になるとは限りません。
棟板金の浮き、谷板金の穴、瓦の一部破損など、原因が限定されている場合は部分補修で対応できるケースもあります。
最初から工法を決めつけず、屋根全体、屋根裏、防水層を確認したうえで判断することが大切ですよ。
新しい屋根材は軽さだけで選ばない
現在の葺き替え工事では、瓦から金属屋根へ交換するケースが増えています。
金属屋根は比較的軽量で、建物上部の重量を抑えやすいことがメリットです。
代表的な製品には、アイジー工業の「スーパーガルテクト」など、鋼板と断熱材を一体化した住宅用金属屋根があります。
スーパーガルテクトはメーカー公表値で重量が1㎡あたり5.0kgとなっており、一般的な瓦屋根と比べて屋根を軽量化しやすい製品です。
遮熱性のある鋼板と断熱材を組み合わせた構造ですが、実際の室内温度や雨音は、天井断熱、屋根裏換気、下地、建物の構造などにも左右されます。
そのため、「この屋根材にすれば必ず涼しくなる」「雨音がまったく聞こえなくなる」といった説明には注意してください。
新しい屋根材を選ぶときの確認項目
屋根材は、価格や見た目だけではなく、重量、耐食性、断熱材の有無、適用できる屋根勾配、沿岸部への対応、保証条件まで確認しましょう。
同じ金属屋根でも、表面塗装、鋼板の種類、断熱材、保証内容は製品ごとに異なります。
また、メーカー保証を受けるためには、指定された施工方法、固定具、勾配、地域条件を守る必要があります。
見積書には、単に「高耐久金属屋根」と書いてもらうのではなく、メーカー名、商品名、色、保証条件まで記載してもらうと安心です。
屋根葺き替えは何日かかる?一般的な期間と目安
一般的な戸建て住宅の屋根葺き替え工事は、実際に職人が作業する日数として、おおむね7日から10日前後が一つの目安です。
屋根が小さく、形状がシンプルで、下地の補修がほとんど必要なければ、5日から7日程度で進むこともあります。
反対に、瓦の撤去量が多い住宅、屋根形状が複雑な住宅、下地の腐食が進んでいる住宅では、10日から2週間以上かかることもあります。
ここで注意したいのが、「実働日数」と「着工から足場解体までの期間」は同じではないという点です。
日曜日や業者の休工日、雨天による中断、資材の納品待ちなどを含めると、着工から完了まで2週間前後を見ておくと安心です。
梅雨や秋雨、台風の影響を受ける時期には、3週間以上足場が残る可能性もあります。
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住宅・工事の条件 |
実働日数の目安 |
着工から完了までの目安 |
|---|---|---|
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小規模で形状がシンプル、下地補修が少ない |
5日~7日程度 |
1週間~2週間程度 |
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一般的な30坪前後の2階建て住宅 |
7日~10日程度 |
約2週間前後 |
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瓦屋根、複雑な形状、下地補修が多い |
10日~14日以上 |
2週間~3週間以上 |
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雨天や台風の影響を受けた場合 |
作業可能日のみ進行 |
天候により3週間以上になる場合もある |
上記は一般的な目安であり、実際の期間は屋根面積、勾配、形状、既存屋根材、搬入経路、補修範囲、天候によって変わります。
契約前には「最短で何日か」だけでなく、「通常は何日か」「雨が続いた場合はどのくらい延びる可能性があるか」まで確認しましょう。
工期を左右する主な条件
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変動要因 |
工期が比較的短くなりやすい条件 |
工期が長くなりやすい条件 |
|---|---|---|
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屋根の形状 |
切妻や片流れなど、面の数が少なくシンプル |
寄棟、入母屋、谷が多い屋根、増築部分が入り組んでいる屋根 |
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屋根の勾配 |
職人が安全に移動しやすい一般的な勾配 |
急勾配で屋根上にも専用足場が必要 |
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既存屋根材 |
比較的撤去しやすい金属屋根やスレート |
瓦、葺き土のある屋根、慎重な撤去が必要な屋根材 |
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下地の状態 |
野地板や垂木に大きな傷みがない |
雨漏り、腐食、シロアリ被害、垂木の補強が必要 |
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搬入経路 |
トラックを近くに停車でき、資材を運びやすい |
旗竿地、狭小地、階段、車両進入不可、道路使用に調整が必要 |
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設備 |
屋根上に設備が少ない |
太陽光パネル、温水器、アンテナ、雪止めなどの脱着や調整が必要 |
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天候 |
晴天が続き、強風も少ない |
雨、強風、台風、降雪、猛暑による作業制限がある |
なかでも、工期と費用の両方に大きく影響するのが下地補修です。
屋根材を撤去するまで見えなかった雨染みや腐食が見つかると、野地板の張り替えだけでなく、垂木や軒先の木材補修が必要になる場合があります。
傷んだ下地を残して新しい屋根材を取り付けても、ビスが十分に効かず、屋根の耐久性を確保できません。
工期を優先して下地補修を省くのではなく、必要な補修を行ったうえで屋根を仕上げることが重要です。
契約から着工までの準備期間も考えておく
屋根葺き替え工事では、契約した翌日から工事を始められるとは限りません。
現地調査、見積もり、屋根材の選定、色決め、資材発注、足場業者や職人の手配、近隣挨拶などが必要です。
屋根材の在庫状況や繁忙期によっては、契約から着工まで数週間以上かかる場合もあります。
雨漏りが進行している場合は、工事開始までの間に応急的な養生が必要になることもあります。
「雨漏りしているのに着工が1か月後」と言われた場合は、その間の応急対応をどうするのかも確認してください。
雨が降ったら屋根葺き替え工事はどうなる?
