【坪数別】屋根カバー工法の費用相場(20坪・30坪・50坪)と内訳

こんにちは、株式会社アップリメイク代表取締役の齋藤直樹です。

築20年、30年と時を重ねた愛着のあるお住まい。

「そろそろ屋根のメンテナンスが必要かな」と考えたとき、真っ先に頭をよぎるのは、やはり「費用」のことではないでしょうか。

外壁塗装とは異なり、普段ご自身の目で確認することが難しい屋根のリフォームは、どうしても不安が大きくなりがちです。

屋根リフォームの費用に対する不安と疑問・業者による価格差の悩み

特に、近年リフォーム市場で主流となっている「屋根カバー工法(重ね葺き)」は、インターネットで検索しても「80万円〜」や「150万円〜」など価格に大きな幅があります。

「結局、我が家の大きさだといったいいくらかかるの?」と、具体的な予算感が見えずに悩まれている方も多いはずです。

屋根工事は決して安い買い物ではありません。

だからこそ、適正価格が分かりにくく、残念ながら知識のないお客様につけ込み、不当に高額な契約を迫ったり、逆に安すぎる金額で手抜き工事を行ったりする業者が存在することも事実です。

私は職人として、そして静岡で生まれ育った一人の人間として、地域の皆様にそんな不安を抱えたままリフォームをしてほしくありません。

この記事では、20坪、30坪、50坪といった具体的な建物の大きさごとに、屋根カバー工法のリアルな費用相場と、その内訳、そして見積もりを見る際に絶対に外してはいけないチェックポイントを、プロの視点で包み隠さず徹底的に解説します。

この記事が、あなたの賢いリフォームの一助となれば幸いです。

記事のポイント

  • 20坪・30坪・50坪それぞれの具体的な費用相場と、価格が変動する構造的要因
  • なぜ今、「葺き替え」ではなく「カバー工法」が選ばれるのか、その経済的かつ技術的な理由
  • 悪質業者に騙されないためにチェックすべき見積書の重要項目と「一式」表記の罠
  • 20年、30年先のメンテナンスコストを最小限に抑えるための、賢い屋根材の選び方

屋根カバー工法が注目される理由

近年、屋根のリフォーム市場において「カバー工法」が圧倒的な支持を得ているのには、明確な理由があります。

単に「新しい屋根を被せるから工期が早い」「廃材が少ない」という手軽さだけの話ではありません。

そこには、日本の住宅事情、特に過去に使用された建材の歴史と密接に関わる、経済的かつ技術的な必然性が存在します。

アスベスト飛散防止とコスト抑制

屋根カバー工法の構造図解・アスベスト飛散防止と封じ込め効果のメリット

屋根リフォームにおいてカバー工法がこれほどまでに選ばれるようになった最大の理由は、「アスベスト(石綿)問題」を安全かつ低コストに解決できる唯一の現実的な選択肢だからです。

皆さんもニュースなどで「アスベスト」という言葉を耳にしたことがあると思います。

かつて、アスベストはその高い耐火性と耐久性から「奇跡の鉱物」と呼ばれ、建材として広く利用されていました。

特に、2004年(平成16年)以前に製造・施工されたスレート屋根(商品名で言うとカラーベストやコロニアルなど)の大半には、強度を確保するためにアスベストが含まれています。

現在、これらの屋根材が築20年〜30年を迎え、メンテナンスの時期に来ています。

もし、これらの屋根を従来通りの「葺き替え工法(既存の屋根をすべて撤去して、新しい屋根を載せる方法)」でリフォームしようとすると、どうなるでしょうか。

既存の屋根材を剥がす際、割れたり粉砕されたりすることで、アスベスト繊維が空気中に飛散するリスクが発生します。

これを防ぐため、現在の大気汚染防止法や石綿障害予防規則などの法律では、極めて厳格な飛散防止対策が義務付けられています。

具体的には、作業場の隔離、湿潤化(水を撒いて飛散を防ぐ)、作業員の防護服着用、そして撤去した屋根材を「特別管理産業廃棄物」として厳重に処理することなどが求められます。

その結果、葺き替え工事における解体・処分費用は、アスベストを含まない建材の場合と比較して、著しく高騰します。

一般的な30坪程度の住宅であっても、アスベスト含有建材の撤去・処分だけで、通常の廃材処理費に加えて数十万円〜50万円以上の追加コストがかかるケースも珍しくありません。

