屋根と外壁を同時にリフォームするといくら?カバー工法・塗装をまとめる費用と注意点

屋根と外壁を同時にリフォームするといくら?カバー工法・塗装をまとめる費用と注意点

こんにちは、株式会社アップリメイク代表取締役の齋藤直樹です。

「そろそろ外壁の汚れが気になってきたけれど、屋根も一緒に直した方がいいのかな?」とお悩みではありませんか。

「別々にやるのと同時にやるのとでは、結局どちらがお得なんだろう?」と疑問に思われる方も多いと思います。

特に、屋根にはカバー工法、外壁には塗装をご検討されている場合、その総額や費用内訳は非常に気になるところですよね。

そして、本当に同時に施工するメリットがあるのかどうかも、しっかりと確認しておきたいポイントです。

この記事では、静岡で数多くの屋根・外壁リフォームに携わってきた専門家の視点から、分かりやすく解説いたします。

屋根と外壁を同時に施工した際の費用相場や、カバー工法と塗装を組み合わせる際の注意点を詳しくお伝えします。

最後までお読みいただくことで、無駄な出費を最小限に抑えることができます。

ご自宅を長持ちさせるための最適なリフォーム計画が立てられるようになりますので、ぜひ参考にしてください。

記事のポイント

  • 屋根と外壁を同時にリフォームして足場代を大幅に節約する具体的なメカニズム
  • 坪数別で見る外壁塗装と屋根カバー工法の総額費用相場と詳細な内訳
  • 屋根カバー工法が選ばれる理由とアスベスト問題への最も賢い対策
  • 同時施工の際に知っておくべき建物の重量増加と内部結露のリスク回避法

