こんにちは、株式会社アップリメイク代表取締役の齋藤直樹です。
屋根の葺き替えを考え始めたとき、あなたが一番気になるのは「我が家の場合、結局いくらかかるの?」ということではないでしょうか。
インターネットで調べると、100万円前後と書かれている記事もあれば、200万円以上、条件によっては300万円から500万円かかると説明されている記事もあります。
これだけ金額に幅があると、「どの情報を信じればいいのかわからない」「業者から高い見積もりを出されても、自分では判断できない」と不安になりますよね。
屋根は外壁のように地上から全体を確認することが難しく、屋根材の下にある野地板や防水シートの状態も見えません。
そのため、提示された見積もりの合計金額だけを見ても、高いのか安いのかを判断しにくい工事なんです。
屋根の葺き替えとは、既存の屋根材を撤去し、必要に応じて下地を補修したうえで、防水シートと新しい屋根材を施工する工事です。
表面だけをきれいにする工事ではなく、これから先も安心して暮らせるように、屋根の防水機能と下地を根本から見直す工事と考えるとわかりやすいかなと思います。
私自身、塗装職人として仕事を始め、現在は静岡で屋根・外壁塗装リフォーム専門店を運営しています。
アップリメイクは1973年の創業以来、地域の皆様に支えていただき、施工実績は6,000件以上となりました(2026年4月末時点)。
現場に携わってきた立場からお伝えしたいのは、屋根の葺き替え費用は「坪数」や「屋根材の価格」だけでは決まらないということです。
既存屋根材の種類、アスベストの有無、下地の傷み、屋根の勾配、建物の高さ、トラックを止められるかどうかなど、住宅ごとの条件によって必要な作業量が変わります。
だからこそ、相場の数字だけを覚えるのではなく、「何に費用がかかるのか」「どこを確認すれば適正価格を判断できるのか」を知っておくことが大切です。
この記事では、屋根葺き替えの費用相場、見積書の内訳、金額が高くなりやすい条件、屋根材の選び方、補助金や火災保険の注意点まで詳しく解説します。
30坪前後の住宅で予算を考えている方はもちろん、300万円を超える見積もりを提示されて不安を感じている方にも、判断材料として使っていただける内容です。
最後までお読みいただくことで、あなたの住まいには葺き替えが必要なのか、どの程度の予算を考えておけばよいのか、見積書のどこを確認すべきなのかが見えてきますよ。
記事のポイント
- 30坪前後の住宅における屋根葺き替え費用の現実的な目安
- 塗装・カバー工法・葺き替えの違いと工法を選ぶ判断基準
- 撤去費・下地補修・防水シート・足場など見積書の詳細な内訳
- 300万円から500万円に達する住宅の条件と費用が増える理由
- SGL鋼板・スレート・瓦など屋根材ごとの特徴と注意点
- 静岡で利用できる可能性がある補助制度と火災保険の考え方
- 相見積もりで確認すべき項目と後悔しない業者選び
屋根葺き替えの費用相場は30坪で120万円から240万円前後が目安
一般的な2階建て住宅で屋根の葺き替えを行う場合、延床面積30坪前後なら、総額120万円から240万円前後がひとつの目安になります。
ただし、すべての30坪住宅がこの範囲に収まるわけではありません。
既存のスレート屋根から軽量な金属屋根へ葺き替え、下地の傷みが少なく、アスベストを含まない場合は比較的費用を抑えやすいです。
一方、土葺き瓦の撤去、アスベスト含有材の処分、野地板の全面交換、太陽光パネルの脱着などが必要になると、同じ30坪でも250万円を超えることがあります。
費用相場を見るときは、坪数だけではなく「どの屋根から、どの屋根へ交換するのか」まで確認することが大切です。
坪数別に見た屋根葺き替え費用の目安
| 延床面積の目安 | 葺き替え費用の目安 | 想定される主な条件 |
|---|---|---|
| 25坪前後 | 100万~200万円前後 | 比較的シンプルな2階建て住宅。屋根面積や既存屋根材によって変動。 |
| 30坪前後 | 120万~240万円前後 | スレートから金属屋根への変更を含む一般的な住宅。下地補修の範囲で変動。 |
| 40坪前後 | 150万~290万円前後 | 屋根面積や足場面積が増え、廃材量や役物の数量も増えやすい。 |
| 50坪前後 | 180万~350万円前後 | 大型住宅。瓦、複雑な屋根、下地交換が重なると300万円を超える場合がある。 |
上記は、足場、既存屋根材の撤去、廃材処分、下地確認、防水シート、新しい屋根材、棟板金などを含めた一般的な目安です。
実際には、住宅の階数、屋根の形、勾配、軒の長さ、下屋の有無などによって施工面積が変わります。
同じ30坪の住宅でも、総2階の住宅と1階部分が広い住宅では屋根の大きさが違うため、見積金額も同じにはなりません。
より詳しい坪数別の費用を確認したい方は、10坪から60坪までの屋根葺き替え費用を解説した記事も参考にしてください。
延床面積と屋根面積は同じではありません
屋根葺き替えの費用を調べるときに、特に注意していただきたいのが「30坪の家だから、屋根も30坪程度だろう」という考え方です。
延床面積とは、各階の床面積を合計した数字です。
一方、屋根面積を算出するときの基礎になるのは、建物を真上から見たときの広さに近い「建築面積」です。
たとえば、延床面積30坪の総2階住宅なら、1階部分は15坪前後になる場合があります。
そこへ軒の出と屋根勾配を加えて屋根面積を計算するため、実際の施工面積は60㎡から100㎡程度になることがあります。
反対に、延床面積30坪の平屋では、建築面積も30坪前後になるため、屋根面積が100㎡を大きく超える可能性があります。
