
こんにちは、株式会社アップリメイク代表取締役の齋藤直樹です。
静岡で屋根・外壁塗装リフォーム専門店を営んでいると、アパートやマンションのオーナー様から「外壁塗装の費用は経費にできますか?」「修繕費で一括計上しても大丈夫ですか?」というご相談を本当によくいただきます。
外壁塗装は、戸建て住宅でも大きな出費ですが、賃貸アパートやマンションになると足場面積も塗装面積も大きくなり、100万円以上の工事になることも珍しくありません。
だからこそ、塗装費用をその年の経費にできるのか、それとも資本的支出として減価償却しなければならないのかは、オーナー様にとってかなり大きな問題ですよね。
しかも、ややこしいのは「外壁塗装だから必ず修繕費」「高額だから必ず資本的支出」と単純に決まるわけではないところです。
同じ外壁塗装でも、工事の目的、使用する塗料のグレード、劣化状況、見積書の書き方、過去の修繕履歴などによって判断が変わる可能性があります。
この記事では、アパート外壁塗装の費用を経費にする際に知っておきたい「修繕費」と「資本的支出」の違いを、塗装の現場目線と経営者目線の両方からわかりやすく解説します。
税務の最終判断は税理士や管轄の税務署に確認していただく必要がありますが、まずこの記事を読むことで、どこに注意して見積もりを取り、どんな書類を残し、どのタイミングで専門家に相談すべきかが見えてくるはずです。
「節税したいけれど、税務調査で困るのは避けたい」「銀行融資への影響も考えておきたい」「長期的に損しない修繕計画を立てたい」というオーナー様は、ぜひ最後まで読んでみてください。
この記事でわかること
- アパート外壁塗装が修繕費になるケース
- 資本的支出として減価償却が必要になるケース
- 国税庁の判断基準で見る20万円・60万円・10%ルール
- 100万円以上の外壁塗装で注意したいポイント
- 見積書・契約書・写真で残しておきたい証拠書類
- 節税だけでなく銀行融資やキャッシュフローまで考える方法
- 静岡でアパート塗装を検討するときの次の行動
アパート外壁塗装の経費は修繕費か資本的支出か
アパートやマンションの外壁塗装を経費処理するときに、まず押さえておきたいのが「修繕費」と「資本的支出」の違いです。
この違いをあいまいにしたまま工事を進めてしまうと、工事後に税理士へ相談したとき、思っていた処理ができない可能性があります。
また、税務上の処理だけでなく、融資を受ける予定がある場合は決算書の見え方にも関わります。
ここでは、まず基本の考え方から見ていきましょう。
修繕費とは?劣化した建物を元の状態に戻すための費用

修繕費とは、簡単に言うと、建物を通常どおり使える状態に維持したり、傷んだ部分を元の状態に戻したりするための費用です。
外壁は、毎日紫外線や雨風を受けています。
静岡は日差しが強い日も多く、台風や横殴りの雨、沿岸部では潮風の影響もあります。
そのため、築年数が経つと、外壁の色あせ、チョーキング、ひび割れ、コーキングの劣化、塗膜の剥がれなどが起きてきます。
こうした劣化を放置すると、見た目が悪くなるだけでなく、防水性が落ち、雨水が建物内部に入りやすくなります。
アパート経営では、建物をきれいに見せることも大切ですが、それ以上に「入居者様が安心して暮らせる状態を維持すること」が大切です。
そのために行う外壁塗装や補修は、基本的には修繕費として考えられることが多いです。
修繕費と判断されやすい工事の例
- 経年劣化で色あせた外壁を、前回と同程度の塗料で塗り替える
- 小さなひび割れを補修し、防水性を回復させる
- 劣化したコーキングを打ち替え、雨水の侵入を防ぐ
- 台風や強風で破損した雨樋を修理する
- サビが出た鉄部をケレンし、サビ止めを入れて塗装する
- 退去後の室内クロスを張り替え、通常使用できる状態に戻す
これらに共通しているのは、建物を新しくグレードアップするというより、傷んだ部分を直して「本来あるべき状態へ戻す」ことです。
つまり、マイナスになった状態をゼロに戻す工事。
このイメージで考えると、修繕費の考え方がかなりわかりやすくなるかなと思います。
修繕費として認められる場合、その費用は原則として工事を行った年度に一括で経費計上できます。
たとえば、200万円の外壁塗装費用が修繕費として処理できれば、その年の不動産所得を大きく圧縮できます。
ただし、ここで大事なのは「一括で経費にできるから、何でも修繕費にしてよい」という話ではないことです。
税務上は、工事の名目ではなく、実際に何をしたのかという中身で判断されます。
資本的支出とは?建物の価値や耐久性を高める費用