屋根葺き替え工事で、多くの方が最も心配されるのが雨ですよね。
結論からお伝えすると、雨が降っているときや、作業途中で強い雨が予想されるときは、屋根材の撤去や野地板の施工を無理に進めないのが基本です。
古い屋根材を剥がした直後は、住宅の防水性能が一時的に低下します。
その状態で雨水が入れば、天井、断熱材、柱、室内まで濡らしてしまうおそれがあります。
工事を早く終わらせるために、天候を無視して全面を一度に剥がす業者には注意が必要です。
雨が予想される日の基本的な考え方
その日のうちに野地板の補修と防水シートの施工まで完了できる範囲だけを撤去し、建物を無防備な状態のまま残さないことが重要です。
急な降雨が予想される場合は、撤去作業を中止するか、ブルーシートや防水シートを使って雨仕舞いを行います。
ただシートを屋根に載せるだけでは、強風でめくれたり、シートの隙間から水が入ったりする可能性があります。
シートの重なり、固定方法、水の流れ、風への対策まで考えて養生する必要があります。
雨の日にできる作業とできない作業
雨の日は、すべての作業が必ず中止になるとは限りません。
ただし、屋根上での作業は滑りやすくなり、転落事故の危険が高まるため、安全を優先して判断します。
一般的には、次のように作業を分けて考えます。
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作業 |
雨天時の考え方 |
|---|---|
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既存屋根材の撤去 |
原則として避ける。建物内部へ水が入る危険が高い |
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野地板の補修・張り替え |
木材や建物内部を濡らす可能性があるため、原則として避ける |
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防水シートの施工 |
下地が濡れている場合は施工を避ける。水分を閉じ込めない判断が必要 |
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金属屋根の施工 |
滑りやすく危険なため、降雨や強風時は中止することが多い |
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地上での資材整理や加工 |
安全と資材の保管環境を確保できれば進められる場合がある |
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清掃や書類整理 |
屋根上以外で安全にできる内容であれば対応可能 |
工期が延びたからといって、すぐに追加料金が発生するとは限りません。
一般的な請負契約では、通常の雨天順延を想定して工程を組みますが、契約内容は業者によって異なります。
雨天による足場の延長料金、仮設トイレ、駐車場、資材保管などに追加費用がかかる可能性があるのか、契約前に確認しておくと安心です。
雨天時に確認しておきたい業者の対応
- 毎日の作業終了時に、どこまで防水処理を完了させるのか
- 急な雨に備えたブルーシートや防水資材を常備しているか
- 天候による工程変更を施主へどのように連絡するか
- 雨漏り事故が起きた場合の責任と保険対応
- 雨で濡れた下地を十分に乾燥させてから施工するか
- 工期が延びた場合に追加料金が発生する条件
「雨でも作業できますから早く終わります」という言葉だけで判断するのではなく、どの工程を、どのような安全対策と防水対策で行うのかを聞いてください。
天候に合わせて中止することは、作業の遅れではなく、住まいと職人を守るために必要な判断です。
屋根葺き替え工事の流れを着工前から順番に解説
ここからは、一般的な戸建て住宅の葺き替え工事がどのような順番で進むのかを解説します。
屋根の広さや形状によって前後しますが、全体の流れを把握しておくと、「今日は何の作業をしているのだろう」という不安が少なくなりますよ。
着工前:現地調査・工事内容の確認・近隣挨拶
葺き替え工事は、足場を組む前の準備から始まっています。
現地調査では、屋根材の種類、勾配、面積、劣化状況、雨漏りの有無、屋根裏の状態、太陽光パネルやアンテナの有無などを確認します。
地上から見える範囲だけで判断せず、必要に応じて屋根上、高所カメラ、ドローン、屋根裏から状態を確認することが大切です。
契約後は、工事内容、使用する屋根材、防水シート、下地補修の考え方、追加費用の条件を再確認します。
工程表を受け取り、騒音が大きくなる日や車両が出入りする日も確認しておきましょう。
着工前には、施工業者が近隣へ工事期間、作業時間、連絡先などを伝えます。
アスベストの事前調査も着工前に必要
古いスレート屋根などには、製造時期や製品によってアスベストが含まれている可能性があります。
現在は、建築物の解体・改修工事を行う際、工事部分にアスベストが含まれているかを事前に調査する必要があります。
2023年10月以降に着工する建築物の工事では、原則として一定の資格を持つ調査者による事前調査が必要です。