これが、葺き替え工事の見積もりが高額になる最大の要因です。

一方で、カバー工法はどうでしょうか。

この工法は、既存のアスベスト含有屋根材を「剥がさず」「壊さず」、その上から防水シートと新しい金属屋根材ですっぽりと覆ってしまう工法です。

屋根材を破壊しないため、アスベストが飛散するリスクを限りなくゼロに抑えることができます。

これは、環境省や厚生労働省が推奨する「封じ込め」という対策に該当します。

近隣の方々への健康被害の不安を与えることなく工事ができる点も大きなメリットですが、何より施主様にとって大きいのは、高額なアスベスト撤去費や処分費を大幅にカットできるという経済的な利点です。

「撤去費用にお金をかけるくらいなら、その分を新しい屋根材のグレードアップに使いたい」と考えるのが賢明な判断と言えるでしょう。

封じ込め効果としてのカバー工法
カバー工法なら、既存のアスベスト屋根を剥がさずに上から金属屋根で覆い隠すため、アスベストを周囲に飛散させることなく、安全に「封じ込め」ることができます。解体・処分費を大幅にカットできるため、環境にもお財布にも優しい工法として定着しました。将来的に建物を解体する時まで、アスベストを安全に管理し続けるための最良の手段とも言えます。

【20坪】費用相場と構造的特徴

それでは、ここからは建物の坪数ごとの詳細な費用シミュレーションを見ていきましょう。

まずは、都市部の狭小地や平屋、あるいはコンパクトなご実家などを想定した「延床面積20坪(約66㎡)」のケースです。

この規模では、費用構造に少し特殊な傾向が見られます。

固定費の影響で単価は高めになる

屋根工事の見積もり額が決まる固定費(人件費・運搬費・足場代)の仕組み

 

20坪の住宅における屋根カバー工法の費用相場は、約60万円〜110万円が目安となります。

中心となる価格帯は70万円〜90万円前後です。

【20坪】屋根カバー工法の費用相場と狭小地の追加費用ケーススタディ

金額の幅だけを見ると「やはり小さい家なら安いな」と思われるかもしれませんが、プロの視点でお伝えしておきたい重要な事実があります。

それは、「坪単価(1㎡あたりの工事単価)で見ると、30坪以上の住宅に比べて割高になる」という点です。

これには「工事の固定費」という仕組みが関係しています。

建設工事やリフォーム工事には、建物の大小に関わらず必ず発生する、ある一定の基本コストが存在します。

例えば、以下のような費用です。

  • 資材運搬費:トラックを1台チャーターして資材を運ぶ費用は、運ぶ量が半分でも運賃が半分になるわけではありません。
  • 職人の人件費(人工):職人が現場に移動し、準備をして作業を行い、片付けをして帰る。この一連の動きに対して、半日仕事であっても「1日分(1人工)」の費用として計算されることが一般的です。
  • 現場管理費:現場監督が安全管理や工程管理を行う手間は、現場の規模に関わらず必要です。
  • 足場仮設費:これが最も大きな要素です。足場を組む面積が小さくても、資材の積み下ろしや組み立て・解体の手間賃(基本料金)がかかるため、どうしても15万円前後からの下限価格が存在します。

つまり、施工面積が小さければ小さいほど、これらの「固定費」が工事費全体に占める割合が大きくなってしまうのです。

これが、20坪の住宅で坪単価が高めに出てしまうカラクリです。

さらに、20坪前後の住宅は、都市部の住宅密集地や狭小地に建っているケースが多く見られます。

こうした場合、見積もりには表れにくい「見えないコスト」や「追加費用」が発生するリスクが高まります。

狭小地特有の追加費用例 内容と理由
小運搬費(横持ち) 現場の目の前までトラックが入れない場合、離れた場所から職人が手作業で資材を運ぶための追加人件費。
駐車場代 敷地内に職人の作業車を停めるスペースがない場合、近隣のコインパーキングを利用する実費。
道路使用許可・警備員費 足場の一部が道路にはみ出す場合や、資材搬入時に道路を塞ぐ場合に必要となる法的な許可申請費用と、交通誘導員の配置費用。
狭小地割増(足場) 隣家との隙間が30cm〜50cmしかないような場所では、足場の設置作業が非常に困難で時間がかかるため、労務費が加算されることがあります。