資本的支出とは、建物を元の状態に戻すだけではなく、価値を高めたり、使用できる期間を延ばしたりするための支出です。
修繕費が「元に戻す費用」だとすれば、資本的支出は「性能や価値を上乗せする投資」と考えるとわかりやすいです。
外壁塗装でも、単なる塗り替えではなく、塗料の性能を大きく上げたり、新しい機能を加えたり、建物の印象を大きく変えて収益性を高めようとする工事は、資本的支出と判断される可能性があります。
資本的支出と判断されやすい工事の例
- 一般的なシリコン塗料から、明らかに高耐久な無機塗料やフッ素塗料へ大きくグレードアップする
- 遮熱塗料や断熱塗料を使い、建物に省エネ性や快適性を新たに加える
- 外観デザインを大きく変更し、物件の印象を変えて入居率向上や家賃アップを狙う
- 防水層を新たに設けるなど、既存の状態を超える性能を付加する
- 避難階段や新たな設備を取り付けるなど、建物に物理的な追加を行う
これらの工事は、その効果がその年だけで終わるものではなく、将来にわたって建物に残ります。
そのため、工事をした年に全額を経費にするのではなく、いったん資産として計上し、法定耐用年数に応じて少しずつ経費化していきます。
これが減価償却です。
たとえば、300万円の工事が資本的支出と判断された場合、その300万円をその年にすべて経費にするのではなく、建物の耐用年数に応じて毎年少しずつ減価償却費として計上します。
目先の節税効果は小さくなりますが、決算書上の利益が大きく落ちにくくなるため、銀行融資を考えているオーナー様にとってはメリットになることもあります。
アパート外壁塗装は修繕費で計上できるのか
では、アパートの外壁塗装費用は修繕費で計上できるのでしょうか。
結論としては、工事の目的と内容によりますが、経年劣化した外壁の防水性や美観を回復するための通常の塗り替えであれば、修繕費として計上できる可能性はあります。
たとえば、築10年から15年ほど経過したアパートで、外壁の色あせ、チョーキング、細かなひび割れ、コーキングの劣化が出てきたとします。
そこで、前回と同程度のグレードの塗料を使い、外壁の防水機能を回復させるために塗装する場合は、通常の維持管理や原状回復と考えやすいです。
この場合は、修繕費として一括計上できる可能性があります。
一方で、同じ塗装工事でも、使用する塗料を大きく高性能化したり、外観を大幅に変えて収益性を高める目的が強かったりする場合は、資本的支出と判断される可能性が高まります。
ここが、オーナー様が一番迷いやすいところです。
◆齋藤のワンポイントアドバイス
塗装業者の見積書や契約書には、工事の目的や内容をできるだけ具体的に書いてもらうことをおすすめします。
たとえば、「経年劣化に伴う外壁防水機能の回復」「既存外壁のひび割れ補修」「シーリング劣化部の打ち替え」など、なぜその工事が必要なのかがわかる記載があると、後から説明しやすくなります。
逆に、「資産価値向上」「高性能化」「大幅なグレードアップ」といった内容が中心になると、資本的支出と見られる可能性が高まります。
どちらが良い悪いではなく、工事の実態に合わせた書類にしておくことが大切です。
私たちアップリメイクでは、アパートやマンションの外壁塗装をご相談いただく際、建物の劣化状況だけでなく、オーナー様の今後の修繕計画、入居者様への配慮、資金計画までできる範囲でお話を伺います。
ただ塗るだけではなく、「この工事は維持管理目的なのか」「長期的にどの塗料が合っているのか」「入居者様への告知はいつ必要か」まで考えることが、賃貸物件の塗装では大事なんですよ。
アパート・マンション塗装の全体像を先に確認したい方は、アパート・マンション塗装の総合案内ページもあわせてご覧ください。
国税庁の基準で見る修繕費と資本的支出の判断ポイント
修繕費か資本的支出かは、オーナー様や施工業者の感覚だけで決めるものではありません。
国税庁の考え方では、通常の維持管理や修理のための支出は修繕費になります。
一方で、資産の使用可能期間を延ばしたり、資産の価値を高めたりする部分の支出は資本的支出として扱われます。
また、名前が「修繕工事」かどうかではなく、実質で判断される点も大切です。
つまり、契約書に「修繕」と書いてあっても、中身が明らかな改良であれば資本的支出になる可能性があります。
逆に、金額が大きくても、災害で破損した部分を元通りに直すような内容であれば、修繕費として考えられることもあります。
まず見るべきは工事の目的です
外壁塗装の経費処理で最初に確認したいのは、工事の目的です。
目的が「劣化した外壁を直して防水性を回復すること」なら、修繕費として考えやすくなります。