寄棟、切妻、片流れといった形状によっても、棟板金や谷板金などの使用量が変わります。
正確な見積もりには、図面からの積算か、現地での実測が欠かせません。
坪数だけで総額を即答する業者よりも、屋根面積を㎡単位で示し、どのように算出したのか説明してくれる業者のほうが信頼しやすいですよ。
塗装・カバー工法・葺き替えのどれを選ぶべきか
屋根が古くなったからといって、すべての住宅で葺き替えが必要になるわけではありません。
屋根リフォームには、主に「屋根塗装」「カバー工法」「葺き替え」の3つがあります。
どの工法が向いているかは、屋根材の種類、下地の状態、雨漏りの有無、今後その家に何年住む予定なのかによって変わります。
| 工法 | 主な工事内容 | 向いている状態 | 主な注意点 |
|---|---|---|---|
| 屋根塗装 | 既存屋根を洗浄・補修し、塗料で保護する | 屋根材と下地が健全で、表面の塗膜が劣化している状態 | 割れや層間剥離が進んだ屋根材、粘土瓦などには向かない |
| カバー工法 | 既存屋根の上へ防水シートと新しい屋根材を重ねる | 下地が健全なスレート屋根など。撤去費を抑えたい場合 | 屋根が重くなる。下地の腐食や雨漏りがある場合は不向き |
| 葺き替え | 既存屋根を撤去し、下地から確認・補修して新設する | 雨漏り、下地劣化、瓦屋根の軽量化、屋根材の寿命が進んだ状態 | 撤去費と処分費が必要で、初期費用は高くなりやすい |
塗装で済む屋根を葺き替える必要はありませんし、下地が腐っている屋根に塗装をしても根本的な解決にはなりません。
カバー工法は、既存屋根材の撤去量を抑えられるため、条件が合えば費用と工期を抑えやすい工法です。
ただし、雨漏りが続いている住宅や、野地板が傷んで釘やビスが効きにくくなっている住宅では、古い屋根の上から新しい屋根を重ねても問題が残ってしまいます。
「安いからカバー工法」「長持ちしそうだから葺き替え」と、金額だけで決めないことが大切です。
カバー工法の注意点については、屋根カバー工法で後悔しやすい原因と対策でも詳しく解説しています。
屋根葺き替え工事の費用内訳
屋根葺き替えの見積書を受け取ったら、合計金額だけではなく、工事項目ごとの数量と単価を確認してください。
「屋根葺き替え工事一式」としか書かれていない見積書では、どの屋根材を使うのか、防水シートの種類は何か、下地補修が含まれているのかを判断できません。
見積書に必要な項目が細かく書かれていれば、他社との比較もしやすくなり、工事後の「入っていると思っていた」「別料金だとは聞いていなかった」という行き違いも防ぎやすくなります。
既存屋根材の撤去費
葺き替えでは、現在の屋根材を一枚ずつ撤去します。
スレート、金属、セメント瓦、陶器瓦など、屋根材の種類によって重さや撤去方法が違うため、費用も変わります。
比較的軽いスレート屋根であれば、撤去費の目安は1㎡あたり2,000円から4,000円前後です。
陶器瓦やセメント瓦は重量があるため、職人の人数、荷下ろしの手間、運搬車両、廃材処分量が増えます。
瓦屋根では、撤去と処分を合わせて1㎡あたり4,000円から7,000円前後になることもあります。
特に費用が増えやすいのが、瓦の下に土が敷かれている「土葺き屋根」です。
瓦だけでなく大量の土を屋根から下ろし、運搬して処分する必要があるため、一般的な瓦屋根よりも作業日数が長くなります。
土の量、搬出経路、トラックの駐車位置によっては、撤去工程だけで数十万円の差が生じることも珍しくありません。
廃材の運搬・処分費
撤去した屋根材は、産業廃棄物として適切に運搬・処分する必要があります。
見積書では「既存屋根撤去費」と「廃材処分費」が分かれている場合もあれば、まとめて記載されている場合もあります。
どちらの書き方でも問題はありませんが、処分する屋根材の種類と数量、運搬費が含まれているかは確認してください。
住宅の前にトラックを止められない場合は、廃材を人の手で運んだり、小型車へ積み替えたりする「小運搬」が必要になります。
この費用は見落とされやすいのですが、狭い道路や高低差のある敷地では、実際の作業時間に大きく影響する項目です。
アスベストの事前調査と処分費
古いスレート屋根の葺き替えでは、アスベスト(石綿)の有無を確認する必要があります。
製造年代だけで含有の有無を断定することはできないため、設計図書、建材の商品名、目視、必要に応じた分析によって判断します。
建築物の解体・改修工事では、工事範囲の建材について、規模にかかわらず事前調査を行う必要があります。
また、2023年10月以降に着工する建築物の工事では、一定の要件を満たした調査者による事前調査が必要です。
行政への事前調査結果の報告については、建築物の改修工事で請負金額が税込100万円以上になる場合など、定められた条件に該当すると必要になります。
アスベストを含む屋根材を撤去するときは、飛散を抑えるための作業方法、適切な梱包、運搬、処分が必要です。
そのため、非含有の屋根材より撤去・処分費が高くなります。
見積書では、次の点を確認してください。
- 事前調査費が含まれているか
- 屋根材の商品名や製造年代を確認しているか
- 分析が必要になった場合の費用が示されているか
- 含有が判明した場合の撤去・処分単価が示されているか
- 関係法令に沿った処理方法を説明してくれるか
アスベストの有無が不明なのに、処分費が極端に安い見積もりには注意が必要です。
工事開始後に追加費用が発生する可能性があるため、契約前に「含有が判明した場合はいくら増えるのか」を確認しておくと安心です。
