マンション塗装の経費計上ガイド|修繕費と減価償却の判断基準をプロが解説

マンションの外壁塗装の費用計上について、修繕費と資本的支出の違いを説明する書類と電卓、そして工事の前後を比較する画像が並んだビジネスデスクの様子

こんにちは、株式会社アップリメイク代表取締役の斎藤直樹です。生まれ育った静岡の地で、皆様の大切な資産である建物を守るお手伝いをさせていただいております。

マンションやアパートのオーナー様からご相談をいただく中で、「高額な外壁塗装の費用は、経費としてどう扱えば良いのか」というお悩みは非常に多く寄せられます。マンションの塗装費用を経費として正しく計上するための知識は、賢い賃貸経営に不可欠です。

特に、外壁塗装が修繕費になるのか、それとも減価償却が必要なのかという判断は非常に重要で、法定耐用年数の考え方や過去の判例を知っておくことが求められます。

この記事では、国税庁の示す指針や具体的な減価償却の計算方法、そしてアパート経営や個人事業主として外壁塗装の経費を扱う際の注意点まで、塗装と資産管理の両面を知る専門家の視点から分かりやすく紐解いていきます。

この記事でわかること

  • 修繕費と資本的支出(減価償却)の正しい使い分け
  • 減価償却が必要なケースと具体的な計算方法
  • 国税庁が示す法定耐用年数の考え方
  • 確定申告で損をしないための注意点

マンション塗装の経費計上!基本ルール

  • 外壁塗装は修繕費として計上可能か
  • 修繕費と資本的支出の明確な違い
  • 外壁塗装の修繕費に関する判例とは
  • 個人事業主の経費処理のやり方
  • アパートの外壁塗装も経費にできる

外壁塗装は修繕費として計上可能か

結論から申し上げますと、マンションやアパートの外壁塗装にかかった費用は、経費として計上することが可能です。賃貸経営を行う上で、建物の資産価値を維持・管理するための支出は、不動産所得を計算する上で必要経費と認められます。

これにより、課税対象となる所得を抑え、結果として所得税や住民税の節税に繋がります。

ただし、ここで最も重要なのが、その費用を「どのように」経費計上するかという点です。会計処理の方法は、工事の目的によって大きく2つに分かれます。

それは、その年の経費として一括で計上できる「修繕費」と、資産として計上し、数年にわたって分割して経費化する「資本的支出(減価償却)」です。この判断を誤ると、税務調査で指摘を受け、追徴課税の対象となる可能性もあるため、正しい知識を身につけることが不可欠です。

ポイント

外壁塗装費用は経費にできますが、計上方法は「修繕費」と「資本的支出」の2種類に分かれます。どちらに該当するかは工事の目的によって決まり、任意で選べるものではありません。

一般的に、建物の原状回復や通常の維持管理を目的とした工事は「修繕費」として扱われます。例えば、経年劣化した塗装の色褪せや剥がれを元に戻すための塗り替え、小さなひび割れの補修などがこれに該当します。

一方で、建物の価値を明らかに高めたり、耐久性を向上させたりする工事は「資本的支出」と見なされるのです。次の項目で、この違いについてさらに詳しく見ていきましょう。

修繕費と資本的支出の明確な違い

古くなったマンションの外壁を修繕する作業員と、新しく塗装され美しくなったマンションの比較。修繕費と資本的支出の概念を視覚的に表現している

外壁塗装の費用を会計処理する上で、オーナー様が最も迷われるのが「修繕費」と「資本的支出」の線引きです。この違いを正しく理解することが、適切な経費計上の第一歩となります。国税庁は、この判断基準を明確に示しています。

修繕費に該当するケース

修繕費とは、固定資産の通常の維持管理や、毀損した資産を原状回復させるための支出を指します。あくまで「元に戻す」「維持する」という目的の費用です。外壁塗装においては、以下のような工事が該当します。

  • 台風や地震などで破損した部分の補修
  • 外壁の色褪せや汚れを元に戻すための塗り替え
  • 小さなひび割れ(クラック)の補修

金額や周期による判断基準

工事内容での判断が難しい場合、国税庁は形式的な判断基準も設けています。以下のいずれかに該当すれば、修繕費として処理することが認められています。

  • 1つの修理や改良にかかった費用が20万円未満の場合
  • その修理や改良が、おおむね3年以内の周期で行われることが明らかな場合
  • 支出した金額が60万円未満、またはその固定資産の前期末取得価額のおおむね10%相当額以下である場合(資本的支出か修繕費か不明瞭な場合)