目的が「高耐久塗料に変更して将来のメンテナンス周期を大きく延ばすこと」や「デザイン性を高めて家賃アップを狙うこと」なら、資本的支出の要素が強くなります。
もちろん、実際の工事では両方の意味が混ざることもあります。
外壁塗装は、建物を守るための工事であると同時に、見た目も良くなります。
だからこそ、税務上は「主な目的は何か」「通常の維持管理の範囲を超えているか」を整理しておくことが大切です。
判断のために整理しておきたいこと
- 前回の塗装から何年経っているか
- 外壁にどのような劣化症状が出ているか
- 今回の工事は劣化補修が中心か、性能向上が中心か
- 前回と同程度の塗料か、明らかに高性能な塗料へ変更するのか
- 防水工事や設備追加など、塗装以外の改良工事が含まれているか
- 家賃アップや物件イメージ刷新を主目的にしているか
この整理ができていると、税理士にも相談しやすくなります。
税理士に「外壁塗装をしました。修繕費でいいですか?」と聞くだけでは、判断材料が足りません。
「築何年で、どんな劣化があり、どんな工事をして、どの塗料を使い、前回と比べてどう変わったのか」まで伝えると、かなり話がスムーズになります。
20万円未満・3年以内周期・60万円未満・10%基準の考え方

国税庁の考え方では、修繕費か資本的支出かを判断するための形式的な基準もあります。
アパート外壁塗装は金額が大きくなりやすいため、すべてのケースにそのまま当てはまるわけではありませんが、基本として知っておくと役立ちます。
修繕費か資本的支出かを考える主な基準
| 基準 | 内容 | 考え方 |
|---|---|---|
| 20万円未満の基準 | 一つの修理や改良の金額が20万円未満の場合 | 原則として修繕費として処理しやすい基準です |
| 3年以内周期の基準 | おおむね3年以内の周期で行われる修理や改良の場合 | 定期的な維持管理と考えやすい支出です |
| 60万円未満の基準 | 修繕費か資本的支出か明らかでない金額が60万円未満の場合 | 判断が難しい場合に修繕費として処理できる可能性があります |
| 取得価額10%以下の基準 | 修繕費か資本的支出か明らかでない金額が、対象資産の前年末取得価額のおおむね10%以下の場合 | 判断が難しい場合に修繕費として処理できる可能性があります |
たとえば、共用部の一部補修や小規模な雨樋修理などで20万円未満の工事であれば、修繕費として処理しやすいです。
一方で、アパート全体の外壁塗装は、足場、洗浄、下地補修、塗装、シーリングなどが含まれるため、20万円未満に収まることはほとんどありません。
そのため、アパート外壁塗装では、形式基準だけに頼らず、工事の目的と実態を丁寧に整理する必要があります。
注意したいポイント
60万円未満や取得価額10%以下の基準は、あくまで「修繕費か資本的支出か明らかでない場合」に使われる考え方です。
明らかに建物の価値を高める工事や、使用可能期間を延ばす工事であれば、金額だけを理由に修繕費と判断できるとは限りません。
個別の税務判断は、必ず税理士や管轄の税務署に確認してください。
なお、国税庁の公式情報を確認したい方は、国税庁「No.1379 修繕費とならないものの判定」を確認しておくとよいです。
100万円以上の外壁塗装で特に注意したいこと

アパートやマンションの外壁塗装では、工事費用が100万円以上になることがよくあります。
2階建ての小規模アパートでも、外壁だけでなく屋根、鉄部、階段、廊下、ベランダ防水、シーリングまで含めると、費用は大きくなります。
金額が大きくなるほど、税務上は「本当に通常の修繕なのか」「資産価値を高める改良工事ではないのか」を説明できるようにしておくことが大切です。
たとえば、経年劣化した外壁を同等グレードの塗料で塗り替え、防水機能を回復させる工事であれば、金額が大きくても修繕費として考えられる余地があります。
しかし、同時に高耐久塗料への大幅なグレードアップ、デザイン変更、屋上防水の新設、設備追加などが含まれている場合は、資本的支出の部分が混ざる可能性があります。
このような場合は、工事全体をまとめて一つの勘定科目で処理するのではなく、修繕部分と改良部分を分けて考える必要が出てくるかもしれません。
按分が必要になる可能性があるケース
- 劣化した外壁の補修と同時に、明らかに高性能な塗料へ変更した
- 通常の塗装とあわせて、新たな防水層を施工した
- 建物の原状回復に加えて、デザインを大きく変える工事を行った
- 共用階段や手すりなどを、補修ではなく新設・増設した
- 外壁塗装と大規模な設備更新を同時に行った