アスベスト含有が確認された場合でも、直ちに工事ができなくなるわけではありません。
飛散を防ぐ方法で慎重に撤去し、法令に沿って運搬・処分する必要があるため、通常の屋根材より撤去費や処分費が高くなる可能性があります。
見積書では、次の項目を確認してください。
- アスベスト事前調査費
- 検体分析が必要になった場合の費用
- 撤去方法と飛散防止対策
- 専用の廃材袋や梱包費
- 運搬費と処分費
- 行政への報告が必要な工事かどうか
「古い屋根ですが、たぶん入っていません」という口頭説明だけで済ませる業者は避けましょう。
1日目:足場組立と飛散防止シートの設置
最初に、職人が安全に作業するための足場を設置します。
屋根工事では高所で資材を運び、両手を使って屋根材を施工するため、安定した作業床と墜落防止設備が欠かせません。
足場には飛散防止用のメッシュシートを取り付け、屋根材の破片、ホコリ、工具などが近隣へ落下・飛散するリスクを抑えます。
一般的な住宅の足場費用は15万円から30万円程度が目安ですが、建物の高さ、外周、敷地条件、屋根足場の有無によって変わります。
足場の組立時は、金属部材を運ぶ音やハンマー音が発生します。
在宅ワークやオンライン会議を予定している方は、足場設置日を事前に確認しておきましょう。
また、足場が室外機、給湯器、物置、カーポート、植木などに干渉する場合があります。
着工前の現場打ち合わせで、保護や移動が必要なものを確認してください。
2~3日目:既存屋根材の撤去・分別・搬出
足場が完成すると、古い屋根材を撤去します。
瓦屋根では、瓦を一枚ずつ外し、葺き土や漆喰、桟木などを撤去していきます。
スレート屋根でも、破損や粉じんの飛散に注意しながら、釘や固定具を外して撤去します。
金属屋根の場合は、鋭利な切断面によるけがや飛散を防ぎながら解体します。
この工程は、屋根材を動かす音、釘を抜く音、廃材をトラックへ積み込む音が発生しやすく、工事期間中でも特に騒音が大きくなります。
屋根から撤去した材料は、種類ごとに分別して搬出します。
見積書には、既存屋根材の撤去費だけでなく、運搬費、処分費、アスベスト関連費がどこまで含まれているかを明記してもらいましょう。
4日目:野地板と垂木の状態確認・下地補修
屋根材と古い防水シートを撤去すると、野地板が見える状態になります。
野地板は、防水シートと屋根材を支える重要な下地です。
雨漏りや結露の影響を受けていると、黒ずみ、腐食、反り、剥がれ、釘の効きにくさなどが見つかる場合があります。
傷みが部分的であれば、劣化箇所を交換・補強します。
広範囲に傷んでいる場合は、既存の野地板の上に構造用合板を増し張りするか、必要な範囲を撤去して張り替えます。
ただし、野地板を新しくするだけでは不十分な場合もあります。
野地板を支える垂木や軒先の木材まで腐っている場合は、大工工事による補強が必要です。
この段階で初めて分かる劣化もあるため、追加工事の可能性は契約前に説明を受けておきましょう。
下地補修の追加費用でトラブルを防ぐ方法
見積もりの段階で下地の状態を完全に把握できない場合は、「野地板の補修が必要になったときの単価」を事前に決めておく方法があります。
たとえば、構造用合板1枚あたり、または1㎡あたりの追加単価を記載してもらえば、現場で突然大きな金額を提示されるリスクを抑えられます。
追加工事を始める前に、劣化箇所の写真、補修範囲、金額について説明を受け、了承してから進めてもらいましょう。
5日目:ルーフィング(防水シート)の施工
下地の補修後は、野地板の上にルーフィングと呼ばれる防水シートを施工します。
屋根材は雨を受け流す第一の防水層ですが、強風を伴う雨や屋根材の隙間から少量の水が入る可能性があります。
その水を室内へ入れず、軒先まで流す役割を担うのがルーフィングです。
つまり、雨漏りを防ぐうえでは、見た目に表れる屋根材だけでなく、その下に隠れるルーフィングの品質と施工が非常に重要になります。
ルーフィングは軒先側から棟側へ向かって施工し、上下・左右に規定の重なり幅を確保します。
谷、壁との取り合い、天窓、煙突、配管など、雨水が集まりやすい部分は、特に慎重な防水処理が必要です。
見積書では「防水シート」とだけ書かれていることがありますが、製品によって材質、耐久性、施工方法が異なります。
商品名や仕様を確認し、新しい屋根材の耐久性と大きく釣り合わない低いグレードになっていないか確認してください。
6~8日目:新しい屋根材の施工
防水シートの施工が完了したら、新しい屋根材を取り付けます。
金属屋根では、一般的に軒先側から棟に向かって屋根材を並べ、専用のビスなどで下地へ固定します。
屋根材同士の重なりや接合部分は、製品ごとの施工要領に沿って施工します。
屋根の形状に合わせて屋根材を切断するため、電動工具の音が発生することがあります。
屋根材をただ並べればよいわけではありません。
ビスの位置や間隔、締め付け、軒先の出幅、屋根材の通り、切断面の処理など、細かな施工精度が耐風性や仕上がりに影響します。
また、沿岸部では屋根材だけでなく、ビス、板金、固定具などの耐食性も確認したいところです。
9日目:棟・ケラバ・谷・雨押さえなどの板金仕上げ
屋根材の本体を施工した後は、棟、ケラバ、軒先、谷、壁際などを板金部材で仕上げます。
