屋根カバー工事とは?向いている家・工事の流れ・費用目安をわかりやすく

屋根の劣化を気にして塗装か葺き替えかで悩んでいる男性のイラスト

こんにちは、株式会社アップリメイク代表取締役の齋藤直樹です。

「屋根が色あせてきたけれど、塗装で済ませても大丈夫なのかな?」

「葺き替えを勧められたけれど、費用が高くてなかなか決断できない」

「屋根カバー工法なら安くできると聞いたけれど、あとから後悔しないだろうか?」

屋根のリフォームを考え始めると、塗装、カバー工法、葺き替えという複数の選択肢が出てくるため、どれを選べばよいのかわからなくなりますよね。

見積もりを取っても、業者によって勧める工法や金額が違い、かえって迷ってしまったという方も少なくありません。

先に大切なことをお伝えすると、屋根カバー工法は、どの住宅にも向いている万能な工事ではありません。

既存の屋根材、野地板の状態、雨漏りの有無、建物の構造、今後その家に何年住む予定なのかによって、適切な工事は変わります。

ただし、既存屋根や下地の条件が合っていれば、屋根材の撤去を最小限に抑えながら防水性能を見直せる、非常に有力な選択肢です。

特に、塗装では十分な補修ができないスレート屋根や、アスベストを含む可能性がある屋根、塗装に適さない屋根材では、カバー工法を検討する価値があります。

この記事では、屋根カバー工法の仕組みだけでなく、塗装や葺き替えとの違い、向いている家と向いていない家、費用の目安、見積書の見方、施工後に後悔しないための注意点まで詳しくお伝えします。

読み終わるころには、「自宅はカバー工法を検討できそうか」「見積もりのどこを確認すればよいか」「業者に何を質問すればよいか」がわかるはずですよ。

記事のポイント

  • 屋根カバー工法の仕組みと、塗装・葺き替えとの違い
  • カバー工法が向いている屋根と、施工を避けるべき屋根
  • アスベストを含む可能性がある屋根で必要となる事前調査
  • 塗装できない屋根材を見分けるときの注意点
  • 積水ハウスやミサワホームなど、ハウスメーカー住宅の確認事項
  • 屋根カバー工法の費用相場と見積書の比較方法
  • 外壁塗装と同時に行うことで足場費用を抑える考え方
  • 施工後の雨漏りや結露、保証トラブルを防ぐ業者選び

屋根カバー工法とは?既存屋根の上に新しい防水層と屋根を作る工事

屋根のリフォーム方法は、大きく分けて「屋根塗装」「屋根カバー工法」「屋根葺き替え」の3種類です。

屋根カバー工法は「重ね葺き」や「カバールーフ工法」とも呼ばれ、既存の屋根材を基本的に残したまま、その上へ新しい防水シートと屋根材を施工します。

屋根材をすべて撤去する葺き替えと比べて、解体する範囲と廃材の量を抑えやすいことが特徴です。

一方で、古い屋根を残すからこそ、施工前に下地の状態を正しく確認しなければなりません。

傷んだ下地を見落としたまま新しい屋根で覆ってしまうと、施工後に雨漏りや固定不良が起こる可能性があります。

既存屋根に新しい屋根を重ねる仕組み

既存の屋根の上に新しい防水シートと屋根材を重ねるカバー工法の仕組み図解

一般的な屋根は、建物側から順に「垂木」「野地板」「防水シート」「屋根材」という層で構成されています。

野地板は屋根全体を支える木質の下地で、防水シートは屋根材の内側へ入った雨水を建物内部へ通さないための重要な部材です。

屋根材だけで雨水を完全に防いでいるわけではありません。

台風を伴う横殴りの雨や、屋根材の継ぎ目から入った雨水を最後に受け止めるのが、防水シートです。

カバー工法では、既存屋根の上へ新しい防水シートを敷き、その上に軽量な金属屋根などを固定します。

屋根カバー工法の基本的な構成

1. 既存のスレート屋根などを残す

2. 棟板金や雪止めなど、施工の妨げになる部材を撤去する

3. 既存屋根の状態と下地の固定状況を確認する

4. 新しい防水シートを施工する

5. 軒先、ケラバ、谷、壁際などの役物を施工する

6. 新しい金属屋根などを適切な下地へ固定する

7. 棟板金や必要な換気部材を取り付けて仕上げる

古い屋根を残すため、屋根材を全面撤去する工事と比べて、解体音や粉じん、廃材処分費を抑えられる場合があります。

ただし、「廃材がまったく出ない」という意味ではありません。

既存の棟板金、雪止め、木下地、包装材、加工時の端材などは発生しますし、傷んだ下地を部分的に交換する場合もあります。

また、既存屋根を建物に残すため、将来その建物を解体したり、次の屋根改修を行ったりするときには、古い屋根と新しい屋根の両方を撤去する費用が発生する可能性があります。

初期費用だけでなく、今後その家に何年住む予定なのかまで考えて工法を選ぶことが大切です。

防水性能を左右するのは屋根材だけではない

屋根カバー工法の見積もりでは、新しい屋根材の商品名に目が行きがちです。

もちろん屋根材の耐久性も重要ですが、雨漏りを防ぐうえで特に大切なのは、その下に施工する防水シートと、谷、棟、壁際、軒先などの雨仕舞です。

雨仕舞とは、建物へ雨水を入れず、入った水を適切に外へ流すための納まりや施工方法のことです。

同じ屋根材を使っても、防水シートの重ね幅、壁際の立ち上げ、谷板金の納まり、ビスを固定する場所などが不適切であれば、雨漏りにつながります。

反対に、屋根材の価格だけでなく、見えなくなる部分まで正しく施工されていれば、長期的な安心につながります。

見積書では、屋根材だけでなく、防水シートの商品名や種類、役物の施工範囲、固定方法まで確認してください。

断熱性や遮音性は屋根材と施工仕様によって変わる

屋根カバー工法による断熱性・遮音性・防水性の向上を示すアイコン

 