工事内容が混在する場合は、見積書の内訳がとても重要です。
「外壁塗装工事一式 300万円」とだけ書かれている見積書では、あとから修繕部分と改良部分を説明するのが難しくなります。
外壁塗装、シーリング、下地補修、防水、鉄部塗装、付帯部塗装、足場など、項目ごとに数量と単価がわかる見積書をもらっておくと安心です。
見積書の見方や相見積もりの注意点を詳しく知りたい方は、外壁塗装の相見積もりで危険な業者を見抜く方法も参考にしてみてください。
判例や過去事例を見るときは「自分の物件に当てはまるか」を慎重に見る
修繕費と資本的支出の判断について調べると、過去の判例や裁決事例に触れている情報を見かけることがあります。
こうした事例は参考になりますが、注意してほしいのは「過去の事例が自分のアパートにそのまま当てはまるとは限らない」という点です。
建物の築年数、劣化状況、工事内容、使用材料、過去の修繕履歴、契約書や見積書の記載内容によって判断は変わります。
特に外壁塗装は、見た目の変化が大きいため、原状回復なのか、価値向上なのかを外から見ただけで判断しにくい工事です。
だからこそ、税務調査などで説明できるように、客観的な資料を残しておくことが大切です。
残しておきたい資料
- 工事前の劣化写真
- 診断報告書
- 見積書
- 契約書
- 使用塗料の仕様書やカタログ
- 工事中の施工写真
- 工事完了後の写真
- 請求書・領収書
- 税理士へ相談した内容のメモ
写真は、特に大切です。
「ひび割れがあった」「コーキングが切れていた」「チョーキングが出ていた」と口で説明するより、施工前の写真がある方がずっと伝わりやすいです。
アップリメイクでは、無料診断の段階で建物の状態を確認し、写真付きの診断報告を行っています。
今すぐ工事をするかどうか決めていない段階でも、まず現状を知ることがオーナー様にとって大きな判断材料になります。
資本的支出になった場合の減価償却年数と考え方
外壁塗装費用が資本的支出と判断された場合、その費用は減価償却で少しずつ経費化していきます。
ここで多くのオーナー様が迷うのが「何年で減価償却するのか」という点です。
使用した塗料の耐久年数で考えたくなるところですが、税務上の減価償却年数は、塗料の耐久年数とは別の考え方になります。
塗料の耐久年数と減価償却年数は同じではありません
たとえば、耐久年数15年程度のフッ素塗料を使った場合、「15年で減価償却するのかな」と思う方もいらっしゃいます。
また、20年程度の耐久性が期待できる無機塗料を使った場合、「20年で経費化するのかな」と考える方もいるかもしれません。
でも、外壁塗装が資本的支出になる場合、基本的には塗料の耐久年数ではなく、建物本体の法定耐用年数をもとに考えます。
外壁塗装は、建物から独立した別の資産というより、建物と一体のものとして扱われるためです。
ここは本当に間違いやすいポイントです。
塗料メーカーが示す耐久年数は、あくまで塗膜性能や次回メンテナンス時期を考えるための目安です。
税務上の減価償却年数とは別物として考えてください。
減価償却のイメージ
減価償却とは、高額な資産の取得費用を、その資産を使える期間にわたって少しずつ経費にしていく会計上の手続きです。
資本的支出になった外壁塗装費用は、その年に全額を経費にするのではなく、建物の耐用年数に応じて複数年で費用化していきます。
アパート外壁塗装の減価償却年数は建物の構造で変わります

建物の法定耐用年数は、構造によって変わります。
同じアパートでも、木造、軽量鉄骨造、重量鉄骨造、鉄筋コンクリート造では、耐用年数が異なります。
ご自身の物件がどの構造に該当するかは、登記簿謄本、建築確認書、売買契約書、固定資産税の資料などで確認できることが多いです。
【構造別】主な住宅用建物の法定耐用年数
| 構造の種類 | 法定耐用年数 |
|---|---|
| 木造・合成樹脂造 | 22年 |
| 軽量鉄骨造(骨格材の肉厚が3mm以下) | 19年 |
| 軽量鉄骨造(骨格材の肉厚が3mm超4mm以下) | 27年 |
| 重量鉄骨造(骨格材の肉厚が4mm超) | 34年 |
| 鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造(住宅用) | 47年 |
※参考:国税庁「主な減価償却資産の耐用年数表」
たとえば、木造アパートで220万円の外壁塗装が資本的支出と判断された場合、単純に考えると22年にわたって経費化していくイメージになります。
単純計算では、220万円 ÷ 22年で年間10万円です。