狭小地特有の追加費用に注意
上記のように、20坪前後の住宅では立地条件によって見積もりが大きく変わります。「うちは小さいから安いだろう」と安易に考えず、必ず現地調査で周辺環境までしっかり確認してもらうことが、予算オーバーを防ぐ鍵となります。

【30坪】費用相場と標準モデル

次に、日本の一般的なファミリー向け戸建て住宅である「延床面積30坪(約100㎡)」のケースを見ていきます。

リフォーム業界において、最も事例が多く、データも豊富な標準的なモデルケースとなります。

コスパが最適化される標準価格帯

30坪の住宅における屋根カバー工法の費用相場は、約80万円〜150万円です。

ボリュームゾーン(最も多い価格帯)としては100万円〜130万円程度で収まるケースが多いでしょう。

【30坪】屋根カバー工法の費用相場と外壁塗装セットによる足場代節約効果

なぜこのサイズが「標準モデル」と呼ばれるのかというと、材料の歩留まり(効率)と職人の作業効率のバランスが最も良いからです。

屋根材は定尺のサイズで販売されていますが、屋根の形状に合わせてカットして使います。

30坪程度の屋根面積(約80㎡〜100㎡)であれば、切り落として捨てる部分(ロス)が比較的少なく済み、職人も一定のリズムで効率よく作業を進めることができます。

そのため、多くのリフォーム業者がチラシやWebサイトで提示している「屋根カバー工法コミコミパック」などの参考価格も、この30坪(屋根面積80㎡〜100㎡程度)を基準に算出されていることがほとんどです。

では、30坪の住宅で100万円〜130万円という費用の内訳はどうなっているのでしょうか。

ざっくりとしたイメージではなく、詳細な内訳を知ることで、業者から提出された見積もりが適正かどうかを判断できるようになります。

項目 目安金額(30坪) プロの解説・備考
足場仮設費 15万〜30万円 飛散防止ネット(メッシュシート)込みの価格です。一般的な住宅では「15万円〜30万円」が適正相場であり、20万円~30万円という高額な設定や、逆に無料ということはありません。
高圧洗浄・下地処理 3万〜5万円 既存屋根のコケや汚れを落とし、板金の浮きなどを調整します。既存の棟板金(屋根の頂点部分)の撤去費もここに含まれる場合があります。
防水シート(ルーフィング) 7万〜11万円 雨漏りを防ぐ最重要項目。耐久性の高い「改質アスファルトルーフィング(ゴムアス)」の使用が必須です。
新規屋根材(本体施工) 50万〜75万円 ガルバリウム鋼板やSGL鋼板などの材料費と施工費。断熱材一体型かどうかで価格が変動します。
役物・板金工事 15万〜25万円 棟(むね)、ケラバ、谷樋、壁際などの接合部を雨仕舞いする板金工事。雨漏りリスクが高い場所なので高い技術が必要です。
諸経費・管理費 5万〜10万円 現場管理、交通費、通信費、廃材処分費(既存棟板金の処分等)が含まれます。

※上記はあくまで目安であり、屋根の形状(寄棟か切妻か)や劣化状況により変動します。

ここで一つ、非常に重要なコストダウンのポイントをお伝えします。

もし、外壁塗装も近い将来に検討されているのであれば、「屋根カバー工法と外壁塗装を同時に行う」ことを強くおすすめします。

表にある通り、足場代だけで15万円〜30万円程度かかります。

屋根と外壁を別々の時期に工事すると、この足場代が2回分(約30万円〜60万円)かかってしまいますが、同時に行えば1回分で済みます。

つまり、セットで行うだけで確実に15万円以上の節約になるのです。

費用相場についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
【2025年版】外壁・屋根塗装の費用相場を完全解説|20坪・30坪・40坪・50坪の総額と内訳

【50坪】費用相場とメリット

最後に、二世帯住宅や地方の大きなお住まいなど、「延床面積50坪(約165㎡)」のケースです。

この規模になると金額の総額は大きくなりますが、実は「カバー工法を選択することによる経済的恩恵」を最も大きく受けられるのがこのサイズなのです。

葺き替えと比較した経済的優位性

50坪の住宅における屋根カバー工法の費用相場は、約150万円〜300万円となります。

【50坪】屋根カバー工法の費用相場と葺き替え比較による処分費削減効果

これまでの坪数に比べて金額の幅(150万〜300万)が非常に大きいことにお気づきでしょうか。

これは、屋根の面積が広いため、選択する屋根材のグレード(単価)の差が総額にダイレクトに響くこと、そして50坪クラスの住宅は屋根形状が複雑であるケースが多いことが理由です。