こうした部材は「役物」と呼ばれ、屋根の端部や接合部から雨水が入るのを防ぐ役割があります。
屋根の平らな面がきれいに仕上がっていても、棟板金の固定が弱かったり、壁際の雨押さえが適切でなかったりすると、台風や横殴りの雨で漏水する可能性があります。
とくに谷部分には雨水が集中するため、板金の幅、重なり、立ち上がり、固定方法を適切に施工する必要があります。
シーリング材は補助的に使用するものであり、すべての防水をシーリングだけに頼る施工は避けなければなりません。
水が自然に外へ流れる構造をつくったうえで、必要な場所にシーリングを使用するのが基本です。
10日目:完了検査・清掃・足場解体
施工が完了したら、屋根材のずれ、傷、ビス、板金、シーリング、雨樋、外壁などを確認します。
工事中に外壁や雨樋へ傷を付けていないか、敷地や道路に釘や金属片が落ちていないかも重要な確認項目です。
問題がなければ足場を解体し、敷地内と周辺を清掃します。
屋根は施主様自身が簡単に登って確認できないため、完成後の写真だけでなく、次の工程写真を受け取ることをおすすめします。
- 既存屋根を撤去した直後の状態
- 雨漏りや腐食が見つかった箇所
- 野地板や垂木を補修した状態
- ルーフィングの施工状況と重なり
- 谷や壁際など重要部分の防水処理
- 屋根材の固定状況
- 棟板金や役物の施工状況
- 清掃後の完成状態
◆齋藤のワンポイントアドバイス
屋根工事で本当に重要なのは、完成後には見えなくなる下地、防水シート、役物の施工です。
新しい屋根材がきれいに並んでいるだけでは、その下が正しく施工されているかは分かりません。
私たちアップリメイクでは、留守中の作業も確認していただけるよう、工事中の工程を写真に残し、工事写真報告書としてお渡ししています。
さらに、工事内容に応じた自社保証を書面で発行し、施工開始前であれば契約を解除できるお約束も設けています。
見えない部分を写真と書面で確認できること。これが、屋根工事で後悔しないための大切な条件だと私は考えています。
屋根葺き替え工事中も家で生活できる?暮らしへの影響
屋根葺き替え工事中も、基本的には普段どおり家で生活できます。
工事のために毎日家を空けたり、仮住まいへ移ったりする必要は通常ありません。
ただし、屋根のすぐ下で撤去、補修、固定作業を行うため、騒音や振動は発生します。
足場とメッシュシートによる圧迫感、洗濯物の制限、作業員の気配などもあります。
事前に影響を知り、必要な準備をしておけば、工事中のストレスをかなり減らせますよ。
騒音と振動が大きくなる日
騒音が大きくなりやすいのは、足場の組立・解体日、既存屋根材の撤去日、野地板の補修日です。
屋根材を外す音、職人が屋根上を移動する音、釘やビスを打つ音、電動工具の音が室内へ伝わります。
赤ちゃんのお昼寝、オンライン会議、在宅での電話業務、受験勉強などには影響が出る可能性があります。
静かな環境が必要な予定は、騒音が大きい日を避けるか、図書館、コワーキングスペース、ご家族の家などを利用する方法があります。
毎日同じ大きさの音が続くわけではないため、工程表で「特に音が大きい日」を確認しておくことがポイントです。
洗濯物は基本的に室内干しにする
屋根材を撤去すると、ホコリ、細かな破片、木くずなどが発生します。
飛散防止シートを設置していても、すべての粉じんを完全に閉じ込められるわけではありません。
工事期間中は、洗濯物の外干しを避け、室内干し、浴室乾燥機、衣類乾燥機、コインランドリーなどを利用すると安心です。
布団を干したい日や、洗濯物を外へ出せる日があるかは、現場責任者へ確認してください。
エアコンは使えるが室外機の養生に注意する
多くの場合、工事中もエアコンは使用できます。
ただし、室外機を飛散防止のためのシートで完全に覆ってしまうと、吸気や排熱が妨げられ、冷暖房効率の低下や故障につながるおそれがあります。
室外機の周囲に十分な空間を確保し、通気できる専用カバーやメッシュで保護しているか確認しましょう。
工事の内容によって一時的に使用を控える必要がある場合は、事前に時間帯を伝えてもらってください。
窓の開閉と換気が制限されることがある
屋根材の撤去中は粉じんが発生するため、窓を閉めてもらうことがあります。
足場や養生シートの位置によっては、一部の窓が開けにくくなる場合もあります。
換気扇についても、外部フード周辺で作業している時間は使用を控えた方がよいことがあります。
夏場は室温が上がりやすくなるため、エアコンを使える状態にしてもらい、室外機の養生方法を着工前に確認してください。
足場がある期間は2階の防犯にも注意する
足場が設置されると、普段は地上から届かない2階の窓へ外部から近づきやすくなります。
夜間や外出時は、1階だけでなく2階やベランダ側の窓も施錠してください。
足場の出入口に扉や立入防止措置があるか、防犯灯やセンサーライトを設置できるかを確認するのも一つの方法です。
また、職人が窓の近くを通るため、寝室や子ども部屋はカーテンやブラインドを閉めておくと落ち着いて過ごせます。
駐車場を使えない期間がある
足場材、屋根材、廃材用の車両が出入りするため、自宅の駐車場を使用できないことがあります。
カーポートの屋根が足場と干渉する場合は、パネルを一時的に外すこともあります。