資本的支出に該当するケース

一方、資本的支出とは、固定資産の使用可能期間を延長させたり、その価値を増加させたりするための支出を指します。「改良して良くする」「新たな価値を加える」という目的の費用です。この支出は、建物の取得原価に加算され、減価償却によって数年にわたり費用化されます。

  • 従来の塗料より明らかに耐久性の高い塗料(例: フッ素、無機塗料)を使用する
  • 外観デザインを大きく変更し、物件の魅力を向上させる
  • 遮熱・断熱塗料など、新たな機能を付加する工事を行う

◆斎藤のワンポイントアドバイス

現場では、この判断が非常に難しいケースによく遭遇します。例えば、同じ全面塗装でも、単なる塗り替えなら修繕費、よりグレードの高い塗料を使えば資本的支出と見なされる可能性があります。私たちは塗装プランをご提案する際に、工事の目的を明確にし、オーナー様が経費計上を検討しやすくなるよう、見積書にも工事内容を詳細に記載することを心がけています。

外壁塗装の修繕費に関する判例とは

マンションオーナー、税理士、塗装業者がオフィスで外壁塗装の経費計上について話し合っている様子。中央には「TAX COURT PRECEDENT」と書かれたファイルがある

「修繕費」か「資本的支出」かの判断は、税務調査でも論点になりやすい部分です。そのため、過去の裁判でどのような判断が下されてきたか、つまり判例を知っておくことは、ご自身のケースを客観的に判断する上で非常に役立ちます。

過去の判例を調べてみると、裁判所は形式的な基準だけでなく、工事の実質的な内容を重視して判断していることがわかります。たとえ費用が高額であっても、その目的が建物の原状回復や機能維持であれば、修繕費として認められるケースは少なくありません。

判例から見る判断のポイント

  • 工事の目的: その工事は建物の価値を高めるためか、それとも維持するためか。
  • 物理的状況の変化: 工事によって建物の物理的な構造や機能が向上したか。
  • 客観的な価値: 工事後の建物の客観的な交換価値が上昇したか。

例えば、ある判例では、マンションの外壁補修工事について、ひび割れやコンクリートの剥落を補修し、塗装を全面的にやり直した費用が「修繕費」と認められました。

その理由として、工事は劣化した外壁を建物取得時の状態に回復させるものであり、新たな価値を付加したものではない、と判断されたためです。一方で、既存の外壁にタイルを張るなど、明らかに意匠性を高める工事は資本的支出と判断される傾向にあります。

専門家への相談が不可欠

判例はあくまで個別の事案に対する判断であり、ご自身のケースに完全に当てはまるとは限りません。特に税務に関する最終的な判断は、必ず税理士などの専門家にご相談ください。私たち塗装業者は、工事内容がどちらに該当しうるかという技術的な観点からの情報提供は可能ですが、税務判断を行うことはできません。

これらの判例を知っておくことで、税務署に対してご自身の経費計上の正当性を説明する際の、有力な根拠の一つとすることができるでしょう。

個人事業主の経費処理のやり方

自宅兼事務所で、電卓と書類を使って外壁塗装の経費を計算している個人事業主の日本人男性。

個人事業主の方がご自身の事業で使用している建物(事務所や店舗など)の外壁塗装を行う場合も、基本的な考え方はマンションオーナー様と同様です。その費用は、事業に必要な経費として計上することができます。

ここでも重要なのは、やはり「修繕費」と「資本的支出」の区分です。事業所の外観を維持するための定期的な塗り替えであれば修繕費として一括で経費に計上し、より耐久性の高い塗料を使用したり、デザインを一新してお店の集客力を高めたりするような工事であれば、資本的支出として減価償却を行うことになります。

自宅兼事務所の場合の注意点

個人事業主の方で特に注意が必要なのが、自宅兼事務所の場合です。この場合、外壁塗装費用を全額経費にすることはできません。「家事按分(かじあんぶん)」という考え方が必要になります。

家事按分とは?