屋根と外壁の同時施工が絶対にお得な理由

屋根と外壁の同時施工が絶対にお得な理由と、生涯の維持費を劇的に下げるための、三つの鉄則を示す外観写真

外装リフォームにおいて、屋根と外壁のメンテナンス時期を揃えることは非常に重要です。

これは、生涯の住宅維持費を劇的に下げるための最も有効な手段の一つと言えます。

なぜ同時施工がそれほどまでにお得なのか、その明確な理由を現場のリアルな数字とともに詳しく紐解いていきましょう。

足場代を1回分に集約して大幅コストカット

外壁塗装や屋根のリフォームを行う際、職人の安全確保と高所での精緻な施工品質の維持が求められます。

さらには、近隣の皆様へ塗料や高圧洗浄の水が飛散するのを防ぐために「仮設足場」の設置が絶対に不可欠となります。

これは労働安全衛生法という法律上も定められている重要な工程です。

この足場代は、単なる鉄パイプの組み立て費用だけではありません。

資材の運搬から専門の足場鳶(とび)職人の人件費、周囲を覆う飛散防止用メッシュシートの設置までが含まれます。

そのため、一般的な30坪の2階建て住宅であっても、約15万円〜30万円ほどという非常に高額な固定費としてお客様にのしかかってきます。

平米単価に換算すると、およそ約600円〜900円/㎡が適正な相場となります。

もし、屋根と外壁のリフォームを別々の時期に行ってしまうと、この高額な足場代がその都度発生することになります。

例えば、築10年目で外壁塗装だけを行い、その5年後に屋根の傷みが気になってカバー工法を行ったとします。

そうすると、合計で30万円〜60万円もの足場代を支払うことになってしまうのです。

これは、塗料のグレードを最高級の無機塗料にアップグレードできるほどの大きな金額です。

屋根と外壁のリフォームを同時に実施して足場代を1回分に完全に集約することは、実質的に数十万円の無条件なコストカットを意味します。

別々施工と同時施工での20年間の足場費用比較。足場代を完全に一回分に集約し、数十万円の無駄をなくすことを示す図。

足場代の相場や計算方法についてさらに詳しく知りたい方は、20/40/50坪 外壁屋根塗装の相場と費用|静岡の専門家の記事も併せてご覧ください。

また、費用面だけでなく、精神的な負担の軽減という見逃せないメリットもあります。

足場が建っている期間は、どうしても家の中が薄暗くなってしまいます。

窓を開けにくかったり、洗濯物が外に干せなかったりと、日常生活に少なからずストレスがかかるものです。

別々に工事を行って不便な期間を二度経験するよりも、一度の工事で家全体のメンテナンスを完了させてしまう方がはるかに快適です。

ご家族皆様にとっても負担が少ないことは間違いありません。

同時施工最大のメリットは「足場代」の節約

別々に工事をすると二重にかかる足場代(15万〜30万円)を1回にまとめることで、大幅な費用の削減が可能です。

浮いた費用で塗料のグレードを上げるのが最も賢いリフォーム戦略です。

将来のメンテナンス周期を完全に同期化

費用面での直接的な節約効果に加えて、将来的なライフサイクルマネジメントの観点からもメリットがあります。

建物の生涯維持管理という視点で見ても、同時施工には絶大な効果が存在するのです。

住宅というのは建てて終わりではなく、長く住み続けるために数十年にわたるメンテナンス計画が必要です。

この際、屋根材と外壁塗料の「耐用年数(寿命)」をしっかりと計算することが重要です。

次回の大規模修繕が同じタイミングで訪れるように素材を設計・選定することで、将来の家計の予測が非常に立てやすくなります。

例えば、屋根のカバー工法には、従来のガルバリウム鋼板の3倍のサビ耐性を持つ「SGL鋼板」がおすすめです。

また、将来的な再塗装が実質不要となる「石粒付き金属屋根」を使用することも昨今の主流となっています。

これらは20年以上の圧倒的な耐久性を誇ります。

しかし、初期費用を少しでも抑えようとして、外壁側に耐用年数が10年程度の安価なシリコン塗料を選んでしまうとどうなるでしょうか。

10年後、屋根はまだピカピカで全く問題ないのに、外壁のためだけにまた高額な足場を組んで再塗装しなければならなくなります。

これでは、せっかくの同時施工の恩恵が完全に失われてしまいます。

屋根に20年持つ素材を選ぶのであれば、外壁にも同じく15年〜20年の高耐久を誇る「フッ素塗料」や「無機塗料」を組み合わせるのが鉄則です。

プロの視点から見ても、これが絶対的なセオリーと言えます。

初期費用は少し上がりますが、同時施工で浮いた足場代をそのまま充当すれば十分にまかなえる範囲です。

これにより、次回のメンテナンス時期を20年後へと完全に同期させることができます。

屋根と外壁の「次回メンテナンス時期」を完全に合わせるのがプロの鉄則であることを示す図。

お子様の教育費や老後の資金計画など、人生の大きなイベントとお家の修繕費が重なるリスクを最小限に抑えることができるのです。

◆斎藤のワンポイントアドバイス

私たちアップリメイクでは、現在だけでなく10年後、20年後のお客様のライフプランをしっかりとお伺いします。

ご退職のタイミングやお子様の独立などに合わせて、屋根と外壁のメンテナンス周期がぴったりと合う組み合わせをご提案しております。

最も生涯コストが安くなるプランを提示できるかどうかが、本物の専門業者の見極めポイントです。

外壁塗装と屋根カバー工法費用の総額相場

リフォームの予算を組む上で、お客様が最も不安に感じられるのは費用面です。

「結局のところ、全部でいくらかかるのか」という正確な費用の全体像を把握したいですよね。

ここでは、全国的な市場価格や当社の基準値をベースに、外壁塗装と屋根カバー工法をセットで行った場合の費用相場を解説します。

また、見積書に記載されるべき詳細な内訳についても、専門家の視点から徹底的にお伝えいたします。

坪数別で見るセット工事の総額費用目安

外装リフォームの費用は、ご自宅の延床面積(坪数)や外壁の塗装面積によって大きく変動します。

もちろん、屋根の形状や選ぶ塗料、金属屋根材のグレードによっても価格は変わります。

ここでは、一般的なシリコン塗料から高耐久なフッ素グレードの塗料を使用した場合の目安をご紹介します。

屋根には標準的な断熱材一体型のガルバリウム鋼板を使用した際の、セット工事におけるおおよその費用相場(足場代込み)を示します。

坪数(延床面積) 外壁塗装のみの相場 屋根カバーのみの相場 同時施工の総額目安
20坪 約60万〜90万円 約70万〜100万円 約110万〜160万円
30坪 約80万〜120万円 約90万〜130万円 約150万〜220万円
40坪 約100万〜140万円 約110万〜160万円 約180万〜270万円
50坪 約120万〜160万円 約130万〜190万円 約220万〜320万円