屋根が二重になることで、今までより暑さや雨音が軽減されることがあります。

ただし、屋根を重ねれば必ず高い断熱効果が得られるわけではありません。

効果は、新しく使う屋根材に断熱材が付いているか、小屋裏に断熱材があるか、屋根裏の換気が適切か、既存屋根との間にどのような層ができるかによって変わります。

例えば、断熱材一体型の金属屋根は、断熱材のない薄い金属屋根と比べて、熱や雨音を伝えにくくすることが期待できます。

既存のスレート屋根が残ることも、金属屋根へ直接雨が当たったときの振動を室内へ伝わりにくくする要素になります。

一方で、屋根裏の断熱不足や換気不良がある住宅では、屋根材だけを変えても、夏の2階の暑さが期待したほど改善しない場合があります。

暑さ対策を目的にする場合は、屋根材だけでなく、小屋裏換気、天井断熱、屋根断熱まで含めて確認することをおすすめします。

屋根塗装・カバー工法・葺き替えの違い

築20年の屋根における塗装の限界と防水シート劣化のメカニズム

「屋根が色あせているなら、塗装だけでよいのでは?」と思う方もいらっしゃるでしょう。

屋根塗装、カバー工法、葺き替えは、見た目だけでなく、直せる範囲が異なります。

屋根塗装は、既存屋根材の表面を保護する工事です。

カバー工法は、既存屋根を残しながら、新しい防水シートと屋根材を設ける工事です。

葺き替えは、既存屋根材と防水シートを撤去し、必要に応じて野地板まで補修して屋根を作り直す工事です。

工法 工事内容 30坪前後の費用目安 向いている状態 注意点
屋根塗装 洗浄、補修、下塗り、上塗りによって既存屋根材の表面を保護します。 50万円〜70万円前後 屋根材の割れや反りが少なく、下地と防水シートに大きな問題がない場合。 屋根材や防水シートそのものを新しくする工事ではありません。塗装に適さない屋根材もあります。
カバー工法 既存屋根を残し、その上へ新しい防水シートと屋根材を施工します。 80万円〜150万円前後 スレート屋根などで、既存屋根材は劣化しているものの、野地板に必要な固定強度がある場合。 屋根の重量が増えます。下地の腐食を隠したまま施工してはいけません。
葺き替え 既存屋根を撤去し、防水シートや屋根材を新しくします。必要に応じて野地板も交換します。 120万円〜200万円以上 雨漏りや下地腐食がある場合、重い瓦屋根を軽量化したい場合、屋根全体を根本から見直したい場合。 解体費、廃材処分費、アスベスト対策費などが加わる場合があります。

費用は、延床面積だけで決まるものではありません。

同じ30坪の住宅でも、屋根の勾配、軒の出、寄棟か切妻か、下屋があるか、谷が何本あるかによって屋根面積と施工手間が変わります。

上記の金額は、一般的な住宅を想定した目安としてご覧ください。

屋根塗装が向いているケース

屋根塗装が向いているのは、屋根材の基材が健全で、表面の塗膜劣化が中心となっている場合です。

具体的には、色あせ、軽度のチョーキング、少量のコケ、軽微なひび割れなどで、屋根材の反りや層状の剥離が進んでいない状態です。

雨漏りがなく、屋根裏にも雨染みが見られず、防水シートの著しい劣化が疑われないことも判断材料になります。

塗装で対応できる時期に適切な施工を行えば、カバー工法や葺き替えより費用を抑えながら、屋根材の表面を保護できます。

ただし、塗装は雨漏りを何でも直せる工事ではありません。

防水シートの破れ、谷板金の穴、壁際の納まり、下地の腐食などが原因の雨漏りは、塗料を塗るだけでは解決できないことがあります。

屋根塗装の費用や見積書の単価については、以下の記事でも詳しく解説しています。

屋根塗装の平米単価と相場|見積もりで確認したい注意点

カバー工法が向いているケース

カバー工法を検討しやすいのは、既存のスレート屋根や金属屋根が劣化しているものの、野地板や屋根構造に新しい屋根材を固定できる強度が残っている場合です。

屋根材のひび割れが多い、塗装が適さない屋根材である、防水シートの更新も考えたい、全面撤去による費用や廃材を抑えたいという方に向いています。

ただし、既存屋根の傷みが大きいからといって、必ずカバー工法ができるわけではありません。

新しい屋根材を固定する下地が傷んでいる場合は、葺き替えや野地板の増し張り、部分補修などが必要です。

葺き替えが向いているケース

雨漏りが長期間続いている、屋根裏に広い範囲の雨染みがある、野地板が腐っている、屋根を歩くと大きく沈むといった場合は、葺き替えを優先して検討します。

日本瓦やセメント瓦など、形状や重量の問題で一般的なカバー工法が適さない屋根も、葺き替えの対象になります。

葺き替えは費用が高くなりやすいものの、既存屋根を撤去して内部を確認できるため、傷んだ下地を根本から直せることがメリットです。

「カバー工法より高いから避ける」のではなく、下地を直す必要があるかどうかで判断してください。

初期費用ではなく、今後何年住むかで考える

工事費だけを見ると、塗装が最も安く、葺き替えが最も高くなることが一般的です。

しかし、長期的な費用は、次の工事まで何年使えるか、途中でどのような点検や補修が必要になるかによって変わります。

例えば、近い将来に建て替えや売却を予定しており、屋根材の状態も比較的良好であれば、塗装や部分補修が合う場合があります。

一方で、これから20年以上住み続けたいのに、塗装に適さない屋根へ無理に塗装をすると、数年後にカバー工法や葺き替えが必要となり、結果として費用が重なるかもしれません。

私たちは、耐久性が高い工事を一律に勧めるのではなく、お客様の築年数、家族構成、住み替え予定、予算まで伺ったうえで考えることが大切だと思っています。

屋根カバー工法が向いている屋根と施工前の確認項目

カバー工法に向いているかどうかは、屋根の見た目だけでは決まりません。

既存屋根材の種類、下地の状態、勾配、建物の構造、雨漏りの履歴、屋根に載っている設備まで確認する必要があります。

カバー工法を検討できる可能性がある状態

  • 既存屋根がスレート屋根やカバー対応の金属屋根である
  • 野地板に新しい屋根材を固定できる強度がある
  • 雨漏りがない、または原因と補修方法が特定できている
  • 屋根面の大きな波打ちや沈み込みがない
  • 既存屋根が重なりすぎていない
  • 建物の構造上、屋根重量の増加を許容できる
  • 屋根勾配が採用する屋根材の施工基準を満たしている
  • 太陽光パネル、トップライト、煙突などの処理方法が決まっている