家事按分とは、事業用とプライベート(家事用)で共用している支出を、合理的な基準で事業用の部分とプライベートの部分に分ける会計処理のことです。外壁塗装の場合、建物のうち事業で使用している面積の割合に応じて費用を按分するのが一般的です。

例えば、建物の総面積が100㎡で、そのうち事業用として使用している事務所スペースが30㎡(30%)だったとします。外壁塗装費用が100万円かかった場合、経費として計上できるのは、

100万円 × 30% = 30万円

となります。残りの70万円は、プライベートな支出として扱われ、経費にはなりません。この事業使用割合は、客観的に説明できる合理的な基準で設定する必要がありますので、ご注意ください。

個人事業主の方も、青色申告を行うことで様々な税制上の優遇措置を受けられます。外壁塗装のような大きな支出がある年は、特に専門家である税理士に相談しながら、適切な会計処理を行うことをお勧めします。

アパートの外壁塗装も経費にできる

前述の通り、マンションと同様に、アパートの外壁塗装費用ももちろん経費として計上することが可能です。アパート経営は不動産所得を生み出す事業活動であり、その事業に必要な建物の維持管理費用は、必要経費として認められます。

アパートの場合も、マンションと全く同じルールが適用されます。つまり、

  • 原状回復や維持管理が目的なら「修繕費」として一括計上。
  • 資産価値の向上や耐久性のアップが目的なら「資本的支出」として減価償却。

この判断基準に変わりはありません。例えば、入居者が退去した後の空室対策として、古びた外観をリフレッシュするために行う塗装は、一般的に修繕費として考えられます。

しかし、近隣の競合物件と差別化を図るために、デザイン性の高いツートンカラーにしたり、遮熱塗料を使って「夏涼しいアパート」という付加価値を付けたりする工事は、資本的支出と判断される可能性が高くなります。

◆斎藤のワンポイントアドバイス

静岡でアパート経営をされているオーナー様からは、「空室対策として塗装を考えているが、費用をどう考えれば良いか」というご相談を受けます。私たちは単に塗装するだけでなく、入居者ターゲットに響くようなカラープランをご提案したり、長期的な修繕計画を見据えた塗料選びをお手伝いしたりしています。

ファイナンシャルプランナーの視点から、今回の工事が修繕費と資本的支出のどちらに寄与する可能性が高いかといったアドバイスも可能ですので、ぜひ一度無料診断・お見積りをご利用ください。

アパート経営において、外壁塗装は建物の寿命を延ばすだけでなく、入居率を維持・向上させるための重要な投資です。その投資効果を最大化するためにも、税務上のルールを正しく理解し、計画的に修繕を行っていくことが成功の鍵となります。

マンション塗装の経費に関する注意点

  • 減価償却の対象となる工事の具体例
  • 計算の基礎となる「法定耐用年数」とは
  • 外壁塗装の償却年数、国税庁の見解
  • 減価償却費の具体的な計算方法
  • 確定申告で注意すべきポイント

減価償却の対象となる工事の具体例

デザイン性の高いツートンカラーに塗装され、美しく機能性が向上したアパートの外観。遮熱・断熱塗料や高耐久塗料の使用をイメージさせる

外壁塗装工事が「資本的支出」と判断され、減価償却が必要になるのは、その工事によって建物の価値が客観的に見て向上した場合です。ここでは、どのような工事が資本的支出に該当するのか、より具体的な例を挙げて解説します。

これらの工事は、「元に戻す」補修の範囲を超え、「改良して良くする」という要素が含まれるため、資産価値が増加したと見なされます。

1. 耐久性を大幅に向上させる塗料の使用

建物を新築した際に使用されていた一般的なシリコン塗料(耐久年数10年~15年)から、ラジカル制御フッ素塗料(同20年)やポリウレアUVコート(同25年~30年)など、明らかに耐久年数が長い高グレードの塗料に変更した場合です。これにより建物の使用可能期間が延長される、と解釈されるため資本的支出に該当します。

2. 新たな機能を付加する塗装工事

従来の防水機能に加え、新たな性能を建物に付与する工事も資本的支出となります。代表的な例が、遮熱塗料や断熱塗料「ガイナ」などを使用した塗装です。

【コラム】機能性塗料は賢い投資!静岡の気候と空室対策

夏の暑さが厳しい静岡では、遮熱・断熱塗料による塗装は非常に有効な投資です。屋根や外壁からの熱の侵入を抑えることで、室内の温度上昇を緩和し、夏場の冷房効率を高める効果が期待できます。これは、入居者にとっては「光熱費の削減」という直接的なメリットに繋がります。

結果として、「夏でも快適に過ごせる省エネマンション」として、近隣物件との差別化を図ることができ、空室対策にも大きく貢献します。このように、初期費用は少し高くなりますが、建物の付加価値を高める資本的支出は、長期的な視点で見れば非常に合理的な経営判断と言えるのです。