詳しい調査方法や費用については、屋根葺き替えとアスベストの事前調査を解説した記事もご覧ください。
野地板の補修・増し張り費
野地板とは、屋根材と防水シートを支える木製の下地です。
屋根材を撤去すると、それまで見えなかった野地板の状態を直接確認できます。
雨漏りがなくても、長年の湿気、結露、釘穴からの浸水などによって、部分的に傷んでいることがあります。
野地板が柔らかくなっていると、新しい屋根材を固定する釘やビスが十分に効きません。
その状態で新しい屋根を施工すると、強風時の浮きや、板金部材の緩みにつながる可能性があります。
補修方法には、傷んだ部分だけを交換する方法と、既存の野地板の上から新しい構造用合板を張る方法があります。
野地板の増し張りは、1㎡あたり2,000円から5,000円前後が目安ですが、使用する合板の厚さや施工範囲によって変わります。
ここで難しいのは、屋根材を剥がすまで正確な傷みの範囲がわからないことです。
そのため、見積もり段階では次のように確認しておくと安心です。
- 野地板補修が標準工事に含まれている範囲
- 追加補修が必要になった場合の㎡単価
- 全面増し張りを行う条件
- 追加工事を行う前に写真と金額を提示してもらえるか
「下地補修は現場で判断します」だけでは、最終金額が読めません。
追加工事の判断方法と単価まで契約前に決めておくことが、トラブルを防ぐ大切なポイントですよ。
防水シートの材料費と施工費
屋根材の下に施工する防水シートは、ルーフィングとも呼ばれます。
屋根材が一次防水だとすれば、ルーフィングは建物内部への浸水を防ぐ二次防水です。
強風を伴う雨では、屋根材の重なり部分から少量の雨水が入り込むことがあります。
その水を軒先まで流し、野地板や屋根裏へ浸入させない役割を担うのが防水シートです。
防水シートには、一般的なアスファルトルーフィング、改質アスファルトルーフィング、粘着層付きの製品、透湿性を持つ製品などがあります。
価格だけでなく、釘穴への止水性、耐久性、屋根材との相性、メーカーの保証条件を確認してください。
防水シートは完成後に見えなくなるため、見積書へ「高耐久ルーフィング」とだけ書くのではなく、メーカー名と製品名を記載してもらうことが大切です。
材料の差額は工事総額から見れば大きくない場合がありますが、将来の雨漏りリスクに関わる重要な部分です。
葺き替えを行うのであれば、表面の屋根材だけではなく、防水シートの仕様にも目を向けてください。
新しい屋根材の材料費・施工費
新しい屋根材の費用は、材料そのものの価格と、加工・施工する職人の手間で構成されます。
同じ金属屋根でも、断熱材一体型、石粒付き、立平葺きなど、製品と工法によって価格が変わります。
また、屋根の平らな部分に使う本体材だけでなく、棟、軒先、ケラバ、谷、壁際などに使用する役物部材も必要です。
複雑な屋根では役物が増え、現場での切断や折り曲げ加工も多くなるため、単純な屋根より施工費が上がります。
見積書では、次の内容を確認しましょう。
- 屋根材のメーカー名と正式な商品名
- 屋根材本体の施工面積
- 棟・ケラバ・谷などの役物費
- 換気棟の有無と数量
- 雪止め金具の有無
- メーカー保証と施工店の保証
足場と飛散防止シートの費用
屋根工事では、高所からの墜落を防ぎ、安全に作業するための設備が欠かせません。
法令では、高さ2メートル以上の場所で墜落の危険がある場合、作業床、手すり、囲い、墜落制止用器具など、状況に応じた防止措置が求められています。
一般的な戸建て住宅の屋根葺き替えでは、建物の周囲へ足場を設置し、飛散防止シートを張って作業する方法が基本です。
足場費用は、一般的な住宅で15万円から30万円前後が目安です。
3階建て、敷地が狭い住宅、道路使用の手続きが必要な現場、建物の高さや形状が特殊な現場では、さらに費用がかかることがあります。
6寸勾配前後を超える急な屋根では、外周足場とは別に、屋根面へ「屋根足場」を設置する場合があります。
屋根足場は職人の転落防止だけでなく、両手を使って正確な施工を行うためにも必要です。
足場代を単なる仮設費と考える方もいらっしゃいますが、施工品質と安全性を支えるための費用なんです。
「足場代無料」と書かれた見積もりを見た場合は、すぐにお得だと判断するのではなく、足場費がほかの項目や総額に含まれていないか確認してください。
無料表示そのものが問題なのではありません。
大切なのは、足場をどのように組むのか、安全対策が十分なのか、工事全体の内容と総額が適正なのかという点です。
現場管理費・諸経費
屋根葺き替えでは、材料費と職人の作業費以外にも、現場管理、車両、交通、養生、近隣対応、清掃、書類作成などの費用がかかります。
これらは「諸経費」や「現場管理費」として記載されることがあります。
諸経費が記載されていること自体は不自然ではありません。
ただし、金額が大きい場合は、何が含まれているのか説明を求めてください。
反対に、諸経費が一切ない見積もりでも、別の工事項目に含まれていることがあります。
項目名だけで高い、安いと決めるのではなく、最終的な工事範囲と総額で比較しましょう。
30坪住宅の屋根葺き替え見積もり例
ここでは、延床面積30坪前後の2階建て住宅で、スレート屋根から断熱材一体型の金属屋根へ葺き替える場合の一例をご紹介します。
実際の金額を保証するものではありませんが、見積書の項目を確認する参考にしてください。
| 工事項目 | 費用の目安 | 確認したい内容 |
|---|---|---|
| 仮設足場・飛散防止シート | 15万~30万円 | 足場面積、屋根足場の有無、道路使用の有無 |