この項目に当てはまっていても、最終的な判断には現地調査が必要です。

図面、屋根裏、屋根表面、雨漏り履歴などを確認し、住宅ごとに判断してください。

スレート屋根はカバー工法を検討しやすい

古いスレート屋根のアスベストを飛散させずに封じ込めるカバー工法の安全性と費用対効果

スレート屋根は比較的平らな形状をしているため、カバー工法の下地として利用しやすい屋根です。

「コロニアル」や「カラーベスト」という呼び方を聞いたことがある方も多いでしょう。

ただし、同じスレート屋根でも、製造時期や商品によって、アスベストの有無、強度、劣化の仕方が異なります。

築年数だけで施工方法を決めるのではなく、可能であれば建築図面、仕様書、屋根材の商品名、メーカー資料を確認します。

アスベストを含む可能性がある屋根は事前調査が必要

住宅用の化粧スレートには、過去にアスベストが使用されていた製品があります。

特に2004年以前に製造された屋根材には、アスベストを含む製品が存在するため注意が必要です。

ただし、「2004年以前の屋根ならすべてアスベスト入り」という意味ではありません。

メーカーや商品、製造時期によって異なるため、図面や商品情報、現地調査によって確認します。

建築物の解体、改造、補修を伴う工事では、工事前に石綿含有建材の使用の有無を調査することが求められます。

カバー工法で屋根材を全面撤去しない場合でも、棟板金や雪止めの撤去、ビスによる固定など、既存屋根へ手を加える工程があります。

そのため、「カバー工法ならアスベスト調査は必要ない」と考えてはいけません。

工事の規模などによっては、事前調査結果の行政への報告も必要です。

調査や作業は、現在の法令と作業基準に沿って行う必要があります。

詳しい制度は、環境省の案内も確認できます。

環境省|石綿事前調査結果の報告について

カバー工法はアスベストを撤去しない利点があるが、問題が消えるわけではない

アスベストを含む屋根材を全面撤去すると、飛散を防ぐための作業管理、保護具、適切な梱包、運搬、処分が必要になります。

カバー工法では既存屋根材の大部分を残すため、全面撤去と比べて、屋根材を割ったり取り外したりする作業を減らせます。

その結果、工事中の飛散リスクや処分量、撤去費用を抑えられる可能性があります。

しかし、アスベストを含む屋根材が建物からなくなるわけではありません。

将来の解体や屋根改修では、残した屋根材を適正に撤去・処分する必要があります。

カバー工法を選ぶときは、現在の費用だけでなく、建物を将来どうするのかまで考えておきましょう。

アスベストについて業者へ確認したいこと

  • 石綿事前調査を誰が行うのか
  • 既存屋根材の商品名と製造時期を確認したか
  • 石綿含有と判断した根拠は何か
  • 棟板金や雪止めを撤去するときの飛散防止方法
  • 発生した廃材をどのように保管、運搬、処分するのか
  • 必要な行政報告を誰が行うのか
  • 調査結果と施工記録を受け取れるか