例えば、シンプルな「切妻(きりづま:三角屋根)」であれば、役物(やくもの:棟やケラバなどの端部部材)の長さも短く済みますが、50坪の住宅でよく見られる「寄棟(よせむね)」や「入母屋(いりもや)」といった形状の場合、屋根の面が増えるため、棟板金などの役物の長さが倍以上になることもあります。

役物の取り付けは手間がかかるため、その分施工費も上昇します。

また、ドーマー(鳩小屋)や天窓がある場合も、雨仕舞いのための特殊な加工が必要となり、費用が加算されます。

しかし、それでも私が50坪の住宅にカバー工法を強くおすすめする理由があります。

それは、「葺き替え工事と比較した時のコスト削減効果が極めて大きい」からです。

冒頭でお話しした通り、葺き替え工事では既存屋根材の撤去・処分費がかかります。

50坪の屋根(約160㎡〜180㎡)ともなると、その廃材の量はトラック数台分にも及びます。

もし既存屋根にアスベストが含まれていれば、処分費だけで50万円〜80万円近くかかることも想定されます。

カバー工法を選択すれば、この「何も生み出さない処分費(50万円以上)」を丸ごとカットすることができます。

その浮いた50万円をどう使うか。そのまま節約するのも良いですが、私のおすすめは「屋根材のグレードアップ」に充てることです。

例えば、通常のガルバリウム鋼板から、より耐久性が高く断熱材が入った「スーパーガルテクト(アイジー工業)」や、メンテナンスフリーの「自然石粒付き金属屋根」にグレードアップしても、お釣りが来る可能性があります。

広い家だからこそ、将来のメンテナンスコスト(足場代や再塗装費)も高額になります。

だからこそ、初期費用で処分費を抑え、その分を耐久性に投資することで、向こう30年のトータルコスト(生涯費用)を劇的に下げることができるのです。

◆斎藤のワンポイントアドバイス

大きな家ほど「将来のメンテナンス」を見据えた判断が重要です。目先の安さで低品質な防水シート(例えばアスファルトルーフィング940など)を使ってしまうと、万が一雨漏りした時の修理範囲も広大になり、被害額が大きくなります。大型住宅こそ、初期費用を少しかけてでも高耐久な仕様にしておくことが、長期的な「家計の防衛策」になります。安物買いの銭失いにならないよう、ぜひ品質にこだわってください。

坪数別(20坪・30坪・50坪)屋根カバー工法費用相場の一覧まとめ表

騙されないための見積もり内訳

それぞれの坪数での相場感が掴めたところで、次に重要になるのが「見積書の見方」です。

リフォーム業界は残念ながらクレーム産業とも呼ばれ、知識のないお客様に対して、不透明でずさんな見積もりを提出する業者が後を絶ちません。

「一式」表記のリスクと透明性

見積書を受け取った際、最も警戒すべきなのが、「屋根工事 一式 〇〇万円」という大雑把な記載です。

危険な屋根工事一式見積もりの見本と注意すべきチェックポイント

一見、総額だけわかれば良いように思えるかもしれませんが、この「一式」には大きなリスクが潜んでいます。

なぜなら、工事に必要な具体的な内容が何も約束されていないに等しいからです。

  • 使用する屋根材のメーカーや商品名は何か?(安い海外製や旧型品を使われても文句が言えない)
  • 防水シート(ルーフィング)のグレードは何か?(耐久性の低い紙のようなシートを使われる可能性がある)
  • 雪止め金具の設置は含まれているか?
  • 棟板金の下地は「木材」か、腐らない「樹脂製」か?
  • 換気棟(小屋裏の熱を逃がす部材)の設置は含まれているか?