| 既存スレート撤去 | 15万~35万円 | 施工面積、石綿の有無、撤去方法 |
| 廃材運搬・処分 | 10万~30万円 | 処分する建材、数量、小運搬の有無 |
| 野地板補修・増し張り | 10万~40万円 | 合板の厚さ、施工面積、追加補修時の単価 |
| 防水シート | 8万~20万円 | メーカー名、製品名、施工面積 |
| 金属屋根本体 | 55万~100万円 | 商品名、断熱材の有無、保証内容 |
| 棟・ケラバ・谷などの役物 | 10万~30万円 | 各部材の数量、換気棟、雪止め |
| 現場管理・諸経費 | 8万~20万円 | 管理、車両、養生、清掃などの内容 |
| 合計 | おおむね130万~250万円前後 | 屋根面積、下地、石綿、屋根形状によって変動 |
見積書の金額がこの範囲から外れていても、すぐに高すぎる、安すぎると判断する必要はありません。
大切なのは、差額の理由が説明されているかどうかです。
たとえば、下地を全面的に交換する見積もりと、部分補修だけの見積もりでは、同じ屋根材を使っても総額が大きく変わります。
複数の見積書を比較するときは、金額だけでなく、工事条件をそろえて比較してください。
見積書の確認方法は、屋根葺き替え見積もりのチェック項目でも詳しく解説しています。
◆齋藤のワンポイントアドバイス
屋根の葺き替えで一番見落とされやすいのは、完成すると見えなくなる部分です。
屋根材の色やデザインも大切ですが、野地板をどのように補修するのか、防水シートは何を使うのか、棟や壁際をどのように納めるのかで、工事後の安心感は変わります。
見積書を見るときは、合計金額だけでなく「完成後に見えなくなる部分へ、どのような材料と手間をかけるのか」を確認してください。
そこまで丁寧に説明してくれる業者であれば、工事内容にも向き合っている可能性が高いかなと思います。
屋根葺き替え費用が300万円から500万円になる主な理由
屋根葺き替えの見積もりが300万円を超えると、「相場より高すぎるのではないか」と心配になると思います。
確かに、一般的な30坪前後の住宅で、特別な条件がないにもかかわらず300万円を大きく超えている場合は、内訳を詳しく確認する必要があります。
ただし、住宅の規模や構造、既存屋根の状態によっては、300万円から500万円になること自体が不自然とは限りません。
50坪を超える大型住宅
延床面積が50坪、60坪を超える住宅では、屋根面積も足場面積も大きくなります。
材料費だけでなく、屋根材を荷揚げする回数、撤去した廃材を運ぶ回数、施工日数、職人の人数も増えます。
二世帯住宅や平屋の大型住宅は、延床面積に対して屋根面積が大きくなりやすいため、坪数から想像する以上に費用がかかることがあります。
土葺き瓦の撤去
昔ながらの土葺き瓦は、瓦の下に大量の土が入っています。
瓦と土を別々に屋根から下ろし、適切に運搬・処分する必要があるため、通常のスレート屋根より撤去工程が大幅に増えます。
既存の野地板や垂木まで傷んでいる場合は、屋根の構造補修も必要になります。
撤去、処分、下地補強が重なると、屋根工事だけで300万円前後になることもあります。
アスベスト含有屋根材
アスベストを含む屋根材では、事前調査、飛散防止、適切な梱包、運搬、処分が必要です。
屋根面積が大きいほど処分量も増えるため、追加費用が数十万円単位になることがあります。
アスベスト対策費が見積書に含まれているか、工事後に追加される可能性があるのかを確認してください。
野地板や垂木の広範囲な腐食
雨漏りを長期間放置していた住宅では、屋根材と防水シートだけでなく、野地板や垂木まで傷んでいることがあります。
垂木とは、野地板を支えるための構造材です。
垂木まで腐食している場合は、屋根工事だけでなく大工工事が必要になります。
屋根を支える部分を直さずに新しい屋根材を載せることはできないため、補修範囲が広いほど費用が増えます。
太陽光パネルの脱着
太陽光パネルが設置されている屋根では、屋根材を撤去する前にパネルと架台を取り外す必要があります。
工事後は、架台の位置、防水処理、配線、発電状態を確認しながら再設置します。
パネルの枚数、設備の年式、メーカー保証、足場条件によって費用は変わりますが、数十万円以上の追加費用がかかる場合があります。
太陽光発電の専門業者と屋根業者の連携が必要になることもあるため、誰が脱着と保証を担当するのか確認してください。
複雑な屋根形状や天窓
屋根の面が多い住宅、谷が多い住宅、天窓やドーマーがある住宅では、現場加工の量が増えます。
屋根材本体を張るだけでなく、雨水が集まりやすい部分へ板金を加工し、丁寧に防水処理しなければなりません。
屋根が複雑になるほど施工速度は下がり、役物の材料費と職人の手間が増えます。
屋根以外の工事も含まれている
見積もり総額が400万円、500万円になっている場合は、屋根葺き替えだけでなく、外壁塗装、防水工事、雨樋交換、軒天補修、破風板金、シーリング工事などが含まれていることがあります。
総額だけを見て高いと判断せず、「屋根だけの費用」と「同時に行う工事」を分けてもらうと比較しやすくなります。
高額な見積もりには、高額になるだけの工事内容があるのかを確認してください。
説明を求めても「古い家だから」「全部必要だから」としか答えてくれない場合は、別の業者にも現地調査を依頼したほうが安心です。
屋根材の種類別に見る価格・耐久性・向いている住宅
新しい屋根材は、初期費用だけで選ばないことが大切です。
この先どれくらい住むのか、外観をどのようにしたいのか、将来の塗装や点検にどれくらい費用をかけられるのかによって、向いている材料が変わります。