代替駐車場が必要な場合は、誰が探すのか、費用を誰が負担するのかを工事前に決めておきましょう。
道路へ工事車両を停車する場合は、近隣の通行やごみ収集、緊急車両の妨げにならない計画が必要です。
小さなお子様やペットへの配慮
工事中は、知らない作業員の気配や屋根上の振動によって、ペットが落ち着かなくなることがあります。
大きな音に敏感な犬や猫は、静かな部屋へ移動させるか、騒音が大きい日のみご家族やペットホテルへ預ける方法もあります。
小さなお子様がいる場合は、足場や資材置き場へ近づかないよう注意してください。
敷地内には工具、釘、金属片などが一時的に置かれる可能性があるため、毎日の清掃と資材管理を業者へ確認しましょう。
太陽光パネルやアンテナがある場合
屋根に太陽光パネルが設置されている場合、そのままでは葺き替えできないことがあります。
パネルの脱着、架台の交換、配線処理、発電停止期間などを確認しなければなりません。
屋根工事業者だけで対応できるのか、電気工事業者や太陽光発電の専門業者が必要なのかも確認してください。
脱着後にメーカー保証や発電設備の保証へ影響しないか、事前の確認も必要です。
テレビアンテナ、BSアンテナ、温水器などがある場合も、撤去・復旧費用が見積もりに含まれているかを確認しましょう。
近隣クレームを防ぐ挨拶と工事中の配慮
屋根葺き替え工事では、施主様だけでなく、近隣の方にも騒音、粉じん、車両の出入りなどの影響が及びます。
どれほど丁寧に工事しても、事前の説明がなければ「急に大きな音が始まった」「家の前にトラックが停まっている」と不満につながることがあります。
近隣挨拶は単なる形式ではありません。
工事期間と影響を事前に伝え、困ったことがあれば施工業者へ連絡してもらうための大切な準備です。
近隣挨拶を行うタイミングと範囲
近隣挨拶は、着工の1週間前から数日前までを目安に行います。
あまり早すぎると忘れられてしまい、前日では予定を調整できない方もいるためです。
挨拶の範囲は、両隣、向かい、裏側の住宅を基本とし、工事車両が通る道路沿いや、粉じん・音の影響を受ける可能性がある住宅にも声をかけます。
住宅が密集している地域では、通常より広めに案内した方が安心です。
近隣へ伝える内容
- 工事を行う住宅の住所と施主名
- 工事内容が屋根の葺き替えであること
- 予定している工事期間と雨天順延の可能性
- 毎日の作業開始・終了時間
- 足場設置、屋根撤去など特に音が大きい日
- 工事車両の出入りや一時停車の予定
- 洗濯物などへの注意が必要な日
- 施工会社名と現場責任者の連絡先
手土産を用意する場合は、相手へ負担を感じさせにくいタオル、洗剤、ごみ袋などの消耗品が一般的です。
ただし、手土産の有無よりも、工事内容と連絡先を分かりやすく書いた案内文を渡すことの方が重要です。
クレームは施主様だけで対応しない
工事中に「車が邪魔になっている」「ホコリが飛んできた」「作業開始が早すぎる」といった連絡が入ることがあります。
その際、施主様だけで解決しようとすると、工事の詳しい状況が分からず、話が複雑になる可能性があります。
まず施工業者へ連絡し、現場責任者から状況確認と対応をしてもらいましょう。
契約前には、近隣挨拶を誰が行うのか、クレーム窓口は誰なのか、万が一の物損事故に備えた保険へ加入しているかを確認してください。
アップリメイクでは、着工前の近隣挨拶から工事中のお問い合わせ対応まで、当社が窓口となって対応しています。
屋根葺き替え工事の費用が増えやすいポイント
屋根葺き替え工事では、屋根面積と屋根材だけで費用が決まるわけではありません。
撤去する屋根材、下地の状態、アスベスト、屋根形状、設備の脱着などによって総額が変わります。
見積もりを比較するときは、合計金額だけでなく、何が含まれているかを確認してください。
費用が増えやすい主な条件
- 既存の瓦や葺き土が多く、撤去・運搬・処分に手間がかかる
- アスベスト含有屋根材の調査や適切な撤去・処分が必要
- 野地板、垂木、軒先などの木部が腐食している
- 寄棟、入母屋、谷などが多く、役物の施工量が増える
- 急勾配で屋根足場が必要
- 狭小地や旗竿地で資材の手運びが必要
- 太陽光パネル、アンテナ、温水器などの脱着が必要
- カーポートの屋根材や物置を一時的に移動する必要がある
- 雨樋、破風、軒天など周辺部材の交換も必要
- 遠方や離島などで運搬費がかかる
一般的な30坪前後の住宅でも、屋根の形状や傷み方によって費用は大きく変わります。
詳しい内訳については、屋根葺き替えの費用相場はいくら?内訳・単価・300万・400万・500万の目安まで徹底解説も参考にしてください。
住宅の坪数や屋根面積から大まかな予算を確認したい方は、10~60坪・100㎡の屋根葺き替え費用の目安もあわせてご覧いただくと分かりやすいですよ。
「追加工事一式」ではなく単価を決めておく
下地の劣化は、屋根材を撤去するまで確認できない場合があります。
そのため、すべての追加工事を契約前に確定できないこと自体は、必ずしもおかしなことではありません。
問題は、追加工事の基準と単価が決まっていない状態で契約することです。
次のような内容を見積書や契約書へ記載してもらうと、後からの金額トラブルを防ぎやすくなります。
- 野地板の部分交換または増し張りの単価