3. 外観デザインの大幅な変更

単色だった外壁をデザイン性の高いツートンカラーに変更したり、一部にタイル調の仕上げを施したりするなど、建物の外観を大きく変更して魅力を高める工事も、資産価値の向上と見なされます。これにより、物件の印象が良くなり、家賃相場の維持や向上に繋がる可能性があるためです。

これらの工事費用は、支出した年に一括で経費にすることはできず、後述する法定耐用年数にわたって、毎年少しずつ「減価償却費」として経費計上していくことになります。

計算の基礎となる「法定耐用年数」とは

減価償却を計算する上で、最も基本となるのが「法定耐用年数」です。これは、資産を使用できる期間として法律(減価償却資産の耐用年数等に関する省令)で定められた年数のことで、資産の種類や構造によって細かく分類されています。

ここで多くのオーナー様が誤解されがちなのが、「塗料の耐久年数」と「税法上の法定耐用年数」は全くの別物であるという点です。例えば、私たちが「この無機塗料は20年の耐久性が期待できます」とご説明したとしても、減価償却の計算で20年という年数を使うわけではありません。

法定耐用年数の考え方

税法上、外壁塗装のような資本的支出は、独立した資産としてではなく、建物本体と一体のものとして扱われます。つまり、塗装工事によって建物本体の価値が増加した、と考えるのです。そのため、減価償却を行う際は、その建物本体の法定耐用年数を適用するのが原則となります。

マンションやアパート(住宅用)の法定耐用年数は、その構造によって以下のように定められています。

構造の種類 法定耐用年数
木造 22年
軽量鉄骨造(骨格材の肉厚が3mm以下) 19年
軽量鉄骨造(骨格材の肉厚が3mm超4mm以下) 27年
重量鉄骨造(骨格材の肉厚が4mm超) 34年
鉄筋コンクリート造(RC造) 47年

例えば、鉄筋コンクリート造(RC造)のマンションで資本的支出と見なされる塗装工事を行った場合、その費用は47年という長期間にわたって減価償却していくことになります。この法定耐用年数は、減価償却費を計算する際の基礎となるため、ご自身の建物の構造を正確に把握しておくことが非常に重要です。

外壁塗装の償却年数、国税庁の見解

専門家がマンションオーナーに対し、モニターを使って塗料の耐久年数と建物本体の法定耐用年数の違いを説明している

前述の通り、外壁塗装の減価償却年数は、建物本体の法定耐用年数を用いるのが原則です。この点に関する国税庁の公式な見解も、この原則を裏付けています。

国税庁の質疑応答事例などを見ると、資本的支出を行った場合の耐用年数について、「その資本的支出を新たな資産の取得とみて、その資産(この場合は建物本体)の種類、構造、用途に応じて定められている耐用年数を適用する」とされています。

これは、外壁塗装が建物と物理的に分離できない改良であり、建物全体の価値を高めるものである、という考え方に基づいています。

国税庁の見解のポイント

外壁塗装(資本的支出)の減価償却は、建物本体と同じ法定耐用年数を用いて計算します。塗料メーカーが示す耐久年数や、工事を行った時点での建物の築年数(残りの寿命)は、税法上の減価償却計算には直接影響しません。

例えば、築20年の木造アパート(法定耐用年数22年)に、資本的支出となる外壁塗装を行ったとします。この場合、減価償却の期間は残りの2年ではなく、新たにもう一度、木造アパートの法定耐用年数である22年を適用して計算を開始することになります。

◆斎藤のワンポイントアドバイス

このルールは、長期的な資金計画を立てる上で非常に重要です。減価償却期間が長くなるということは、毎年経費として計上できる金額が少なくなることを意味します。

一方で、帳簿上の資産価値は高く保たれるため、金融機関からの融資審査などでは有利に働く側面もあります。メリット・デメリットの両方を理解した上で、塗装プランや資金計画を検討することが大切です。

このように、国税庁の見解は一貫しており、税務上の処理を行う際にはこの原則に従う必要があります。正しい知識を持つことで、将来の税務リスクを回避し、安定した賃貸経営を行うことができます。

減価償却費の具体的な計算方法

資本的支出に該当する外壁塗装費用を、どのように減価償却していくのか、具体的な計算方法を見ていきましょう。現在、建物に関する減価償却の計算方法は「定額法」を用いることが定められています。

定額法とは?