「一式」見積もりでは、これらの詳細が不明確なため、契約後に「雪止めは別料金です」「下地が腐っていたので追加料金がかかります」といったトラブルに発展するケースが非常に多いのです。

また、手抜き工事をされたとしても、仕様書がないため「契約通り施工しました」と言い逃れされてしまう恐れもあります。

信頼できる優良業者の見積書には、必ず「使用部材の正式名称(メーカー・商品名)」「施工数量(㎡数やm数)」「単価」が明確に記載されています。

私たちアップリメイクでは、お客様に100%納得して発注いただけるよう、材料一つひとつに至るまでガラス張りの明細をご提示しています。

「何にいくらかかっているのか」が分かれば、予算に合わせた調整も適正に行うことができます。

足場代と適正な材料費のバランス

もう一つの注意点は、「キャンペーンで足場代無料にします!」という甘い誘い文句です。

足場代無料キャンペーンの裏側にある手抜き工事のリスク解説

はっきり申し上げますが、足場代が無料になることは、物理的にあり得ません。

足場を組むには、国家資格を持った足場職人が重い部材を運び、高所で危険な作業を行い、トラックで運搬する必要があります。

そこには必ず「人件費」「運搬費」「機材償却費」という原価が発生します。

それをお客様に「無料」と言うからには、必ずどこかで帳尻を合わせなければ会社として成り立ちません。

考えられるパターンは以下の2つです。

  1. 他の項目の単価に上乗せしている:屋根材の単価や施工費が相場より高く設定されており、総額で見ると全く安くなっていないケース。これならまだマシです。
  2. 工事の質を落としてコストダウンしている:これが最も恐ろしいケースです。見えない部分(防水シートのグレードダウン、固定ビスの本数を減らす、熟練職人ではなくアルバイトを使うなど)でコストを削り、赤字分を補填しようとします。

「足場無料」はお得なオファーではなく、手抜き工事への入り口かもしれないと疑ってください。

適正な工事には、適正な費用がかかります。

総額だけでなく、各項目のバランスを見て、極端な値引きや偏りがないかを確認することが、失敗しない業者選びの第一歩です。

見積もりチェックのポイントについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。
屋根カバー工法で後悔・失敗しない!よくある落とし穴と対策まとめ

長期的な安心を守る屋根材選定

カバー工法は、一度施工すれば20年、30年と家を守り続けるものです。

その寿命を決定づけるのは、新しく被せる「屋根材」の品質です。

せっかくリフォームするなら、長期間メンテナンスフリーで安心できる素材を選びたいものです。

SGL鋼板等の高耐久素材の推奨

推奨屋根材SGL鋼板と改質アスファルトルーフィング(ゴムアス)の耐久性解説

現在、屋根カバー工法で最も推奨されるのが「SGL(エスジーエル)鋼板」です。

これまでは「ガルバリウム鋼板」が主流でしたが、SGL鋼板はその進化版です。

ガルバリウム鋼板のメッキ成分(アルミニウム・亜鉛)に、新たに「マグネシウム」を2%添加することで、防錆性能(サビにくさ)を従来の3倍にまで向上させています。

特に、静岡県は海に面している地域が多く、潮風による「塩害」のリスクが無視できません。

従来のガルバリウム鋼板でも十分な耐久性はありましたが、より過酷な環境でも長持ちするSGL鋼板を選ぶことで、サビによる穴あきや劣化のリスクを劇的に下げることができます。

多くのメーカーが、海岸から500m以内の地域でも「穴あき25年保証」などを付けていることからも、その自信が伺えます。

また、屋根材の裏面に断熱材(硬質ウレタンフォーム)が一体化された製品(例:アイジー工業の「スーパーガルテクト」など)を選ぶことも重要です。

「金属屋根にすると、雨音がうるさくなるのではないか?」「夏場、2階が暑くなるのではないか?」と心配されるお客様がいらっしゃいますが、断熱材一体型の屋根材であれば、むしろ逆です。

既存の屋根材+空気層+断熱材+新規金属屋根という多層構造になるため、遮音性と断熱性は施工前よりも向上します。

「リフォーム前より静かになった」「2階のエアコンの効きが良くなった」というお声をいただくことがほとんどです。

防水シート(ルーフィング)も重要!
屋根材本体に目が行きがちですが、実は最も重要なのはその下に隠れる「防水シート(ルーフィング)」です。万が一屋根材の隙間から水が入っても、このシートが健全なら雨漏りはしません。
必ず耐久性の高い「改質アスファルトルーフィング(ゴムアス)」以上のグレードを指定してください。安い「アスファルトルーフィング940」などは10年程度で劣化し破れてしまうリスクがあります。ここのコスト差は数万円ですが、数十年後の安心感には雲泥の差が出ます。

防水シートの重要性については、以下の記事で技術的な視点から深掘りしています。
屋根カバー工法で結露・雨漏りが起きる原因と対策(防水シートの重要性)