- 垂木補強の単価または算定方法
- 廃材が予定量を超えた場合の処分単価
- アスベスト分析が必要になった場合の費用
- 追加工事前に写真と見積もりを提示すること
- 施主の承認を得てから追加工事を開始すること
札幌・大阪・千葉・静岡で異なる屋根葺き替えの注意点
屋根工事に必要な性能や施工方法は、地域の気候、積雪、塩害、台風、住宅密集度によって変わります。
全国で同じ屋根材と施工方法を採用すればよいわけではありません。
地域の特徴を理解したうえで、屋根材、下地、防水、換気、固定方法を選ぶ必要があります。
札幌などの積雪寒冷地は雪荷重とすが漏れに注意
札幌のような積雪寒冷地では、積雪の重さ、凍結、つらら、落雪、すが漏れなど、本州の温暖地域とは異なる問題があります。
すが漏れとは、屋根の雪が建物から伝わる熱などで溶け、軒先付近で再び凍結することで水の流れがせき止められ、屋根材の内側へ水が回る現象です。
葺き替えでは、地域に適した屋根形状、防水シート、断熱、換気、雪止め、排水計画を総合的に考える必要があります。
屋根材だけを交換しても、屋根裏の断熱や換気に問題が残っていれば、結露や雪解け水の問題を十分に改善できないことがあります。
大阪などの住宅密集地は足場と搬入計画が重要
住宅が密集する地域では、隣家との距離が狭く、通常の足場を設置しにくいことがあります。
足場が敷地内へ収まらない場合は、隣地の使用について所有者の承諾が必要になったり、道路を使用する場合に行政や警察への手続きが必要になったりすることがあります。
資材を運ぶトラックを建物の近くへ停められなければ、職人が屋根材や廃材を手運びするため、工期と人件費が増える可能性があります。
見積もり前の現地調査では、屋根だけでなく、敷地境界、道路幅、電線、カーポート、隣家の窓なども確認してもらいましょう。
千葉などの沿岸部は金属部材の塩害対策を確認
海に近い地域では、潮風に含まれる塩分によって金属部材の腐食が進みやすくなります。
金属屋根を採用する場合は、屋根材本体の鋼板だけでなく、表面塗装、ビス、棟板金、谷板金、水切りなどの仕様も重要です。
メーカーによって海岸からの距離に関する保証条件が定められている場合があるため、沿岸部で保証を受けられる製品なのか確認してください。
切断面や傷を放置するとサビの起点になる可能性があるため、加工後の処理や施工中の傷の確認も欠かせません。
静岡は台風、強風、沿岸部の塩害を考慮する
静岡県は東西に長く、沿岸部、山間部、都市部で住宅を取り巻く環境が異なります。
沿岸部では塩害、山間部では湿気や落ち葉、地域によっては強風や台風への対策が重要です。
屋根材の固定方法や役物の施工が適切でなければ、台風時に棟板金が浮いたり、屋根材が飛散したりする危険があります。
浜松市では、一定の条件を満たす瓦屋根を対象に、耐風診断や耐風改修の助成制度が設けられています。
ただし、対象となる建築時期、屋根、耐震改修との同時実施などに条件があり、単に屋根を葺き替えれば利用できる制度ではありません。
制度内容、受付期間、予算残額は年度ごとに変わる可能性があるため、契約や着工の前に確認してください。
詳しくは、浜松市の屋根工事の助成金や補助金についてプロが徹底解説で、申請の流れや注意点をまとめています。
屋根葺き替え工事で失敗しない見積書の確認方法
屋根工事の見積書は、総額だけを比べても適正かどうか判断できません。
安く見える見積もりでも、防水シート、下地補修、廃材処分、役物などが別料金になっていれば、契約後に金額が上がる可能性があります。
反対に、一見高い見積もりでも、アスベスト調査、下地補修、太陽光パネルの脱着、保証まで含まれている場合があります。
見積書に記載してほしい項目
- 足場の面積、平米単価、飛散防止シートの費用
- 既存屋根材の種類、撤去面積、撤去単価
- 廃材の運搬費と処分費
- アスベスト事前調査と分析の費用
- 野地板の材質、厚さ、施工面積、単価
- 垂木や軒先補修が必要になった場合の単価
- ルーフィングのメーカー名と商品名
- 新しい屋根材のメーカー名、商品名、色、施工面積
- 棟、谷、ケラバ、軒先、雨押さえなどの役物
- 雪止め、換気棟、雨樋、アンテナなどの関連工事
- 太陽光パネルを脱着する場合の費用
- 諸経費、現場管理費、交通費
- 保証期間と保証対象
「屋根葺き替え工事一式」としか書かれていない場合は、使用材料や工事範囲を比較できません。
すべての「一式」表記が悪いわけではありませんが、一式の中に何が含まれているのか、別紙や仕様書で確認できることが必要です。
安すぎる見積もりにも理由がある
相見積もりを取ると、一社だけ大幅に安いことがあります。
企業努力によって価格を抑えている可能性もありますが、次の項目が省かれていないか確認してください。
- 既存屋根材の適切な処分
- アスベストの事前調査
- 傷んだ野地板の補修
- 必要な厚さの下地材
- 高耐久な防水シート
- 谷や壁際の板金処理
- メーカーの施工基準に沿った固定
- 工程写真と完了検査
- 工事後の保証とアフターフォロー
値引き額だけで契約を急がせる業者ではなく、工事内容を一つずつ説明してくれる業者を選びましょう。
屋根葺き替え工事に関するよくある質問
Q1. 工事中はずっと家にいなければなりませんか?