パミールなど塗装が適さない屋根材

アスベスト規制が進んだ時期には、アスベストを使用せずに強度を確保するため、さまざまな屋根材が開発されました。

その中には、経年によって層状に剥がれたり、大きく割れたりする商品があります。

代表例として名前が挙がることが多いのが、ニチハのパミール、旧クボタのコロニアルNEO、旧松下電工のレサスなどです。

これらは、表面に塗料を塗っても、屋根材そのものの剥離や割れを止められない場合があります。

屋根材の基材が崩れている状態では、塗膜だけが残っても屋根を守れません。

そのため、状態に応じてカバー工法や葺き替えを検討します。

ただし、商品名を外観だけで決めつけるのは危険です。

似た形状の屋根材もあるため、図面、施工時期、刻印、メーカー資料などを用いて確認してください。

また、塗装に適さない屋根材であっても、野地板が腐食していればカバー工法ではなく葺き替えが必要です。

カバー工法が推奨されるスレート屋根と塗装に適さない屋根材パミールの写真

屋根カバー工法が施工できない、または慎重な判断が必要なケース

日本瓦や下地が腐食している屋根などカバー工法が施工できないケースのイラスト

カバー工法は、既存屋根を下地として利用する工事です。

そのため、既存屋根や建物に問題がある場合、上から覆うだけでは解決できません。

日本瓦、セメント瓦、モニエル瓦

日本瓦やセメント瓦は凹凸が大きく、一般的な金属屋根をそのまま重ねて固定することが難しい屋根です。

既存屋根自体の重量もあるため、その上にさらに屋根を重ねる方法は通常選びません。

軽量化を目的に、既存の瓦を撤去し、金属屋根などへ葺き替える方法を検討します。

瓦自体に問題が少なく、下地や防水シートだけを直したい場合は、瓦を一度外して再利用する葺き直しが選択肢になることもあります。

野地板が腐食している

野地板が腐っていると、ビスを打っても必要な固定力を得られません。

台風や強風に耐えるには、屋根材を決められた間隔と方法で、健全な下地へ固定する必要があります。

腐食した下地へ無理にカバー工法を行うと、屋根材の浮き、ビス抜け、雨漏り、強風時の飛散につながるおそれがあります。

下地の傷みが部分的なら補修や野地板の増し張りで対応できる場合もありますが、広範囲に腐食している場合は葺き替えを検討します。

雨漏りの原因が特定できていない

雨漏りがある状態で、原因を確認せずに屋根全体を覆うのはおすすめできません。

屋根材だけでなく、外壁との取り合い、ベランダ、防水層、サッシ、笠木、雨樋などが原因となっていることもあるからです。

原因が屋根以外にある場合、屋根カバー工法を行っても雨漏りは止まりません。

雨漏りがあるときは、屋根裏の雨染み、散水調査、壁際や谷の状態などを確認し、侵入経路をできる限り特定してから工事内容を決めます。

既に一度カバー工法をしている

カバー工法は、何度でも屋根を重ねられる工事ではありません。

既に既存屋根の上へ新しい屋根が施工されている場合、さらにその上へ屋根を重ねると、重量、固定方法、納まり、結露、将来の撤去費用などの問題が大きくなります。

二重目のカバー工法を安易に行わず、既存の屋根を撤去して葺き替える方法を基本に検討してください。

屋根面に大きな波打ちや沈み込みがある

屋根面が大きく波打っている場合、野地板、垂木、小屋組などに問題がある可能性があります。

新しい屋根材を載せても、下地の不陸がそのまま仕上がりへ表れたり、固定が不十分になったりします。

屋根材だけの問題なのか、構造まで傷んでいるのかを確認する必要があります。

屋根勾配が屋根材の施工基準を満たさない

屋根材には、それぞれ施工できる最低勾配が定められています。

勾配が緩い屋根では雨水が流れにくく、屋根材の継ぎ目から水が入りやすくなります。

使用する屋根材の施工基準を満たしていない状態で施工すると、メーカー保証の対象外になる可能性もあります。

見積書の商品名だけでなく、ご自宅の屋根勾配に対応している製品か確認しましょう。

建物の耐震性や構造に不安がある

カバー工法で使用される金属屋根には、1㎡あたり約5kg前後の軽量な製品があります。

ただし、既存屋根を撤去しないため、建物全体では屋根の重量が増えます。

例えば、屋根面積が100㎡で新しい屋根材が約5kg/㎡なら、屋根材だけで約500kgが加わる計算です。

さらに、防水シート、役物、下地材などの重量も加わります。

一般的な瓦屋根へ葺き替える場合と比べれば軽量ですが、「軽い金属屋根だから耐震性に絶対影響しない」とまでは言えません。

旧耐震基準の住宅、増改築を繰り返した住宅、壁量や劣化に不安がある住宅では、必要に応じて建築士や構造に詳しい専門家へ確認してください。

◆齋藤のワンポイントアドバイス

ドローンは、屋根へ上がらずに表面の割れ、錆、棟板金の浮きなどを確認できる便利な道具です。

ただし、ドローンだけで野地板の腐食や固定強度まで断定することはできません。

屋根裏からの確認、雨漏り履歴の聞き取り、屋根を歩いたときの感触、必要に応じた部分的な確認など、複数の情報を組み合わせることが大切です。

「ドローンで見たから下地も問題ありません」という説明だけで工事を決めず、どの方法で下地の状態を判断したのか質問してみてください。

屋根カバー工法を自分で行うことを考えている方は、転落、雨漏り、アスベスト、メーカー保証などのリスクも確認してください。

屋根カバー工法のDIYは可能?必要工具・危険性・失敗例を解説

積水ハウス・ミサワホームなどハウスメーカー住宅の注意点

ハウスメーカー住宅では、独自の構造、屋根部材、固定方法、防水仕様が採用されていることがあります。

同じメーカーの住宅でも、建築時期、商品シリーズ、鉄骨造か木造かによって仕様が異なります。

そのため、「積水ハウスだからこの方法」「ミサワホームだからこのビス」と一律に判断することはできません。

建築図面、仕様書、リフォーム履歴、メーカー保証の内容を確認したうえで施工方法を決めることが重要です。

ハウスメーカー住宅で最初に確認したい資料

  • 新築時の設計図書
  • 屋根伏図や矩計図
  • 仕上表と屋根材の商品名
  • これまでの点検報告書
  • 補修、塗装、カバー工事などの履歴
  • 保証書と保証延長の条件
  • 太陽光パネルや設備を後付けしたときの資料

資料が残っていない場合でも、メーカー、建築年、商品シリーズ、屋根裏の構造、現地の納まりなどから確認できることがあります。

積水ハウスの屋根で確認したいこと

ハウスメーカー独自の屋根構造における施工知識の重要性と注意点

積水ハウスの住宅では、建築時期や商品によって、スレート、瓦、金属屋根、陸屋根などさまざまな仕様があります。

過去に使用された屋根材として知られる「セキスイかわらU」も、製造時期や状態によって対応が異なります。

基材が著しく劣化している場合は、上から新しい屋根を固定する下地として適さない可能性があります。

また、製造時期によってアスベストを含む可能性があるため、商品と製造時期の確認が必要です。

陸屋根やバルコニーでは、屋根カバー工法ではなく、塩ビシート防水、ウレタン防水などの防水改修が必要になることがあります。

アップリメイクでは、塗装だけでなく、防水工事にも対応しています。

同等の工事範囲で比較した場合、弊社の見積もりがハウスメーカー見積もりの5〜7割程度となった例もありますが、すべての住宅で同じ金額差になるわけではありません。

面積、既存防水の状態、使用材料、下地補修、保証条件によって費用は変わるため、必ず工事範囲をそろえて比較してください。

ミサワホームの屋根で確認したいこと

ミサワホームでは、木質パネルを用いた住宅など、一般的な木造軸組住宅とは異なる構造の商品があります。

屋根パネルや下地の構成、固定できる位置は、建築時期や商品によって異なります。

新しい屋根材のビスをどこへ固定するのか、既存図面や現地調査で確認することが重要です。

固定位置を十分に確認せず、屋根材だけを見て施工すると、必要な固定力を得られない可能性があります。

パナソニックホームズ・大和ハウスなど鉄骨系住宅

鉄骨系住宅でも、屋根の下地がすべて鉄骨とは限りません。

木下地、鋼製下地、パネル、複合下地など、住宅によって異なります。

木下地用のビスと鋼製下地用のビスでは、形状や性能が違います。

現地の下地を確認し、屋根材メーカーの施工基準と建物側の仕様に合った固定方法を選ばなければなりません。

外部業者で施工する前にメーカー保証を確認する

ハウスメーカー住宅を外部の専門店で改修すると、工事した部分や工事に関連する部分について、メーカー保証へ影響する可能性があります。

ただし、外部業者で工事をしただけで、建物全体の保証が必ずすべて終了するとは限りません。

保証制度は、契約時期、商品、保証対象、工事内容によって異なります。

外部業者へ依頼する前の確認事項

  • 現在残っている保証の対象部分
  • 保証期間と延長条件
  • 外部業者の工事によって対象外になる範囲
  • メーカー指定工事が必要な箇所
  • 工事後に必要となる点検やメンテナンス
  • メーカー保証と施工業者保証の違い