職人直営店としてのこだわり

最後に、私たちアップリメイクの仕事に対する姿勢をお伝えさせてください。

私たちは単なるリフォーム業者ではなく、「職人が立ち上げた、職人の会社」です。

施工品質と保証でお客様を守る

私たちは「職人直営」の専門店です。

これはどういうことかと言うと、大手ハウスメーカーや工務店のように、仕事を丸投げする下請け業者が存在しないということです。

中間マージンをカットする職人直営店の費用構造とコストメリット

通常のリフォームでは、元請け業者から下請け、孫請けへと仕事が流れる過程で、中間マージン(紹介料)が発生します。

お客様が支払った工事費のうち、実際に現場で使われるお金は6割〜7割程度になってしまうことも珍しくありません。

予算が削られれば、当然、職人は材料費をケチったり、工期を短縮して手間を省いたりせざるを得なくなります。

アップリメイクでは、自社で受注し、自社の管理下にある職人が施工します。

中間マージンをカットし、営業マンの高額な歩合給や派手な広告宣伝費もかけません。

その浮いたコストをすべて、「より良い塗料・建材」と「職人の技術向上」に還元しています。

さらに、私たちは品質管理にも一切の妥協を許しません。

施工前には専門家による「30倍スコープ」を使った徹底的な建物診断を行い、肉眼では見えない微細なクラックまで見落としません。

また、お客様が不在の間も作業内容が手に取るように分かるよう、全工程を撮影した「工事写真報告書」を作成・提出しています。

屋根カバー工法は、板金の加工技術や納まりの判断など、高度な専門性が求められる工事です。

棟板金の継ぎ目の処理、雨仕舞いのコーキング、雪止めの固定位置など、一つひとつの細かな作業の積み重ねが、将来の雨漏りを防ぎます。

アップリメイクでは、厳しい品質基準をクリアした、国家資格(1級建築塗装技能士・建築板金に関わる熟練職人など)を持つスタッフが施工を担当します。

そして、施工品質に絶対の自信があるからこそ、メーカーの製品保証に加え、全工事を対象に「最長10年の自社工事保証」を書面で発行しています。

「施工開始前ならいつでも契約を解除できる」という独自のお約束も、私たちの技術と誠実さへの、揺るぎない自信の証です。

工事が終わってからが本当のお付き合いの始まりです。

万が一の不具合があった場合の迅速な対応はもちろん、定期的な点検を通じて、お客様の大切な資産を守り続けます。

静岡で生まれ育った人間として、地域の皆様の住まいを責任を持って守り抜く覚悟です。

失敗しない屋根リフォームのための重要チェックリストまとめ

屋根カバー工法に関するよくある質問(FAQ)

Q1. 屋根が二重になると重くなり、地震に弱くなりませんか?

A. 結論から申し上げますと、耐震性への影響は極めて限定的であり、心配されるレベルではありません。
カバー工法で使用する金属屋根(ガルバリウム鋼板やSGL鋼板)は非常に軽量で、1㎡あたり約5kg程度です。これは一般的な日本瓦(約50kg/㎡)の約1/10の重さしかありません。
既存のスレート屋根(約20kg/㎡)の上に重ねたとしても、総重量は約25kg/㎡程度。これは日本瓦の屋根の半分の重さです。元々瓦屋根でも耐えられるように設計されている日本の住宅であれば、構造躯体にかかる負担は許容範囲内です。
ただし、築年数が古く(旧耐震基準など)、構造自体に不安がある場合は、事前にご相談いただければ簡易診断も可能です。

Q2. 瓦屋根ですが、カバー工法はできますか?

A. 申し訳ありませんが、波打った形状の「日本瓦」や「セメント瓦」、「モニエル瓦」には、構造上カバー工法はできません。
カバー工法は、既存の屋根面がフラット(平ら)であることが前提の工法です。そのため、主に「スレート屋根(コロニアル、カラーベスト)」や「アスファルトシングル」、「金属屋根」のリフォームに適しています。
瓦屋根のメンテナンスをご検討の場合は、既存の重い瓦を撤去して、軽量な金属屋根に張り替える「葺き替え工事」をご提案させていただきます。これにより、建物の頭が軽くなり、耐震性が大幅に向上するというメリットが得られます。

Q3. 工事期間中は普段通り生活できますか?