ただし、実際の税務計算では償却率や取得時期、事業年度、既存建物の状況なども関係します。
そのため、実際の申告では税理士に確認してください。
ここで大事なのは、同じ220万円の工事でも、修繕費ならその年に大きく経費化でき、資本的支出なら長期に分けて経費化するという違いです。
この差は、手元資金、納税額、決算書の見え方に影響します。
中古アパートの場合はさらに注意が必要です
中古アパートを購入している場合は、建物本体の残存耐用年数や取得価額の考え方も関係してきます。
新築時の法定耐用年数をそのまま使うのか、中古資産としての耐用年数を使うのか、どの金額を取得価額として見るのかは、個別事情によって変わります。
また、購入直後に大きな外壁塗装を行った場合、「取得時点で必要だった修繕なのか」「購入後に価値を高める工事なのか」という見方も出てきます。
特に中古アパート投資では、購入後すぐの修繕費をどう処理するかが重要になることがあります。
ここは塗装業者だけで判断できる範囲を超えます。
購入時の資料、建物の状態、工事内容、会計処理の方針を税理士に共有し、早めに相談しておくのが安心です。
節税だけでなく銀行融資とキャッシュフローまで考える

外壁塗装費用を修繕費として一括計上できるなら、その年の税負担を抑えやすくなります。
これは大きなメリットです。
ただし、アパート経営を長く続けるなら、節税だけで判断しない方がよいケースもあります。
特に、今後新しい物件を買いたい、追加融資を受けたい、大規模修繕のための借入を検討しているというオーナー様は、決算書の見え方も意識しておく必要があります。
修繕費の一括計上は利益を大きく下げることがあります
たとえば、年間家賃収入が500万円のアパートで、外壁塗装費用300万円を修繕費として一括計上したとします。
この場合、その年の利益は大きく下がります。
場合によっては赤字になることもあります。
税金だけを見れば、利益が下がることはメリットに感じるかもしれません。
しかし、銀行が融資審査で決算書を見るとき、「この物件は安定して利益を出せているか」「返済余力はあるか」を確認します。
大きな修繕費が一時的なものだと説明できればよいのですが、決算書だけを見ると収益性が低く見えてしまう可能性があります。
一括計上だけを優先すると起こりやすいこと
- その年の利益が大きく減る
- 融資審査で収益性が低く見えることがある
- 税務調査で資本的支出と判断された場合、修正が必要になる可能性がある
- 翌年以降に経費化できる余地が小さくなる
- 修繕計画と資金計画のバランスが崩れることがある
もちろん、修繕費として正しく処理できる工事を、無理に資本的支出にする必要はありません。
大切なのは、税務上の正しさと経営上の見え方を両方考えることです。
資本的支出にすることで決算書が安定して見える場合もあります
同じ300万円の工事でも、資本的支出として処理する場合、その年に経費化されるのは減価償却費の一部です。
そのため、単年度の利益は大きく落ちにくくなります。
銀行から見ると、利益が安定しているように見えることがあります。
今後の融資を考えている場合、これは一つのメリットになるかもしれません。
ただし、税務処理は自由に選べるものではありません。
工事の実態に基づいて、修繕費なのか資本的支出なのかを判断する必要があります。
そのうえで、どのような修繕計画を組むか、どのタイミングで工事を行うか、どのグレードの塗料を選ぶかを考えることが、経営判断として大切になります。
◆齋藤のワンポイントアドバイス
アパート塗装は、単なる建物メンテナンスではなく、賃貸経営の一部です。
目先の節税だけを見るのではなく、空室対策、入居者満足、次回修繕までの期間、銀行融資、手元資金まで含めて考えると、選ぶべき塗料や工事内容が変わることがあります。
代表である私自身、ファイナンシャルプランナー(AFP)や宅地建物取引主任者の資格を持っているため、塗装の技術面だけでなく、オーナー様の長期的な資金計画も意識してお話しするようにしています。
もちろん、税務の最終判断は税理士の先生にお願いする必要がありますが、塗装業者として「判断材料になる工事内容や写真をきちんと残すこと」はお手伝いできます。
外壁塗装を修繕費で説明しやすくするための実務ポイント
ここからは、アパート外壁塗装を行う前に、オーナー様が実務として押さえておきたいポイントを解説します。
税務上の処理は、工事が終わってから慌てて考えるより、工事前の段階で準備しておく方がずっと安心です。
見積もり、診断、契約書、写真、税理士への相談。
このあたりを丁寧に進めるだけで、後から説明できる力が大きく変わります。