口頭だけでなく、保証書を確認し、できればメーカー窓口へ工事内容を伝えて回答を記録しておくと安心です。

メーカーへ依頼する安心感と、地域の専門店へ依頼する価格や対応力の両方を比較し、ご自身が納得できる方を選んでください。

積水ハウスの外壁塗装、防水、費用、保証については、以下の記事でも詳しく解説しています。

積水ハウスの外壁塗装|費用相場・助成金・保証の注意点

屋根カバー工法の費用相場と金額が変わる理由

30坪目安の屋根カバー工法費用相場80万円から150万円を示すイラスト

一般的な2階建て住宅で、延床面積が30坪前後、屋根面積が約80〜100㎡の場合、屋根カバー工法の費用は80万円〜150万円前後がひとつの目安です。

ここでは税別の一般的な目安としてご紹介していますが、価格は材料費や運搬費の変動によって変わります。

正確な金額は、現地調査と実測に基づく見積もりで確認してください。

また、延床面積30坪だから屋根面積も30坪になるわけではありません。

建物の形、階数、軒の出、勾配によって屋根面積は変わります。

費用に含まれる主な項目

項目 内容と確認点
仮設足場・飛散防止シート 安全な作業と近隣への配慮に必要です。急勾配では屋根足場が追加されることがあります。
石綿事前調査 建築時期や屋根材によって必要な調査内容が変わります。見積もりに含むか確認します。
既存役物の撤去・処分 棟板金、雪止め、木下地など、カバー工法の妨げになる部材を撤去します。
下地調整・補修 割れ、浮き、不陸、腐食などを確認し、必要な範囲を補修します。
防水シート 屋根材の内側へ入った雨水を防ぐ重要部材です。商品名と施工方法を確認します。
屋根材本体 ガルバリウム鋼板、SGL鋼板、石粒付き金属屋根など、商品によって価格と保証が異なります。
役物板金 軒先、ケラバ、谷、棟、壁際などの部材です。雨漏り防止に大きく関わります。
雪止め・換気部材 地域、屋根形状、既存の換気計画に応じて必要性を判断します。
現場管理・清掃・保証 工事写真、完了検査、保証書、廃材処分、周辺清掃などを含むか確認します。

屋根材による価格と特徴の違い

屋根材 本体施工単価の目安 特徴 注意点
ガルバリウム鋼板 8,000円〜12,000円/㎡前後 軽量で、従来のトタンより耐食性に優れています。 断熱材の有無、表面塗装、保証内容を比較します。
SGL鋼板 9,000円〜16,000円/㎡前後 ガルバリウム鋼板を改良した高耐食の金属素材です。断熱材一体型の商品もあります。 商品ごとに沿岸地域の保証範囲や施工条件が違います。
石粒付き金属屋根 12,000円〜18,000円/㎡前後 表面の石粒による意匠性と、雨音を抑えやすい点が特徴です。 石粒の脱落、保証条件、役物の仕様を確認します。
アスファルトシングル 6,000円〜10,000円/㎡前後 柔らかく、複雑な形状にも対応しやすい屋根材です。 立地によってコケや表面石粒の脱落が起こることがあります。

上記は屋根材本体と施工費を中心とした目安です。

足場、防水シート、棟や谷の役物、既存部材の撤去、下地補修などが別に計上される見積もりもあります。

広告の「1㎡あたり○円」だけで判断せず、最終的な総額と工事範囲を確認してください。

費用が高くなりやすい屋根

  • 寄棟、入母屋、差し掛け屋根など形状が複雑
  • 谷、棟、壁際が多い
  • 急勾配で屋根足場が必要
  • 3階建てで資材搬入が難しい
  • 前面道路が狭く、資材を手運びする必要がある
  • トップライトや煙突がある
  • 太陽光パネルやアンテナの脱着が必要
  • 下地補修や野地板の増し張りが必要
  • 沿岸部向けの部材やステンレス部材を使用する

安い屋根材を選べば必ず得になるわけではありません。

静岡県内でも、沿岸部、山間部、市街地では屋根が受ける環境が違います。

潮風、積雪、強風、日当たりなどを考え、住宅に合う材料を選びましょう。

注意したい「屋根工事一式」の見積書

「屋根カバー工事一式100万円」とだけ書かれた見積書では、内容を比較できません。

少なくとも、次の項目は確認してください。

見積書の確認項目

  • 屋根の実測面積
  • 屋根材のメーカー名と商品名
  • 屋根材の色、厚さ、断熱材の有無
  • 防水シートのメーカー名と商品名
  • 棟、谷、ケラバ、軒先、壁際の数量
  • 既存棟板金や雪止めの撤去費用
  • 新しい雪止めの有無
  • 下地補修費と、追加費用が発生する条件
  • 石綿事前調査と必要な対策費
  • 太陽光パネル、アンテナ、トップライトの処理
  • 換気棟の有無と設置理由
  • メーカー保証と施工保証の範囲

具体的な商品名が書かれていても、それだけで安心とは限りません。

メーカーの施工基準を守るのか、保証登録を行うのか、施工後に保証書を受け取れるのかまで確認しましょう。

屋根カバー工法の詳しい平米単価や費用内訳については、以下の記事も参考にしてください。

屋根カバー工法の費用相場はいくら?平米単価・内訳・安くする方法

外壁塗装と同時施工すると足場費用を一度にまとめられる

屋根カバー工法では、作業員の転落防止、資材の落下防止、近隣への配慮のため、一般的に建物の周囲へ足場を設置します。

一般住宅の足場費用は、15万円〜30万円前後がひとつの目安です。

建物の高さ、敷地条件、足場面積、道路使用の有無によって金額は変わります。

屋根工事を行った数年後に外壁塗装を行うと、足場をもう一度設置しなければなりません。

屋根と外壁のメンテナンス時期が近い場合は、同時施工によって足場を共用できるため、別々に工事するより総額を抑えられる可能性があります。

屋根工事と外壁塗装をセットで行うことで足場代を節約できる仕組み

ただし、足場代を節約するためだけに、まだ必要のない外壁塗装を急いで行う必要はありません。

外壁、シーリング、付帯部、防水の状態を確認し、数年以内に工事が必要となる見込みがある場合に同時施工を検討しましょう。

同時施工を検討しやすい状態

  • 外壁を触ると白い粉が付く
  • シーリングにひび割れや剥離がある
  • 外壁に色あせ、コケ、ひび割れがある
  • 雨樋、破風、軒天などの付帯部も劣化している
  • ベランダ防水の表面にひび割れや摩耗がある
  • 今後長く住む予定があり、修繕時期をそろえたい