A. 基本的に、工事中ずっと在宅する必要はありません。
屋根葺き替え工事は建物の外側で行うため、通常は職人が室内へ入ることもありません。
お仕事や買い物で外出していただいて大丈夫です。
ただし、屋根裏から雨漏りの状態を確認するとき、電源や水道の確認が必要なとき、着工時や完了時の立ち会いをお願いするときは、事前に日時を調整します。
外出中の戸締まりや、2階の窓の施錠も忘れずに行ってください。
Q2. 屋根を剥がした日に雨が降っても、本当に雨漏りしませんか?
A. 適切に工程を管理し、その日のうちに防水シートまで施工するか、確実な雨仕舞いを行えば、雨水の侵入リスクを抑えられます。
ただし、屋根を剥がした状態で雨に降られても絶対に問題がないという意味ではありません。
天気予報を確認し、完了できる範囲だけを撤去することが重要です。
着工前に、急な雨の際の養生方法や、万が一の雨漏り事故への補償体制を確認してください。
Q3. 重い瓦から金属屋根へ葺き替えると雨音が大きくなりますか?
A. 金属は瓦よりも雨粒の音が伝わりやすい素材ですが、実際に室内で聞こえる音は、屋根材だけでは決まりません。
断熱材一体型の金属屋根、防水シート、野地板、屋根裏の空気層、天井断熱材などによって音が軽減されます。
一方で、屋根裏や天井の断熱が少ない住宅では、強い雨の音を以前より感じる可能性があります。
音が気になる方は、屋根材の裏面材だけでなく、屋根裏断熱や天井構造もあわせて確認しましょう。
Q4. 工事中に見つかった下地の腐食で、急に費用が上がることはありますか?
A. 屋根材を撤去するまで確認できない腐食が見つかり、追加補修が必要になることはあります。
ただし、説明もなく工事を進め、後から高額な請求をするのは適切ではありません。
追加工事が必要になった場合は、写真、補修範囲、単価、追加金額を提示してもらい、施主様が了承してから施工する流れを契約前に決めてください。
Q5. アスベスト入りの屋根でも葺き替えできますか?
A. 適切な調査、飛散防止、撤去、運搬、処分を行えば、葺き替え工事は可能です。
ただし、通常の屋根材より慎重な作業と処分が必要になるため、費用や工期が増える可能性があります。
事前調査を行える資格者がいるか、含有が確認された場合に適切な対応ができるかを業者へ確認してください。
Q6. 他社の見積書が「屋根工事一式」ばかりですが、契約しても大丈夫ですか?
A. 一式表記の内訳を確認できない状態では、契約を急がない方が安心です。
屋根材、防水シート、野地板、撤去処分、役物、保証などの内容が分からなければ、他社との比較もできません。
メーカー名、商品名、数量、単価、施工範囲が分かる詳細な見積書や仕様書を出してもらいましょう。
Q7. 火災保険を使えば自己負担ゼロで葺き替えできますか?
A. 台風、強風、ひょうなど、契約している保険の補償対象となる突発的な事故で屋根が損傷した場合は、保険金が支払われる可能性があります。
一方で、色あせ、サビ、防水シートの寿命、長年の雨漏りなど、経年劣化による損傷は一般的に補償対象になりません。
保険を使えるかどうかを決めるのは施工業者ではなく、保険会社です。
「必ず全額出る」「自己負担ゼロになる」と断定して契約を迫る業者には注意してください。
Q8. 屋根の葺き替えと外壁塗装は同時に行った方がよいですか?