見積書は「一式」ではなく、内訳がわかるものをもらう
外壁塗装の見積書で特に注意したいのが、「一式」表記です。
もちろん、すべての一式表記が悪いわけではありません。
ただ、重要な工事項目まで「外壁塗装一式」とまとめられてしまうと、何にいくらかかっているのか、どの部分が修繕でどの部分が改良なのかがわかりにくくなります。
特にアパートやマンションのような賃貸物件では、工事項目が多くなります。
外壁、屋根、共用廊下、階段、鉄部、ベランダ、屋上防水、シーリング、雨樋、軒天、破風、共用部の細かな補修。
これらをまとめて一式にされてしまうと、税務上の説明だけでなく、適正価格かどうかの判断も難しくなります。
見積書で確認したい項目
- 足場の面積と単価
- 高圧洗浄やバイオ洗浄の範囲
- 下地補修の内容
- シーリングの打ち替え・増し打ちの範囲
- 使用する塗料のメーカー名・商品名
- 塗装回数
- 外壁、屋根、鉄部、付帯部などの項目別金額
- 防水工事が含まれる場合は、その範囲と工法
- 保証内容
アップリメイクでは、塗料名、工事内容、工程、面積、保証内容がわかる見積書の作成を大切にしています。
なぜなら、見積書は金額を比べるためだけの紙ではなく、工事内容を証明する大切な資料だからです。
工事前の劣化写真を必ず残す
修繕費として説明するには、「建物が劣化していたから、その劣化を直した」という流れが重要です。
そのためには、工事前の写真が欠かせません。
外壁のひび割れ、チョーキング、塗膜剥がれ、コーキングの割れ、鉄部のサビ、雨樋の破損、ベランダ防水の劣化などを写真で残しておきましょう。
写真があれば、なぜ工事が必要だったのかを説明しやすくなります。
また、施工後の写真も残しておくと、劣化箇所がどのように補修されたのかがわかります。
写真で残しておくとよい箇所
- 外壁全体の色あせや汚れ
- チョーキングの状態
- ひび割れの幅や位置
- コーキングの割れや剥離
- 鉄骨階段や手すりのサビ
- 雨樋の破損や変形
- ベランダや屋上防水の膨れ、ひび割れ
- 施工中の下地処理
- 完了後の状態
税務のためだけでなく、次回の修繕計画にも役立ちます。
アパート経営では、いつ、どこを、どのように直したかを記録しておくことがとても大切です。
塗料選びは「長持ちすれば正解」とは限りません
外壁塗装では、「とにかく一番長持ちする塗料が良い」と考える方もいらっしゃいます。
もちろん、長持ちする塗料には大きなメリットがあります。
次回の塗り替え時期を延ばせる可能性があり、長期的なメンテナンスコストを抑えられる場合もあります。
しかし、アパート経営では、必ずしも最高グレードの塗料がいつも正解とは限りません。
たとえば、10年後に売却を考えている物件と、30年先まで保有する予定の物件では、選ぶべき塗料が変わります。
また、家賃帯、入居者ターゲット、周辺物件との競争状況、今後の防水工事や屋根工事の予定によっても、最適なプランは変わります。
さらに、税務上は、明らかに高性能な塗料へのグレードアップが資本的支出と判断される可能性もあります。
そのため、塗料選びは「耐久年数」だけでなく、「物件の経営計画」とセットで考えることが大切です。
◆齋藤のワンポイントアドバイス
アップリメイクでは、ポリウレア、無機、フッ素、ガイナ、シリコンなど複数の塗料をご提案できます。
ただし、私はいつも「一番高い塗料にしましょう」とは言いません。
長期保有したいのか、数年後に売却予定なのか、入居者層を変えたいのか、今は費用を抑えたいのか。
そこを聞かずに塗料だけすすめるのは、オーナー様にとって親切ではないと思っています。
入居者対応まで含めて工事計画を立てる
アパート外壁塗装では、税務や費用だけでなく、入居者様への配慮も大切です。
外壁塗装中は、足場の組み立て音、高圧洗浄の音、塗料の臭い、洗濯物が干せない期間、ベランダの荷物移動、防犯面の不安など、入居者様の生活に影響が出ます。
ここを軽く考えてしまうと、クレームにつながることがあります。
オーナー様としては、建物を守るために必要な工事をしているのに、入居者様から不満が出てしまうのはつらいですよね。
だからこそ、工事前の告知、工程表の共有、相談窓口の明確化、洗濯可能日の案内などが重要になります。
詳しくは、アパート塗装の入居者への告知とトラブル回避のコツや、マンション塗装工事のクレーム対応を円満に進める方法も参考にしてください。
静岡でアパート外壁塗装を相談する前に確認したいこと
ここまで、修繕費と資本的支出、減価償却、銀行融資、実務書類について解説してきました。