屋根カバー工法の工事期間と施工の流れ

一般的な住宅では、屋根部分の実働日数は5日〜7日程度が目安です。

足場の設置、材料搬入、天候による予備日、足場解体まで含めると、10日〜2週間程度になることがあります。

屋根が複雑な場合、下地補修が必要な場合、外壁塗装も同時に行う場合は、さらに日数がかかります。

足場設置から完工まで約10日から2週間かかる工事工程のフロー図

Step1 現地調査と施工計画

屋根材、屋根面積、勾配、下地、雨漏り、太陽光パネル、アンテナなどを確認します。

石綿事前調査が必要な場合は、工事前に実施します。

屋根材の搬入経路、資材置き場、工事車両の位置、近隣への影響も確認します。

Step2 近隣挨拶と足場設置

工事前に近隣の方へ工事期間や作業時間をお伝えします。

足場を設置する日は、金属を組み立てる音が発生します。

足場の外側には、資材の落下や粉じんの飛散を抑えるためのメッシュシートを設置します。

Step3 既存役物の撤去と下地確認

棟板金、貫板、雪止めなど、カバー工法の妨げになる部材を撤去します。

屋根面の汚れやコケを除き、割れ、浮き、沈み込みなどを確認します。

カバー工法では、塗装前のような全面高圧洗浄を行わない仕様も一般的です。

既存屋根や採用する防水シートの仕様に合わせ、必要な清掃と下地処理を行います。

Step4 新しい防水シートの施工

軒先から棟へ向かって、防水シートを決められた重ね幅で施工します。

既存屋根の状態に応じて、粘着層付きの改質アスファルトルーフィングなどを使用します。

谷、壁際、トップライト周辺などは雨水が集まりやすいため、特に慎重な施工が必要です。

防水シートは施工後に見えなくなる部分です。

商品名、重ね幅、施工状況を写真で残してもらうと安心ですよ。

Step5 軒先・谷・ケラバなどの役物施工

新しい屋根材を施工する前に、唐草、谷板金、ケラバなどの役物を取り付けます。

雨水を屋根から雨樋へ流し、屋根の端や壁際から水が入るのを防ぐ重要な工程です。

屋根の形に合わせて板金を加工するため、板金職人の技術が仕上がりを左右します。

Step6 新しい屋根材の施工

新しい屋根材を軒先側から順に施工し、メーカーが定める位置と間隔で固定します。

ビスは既存屋根材へ効かせるのではなく、その下にある健全な下地へ必要な長さを届かせることが重要です。

固定位置やビスの種類を誤ると、強風時の浮きや飛散につながります。

Step7 棟板金・換気部材・雪止めの施工

屋根の頂部へ棟下地と棟板金を取り付けます。

木製の貫板を使う場合もあれば、樹脂製や金属製の下地を使う場合もあります。

材料によって特徴が異なるため、「樹脂なら絶対安心」「木なら必ず駄目」と決めつけるのではなく、屋根材との相性、固定方法、施工基準を確認します。

必要に応じて、換気棟や雪止めも設置します。

Step8 完了検査と足場解体

屋根材の傷、ビスの固定、役物の納まり、シーリング、雨樋、外壁などを確認します。

足場を解体したあと、建物周辺に金属片やビスが残っていないか清掃します。

工事写真、使用材料、保証書、今後の点検方法について説明を受け、工事完了です。

雨の日に屋根工事をしてもよいのか

防水シートや屋根材の施工中に雨が降ると、下地や屋根材の間へ水分を閉じ込める可能性があります。

そのため、雨天時にどこまで作業を行うかは、工程と天候を見ながら慎重に判断しなければなりません。

既存役物の撤去後や、防水シートを途中まで施工した状態で雨が予想される場合は、雨養生が必要です。

「雨でも工期を優先して作業する」のではなく、どの工程なら実施できるのか、どの状態で作業を中止するのかを確認してください。

換気棟は必要?屋根裏の結露を防ぐための考え方

小屋裏の熱気や湿気を排出する換気棟の空気循環図

換気棟は、屋根の高い位置から小屋裏の熱気や湿気を排出するための部材です。

軒裏などに設けた給気口から空気を取り入れ、棟から排出することで、自然な空気の流れを作ります。

屋根裏に湿気がこもると、結露、カビ、木材の腐朽、断熱材の性能低下につながることがあります。

そのため、屋根カバー工法を機に換気計画を見直すことには意味があります。

ただし、換気棟を取り付ければ、すべての住宅で必ず結露が解決するわけではありません。

給気口が不足していれば空気が入りませんし、天井から湿気が大量に上がっている場合は、気密や断熱の問題も考えられます。

既存の軒裏換気、妻換気、機械換気、断熱材の位置などを確認し、小屋裏全体の換気として判断してください。

◆齋藤のワンポイントアドバイス

見積書に換気棟が入っているかだけで、業者の良し悪しを決める必要はありません。

大切なのは、「なぜこの住宅に換気棟が必要なのか」「給気はどこから行うのか」「必要な換気量をどのように考えたのか」を説明できることです。

換気棟が必要ない住宅へ形だけ取り付けるのも、必要な住宅へ提案しないのも、どちらも十分な診断とはいえません。

屋根カバー工法で後悔しやすい失敗例

屋根カバー工法そのものが悪いのではありません。

失敗の多くは、事前調査、材料選び、施工方法、説明の不足によって起こります。

下地の腐食を確認せずに施工した

施工直後はきれいに見えても、下地へビスが効いていなければ、強風で屋根材が浮く可能性があります。

また、内部の腐食が進み、数年後に再工事が必要になることもあります。

屋根材だけ高級で、防水シートが不明だった

高耐久な屋根材を使っても、その下の防水シートが早く劣化すれば、屋根全体の安心は保てません。

屋根材と防水シートの耐久性の釣り合いも確認しましょう。

壁際や谷の施工が不十分だった

屋根カバー工法の雨漏りは、屋根面の中央より、壁際、谷、棟、トップライト周辺などで起こりやすい傾向があります。

既存の雨仕舞を理解せず、屋根材だけを重ねる施工は危険です。

太陽光パネルの脱着費用が見積もりに入っていなかった

太陽光パネルが載っている場合、屋根全体を施工するために一時撤去が必要となることがあります。

パネルだけでなく、架台、配線、パワーコンディショナー、メーカー保証への影響も確認しなければなりません。

工事後の点検が必要ないと思っていた

金属屋根は耐久性の高い材料ですが、永久に点検不要ではありません。

台風後の浮き、飛来物による傷、切断部の錆、棟板金、シーリング、雨樋、雪止めなどは定期的に確認する必要があります。

「メンテナンスフリー」という説明を受けた場合は、どの部分が、何年間、どの条件でメンテナンス不要なのかを聞いてみてください。

保証内容を確認せず契約した

メーカー保証と施工業者の工事保証は別のものです。