A. はい、基本的には普段通り生活していただけます。
屋根の上での作業が中心ですので、職人が家の中に入って作業することはありません(リフォームローン等の手続きや契約時を除く)。外出していただいても問題ありません。
ただし、以下の点にはご協力をお願いしております。
・足場の設置・解体時や、板金作業中には金属音や振動が発生します。
・高圧洗浄を行う日は、洗濯物の外干しをご遠慮いただく必要があります。
・資材搬入などで駐車スペースをお借りする場合があります。
工事のスケジュールについては、事前に詳細な工程表をお渡しし、ご近隣への挨拶回りも弊社が責任を持って行いますのでご安心ください。

Q4. 塗装とカバー工法、どちらが良いか迷っています。

A. 屋根の「劣化状況」と「今後のライフプラン」によります。
【塗装がおすすめの場合】
・築10〜15年程度で、屋根材自体の割れや劣化が少ない場合。
・とりあえず今後10年持たせたい、初期費用を安く抑えたい場合。

【カバー工法がおすすめの場合】
・築20年以上経過している場合(防水シートの寿命が近い)。
・屋根材のひび割れや欠けが激しい場合。
・「パミール」などの塗装できない不具合屋根材が使われている場合。
・今後20年、30年とメンテナンスフリーで安心して暮らしたい場合。
特に2000年前後に建てられた家は、塗装してもすぐに剥がれてしまう屋根材が使われているケースがあります。まずは無料の現地調査(ドローン診断など)で、現在の屋根の状態を正確に把握することをおすすめします。
※アップリメイクでは屋根塗装の場合、高圧トルネード洗浄・下塗り2回+上塗り2回の「計4回塗り」を標準施工としており、塗装でも高い耐久性を実現可能です。

屋根カバー工法を成功させるための重要ポイント

今回の記事では、坪数別の屋根カバー工法の費用相場と、失敗しないためのポイントについて、専門的な視点から詳しく解説してきました。

最後に、この記事の要点を改めて振り返ります。

20坪の住宅:固定費の影響で坪単価が高めになります。狭小地特有の追加費用(運搬費や駐車場代など)も含めた、余裕のある予算計画が必要です。

30坪の住宅:最もコスパが良い標準サイズですが、足場代(約15〜30万円)を無駄にしないために、「外壁塗装との同時施工」を検討するのが賢い選択です。

50坪の大型住宅:総額は大きくなりますが、カバー工法を選ぶことで、葺き替え時にかかる高額な「アスベスト廃材処分費」を大幅にカットできるメリットが最大化します。

見積もりの見極め:「一式」表記の大雑把な見積もりは避け、詳細な内訳(屋根材の商品名、ルーフィングの種類、施工単価)が明記されているかを確認してください。「足場無料」などの甘い言葉には裏があります。

材料選び:静岡の気候を考慮し、塩害に強い「SGL鋼板」と、耐久性の高い「改質アスファルトルーフィング」の組み合わせがベストです。

屋根のリフォームは、単なる修繕ではありません。

大切なお住まいの寿命を延ばし、ご家族がこれからも安心して暮らせる「安全」を買うための投資です。

一度行えば20年、30年と付き合っていく工事だからこそ、安さだけで選ぶのではなく、信頼できる施工品質を選んでいただきたいと思います。

「自分の家ならどうするか」

私たちアップリメイクは、常にその視点でお客様のお住まいと向き合っています。

もし、静岡エリアで屋根のメンテナンスをご検討中でしたら、ぜひ一度アップリメイクにご相談ください。

現地調査やお見積もりは無料です。しつこい営業は一切いたしません。

あなたの街の塗装屋として、正直に、誠実にお答えいたします。

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  • この記事を書いた人

齋藤直樹

(株)アップリメイク代表取締役で元職人、塗装という仕事が大好きです。人生の大きな挫折と数多くの出会いを経て今は大好きな地元・静岡で、お客様の笑顔のために仕事ができることに何よりの誇りを感じています。

▼保有資格▼
1級建築塗装技能士・2級建築施工管理技士・有機溶剤作業主任者・高所作業主任者・2級カラーコーディネーター・光触媒施工技能士・乙4類危険物取扱者・ゴンドラ特別教育・職長・安全衛生責任者・第2種酸素欠乏危険作業主任者・宅地建物取引主任者・2級ファイナンシャルプランニング技能士・AFP