上記の表から読み取れる通り、坪数が増加するにつれて足場面積や塗料の塗布面積が増加します。

屋根材の使用量も比例して増加するため、総額は段階的に上昇していきます。

一般的な30坪の住宅であれば、およそ150万円〜220万円程度が、品質を担保できる適正価格のボリュームゾーンとなります。

20坪から50坪までの坪数別の同時施工費用相場(足場代込み)を示す一覧表。

ただし、ここで強くお伝えしておきたいのは、この金額はあくまで「平面的な面積」から割り出した目安に過ぎないということです。

例えば、同じ30坪の住宅であっても、2階建てなのか3階建てなのかによって足場の高さが変わります。

3階建ての場合は足場面積が大きくなるため、費用は5万円〜10万円ほど高くなる傾向にあります。

また、屋根の勾配(傾斜)が急な場合は、屋根の上にも専用の「屋根足場」を組む必要があり、追加費用が発生します。

さらに、窓の数が多い家は壁の面積が減るため塗料代は下がりますが、養生(ビニールで覆う作業)の手間が増えることもあります。

このように、家一軒一軒で条件は全く異なるのです。

正確な金額を知るためには、必ず専門機材を用いた詳細な現地調査を受けることが不可欠です。

見積書に記載される詳細な内訳を徹底解説

相見積もりを取得した際、提示された金額だけを見て安い・高いを判断するのは非常に危険です。

悪徳業者や手抜き業者の見積書に共通しているのは、詳細な内訳を書かないことです。

「外壁塗装工事 一式」「屋根カバー工事 一式」といった極めて曖昧な表現でごまかしている点に注意してください。

本当に誠実な業者の見積書には、誰が見ても分かるように作業工程が細分化されています。

それぞれの数量(㎡やm)と単価が明記されているのが正しい見積書です。

一般的な30坪の住宅における具体的な内訳のイメージを解説します。

まず最初に来るのが仮設足場架け払い工事です。

平米単価の目安は600円〜900円程度で、飛散防止メッシュシートを含めて約15万〜30万円となります。

続いて、長年の汚れやコケを根こそぎ落とす高圧洗浄(バイオ洗浄)が平米100円〜300円で記載されます。

そして屋根工事のセクションに移り、既存の棟板金や雪止めの解体・撤去費用が計上されます。

カバー工法における防水の要となる新規防水シート(ルーフィング)の敷設は平米800円〜1,500円程度です。

このルーフィングは、安価なアスファルトルーフィングではなく「粘着層付き改質アスファルトルーフィング」が選定されているか確認してください。

釘穴からの雨水浸入を強力に防ぐことができるかどうかが、寿命を左右する極めて重要なチェックポイントです。

さらに、新規屋根材(ガルバリウム鋼板等)の本体施工費が平米4,000円〜6,000円程度かかります。

雨水が侵入しやすい端の部分を加工する「役物(やくもの)・雨仕舞い板金工事」も別途記載されます。

外壁側では、塗料のメーカー名・製品名が明記されているかをチェックします。

当社標準の4回塗りの場合、シリコン塗料で平米1,500円〜2,500円程度が単価の目安となります。

フッ素や無機塗料など、さらに高耐久な仕様に変更すれば単価は上がります。

これらに加え、雨樋や破風板といった付帯部の塗装や、コーキング(シーリング)の打ち替え費用が細かく計上されます。

ちなみに、建物全体の雨樋をすべて新しいものに交換する「全交換」の場合、30坪で20万円〜40万円程度が相場となります。

これらすべての項目を一つ一つ確認し、なぜその単価になるのかを論理的に説明できる業者を選ぶことが最大の鍵となります。

「オリジナル塗料」と「一式見積もり」には要注意!