メーカー保証では、穴あき、赤錆、塗膜など、保証対象が分かれている場合があります。

沿岸地域、施工方法、勾配、傷、もらい錆、自然災害などが免責事項になっていることもあります。

施工保証についても、雨漏りすべてを保証するのか、施工した部分だけなのかを確認してください。

屋根カバー工法の失敗例と対策は、以下の記事でも詳しく解説しています。

屋根カバー工法で後悔・失敗しないための落とし穴と対策

失敗しない屋根工事業者の選び方

診断の質・専門性・見積もりの透明性を確認する業者選びのチェックリスト

屋根カバー工法は、屋根材を載せるだけの工事ではありません。

既存屋根の状態を判断する診断力、防水シートや役物を納める知識、金属を加工する板金技術が必要です。

会社の大きさや見積もり金額だけでなく、次の点を確認してください。

屋根表面だけでなく、下地や雨漏り履歴を確認しているか

屋根へ上がった写真やドローン映像だけでなく、屋根裏、室内の雨染み、過去の雨漏り、図面なども確認している業者が安心です。

屋根裏へ入れない住宅では、確認できなかった範囲と、そのリスクについて説明してもらいましょう。

カバー工法以外の選択肢も説明しているか

どの住宅にもカバー工法を勧める業者には注意が必要です。

塗装で十分な場合、部分補修で済む場合、葺き替えが必要な場合を分けて説明できることが大切です。

屋根材と防水シートの商品名が書かれているか

見積書には、メーカー名、商品名、数量、単価を記載してもらいましょう。

「高耐久金属屋根」「高級防水シート」だけでは、実際に何を使うのかわかりません。

追加費用が発生する条件を事前に説明しているか

既存屋根を一部外したあとで、初めて下地の傷みがわかる場合もあります。

その場合に、どの程度まで見積金額に含まれているのか、追加費用はいくらなのか、施工前に承認を求めるのかを確認してください。

施工中の写真を残してくれるか

完成後は、防水シート、下地補修、ビスの固定部分が見えなくなります。

施工前、下地補修、防水シート、役物、屋根材、完成まで、工程ごとの写真を残す会社を選ぶと確認しやすくなります。

保証書だけでなく、保証条件を説明しているか

「10年保証」と書かれていても、保証対象と免責事項によって内容は大きく異なります。

自然災害、経年劣化、結露、既存部分からの雨漏り、他業者が触った場合など、保証対象外となる条件も確認しましょう。

突然訪問して不安をあおる業者にはその場で契約しない

「近くで工事をしていて屋根が浮いているのが見えた」「今日契約すれば足場代を無料にする」といった営業を受けることがあります。

本当に屋根に不具合があったとしても、その場で契約する必要はありません。

屋根の写真を見せてもらい、別の業者にも点検を依頼し、工事の必要性を比較してください。

屋根へ勝手に上がらせると、どこまでが元からの破損かわからなくなることもあります。

アップリメイクが屋根工事で大切にしていること

私たちアップリメイクは、1973年の創業以来、地元静岡で屋根、外壁、防水、板金など、住まいを守る工事に携わってきました。

施工実績は6,000件以上となりました。

これは2026年4月末時点の数字です。

ただ、私たちが本当に大切にしているのは、件数を増やすことではありません。

一軒一軒の家に対して、必要な工事と、まだ必要のない工事を正直にお伝えすることです。

亡き父がいつも口にしていたのは、「お客様の幸せを第一に施工品質を考えること」でした。

私自身も塗装職人として現場から仕事を始め、仕上がった直後だけでなく、何年も先まで考えることの大切さを学びました。

高い材料を使えば、必ずよい工事になるわけではありません。

下地を確認し、材料の施工基準を守り、必要な工程へ手間をかける職人がいて、初めて材料の性能を生かせます。

アップリメイクには、一級建築塗装技能士が11名在籍しています。

これは2025年9月時点の情報です。

屋根カバー工法では、塗装の知識だけでなく、板金、防水、雨仕舞、下地に関する専門知識を持つ職人と連携して施工します。

私たちは、見積書の内容をわかりやすくお伝えし、工事中に見えなくなる部分も写真で残し、工事後に報告書として確認していただくことを大切にしています。

施工実績や仕上がりを確認したい方は、公式サイトの施工事例もご覧ください。

アップリメイクの施工事例を見る

実際に工事をご依頼いただいた方の感想は、以下のページでご覧いただけます。

アップリメイクのお客様の声を見る

屋根カバー工法に関するよくある質問

Q1. 太陽光パネルが載っていてもカバー工法はできますか?

施工できる場合はありますが、屋根全体を施工するには、太陽光パネルと架台の一時撤去が必要になることがあります。

脱着費用は、パネルの枚数、設置方法、足場、配線、保管場所などによって異なります。

20万円〜40万円前後が目安として紹介されることもありますが、設備によって大きく変わるため、個別の見積もりが必要です。

再設置時に屋根へ穴を開けず、金属屋根の継ぎ目をつかんで固定できる方式もあります。

ただし、すべての屋根材、太陽光架台、屋根形状で採用できるわけではありません。

太陽光設備のメーカー保証、発電保証、電気工事、屋根材メーカーの施工基準まで確認してください。

Q2. 屋根が二重になると地震に弱くなりますか?

カバー工法で使われる金属屋根は、瓦と比べると軽量です。

例えば、約5kg/㎡の金属屋根もあります。

ただし、既存屋根を残すため、施工前より屋根全体の重量は増えます。

耐震性への影響は、既存屋根の重量、屋根面積、建物の築年数、耐力壁、劣化状態などによって異なります。

「金属屋根だから絶対に問題ない」と断定せず、古い住宅や構造に不安がある住宅では、必要に応じて耐震性も確認しましょう。

Q3. 工事中も普段どおり生活できますか?

基本的には、室内で生活しながら工事できます。

ただし、足場の組み立てや解体、金属屋根の加工、ビス固定では、音や振動が発生します。

小さなお子様、夜勤の方、在宅勤務の方、音に敏感なペットがいる場合は、音が大きくなる日を事前に確認しておくと安心です。

足場設置中は、防犯のため窓の施錠も意識してください。

Q4. アスベストを含む屋根でもカバー工法はできますか?

既存屋根や下地の状態、屋根形状などの条件が合えば、カバー工法を選べる場合があります。

既存屋根を全面撤去しないため、撤去作業と廃材量を減らせる点はメリットです。

ただし、石綿事前調査や適切な作業管理が不要になるわけではありません。

既存屋根へ穴を開けたり、一部の部材を撤去したりするため、法令と作業基準に沿った対応が必要です。

Q5. 雨漏りしていてもカバー工法で直せますか?