| 屋根材 | 材工価格の目安 | 期待される使用期間の目安 | 主な特徴 |
|---|---|---|---|
| SGL鋼板系の金属屋根 | 9,000~15,000円/㎡前後 | 25~40年以上を目指せる製品が多い | 軽量で耐震面に配慮しやすい。断熱材一体型もある。 |
| 化粧スレート | 6,000~10,000円/㎡前後 | 20~30年前後 | 初期費用を抑えやすい。定期的な点検と塗装が必要になりやすい。 |
| ハイブリッド瓦 | 12,000~20,000円/㎡前後 | 30年以上を目指せる製品が多い | 瓦らしい外観と軽量性を両立しやすい。初期費用は高め。 |
| 陶器瓦・粘土瓦 | 12,000~22,000円/㎡前後 | 50年以上使われる例もある | 瓦自体は長持ちしやすいが、重量と下地・漆喰の維持に注意。 |
| 石粒付き金属屋根 | 11,000~18,000円/㎡前後 | 30年以上を目指せる製品が多い | 軽量で意匠性が高い。製品ごとの保証内容を確認したい。 |
耐用年数は、材料だけで決まるものではありません。
沿岸部の塩害、日当たり、屋根の勾配、施工方法、点検頻度などによって状態は変わります。
メーカーが示す保証年数と、実際に建物で使用できる期間も同じではないため、数字だけを比較しないようにしてください。
SGL鋼板系の金属屋根
SGL鋼板は、ガルバリウム鋼板をベースにマグネシウムを加え、耐食性を高めた鋼板です。
製造メーカーは、複合サイクル試験の結果に基づき、ガルバリウム鋼板の3倍超の耐食性を実現したと説明しています。
ただし、「3倍長持ちする」「一生錆びない」という意味ではありません。
切断部分、傷、異種金属との接触、潮風、落ち葉や泥の滞留などによって錆が発生する可能性があります。
軽量で建物への負担を抑えやすいため、瓦屋根からの葺き替えでは有力な選択肢です。
断熱材一体型の製品は、金属屋根の裏側へ断熱材が付いているため、雨音や熱の伝わり方を抑える効果が期待できます。
ただし、室温が何度下がるかは、天井断熱、小屋裏換気、窓、外壁などの条件でも変わります。
「この屋根材にすれば必ず室温が大幅に下がる」といった説明ではなく、住宅全体の断熱・換気条件を見ながら選ぶことが大切です。
化粧スレート
化粧スレートは、比較的価格を抑えやすく、色やデザインの選択肢も豊富です。
一方で、表面の塗膜が劣化すると、色あせ、吸水、反り、ひび割れが起こることがあります。
定期的な点検と、屋根材の状態に応じた塗装が必要になりやすい材料です。
初期費用を抑えたい方には向いていますが、将来の塗装費用や足場代も含めて検討してください。
ハイブリッド瓦
ハイブリッド瓦は、瓦らしい厚みや重厚感を持ちながら、陶器瓦より軽量な製品です。
金属屋根の外観が住宅に合わないと感じる方や、和風住宅の雰囲気を残したい方に向いています。
材料費は金属屋根より高くなることがありますが、外観と軽量化を両立したい場合には検討する価値があります。
陶器瓦・粘土瓦
陶器瓦や粘土瓦は、瓦本体が長持ちしやすく、基本的に塗装を必要としない材料です。
ただし、瓦が長持ちしても、その下にある防水シート、桟木、野地板、漆喰などは別に劣化します。
「瓦だからメンテナンス不要」というわけではありません。
また、金属屋根より重量があるため、建物の構造や耐震計画を確認したうえで選ぶ必要があります。
工事費を押し上げる屋根形状・立地・設備
同じ屋根材を選び、屋根面積も近いのに、住宅によって見積金額が違うことがあります。
その理由は、現場ごとの作業条件です。
急勾配の屋根
勾配が急な屋根では、職人が屋根面に立って作業することが難しくなります。
屋根足場や親綱などの安全設備が必要になり、材料の仮置きや移動にも時間がかかります。
安全対策費だけでなく、1日に施工できる面積が少なくなるため、施工費も上がりやすくなります。
屋根の面が多い住宅
切妻屋根のように面が少なくシンプルな屋根は、材料のロスや加工の手間を抑えやすいです。
寄棟、入母屋、複数の下屋がある住宅では、棟、谷、壁際などの納まりが増えます。
役物が増えるだけでなく、雨水の流れを考えながら一つずつ加工する必要があるため、施工費が上がります。
3階建て住宅
3階建てでは足場が高くなり、資材の荷揚げや廃材の荷下ろしにも時間がかかります。
風の影響も受けやすいため、足場の補強や安全管理がより重要です。
2階建てと同じ屋根面積でも、足場費と作業費が高くなることがあります。
敷地が狭い・トラックを横付けできない
住宅密集地や狭い道路に面した住宅では、大型トラックやクレーン車を近くへ止められないことがあります。
新しい屋根材を人力で運び、撤去した屋根材も小分けにして搬出する必要があります。
道路使用許可や交通誘導員が必要になる場合もあるため、現地調査では道路と駐車スペースの確認も欠かせません。
天窓・煙突・太陽光パネルがある
天窓や煙突の周囲は、雨水が入りやすい部分です。
既存の防水処理を外し、新しい屋根材に合わせて板金や防水シートを施工し直す必要があります。
天窓自体が古い場合は、屋根工事と同時に交換または撤去する選択肢もあります。
屋根を新しくした数年後に天窓から雨漏りし、再び屋根を触ることにならないよう、製品の年式や劣化状態も確認しましょう。
静岡で確認したい補助金・助成金
屋根葺き替えに利用できる補助金は、いつでも誰でも受け取れるものではありません。
制度ごとに、住宅の所在地、築年数、世帯条件、工事内容、施工業者、申請時期などの条件があります。
特に注意していただきたいのは、一般的な屋根の経年劣化や雨漏り修理だけでは、補助対象にならない場合が多いことです。