定額法は、毎年同じ金額の減価償却費を計上していく、シンプルで分かりやすい計算方法です。資産の価値が毎年一定額ずつ減少していく、という考え方に基づいています。

定額法による年間の減価償却費は、以下の計算式で求められます。

減価償却費 = 取得価額 × 定額法の償却率

  • 取得価額:資本的支出とされた外壁塗装の工事費用
  • 償却率:資産の法定耐用年数に応じて定められた率

償却率は法定耐用年数ごとに決まっており、国税庁の「減価償却資産の償却率表」で確認できます。例えば、主な建物の償却率は以下の通りです。

構造 法定耐用年数 償却率
木造 22年 0.046
重量鉄骨造(肉厚4mm超) 34年 0.030
鉄筋コンクリート造(RC造) 47年 0.022

計算例を見てみよう

実際に例を挙げて計算してみましょう。

【条件】

  • 建物:木造アパート(法定耐用年数22年)
  • 工事費用:220万円(全額が資本的支出と判断)
  • 償却率:0.046(耐用年数22年の場合)

【年間の減価償却費】
220万円(取得価額) × 0.046(償却率) = 101,200円

この計算により、年間101,200円を減価償却費として、22年間にわたって経費計上していくことになります。もし、年の途中で工事が完了した場合は、その年の減価償却費は月割りで計算します。例えば、10月1日に工事が完了した場合、その年は3ヶ月分(10月~12月)の減価償却費を計上します。

このように、計算方法自体はシンプルですが、基となる法定耐用年数や取得価額を正しく設定することが非常に重要です。

確定申告で注意すべきポイント

マンションのオーナーが、外壁塗装の経費計上について税理士に相談し、確定申告の準備をしている様子

外壁塗装の費用を正しく経費計上するためには、年に一度の確定申告で適切な手続きを行う必要があります。手続きを誤ると、せっかくの節税効果が得られなかったり、後から税務署に指摘されたりする可能性もあるため、いくつかの重要なポイントを押さえておきましょう。

1. 証拠書類の保管は絶対!

最も重要なのが、工事に関する書類をすべて保管しておくことです。これらは、支出が正当な経費であることを証明するための強力な証拠となります。税務調査が入った際に提示を求められるため、必ず7年間は保管してください。

保管が必要な書類の例

  • 塗装業者との契約書
  • 詳細な工事内容がわかる見積書
  • 支払いを行ったことを証明する請求書領収書

特に見積書は、工事内容が「修繕費」か「資本的支出」かを判断する上で重要な資料となります。「外壁塗装工事一式」といった曖昧な記載ではなく、使用した塗料名や、下地補修、シーリング工事などの内訳が詳細に記載されていることが望ましいです。私たちアップリメイクでは、お客様が安心して経費計上できるよう、透明性の高い詳細な見積書のご提出を徹底しています。

2. 減価償却の明細書を添付

資本的支出として減価償却を行う場合は、確定申告書の他に「減価償却費の計算」に関する明細書を添付する必要があります。この明細書に、資産(建物)の情報、今回の資本的支出の金額(取得価額)、耐用年数、償却率、そしてその年の減価償却費などを記入します。計上を始めた年だけでなく、償却期間が終わるまで毎年この手続きが必要です。

3. 判断に迷ったら専門家に相談

これまで解説してきた通り、経費計上の判断は複雑なケースが少なくありません。ご自身の判断に少しでも不安がある場合は、無理に処理を進めず、必ず税理士に相談してください。専門家に依頼することで、申告ミスを防ぎ、適切な節税アドバイスを受けることもできます。節税のために支払う専門家への報酬は、結果的にそれ以上のメリットを生むことがほとんどです。

計画的な塗装工事と適切な確定申告は、安定したマンション・アパート経営の両輪です。ぜひ、信頼できるパートナーを見つけて、大切な資産を守り育てていってください。

マンション塗装の経費に関するよくある質問(FAQ)

Q1. 減価償却か修繕費か、自分で判断できません。どうすれば良いですか?

A. 最も確実な方法は、税理士に相談することです。税務の専門家として、工事の契約書や見積書の内容を基に、法的に最も適切な判断をしてくれます。私たち塗装業者にご相談いただければ、過去の事例から「この工事内容であれば、一般的に資本的支出と見なされる可能性が高いです」といった技術的な観点からのアドバイスは可能です。しかし、最終的な税務判断は税理士の専門領域となりますので、必ず専門家にご確認ください。

Q2. 塗料の耐用年数と、減価償却で使う法定耐用年数が違うのはなぜですか?