数量(㎡)をごまかす「一式」表記には十分注意してください。

また、自社開発を謳う「オリジナル塗料」を強引に勧めてくる業者にも警戒が必要です。

大手メーカーの製品ラベルを張り替えただけの中身が不透明な塗料を高額で売りつける手法が散見されます。

見積書には必ず日本ペイントやKFケミカルといった正規メーカーの製品名が明記されていることを確認してください。

屋根と外壁のカバー工法のメカニズム

近年、リフォーム業界で主流となっているのが「カバー工法」です。

しかし、既存の古い建材を撤去せずに上から被せるという手法に対して不安を感じる方も多いでしょう。

「本当に大丈夫なの?」「ただの手抜き工事じゃないの?」と疑問を持たれるかもしれません。

しかし、この工法がここまで普及しているのには、日本の建材の歴史と密接に関わる明確な理由が存在します。

科学的にも裏付けられた合理的な施工方法なのです。

アスベスト問題を解決する屋根カバー工法

カバー工法が事実上の「最適解」として選ばれている最大の背景は、スレート屋根材に含まれるアスベスト(石綿)問題にあります。

2004年以前に製造されたスレート屋根材には、強度を高めるために高確率でアスベストが含有されています。

さらに厄介なのが、アスベストの使用規制に伴う移行期(2000年前後)に製造された初期のノンアスベスト屋根材です。

ニチハの「パミール」やクボタの「コロニアルNEO」などが該当します。

これらは、経年劣化によって素材自体がミルフィーユのように層状にボロボロと剥がれ落ちてしまう致命的な欠陥を抱えています。

上からいくら高級な塗料を塗っても、下地ごと剥がれてしまうため塗装によるメンテナンスが物理的に不可能なのです。

では、これらの傷んだ屋根材をすべて撤去する「張り替え(葺き替え)」を行えば良いかというと、そう簡単な話ではありません。

特にアスベストが含まれている場合、撤去時に周囲へ有害な粉塵が飛散しないよう、厳重な養生と湿潤化作業が必要になります。

さらに、撤去した廃材は「特別管理産業廃棄物」として厳格なルールの下で処分しなければなりません。

この処分費用だけで数十万円という莫大な金額がお客様の負担となってのしかかってきます。

場合によっては屋根工事全体の費用が1.5倍から2倍に跳ね上がってしまうのです。

この経済的、そして環境的な課題をクリアするために確立されたのがカバー工法です。

既存の屋根材を一切破壊・解体せず、上から粘着性の高い新しいルーフィングと軽量な金属屋根材ですっぽりと覆い隠してしまいます。

アスベストを完全に「封じ込める(囲い込み)」ことができるため、飛散リスクはゼロになります。

高額な産廃処理費用も不要になるため、法令を遵守しながらお客様の安全とお財布を守る極めて理にかなったアプローチなのです。

古い屋根材(石綿含む)を壊さず「封じ込める」ため安全であり、高額な産業廃棄物の処分費が不要となるカバー工法の構造図。

ダブルカバー工法と樹脂サイディング

最近では屋根だけでなく、外壁に対しても塗装ではなく新しい外装材を重ね張りする「外壁カバー工法」をご検討されるケースが増加しています。

屋根と外壁の両方にカバー工法を施すことを「ダブルカバー工法」と呼びます。

外壁カバー工法は、現在のサイディングの上から木材(胴縁)を打って通気層を設けます。

その上に全く新しい金属系や樹脂系のサイディングを張る手法です。

家の外観を新築時のような全く別のデザインに根本から刷新できるメリットがあります。

さらに、壁が二重構造になることで、断熱性能と遮音性能が物理的に飛躍的に向上します。

詳しくは外壁カバー工法とは?重ね張りの仕組み・向いている家・失敗しない進め方をご覧ください。

外壁カバー工法において、近年プロの視点から特に強くおすすめしているのが樹脂系サイディングです。

一般的な金属系サイディングが平米あたり4,000円から6,000円程度であるのに対し、樹脂系サイディングは平米あたり約15,000円から20,000円程度となります。