静岡市には一般的な屋根塗装・雨漏り修理の補助制度はありません
静岡市は、2026年5月時点の案内で、外壁・屋根塗装や雨漏り修理に対する一般的な補助制度を設けていないと案内しています。
そのため、「静岡市なら屋根工事費の10%が必ず補助される」といった説明には注意してください。
ただし、住宅の条件や工事目的によっては、耐震補強、空き家改修、移住支援など別の制度を利用できる可能性があります。
旧耐震基準の木造住宅は耐震補強制度を確認
1981年5月31日以前に建築された木造住宅では、耐震診断や耐震補強工事に関する補助制度を利用できる可能性があります。
屋根を軽量化するだけで自動的に補助対象になるわけではありません。
耐震診断を行い、定められた耐震評点を満たすための補強計画に基づいて工事を行うことなど、条件があります。
2026年度の静岡市木造住宅耐震事業では、補強計画と補強工事にかかる対象経費の8割、上限115万円という案内があります。
制度の内容、受付期間、予算残額は変わる可能性があるため、契約前に静岡市やお住まいの自治体へ確認してください。
補助金は契約・着工前の申請が基本
多くの補助制度では、工事契約や着工の前に申請し、交付決定を受ける必要があります。
工事を始めてから制度を知っても、対象にならないことがあります。
補助金を検討している場合は、業者へ相談すると同時に、自治体の担当窓口へ直接確認することが大切です。
年度の途中で予算上限に達し、受付が終了する制度もあります。
屋根葺き替えと補助制度の考え方については、屋根葺き替えの補助金・助成金を解説した記事も参考にしてください。
火災保険が利用できるのは自然災害による損害
火災保険は、契約内容によって風災、雹災、雪災などが補償されることがあります。
たとえば、台風によって棟板金が飛んだ、強風で飛来物が当たり屋根材が割れた、雹で屋根材が損傷したといった場合です。
一方、紫外線や雨風によって少しずつ進んだ色あせ、錆、ひび割れ、腐食などは、経年劣化と判断され、補償対象にならないのが一般的です。
火災保険が適用されるかどうかを決めるのは、工事業者ではなく保険会社です。
業者が「必ず保険金が出ます」「自己負担なしで全面葺き替えできます」と断定することはできません。
保険を申請するときは、次の内容を確認してください。
- 保険契約に風災・雹災・雪災などの補償があるか
- 損傷が発生した時期と原因を説明できるか
- 災害による損傷箇所と経年劣化を分けているか
- 写真と修理見積書の内容が一致しているか
- 保険金が認定される前に高額な契約を求められていないか
事実と異なる原因で申請することはできません。
自然災害による損傷が疑われる場合は、屋根の状態を写真で記録し、保険会社と相談しながら手続きを進めてください。
詳しくは、火災保険による屋根修理と経年劣化の違いをご覧ください。
屋根葺き替え費用を抑える現実的な方法
必要な工程を削ったり、下地補修を省いたりして安くすることは、本当の節約とはいえません。
数年後に雨漏りや屋根材の浮きが発生すれば、再び足場を組み、補修費を支払うことになります。
品質を落とさずに負担を抑えるには、工事の時期、発注方法、材料の選び方を工夫することが大切です。
外壁塗装と同時に行い足場を共用する
屋根工事と外壁塗装には、どちらも足場が必要になるケースが多いです。
別々の時期に工事を行うと、足場の組立・解体費をそれぞれ支払うことになります。
屋根と外壁のメンテナンス時期が近い場合は、同時に行うことで、足場を1回で共用できます。
一般的な住宅では、足場費用が15万円から30万円前後になることがあります。
屋根と外壁を別々に施工すれば、同程度の足場費が2回必要になる可能性があります。
ただし、外壁がまだ健全なのに、足場代を節約するためだけに早すぎる塗装をする必要はありません。
屋根と外壁の劣化状態を一緒に診断し、数年以内に外壁塗装が必要になる見込みなら、同時施工を検討するという順番がよいかなと思います。
詳しくは、外壁と屋根を同時に施工する費用とメリットをご覧ください。
同じ工事条件で相見積もりを取る
相見積もりは、2社から3社程度を目安に取ると比較しやすくなります。
ただし、各社が違う屋根材や防水シートを提案している状態では、金額を正しく比較できません。
比較するときは、次の条件をそろえてください。
- 屋根の施工面積
- 既存屋根材の撤去範囲
- アスベスト調査と処分の条件
- 野地板補修の範囲と追加単価
- 防水シートの製品
- 新しい屋根材の製品
- 棟・谷・換気棟・雪止めなどの役物
- 足場と屋根足場
- 保証内容
安い見積もりに必要な工程が入っていなければ、契約後に追加費用が発生する可能性があります。
金額だけでなく、工事範囲をそろえて比較することが大切です。
雨漏りする前に点検する
屋根材の劣化が進んでも、すぐに室内へ雨漏りするとは限りません。
防水シートが雨水を受け止めている間は、室内に症状が出ないことがあります。
しかし、防水シートや野地板まで傷んでしまうと、屋根材だけを交換する工事では済まなくなります。
天井にシミが出てからでは、断熱材、天井材、柱などの補修が必要になることもあります。
定期点検は工事を急がせるためではなく、大きな補修になる前に状態を把握するためのものです。
築年数だけで決めず、屋根材の割れ、板金の浮き、錆、雨染みなどを確認しておくと安心です。
初期費用ではなく将来の維持費で比較する
安価な屋根材を選べば、最初の工事費は抑えられます。
ただし、将来の塗装回数、点検、補修、足場費まで含めると、高耐久な屋根材のほうが総額を抑えられる場合があります。