雨漏りの原因と下地の状態によります。

既存の防水シートや屋根材が原因で、野地板に十分な強度が残っていれば、必要な補修を行ったうえでカバー工法を選べる場合があります。

野地板や垂木が腐食している場合や、雨漏りの原因が外壁、サッシ、ベランダなどにある場合は、カバー工法だけでは解決できません。

原因を確認せずに「屋根を覆えば止まる」と説明する業者には注意してください。

Q6. カバー工法をすれば、その後は塗装や点検が不要ですか?

点検は必要です。

屋根材によっては長期間塗装を必要としない場合がありますが、棟板金、シーリング、傷、錆、雪止め、雨樋などは確認しなければなりません。

台風や飛来物による損傷は、施工年数にかかわらず起こる可能性があります。

メーカーと施工業者が推奨する時期に点検を受けてください。

Q7. 屋根カバー工法に補助金は使えますか?

自治体や年度によっては、断熱改修、耐震改修、省エネ改修などの条件を満たした場合に対象となる可能性があります。

単に古くなった屋根を直すだけでは、対象にならない制度も多くあります。

補助金は着工前の申請が必要なことが多いため、契約や工事開始前に確認してください。

制度は毎年変わる可能性があるため、自治体の公式情報で最新の条件を確認しましょう。

Q8. 台風で傷んだ屋根なら火災保険を使えますか?

台風、雹、落下物などによる突発的な損害が補償対象となる可能性はあります。

一方で、経年劣化、錆、施工不良、長期間放置した雨漏りなどは、一般的に補償対象外となることがあります。

保険が使えるかどうかを決めるのは施工業者ではなく、保険会社です。

「必ず保険で無料になる」と契約を迫る業者には注意してください。

Q9. カバー工法と葺き替えで迷ったら、何を基準に決めればよいですか?

最も重要なのは、野地板などの下地に必要な強度があるかどうかです。

次に、既存屋根材、建物の耐震性、雨漏り、将来の居住年数、予算を確認します。

見た目だけで判断せず、カバー工法と葺き替えの両方について、工事範囲、費用、保証、将来の撤去費用を比較してください。

Q10. 相見積もりでは総額だけを比べればよいですか?

総額だけではなく、屋根面積、屋根材、防水シート、下地補修、役物、雪止め、換気、保証をそろえて比較してください。

安い見積もりでは、必要な項目が別料金になっていることがあります。

反対に高い見積もりには、高耐久材料や手厚い保証が含まれている場合があります。

金額差の理由を説明してもらい、同じ工事内容で比べることが大切です。

相談前に用意しておくと診断がスムーズになるもの

屋根の相談をするときは、次の資料があると、より正確な判断につながります。

  • 建築図面、仕上表、屋根伏図
  • 新築時の仕様書
  • 過去の塗装、補修、雨漏り工事の見積書
  • ハウスメーカーの点検報告書
  • 太陽光パネルの設置資料
  • 雨漏りが起きた時期と天候
  • 天井の雨染みや屋根の気になる部分の写真
  • 他社から受け取った見積書

資料がなくても調査はできますので、ご安心ください。

ただ、過去の履歴がわかると、屋根材や雨漏り原因を判断する手がかりになります。

まとめ:屋根カバー工法は、正しい診断と施工条件がそろってこそ価値がある

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

屋根カバー工法は、既存屋根を残しながら、新しい防水シートと屋根材を施工できる工事です。

全面撤去を行う葺き替えと比べて、廃材や撤去費用を抑えられる可能性があり、塗装では対応しにくい屋根を改修できることが大きなメリットです。

一方で、下地の腐食、雨漏り、屋根重量、アスベスト、換気、将来の撤去費用など、事前に考えておくべき点もあります。

屋根カバー工法で失敗しないための要点

1. 屋根材の種類だけでなく、野地板と雨漏りの状態を確認する

2. 石綿を含む可能性がある場合は、工法にかかわらず必要な事前調査を行う

3. 塗装、カバー工法、葺き替えの3つを比較する

4. 屋根材だけでなく、防水シートと役物の仕様を確認する

5. 延床面積ではなく、実際の屋根面積と形状で見積もる

6. ハウスメーカー住宅では、構造と保証条件を事前に確認する

7. 完成後に見えなくなる下地と防水シートの写真を残してもらう

8. メーカー保証と施工保証の対象、期間、免責事項を確認する

9. 金属屋根でも定期点検は必要と考える

10. 価格だけでなく、診断と説明に納得できる業者を選ぶ

「うちの屋根は塗装できるのか、それともカバー工法が必要なのか」

「他社でカバー工法を勧められたけれど、本当に下地は大丈夫なのか」

「葺き替えと比べて、どちらが長期的に合っているのか知りたい」

このような段階でのご相談でも大丈夫です。

今すぐ工事を決める必要はありません。

まずは現在の屋根の状態を知り、必要な工事と、まだ必要のない工事を見分けることから始めましょう。

アップリメイクでは、屋根の表面だけでなく、可能な範囲で屋根裏、雨漏り履歴、既存屋根材、下地、外壁や防水の状態まで確認します。

診断結果をもとに、塗装、部分補修、カバー工法、葺き替えの中から、お住まいと今後の生活に合った方法をご提案します。

他社の見積書が適正か確認してほしいというご相談も歓迎です。

ご希望がない限り、しつこい訪問や連絡はいたしません。

お電話の際は、「齋藤社長のブログを見ました」とお伝えください。

屋根について少しでも不安を感じている方は、大きな雨漏りや下地腐食へ進む前に、一度状態を確認してみてください。

大切なお住まいをこれからも長く守れるよう、地元静岡の専門店として誠実にお手伝いいたします。

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  • この記事を書いた人

齋藤直樹

(株)アップリメイク代表取締役で元職人、塗装という仕事が大好きです。人生の大きな挫折と数多くの出会いを経て今は大好きな地元・静岡で、お客様の笑顔のために仕事ができることに何よりの誇りを感じています。

▼保有資格▼
1級建築塗装技能士・2級建築施工管理技士・有機溶剤作業主任者・高所作業主任者・2級カラーコーディネーター・光触媒施工技能士・乙4類危険物取扱者・ゴンドラ特別教育・職長・安全衛生責任者・第2種酸素欠乏危険作業主任者・宅地建物取引主任者・2級ファイナンシャルプランニング技能士・AFP