初期費用はかなり高額になりますが、この素材には初期費用を補って余りある圧倒的なライフサイクル上の優位性があります。

それは「オープンジョイント工法」を採用している点です。

日本の住宅において、外壁から雨漏りが発生する原因の大部分はシーリング(コーキング)材の劣化です。

外壁材の継ぎ目に充填されているシーリング材が紫外線で劣化し、ひび割れや破断を起こすことに起因しています。

樹脂系サイディングは、部材同士を重ね合わせて張っていく独自の構造により、このシーリング材を一切使用しません(シーリングレス)。

つまり、10年ごとに必ず発生するシーリングの打ち替え費用が、将来にわたって完全に不要になるのです。

素材自体に顔料が練り込まれているため色褪せに強く、塩害(サビ)や凍害によるひび割れにも無敵の強さを誇ります。

長期的な維持費を極限まで下げたい方にとって、樹脂サイディングによるカバー工法は最強の選択肢と言えます。

外壁カバー工法の費用目安と適用条件

30坪の住宅における外壁カバー工法単体の費用相場は、約150万円〜250万円程度です。

既存の外壁材が水分を吸って激しく波打っている場合や、下地の腐朽が進んでいる場合は施工できません。

その場合は、外壁の張り替え(全撤去)が必要になるケースもありますので事前の診断が重要です。

同時施工とカバー工法に関する注意点

カバー工法はアスベスト対策や断熱性向上において非常に優れたリフォーム手法です。

しかし、決して魔法のような万能な工法というわけではありません。

建物の現状によっては適さないケースもあり、施工には特有の構造的リスクが伴います。

後から「こんなはずじゃなかった」と後悔しないために、絶対に知っておくべき注意点をお伝えします。

カバー工法の重量増加と耐震性への影響

屋根と外壁の両方にカバー工法(重ね張り)を施すご提案をした際、多くのお客様からご懸念の声が寄せられます。

「家全体が重くなりすぎて、地震が発生した時に倒壊しやすくなるのではないか?」という耐震性への不安です。

日本は地震大国ですから、屋根が重くなることへの恐怖感を持たれるのは当然のことです。

しかし、建築基準法に基づく構造力学的な計算と、最新の建材の軽さを考慮すれば、その影響は極めて軽微です。

安全基準の範囲内にしっかりと収まることが証明されていますのでご安心ください。

具体的に数字で見てみましょう。

カバー工法で主に使用されるガルバリウム鋼板などの金属屋根材は、1㎡あたり約5kgしかありません。

外壁に使用する金属サイディングも、1㎡あたり約3.5kgから5kgと非常に軽量に作られています。

仮に、延床面積30坪(屋根面積約80㎡、外壁面積約150㎡)の住宅の全面にカバー工法を実施したとします。

この場合、家全体に追加される総重量は約900kgから1,200kg程度です。

「1トンも重くなるの!?」と驚かれるかもしれませんが、一般的な木造2階建て住宅の総重量は全く桁が違います。

基礎や柱、内装材を含めると約40トンから50トン(40,000kg〜50,000kg)にも達するのです。

つまり、カバー工法による重量増加は、建物全体の重さのわずか2%未満に過ぎないということです。

増加分はわずか2%未満であり、最新の軽量建材を使用するため、耐震性への影響は極めて少なく安全であることを示す図。

地震が発生した際に建物に加わる水平方向の力(地震力)は、建物の重量に震度係数を掛けて算出されます。

元の重量が45トンの家に1トンの外装材を追加しても、地震力の増加分は微々たるものです。

雪国において屋根に50cmの雪が積もった際の積雪荷重が数トン単位になることを考えれば、十分に安全だと言えます。

数百キログラムから1トン程度の重量増加が住宅全体の耐震設計に致命的な影響を及ぼすことはありません。