反対に、10年後に建て替えを予定している住宅へ、必要以上に高価な屋根材を選ぶ必要はありません。
何年住む予定なのか、将来売却する可能性があるのか、外壁の次回メンテナンスはいつなのかを考え、住まいの計画に合う材料を選びましょう。
失敗しない屋根葺き替え業者の選び方
屋根葺き替えは、材料を選ぶだけでは成功しません。
同じ屋根材を使っても、下地確認、防水シートの重ね方、板金の加工、ビスの位置、壁際の納まりなどによって仕上がりが変わります。
業者を選ぶときは、会社の規模や営業トークだけでなく、調査、見積もり、施工、保証まで確認してください。
現地調査で屋根全体を確認しているか
地上から少し眺めただけでは、屋根材の割れ、板金の浮き、谷部の錆などを正確に確認できません。
ドローン、高所カメラ、屋根裏の確認など、住宅に合った方法で調査しているかを確認してください。
危険な屋根へ無理に上る必要はありません。
大切なのは、見積もりの根拠となる写真や映像を提示してくれることです。
屋根面積が㎡で記載されているか
「30坪住宅一式」という見積もりでは、実際に何㎡施工するのかわかりません。
屋根本体、防水シート、野地板、撤去処分など、面積に応じて費用が変わる項目は、数量と単価が記載されていることが望ましいです。
複数社の屋根面積が大きく違う場合は、算出方法を確認しましょう。
製品名と仕様が書かれているか
「金属屋根」「高耐久ルーフィング」だけでは、どの製品を使うのかわかりません。
メーカー名、商品名、色、厚み、断熱材の有無、保証内容まで書かれていると、契約内容が明確になります。
追加工事の条件が決まっているか
屋根材を撤去したあとに、想定以上の腐食が見つかることはあります。
問題は、追加工事が発生することではなく、条件と単価が決まっていないことです。
追加補修を行う前に写真で報告し、金額の了承を得る仕組みがあるか確認してください。
施工中の写真を残してくれるか
野地板、防水シート、棟下地などは、屋根材を施工すると見えなくなります。
各工程を写真で残してもらえば、契約どおりの材料と工程で施工されたかを確認できます。
アップリメイクでは、お客様から見えにくい工程も写真に収め、工事写真報告書としてお渡ししています。
保証の対象範囲が書面になっているか
屋根工事の保証には、材料に関するメーカー保証と、施工に関する工事保証があります。
「30年保証」と書かれていても、対象が鋼板の穴あきだけで、色あせや施工不良は対象外ということがあります。
保証期間だけでなく、次の内容を確認してください。
- 誰が保証するのか
- 何が保証対象になるのか
- 免責事項は何か
- 定期点検やメンテナンスが保証条件になっているか
- 保証書が工事完了後に発行されるか
大幅な値引きで契約を急がせないか
「今日契約すれば100万円値引きします」「近所で工事しているので足場代を無料にします」と、契約を急がせる業者には注意してください。
本当に必要な工事費であれば、短時間で大幅に変わる理由を確認する必要があります。
見積書を持ち帰り、家族で検討する時間を与えてくれる業者を選びましょう。
屋根葺き替えの工事期間と一般的な流れ
一般的な戸建て住宅の屋根葺き替えは、足場設置から解体まで、おおむね10日から3週間前後が目安です。
屋根面積、屋根材、下地補修、天候、太陽光パネルの有無によって期間は変わります。
土葺き瓦、大型住宅、下地の全面交換などがある場合は、3週間以上かかることもあります。
1. 足場設置と養生
建物の周囲へ足場を組み、飛散防止シートを設置します。
資材置き場、車両の位置、隣家との距離も確認します。
2. 既存屋根材の撤去
既存の瓦、スレート、金属屋根などを撤去します。
雨が降る可能性を考え、一度に屋根全体を開けず、その日のうちに防水できる範囲で進めることがあります。
3. 野地板の確認・補修
屋根材と古い防水シートを外したあと、野地板の腐食、割れ、たわみを確認します。
必要に応じて部分交換や増し張りを行います。
4. 防水シートの施工
軒先側から上へ向かって防水シートを施工します。
シートの重なり幅、谷、壁際、天窓周辺など、雨水が入りやすい部分を丁寧に処理します。
5. 新しい屋根材の施工
屋根材本体を施工し、棟、ケラバ、谷、壁際などの役物を取り付けます。
必要に応じて換気棟、雪止め金具なども施工します。
6. 完了検査・清掃・足場解体
屋根材の固定、板金の納まり、シーリング、防水処理、傷の有無を確認します。
敷地内と周辺を清掃し、問題がなければ足場を解体します。
工事期間の詳しい流れは、屋根葺き替え工事の工程と期間を解説した記事も参考にしてください。
屋根葺き替え工事に関するよくある質問
Q1. 葺き替えとカバー工法はどちらを選べばよいですか?
A. 下地の状態、既存屋根材、今後の居住年数で判断します。
野地板の腐食、長期間の雨漏り、土葺き瓦、屋根を軽量化したい場合は、葺き替えが向いていることが多いです。
下地が健全なスレート屋根で、撤去費用を抑えたい場合は、カバー工法が選択肢になります。
見た目だけでは下地を判断できないため、屋根表面と屋根裏の両方を確認してもらいましょう。
Q2. 30坪で200万円を超える見積もりは高すぎますか?
A. 200万円を超えているだけで高すぎるとは判断できません。
瓦の撤去、アスベスト処分、野地板の全面補修、急勾配、太陽光パネルの脱着などがあれば、200万円を超えることがあります。
屋根材、防水シート、下地補修、足場、処分費の内訳を確認し、差額の理由を説明してもらってください。
Q3. 見積書は何社から取ればよいですか?