A. これは非常に重要なポイントです。塗料メーカーが示す「耐用年数(耐久年数)」は、あくまでその塗料の性能がどのくらい持続するかの物理的な目安です。一方、税法上の「法定耐用年数」は、資産価値を会計上、何年かけて費用化するかを定めた法律上のルールです。外壁塗装は建物と一体の改修と見なされるため、建物本体の法定耐用年数(木造22年、RC造47年など)を使って減価償却を行うのが税法上の原則となります。

Q3. 減価償却の途中でマンションを売却したらどうなりますか?

A. 減価償却が終わっていない部分(未償却残高)は、売却時の帳簿上の資産価値として扱われます。売却価格がこの帳簿価額を上回れば譲渡所得(利益)として課税対象になり、下回れば譲渡損失となります。外壁塗装によって資産価値が向上していることは、売却価格の交渉で有利に働く可能性があります。売却を視野に入れている場合も、税理士や不動産会社と連携して計画を立てることが重要です。

Q4. 少額のひび割れ補修(5万円)だけでも確定申告は必要ですか?

A. はい、必要です。金額の大小にかかわらず、事業に関する支出はすべて経費として計上し、確定申告に反映させるべきです。5万円の補修であれば、国税庁の示す基準(20万円未満)から見ても明らかに「修繕費」として一括で経費計上できます。小さな経費も積み重なれば大きな節税に繋がりますので、領収書を必ず保管し、忘れずに申告しましょう。

まとめ:マンション塗装の経費を正しく理解

今回は、マンション塗装の経費計上について、「修繕費」と「資本的支出(減価償却)」の違いを中心に、具体的な判断基準から計算方法、確定申告の注意点まで詳しく解説してきました。

高額な費用がかかる外壁塗装だからこそ、その会計処理を正しく行うことは、税負担を適正化し、キャッシュフローを安定させる上で極めて重要です。今回の記事のポイントを改めてまとめます。

この記事の要点

  • 外壁塗装費用は経費計上できるが、方法は「修繕費」と「資本的支出」の2択。
  • 原状回復なら「修繕費」で一括経費に、価値向上なら「資本的支出」として減価償却。
  • 減価償却の期間は塗料の寿命ではなく、建物本体の法定耐用年数(木造22年、RC造47年など)を用いる。
  • 契約書や見積書などの証拠書類の保管が必須。判断に迷ったら必ず税理士に相談する。

外壁塗装は、単に建物を綺麗にするだけでなく、入居者様の満足度を高め、空室リスクを減らし、大切な資産の価値を長期的に守るための重要な投資です。そして、その投資効果を最大限に高めるためには、適切な会計処理による節税が欠かせません。

私たち株式会社アップリメイクは、1973年の創業以来、静岡の地で多くのオーナー様のお悩みに寄り添ってまいりました。塗装のプロであることはもちろん、2級ファイナンシャルプランニング技能士や宅地建物取引主任者といった国家資格を持つ専門家が在籍しており、技術的なご提案だけでなく、お客様の長期的な資産計画を見据えた最適な修繕プランのご相談にも応じられるのが私たちの強みです。

マンションの外壁塗装や経費の考え方について、少しでもご不明な点があれば、ぜひ一度、私たちにご相談ください。職人直営の誠実な仕事で、皆様の大切な資産を守るお手伝いをさせていただきます。まずは無料の建物診断から、お気軽にお声がけください。

 

アップリメイクのアパート・マンション塗装サービスについて、
より詳しくは、こちらの総合案内ページをご覧ください。

→ アパート・マンション塗装 総合案内ページへ

  • この記事を書いた人

齋藤直樹

(株)アップリメイク代表取締役で元職人、塗装という仕事が大好きです。人生の大きな挫折と数多くの出会いを経て今は大好きな地元・静岡で、お客様の笑顔のために仕事ができることに何よりの誇りを感じています。

▼保有資格▼
1級建築塗装技能士・2級建築施工管理技士・有機溶剤作業主任者・高所作業主任者・2級カラーコーディネーター・光触媒施工技能士・乙4類危険物取扱者・ゴンドラ特別教育・職長・安全衛生責任者・第2種酸素欠乏危険作業主任者・宅地建物取引主任者・2級ファイナンシャルプランニング技能士・AFP