どうしても不安な場合は、壁の内部に耐震金具を追加するなどの補強工事を同時に行うことも可能ですのでご相談ください。

内部結露や構造腐朽を防ぐ正しい施工法

重量の問題よりも遥かに恐ろしく、カバー工法最大のデメリットとなるものがあります。

それが「内部の劣化を覆い隠してしまうこと」と「内部結露」の発生リスクです。

カバー工法は、良くも悪くも既存の壁や屋根に「蓋」をして密閉してしまう工事です。

もし、カバー工法を行う前の段階で、壁の内部にある透湿防水シートが破れていたとしたらどうでしょうか。

雨漏りによって下地の合板や柱(構造材)がすでに腐っていた場合、表面だけを綺麗に取り繕っても意味がありません。

内部では継続的に水が回り、木材を腐敗させる腐朽菌が繁殖し続けます。

最終的には建物の強度が著しく低下し、最悪の場合は倒壊に至る危険性があります。

また、住宅の気密性が高まることで「内部結露」という現象に対する正確な設計が求められます。

冬場、暖房で温められた室内の空気が壁の内部に侵入し、冷たい外装材の裏側に触れることで水滴化するのが内部結露です。

これを防ぐため、外壁カバー工法を施工する際には、既存の壁と新しい外壁材の間に「胴縁(どうぶち)」を打ち込みます。

厚さ15mm程度の木材や樹脂材を一定間隔で打ち込み、物理的な隙間(通気層)を確保する「通気工法」が絶対条件となります。

この通気層を下から上へと空気が流れることで、壁内部の湿気を逃がす仕組みです。

最大の欠点「内部結露」を防ぐため、必ず「胴縁(どうぶち)」という木材を打ち込み、空気が逃げる道(通気層)を作る工法が絶対条件であることを示す図。

残念ながら、利益を優先する悪徳業者は、材料費と施工の手間を省くためにこの胴縁を省略することがあります。

既存の壁に直接新しいサイディングを打ち付ける「直張り」を行ったり、空気の出口となる部分を塞いでしまったりする手抜き工事です。

こうなれば内部結露は避けられず、家はあっという間に傷んでしまいます。

カバー工法を依頼する際は、表面の仕上がりだけを見てはいけません。

「壁の内部の通気と防水をどのように処理するのか」を物理法則に基づいて説明してくれる誠実な業者を選ぶことが重要です。

◆斎藤のワンポイントアドバイス

建物の健康状態を無視したカバー工法は、家に「綺麗な包帯を巻きつけて内部の傷を悪化させる」ようなものです。

私たちアップリメイクでは、見積もりをお出しする前に、必ず屋根裏(小屋裏)に入って雨漏りの痕跡や野地板の腐食具合を確認します。

外壁は専用の打診棒やスコープを使って内部の浮きを徹底的に診断いたします。

その結果、「この状態ではカバー工法は危険だ」と判断した場合は、正直にすべてを撤去する「張り替え」をおすすめいたします。

外壁塗装と屋根カバー工法に関するよくある質問(FAQ)

Q1. カバー工法をした屋根の上に、数十年後、さらにカバー工法を重ねることは可能ですか?

A. いいえ、基本的には不可能です。

建物の構造上、屋根材を三重に重ねることは重量過多となり耐震性に悪影響を及ぼします。

また、新しい屋根材を固定するためのビスが下地にしっかりと効かなくなる危険性があるため、強く非推奨とされています。

そのため、カバー工法を行った屋根が寿命を迎える数十年後の次回メンテナンス時には、二重になった屋根材をすべて解体・撤去する「葺き替え工事」が必要になります。

だからこそ、カバー工法を行う際は、目先の安さで素材を選ぶべきではありません。

20年以上長持ちするSGL鋼板や石粒付き金属屋根などの高耐久な素材を最初から選んでおくことが、将来のトータルコストを下げるための非常に重要な戦略となります。

Q2. 瓦屋根の家なのですが、カバー工法で今風の平らな金属屋根に変えることはできますか?