では、実際に静岡でアパートやマンションの外壁塗装を検討する場合、何から始めればよいのでしょうか。
いきなり見積もり金額だけを比べるより、まずは建物の状態を正確に知ることが大切です。
まずは建物の劣化状況を把握する
外壁塗装が必要かどうかは、築年数だけでは判断できません。
同じ築15年でも、日当たり、風通し、海からの距離、外壁材、前回の塗料、施工品質によって劣化の進み方は変わります。
アパートの場合、住んでいるのはオーナー様ではなく入居者様です。
そのため、劣化に気づくのが遅れることがあります。
気づいたときには、外壁のひび割れから雨水が入り、室内の雨漏りや共用部の腐食につながっているケースもあります。
外壁塗装を検討したいサイン
- 外壁を触ると白い粉がつく
- 外壁に細かなひび割れがある
- コーキングが割れている、痩せている、剥がれている
- 鉄骨階段や手すりにサビが出ている
- ベランダや共用廊下の防水が劣化している
- 雨樋が歪んでいる、外れている
- 入居者様から雨漏りやカビの相談があった
- 外観が古く見え、空室が決まりにくくなっている
一つでも気になる症状があれば、まずは現地調査を受けてみることをおすすめします。
「まだ工事するか決めていない」という段階でも大丈夫です。
むしろ、早めに状態を知ることで、今すぐ必要な工事と、数年後でよい工事を分けて考えられます。
施工事例とお客様の声も確認しておく
塗装会社を選ぶときは、見積金額だけで決めない方が安心です。
特にアパートやマンションの塗装は、建物規模が大きく、入居者様や近隣の方への配慮も必要になります。
そのため、同じような集合住宅の施工経験があるか、工事後の仕上がりはどうか、実際のお客様がどんな感想を持っているかを確認しておくとよいです。
アップリメイクの工事実績を見たい方は、施工事例をご覧ください。
実際に工事をご依頼いただいた方の感想を確認したい方は、お客様の声も参考になります。
ただし、施工事例や口コミを見るときは、良い内容だけでなく、自分の物件と近い条件かどうかも見ることが大切です。
戸建ての施工例だけでなく、アパート、マンション、鉄骨階段、防水、共用部などの経験があるかを確認しましょう。
アップリメイクでできること
株式会社アップリメイクは、1973年創業の流れを持つ、静岡の屋根・外壁塗装リフォーム専門店です。
2005年に法人成りし、静岡市を中心に、戸建て住宅だけでなくアパート・マンションの外壁塗装、防水工事、板金工事、リフォーム全般に対応しています。
施工実績は6000件以上(2026年4月末時点)です。
大企業のような派手な宣伝や営業体制ではありませんが、職人直営の専門店として、診断、下地処理、塗布量、乾燥時間、工程管理、保証書の発行にこだわってきました。
また、静岡駿河本店と静岡葵店ショールームがあり、塗料や色、質感を実際に確認しながら相談できます。
アパート・マンションの塗装では、建物の美観だけでなく、入居者様への配慮、空室対策、長期修繕計画、経費処理のための資料づくりまで意識することが大切です。
私自身、塗装職人からキャリアをスタートし、現在は代表として、現場の品質とオーナー様の経営の両方を大事にしています。
税務申告そのものは税理士の専門分野ですが、工事内容をわかりやすく整理し、写真や診断資料を残すことは塗装会社としてしっかりお手伝いできます。
賃貸物件の外壁塗装に関するよくある質問
Q1. 節税だけを考えるなら、外壁塗装は修繕費にした方が得ですか?
A. その年の税金だけを見れば、修繕費として一括計上できる方が有利に感じることはあります。
ただし、どんな工事でも修繕費にできるわけではありません。
建物の価値を高めたり、使用可能期間を延ばしたりする内容であれば、資本的支出と判断される可能性があります。
また、多額の修繕費を一括計上すると、その年の利益が大きく下がり、銀行融資の審査で収益性が低く見えることもあります。
節税だけでなく、税務リスク、融資、キャッシュフローまで含めて判断することが大切です。
Q2. 100万円の工事を50万円ずつに分ければ修繕費にできますか?
A. 一連の工事を意図的に分割して、60万円未満の基準に当てはめようとするのは避けてください。
税務上は、契約書の形式だけでなく、工事の実態や全体の計画を見て判断されます。
同じ目的で行う一つの修理・改良を無理に分けても、実質的には一体の工事と見られる可能性があります。
結果として、税務調査で否認されるリスクもあります。
安易な分割ではなく、実際の工事内容に合わせて、修繕部分と改良部分を整理することが大切です。
Q3. 外壁塗装費用が資本的支出になった場合、何年で減価償却しますか?