A. 外壁にもメンテナンスが必要な時期であれば、同時施工を検討する価値があります。
屋根工事と外壁塗装では、どちらも足場が必要になることが多いため、別々に工事すると足場代が2回かかる可能性があります。
ただし、外壁がまだ健全で工事時期がかなり先の場合は、無理に塗装を早める必要はありません。
屋根と外壁の劣化状況、次回のメンテナンス時期、塗料や屋根材の耐久性を比較して決めましょう。
安心して任せられる屋根工事業者の見極め方
屋根工事は、完成すると防水シートや下地が見えなくなります。
施主様が屋根へ登り、施工品質を直接確認することも危険です。
だからこそ、価格の安さだけでなく、診断、見積もり、工程管理、写真、保証まで含めて業者を選ぶ必要があります。
契約前に確認したい7つのポイント
1. 屋根の状態を写真や映像で説明しているか
「屋根が浮いています」「このままだと雨漏りします」という言葉だけでは、本当に工事が必要なのか判断できません。
屋根材、棟、谷、軒先、屋根裏などの写真を見せ、どの症状にどの工事が必要なのか説明する業者を選びましょう。
2. 葺き替え以外の選択肢も説明するか
塗装、部分補修、カバー工法で対応できる可能性があるのに、最初から高額な葺き替えだけを勧める業者には注意が必要です。
それぞれのメリットとデメリットを説明し、ご自宅の状態に合わせて提案する業者が安心です。
3. 見積書に材料名・数量・単価があるか
新しい屋根材だけでなく、防水シート、野地板、役物、撤去処分、アスベスト調査まで確認してください。
安い見積もりに見えても、必要な工程が別料金になっていることがあります。
4. 下地が傷んでいた場合の対応が決まっているか
追加補修の単価、写真による報告、施主の承認方法を契約前に決めておきましょう。
5. アスベスト事前調査へ適切に対応できるか
古い屋根材を撤去する場合は、事前調査の方法、資格者、含有が判明した場合の処分方法を確認してください。
6. 工程写真と保証書を受け取れるか
完成写真だけでなく、野地板、防水シート、役物など、隠れる工程の写真を残してくれる業者を選びましょう。
保証については、年数だけでなく、屋根材、施工、防水、雨漏りのどこまでが対象なのかを確認します。
7. 地域で継続して対応できる会社か
屋根は工事が終われば二度と問題が起きないとは限りません。
台風後の点検、保証対応、定期点検を依頼できるよう、所在地、連絡先、建設業許可、施工体制、これまでの実績を確認しましょう。
資格の人数や会社規模だけで、施工品質のすべてが決まるわけではありません。
屋根工事を実際に誰が管理し、誰が施工するのか、屋根や板金、防水に必要な知識を持つ担当者がいるのかを確認することが大切です。
アップリメイクには、2025年9月時点で一級建築塗装技能士が11名在籍しています。
塗装だけで対応できない下地補修、板金、防水、屋根の葺き替えについても、建物の状態に応じて必要な職種と連携し、外装全体を確認したうえでご提案しています。
屋根葺き替え工事は期間だけでなく中身を確認しましょう
一般的な戸建て住宅の屋根葺き替え工事は、実働で7日から10日前後、雨天や休工日を含めると2週間前後が目安です。
ただし、瓦の撤去、アスベスト、下地の腐食、複雑な屋根形状、太陽光パネルなどの条件によって、工期は長くなる可能性があります。
工事期間が長いから悪い業者、短いから優れた業者というわけではありません。
必要な下地補修や防水処理を省いて無理に工期を短縮すれば、完成直後はきれいでも、将来の雨漏りや屋根材の浮きにつながるおそれがあります。
契約前には、次の点を確認してください。
- 通常の工事日数と雨天時の予備日
- 毎日の作業内容と騒音が大きい日
- 屋根を剥がした日の雨仕舞い
- 下地補修が必要になった場合の単価
- アスベスト事前調査と処分費
- 屋根材、防水シート、役物の製品名
- 工程写真と工事後の保証範囲
屋根は、表面だけを見て正しい工事方法を決めることが難しい場所です。
「葺き替えた方がよいのか」「カバー工法で大丈夫なのか」「まだ塗装で対応できるのか」と迷っている段階でも、まず現在の状態を確認してみてください。
アップリメイクでは、30倍スコープや高所カメラなどを使い、屋根・外壁を確認する無料のお住まい診断を行っています。
診断後に必ず工事を依頼していただく必要はありません。
今すぐ工事が必要なのか、数年後でもよいのか、部分補修で済むのかを判断する材料としてご利用いただけます。
実際の仕上がりや工事内容を確認したい方は、アップリメイクの施工事例もご覧ください。
担当者の説明や工事中の対応について知りたい方は、お客様の声も業者選びの参考になるかなと思います。
屋根の状態は、同じ築年数でも、屋根材、日当たり、台風、周辺環境、過去のメンテナンスによって異なります。
地上から見えないからこそ、不安を煽る説明ではなく、写真と根拠を見ながら判断することが大切です。
静岡県内で屋根の葺き替え、カバー工法、塗装について迷っている方は、まだ工事を決めていない段階でもお気軽にご相談ください。
あなたのご予算、今後その家に住む年数、屋根の状態を確認し、必要な工事と、まだ必要のない工事を分けてお伝えします。
※本記事に掲載している工期、費用、制度は、一般的な住宅における目安または執筆時点の情報です。
実際の工事期間と費用は、屋根面積、形状、勾配、下地、既存屋根材、アスベストの有無、設備、敷地条件、天候によって異なります。
補助金や助成制度は、年度途中でも受付終了や条件変更となる場合があります。
契約や着工を行う前に、自治体の公式情報と施工業者の見積書をご確認ください。