A. 誠に申し訳ありませんが、日本瓦(和瓦)やセメント瓦、モニエル瓦のような厚みのある屋根材にはカバー工法は適用できません。

大きく波打った形状の屋根に対しては、構造上、上から新しいルーフィングや屋根材を平滑かつ強固に固定することができないためです。

瓦屋根にお住まいの方で、地震対策としての屋根の軽量化や、外観のイメージチェンジをご希望される場合は別の方法になります。

既存の重い瓦をすべて撤去して、軽量な金属屋根やスレート屋根に張り替える「葺き替え工法」をご提案しております。

解体処分費はかかりますが、家屋への負担を最も減らせる根本的な解決策です。

Q3. 工事の期間中、家の中に職人さんが入ってくることはありますか? 普段通り生活できますか?

A. はい、引っ越しなどは全く必要なく、普段通りに生活していただけます。

外壁塗装も屋根カバー工法も、すべての作業は家の外側(屋外)で行われます。

職人が家の中(室内空間)に入ることは一切ありません。

トイレをお借りすることもありませんし、お茶出しなどのご配慮も無用です。

ただし、足場を設置・解体する際の金属音や、高圧洗浄時のエンジン音は発生いたします。

また、新しい屋根材をビスで打ち込んで固定する際などには、どうしても建物を伝って振動が発生いたします。

小さなお子様やペットがいらっしゃる場合は少し驚かれるかもしれませんので、その点だけはあらかじめご了承とご協力をいただいております。

Q4. 悪徳業者に騙されないためには、提出された見積もりのどこを一番注意して見ればいいですか?

A. 最大の警戒ポイントは「契約を急がせること」と「数量の曖昧さ」です。

「今すぐ契約してくれたら足場代を半額にします」「近所で工事をしているので特別モニター価格にします」といった営業トークには注意してください。

極端な値引きをする業者は、悪質な訪問販売の典型例ですので避けるのが無難です。

また、見積書では、作業項目が「外壁塗装一式」「屋根工事一式」という言葉で曖昧にまとめられていないか確認してください。

実際にメジャーやレーザーで計測した塗装面積(㎡)や、塗料のメーカー名・製品名が書かれていることが重要です。

必要な使用缶数、屋根材の具体的な品番などがミリ単位で正確に記載されているかを必ず確認してください。

事前に屋根裏や外壁の内部まで専用機材でしっかりと診断してくれるかどうかも見極めポイントです。

豊富な写真とともに根拠のある提案書を出してくれる業者を選ぶことが、トラブルを防ぐ最大の防衛策となります。

外壁塗装や屋根カバーは専門業者へ相談を

ここまでの解説で、屋根と外壁の同時施工のメリットや、カバー工法の深いメカニズムについてご理解いただけたかと思います。

これらを踏まえ、数十年に一度の大規模なプロジェクトを成功させ、大切なご自宅を次世代へと引き継いでいくためにはどうすれば良いのでしょうか。

それは「誰に依頼するか」がすべての結果を左右すると言っても過言ではありません。

ハウスメーカーの住宅にも安心の対応力

ご新築時に積水ハウス、大和ハウス、ヘーベルハウスといった大手ハウスメーカーで建てられた素晴らしいお住まいにお住まいのお客様からも、多数のご相談をお受けいたします。

「外壁の塗装や屋根のメンテナンスは、家を建てたハウスメーカーに頼まないと心配だ」とお考えになるのは当然のことです。

例えば、積水ハウスの木造住宅「シャーウッド」で採用されている陶版外壁「ベルバーン」は、焼き物であるため非常に耐久性が高い外壁材です。

外壁材そのものの塗装メンテナンスは基本的に不要とされている、本当に素晴らしい建材です。

しかし、高品質なベルバーンであっても、パネルとパネルの間はシーリング(目地材)で防水処理されています。

このシーリング部分は他の外壁材と同様に経年で劣化するため、築10年~20年を目安に打ち替え工事が必要となります。

外壁材が無事でも、目地の劣化を放置すれば雨漏りの原因となるため、定期的な点検は欠かせません。

また、セキスイハウスの防水工事も合わせてアップリメイクで施工が可能です。

塩ビシート防水の重ね貼り工法やウレタン防水の施工にもしっかりと対応いたします。

私たちのような地元専門店に直接ご依頼いただくメリットは、高品質な施工を適正価格で実現できることです。

金額的には、ハウスメーカー様の防水工事料金の5〜7掛け程度で施工が可能なケースが多数ございます。

同じご予算であれば、フッ素塗料や無機塗料といったワンランク、ツーランク上の最高級グレードの材料を使用することも可能です。

より長期間、大切なお家を美しく保つための選択肢が広がります。

ハウスメーカーでのリフォーム費用についてさらに詳しく知りたい方は、プロ解説!ハウスメーカーの外壁塗装の相場と後悔しない選び方にて解説しておりますので、ぜひご一読ください。