A. 基本的には、使用した塗料の耐久年数ではなく、建物本体の法定耐用年数をもとに考えます。
木造住宅用建物なら22年、軽量鉄骨造は骨格材の厚みによって19年または27年、重量鉄骨造は34年、鉄筋コンクリート造は47年が主な目安です。
ただし、中古アパートの場合や、既存建物の取得時期、工事内容によって扱いが変わることがあります。
実際の減価償却計算は、必ず税理士に確認してください。
Q4. 修繕費として説明するために、どんな書類を残せばよいですか?
A. 見積書、契約書、請求書、領収書、工事前写真、工事中写真、工事後写真、診断報告書、使用塗料の資料などを保管しておきましょう。
特に、工事前の劣化写真は大切です。
ひび割れ、チョーキング、コーキングの劣化、塗膜の剥がれ、鉄部のサビなどが写真で残っていれば、なぜその工事が必要だったのかを説明しやすくなります。
見積書は「一式」だけでなく、工事項目や使用材料、数量、単価がわかるものが安心です。
Q5. 高耐久塗料を使うと、必ず資本的支出になりますか?
A. 必ずそうなるとは言い切れません。
ただし、前回より明らかに高性能な塗料へ変更し、建物の耐久性や価値を高める要素が強い場合は、資本的支出と判断される可能性が高まります。
一方で、建物の劣化状況や周辺環境を考えると、その塗料選定が通常の維持管理として合理的と説明できる場合もあります。
ここは個別判断になりますので、使用塗料、工事目的、劣化状況を整理したうえで、税理士に相談してください。
Q6. 静岡でアパート塗装を検討しています。何から始めればいいですか?
A. まずは、建物の状態を正確に把握することから始めてください。
外壁の劣化、屋根の状態、シーリング、防水、鉄部、共用部まで確認し、今すぐ必要な工事と、数年後でもよい工事を分けることが大切です。
アップリメイクでは、静岡市を中心に無料診断とお見積りを行っています。
診断結果をもとに、写真付きで建物の状態をご説明し、オーナー様の経営計画に合わせて複数の選択肢をご提案します。
今すぐ工事を決めていない方でも大丈夫ですので、まずは無料診断・お見積りからお気軽にご相談ください。
賃貸物件の塗装と修繕費・資本的支出のまとめ
今回は、アパートやマンションなど賃貸物件の外壁塗装費用について、修繕費と資本的支出の違い、国税庁の判断基準、減価償却年数、銀行融資への影響、実務で残すべき書類まで解説しました。
外壁塗装は、建物をきれいにするためだけの工事ではありません。
雨水の侵入を防ぎ、入居者様の安心を守り、空室リスクを下げ、大切な資産を長く維持するための工事です。
一方で、会計処理を間違えると、思わぬ税務リスクや資金計画のズレにつながることがあります。
この記事の重要ポイント
- 外壁塗装の目的が原状回復や維持管理なら、修繕費として考えやすい
- 建物の価値向上や耐久性向上が主目的なら、資本的支出になる可能性がある
- 20万円未満、3年以内周期、60万円未満、取得価額10%以下などの基準は参考になる
- 100万円以上の工事では、見積書や写真で工事内容を説明できるようにしておく
- 資本的支出になった場合、塗料の耐久年数ではなく建物の法定耐用年数で減価償却する
- 節税だけでなく、銀行融資や長期的なキャッシュフローも考える
- 税務の最終判断は、必ず税理士や管轄の税務署に確認する
オーナー様にとって一番大切なのは、「とにかく修繕費にすること」ではありません。
大切なのは、工事の実態に合った正しい処理を行い、将来の修繕計画や賃貸経営に無理のない選択をすることです。
そのためには、建物の状態を正確に診断し、工事内容をわかりやすく整理し、見積書や写真などの証拠を残しておく必要があります。
アップリメイクは、1973年創業の流れを持つ静岡の屋根・外壁塗装リフォーム専門店として、職人直営の丁寧な施工にこだわってきました。
施工実績は6000件以上(2026年4月末時点)。
外壁塗装、屋根塗装、防水工事、板金工事、アパート・マンションの外装工事まで、建物の状態に合わせたご提案をしています。
また、代表である私自身が塗装職人出身であり、ファイナンシャルプランナー(AFP)や宅地建物取引主任者の資格も保有しています。
税務申告の代行はできませんが、税理士に相談しやすいように、工事内容や劣化状況を整理するお手伝いはできます。
静岡でアパートやマンションの外壁塗装を検討している方は、まず建物の現状を知るところから始めてみてください。
「今すぐ工事するか決めていない」「経費処理が不安」「相見積もりの前に状態だけ見てほしい」というご相談でも大丈夫です。
無理な営業はいたしませんので、まずはお気軽にご相談ください。
アップリメイクのアパート・マンション塗装サービスについて、
より詳しくは、こちらの総合案内ページをご覧ください。