A. 2社から3社程度が比較しやすいかなと思います。
数を増やしすぎると、各社の屋根材、工法、保証条件が違い、かえって判断しにくくなることがあります。
施工面積、屋根材、防水シート、下地補修条件をそろえ、同じ条件で比較してください。
Q4. 雨樋も必ず交換したほうがよいですか?
A. 雨樋の状態が良ければ、必ず交換する必要はありません。
割れ、変形、勾配不良、継ぎ目からの漏れ、金具の緩みなどがある場合は、足場があるタイミングで交換すると、将来の足場費を抑えやすくなります。
一般的な2階建て30坪前後の住宅では、雨樋本体の全交換が20万円から40万円前後、雨樋工事のために新たに足場を組む場合は、合計30万円から60万円前後になることがあります。
屋根工事で設置した足場を共用できる場合は、雨樋工事のためだけに別の足場を組む必要がありません。
Q5. 工事中も家で生活できますか?
A. 多くの場合、工事中も室内で生活できます。
ただし、屋根材の撤去、釘やビスの施工、資材の移動により、大きな音や振動が発生する時間帯があります。
小さなお子様、夜勤の方、在宅勤務の方、音に敏感なペットがいる場合は、事前に工程を確認しておくと安心です。
Q6. 工事中に雨が降っても大丈夫ですか?
A. 雨天時は、屋根を開ける作業を中止するのが基本です。
施工業者は天気予報を確認し、その日のうちに防水できる範囲で撤去作業を進めます。
突然の雨に備え、防水シートや養生シートを用意し、屋根を開けたままにしない工程管理が重要です。
Q7. アスベストが入っているか自分で見分けられますか?
A. 見た目や築年数だけで正確に判断するのは困難です。
設計図書、商品名、製造年代を確認し、判断できない場合は分析調査を行います。
屋根材を自分で割ったり削ったりすると、粉じんが発生する可能性があるため、専門家へ確認を依頼してください。
Q8. 金属屋根は雨音がうるさくありませんか?
A. 金属板だけを施工すると雨音が伝わりやすいことがありますが、現在は断熱材一体型の製品や、下地との組み合わせで音を抑えやすくなっています。
音の感じ方は、天井断熱、小屋裏空間、屋根形状によっても変わります。
雨音が心配な場合は、屋根材の裏面構造や断熱材の厚さを確認してください。
Q9. 契約後に追加費用が発生することはありますか?
A. 屋根材を剥がしたあとに、想定できなかった下地腐食が見つかる場合があります。
追加費用が絶対に発生しないとは言い切れませんが、契約前に追加補修の単価と承認方法を決めておくことはできます。
写真による報告と金額提示を受け、あなたが了承してから追加工事を行う業者を選びましょう。
Q10. 屋根葺き替え後は何年ごとに点検すればよいですか?
A. 台風や強風のあとに異常がないか確認し、数年ごとに専門家の点検を受けると安心です。
屋根材が高耐久でも、板金、シーリング、雪止め、雨樋などは別に劣化します。
メーカーや施工店が定期点検を保証条件にしている場合もあるため、保証書も確認してください。
静岡で屋根葺き替えを検討するときは現状確認から始めましょう
屋根の葺き替えは、100万円、200万円を超えることもある大きな工事です。
だからこそ、「傷んでいると言われたから」「今なら安くすると言われたから」という理由だけで、急いで契約する必要はありません。
最初に行うべきことは、屋根材、防水シート、下地がどのような状態なのかをできる限り正確に確認することです。
塗装で対応できるのか、カバー工法が向いているのか、葺き替えが必要なのか。
さらに、今すぐ工事が必要なのか、数年後でもよいのか。
住宅の状態と、あなたの今後の暮らし方を一緒に考えたうえで、工事方法を選ぶことが大切です。
アップリメイクは、1973年の創業以来、静岡で屋根・外壁塗装リフォームに携わってきました。
私たちが大切にしているのは、工事を受注することだけではありません。
何をすることがお客様にとって最もよいのかを考え、必要のない工事を急がせず、必要な工事は理由と内容をわかりやすくお伝えすることです。
30倍スコープ、高所カメラなどを使いながら建物の状態を確認し、撮影した写真をもとにご説明します。
見積書には、使用材料、工法、面積、工事費、保証内容などをできる限り明確に記載します。
工事中は、完成後に見えなくなる工程も写真で記録し、工事写真報告書としてご確認いただけます。
実際の仕上がりや工事内容を確認したい方は、アップリメイクの施工事例もご覧ください。
業者選びで迷っている方は、実際に工事をご依頼いただいた方のお客様の声も判断材料になるかなと思います。
「見積もりが適正なのかわからない」「葺き替えとカバー工法で迷っている」「屋根だけでなく外壁も一緒に見てほしい」といったご相談でも大丈夫です。
まだ工事をするか決めていない段階でも、まずは現在の状態を知ることから始めてください。
お住まいの状態、今後の居住予定、ご予算をお聞きしながら、無理のない選択肢をご提案します。
静岡で生まれ、静岡で育った会社として、地域の皆様に安心、満足だけでなく、幸せや感動までお届けできる仕事を目指して、これからも一つひとつの住まいに向き合ってまいります。
※本記事に記載した金額は、2026年時点の一般的な施工条件と、アップリメイクが確認している工事内容をもとにした目安です。実際の費用は、屋根面積、既存屋根材、アスベストの有無、下地の劣化、屋根勾配、立地条件、使用製品などによって変わります。正確な金額は、現地調査と実測後の見積書でご確認ください。
※補助金、助成金、火災保険、法令、メーカー保証の条件は変更される場合があります。契約や着工前に、自治体、保険会社、製造メーカーなどの公式情報をご確認ください。