相見積もりと補助金活用で賢くリフォーム

定価が存在しない外装リフォーム業界において、法外な高額請求や、逆に安すぎてすぐにボロボロになる手抜き工事を回避するための黄金ルールがあります。

それは、必ず「3社」から相見積もりを取得し、比較検討することです。

1社だけの見積もりでは、その価格や提案内容が適正なのかどうか、素人には絶対に判断できません。

かといって2社では単なる価格の競い合い(値引き合戦)になり、利益を確保するために「塗料を規定以上に水で薄める」などの手抜きが発生しやすくなります。

「乾燥時間を無視して工程を急ぐ」といった、品質が犠牲になる「安物買いの銭失い」に陥る危険性が極めて高くなります。

3社の見積もりを並べて初めて、極端に安い(または高い)異常値が可視化されます。

各社の診断の正確さや提案力の違いを客観的に評価できるようになります。

外壁塗装と屋根カバー工法の同時リフォームを成功させるために

改めて、この記事でお伝えした重要なポイントを振り返ってみましょう。

足場代の節約:別々に工事を行うと二重にかかる足場代(約15万〜30万円)を1回に集約できる。

メンテナンス周期の同期:浮いた足場代で高耐久塗料(フッ素や無機など)を選び、屋根と外壁の次回修繕時期を揃えるのが鉄則。

アスベスト対策:解体費を抑え、飛散リスクを完全になくす「カバー工法」が最も安全で経済的。

正しい通気工法:カバー工法による内部結露や構造腐朽を防ぐため、物理法則に基づいた通気層の確保が必須。

これらを踏まえ、正しい知識と戦略で後悔のないリフォームを実現してください。

とはいえ、ご自宅の屋根や外壁が現在どのような健康状態なのか、自己判断するのは非常に難しいものです。

本当にカバー工法が適しているのか、あるいは塗装だけで十分なのか、プロの目線で確認する必要があります。

だからこそ、まずはプロの専門家による正確な「お住まいの健康診断」を受けることが、リフォーム成功への最も確実な第一歩となります。

私たちアップリメイクでは、屋根裏の雨漏り調査や、30倍の専用スコープを用いた外壁の劣化状況の確認など、徹底した事前診断を無料で実施しております。

「とりあえず今の状態を知りたい」「他社の見積もりが適正かプロの目線で見てほしい」といったご相談でも全く問題ありません。

もちろん、しつこい営業や押し売りは一切いたしません。

地元・静岡で愛され、お客様に「安心」だけでなく「幸せ」と「感動」をご提供する職人直営の専門店として対応いたします。

ご家族のライフプランに寄り添った最適なご提案を誠心誠意させていただきます。

大切なお住まいのことで少しでもお悩みがあれば、ぜひ一度、私たちアップリメイクにお気軽にご相談ください。

まずは無料診断・お見積りを依頼する >

  • この記事を書いた人

齋藤直樹

(株)アップリメイク代表取締役で元職人、塗装という仕事が大好きです。人生の大きな挫折と数多くの出会いを経て今は大好きな地元・静岡で、お客様の笑顔のために仕事ができることに何よりの誇りを感じています。

▼保有資格▼
1級建築塗装技能士・2級建築施工管理技士・有機溶剤作業主任者・高所作業主任者・2級カラーコーディネーター・光触媒施工技能士・乙4類危険物取扱者・ゴンドラ特別教育・職長・安全衛生責任者・第2種酸素欠乏危険作業主任者・宅地建物取引主任者・2級ファイナンシャルプランニング技能士・AFP