外壁カバー工法とは?重ね張りの仕組み・向いている家・失敗しない進め方をプロが解説

築20年の家を守る強靭な鎧 外壁カバー工法・完全診断ガイド

こんにちは、株式会社アップリメイク代表取締役の齋藤直樹です。

「外壁が古くなってきたけれど、塗装だけで本当に大丈夫なのだろうか」「カバー工法という言葉を聞いたけれど、一体どんな工事なのだろう」と、大切なお住まいのメンテナンス方法でお悩みではありませんか。

外壁のリフォームは決して安い買い物ではないため、初期の資金計画や将来的なライフプランに直結する重要な決断です。

この記事では、外壁塗装のプロフェッショナルとしての長年の経験をもとに、カバー工法の基本的な仕組みから、メリット・デメリット、そして絶対に失敗しないためのポイントまでを分かりやすく解説します。

ぜひ最後までお読みいただき、ご自宅にとって最適なリフォーム方法を見つける手がかりにしてください。

記事のポイント

  • 外壁カバー工法(重ね張り)の具体的な仕組みと塗装との違い
  • カバー工法を選ぶことで得られるメリットと向いている家の特徴
  • カバー工法を絶対に避けるべき危険な建物の状態
  • 使用される主要な外壁材の種類とそれぞれの特徴

外壁カバー工法とは?基本を徹底解説

まずは、「外壁カバー工法」とは具体的にどのような工事なのか、その基本的な概念と、従来の塗装工事との決定的な違いについて詳しく解説していきます。

用語の定義と工事のメカニズムを正しく理解することが、数十年先を見据えた外壁リフォーム成功の第一歩となります。

外壁カバーリングとは?重ね張りとの違い

既存の外壁、胴縁、新しい外壁材の間にできる空気層を示す図解

一般的に、外壁カバー工法とは、既存の外壁を解体・撤去することなく、その上から新しい外壁材を物理的に重ねて張るリフォーム手法を指します。

現場調査にお伺いした際、お客様から「カバー工法と重ね張りはどう違うのですか?」「業者によって言い方が違うので混乱しています」とご質問をいただくことがよくありますが、実はこれらは本質的に全く同じ工法です。

建築業界の歴史的な文脈において、もともとの外壁構造をそのまま残しつつ、建物の外側に新たな外壁の層を構築する方法は、古くから「重ね張り」と呼称されてきました。

しかし近年では、屋根のリフォーム手法である「屋根カバー工法」との用語の統一性を図るため、あるいは建物を新たな外装材で完全に包み込んで保護するという機能的なニュアンスをより正確に伝えるために、「カバー工法」という呼称が業界標準として定着しています。

業者によっては「外壁カバーリング」や「外壁改修カバー工法」と呼ぶこともありますが、技術的な定義としてはすべて「既存壁材を存置したままの新規外装材の施工」を指しているとご理解いただいて間違いありません。

この工法の最大の要となるのが、単に壁の上に壁をベタッと貼り付けるわけではないという点です。

既存の外壁と新しい外壁材の間に、「胴縁(どうぶち)」と呼ばれる木製や金属製の下地材を等間隔に取り付けます。

この胴縁の厚みを利用して、壁と壁の間に物理的な「空気層(通気層)」を設けることで、壁を完全な二重構造化します。

この通気層が、下から上へと空気を逃がす煙突のような役割を果たし、壁内部に湿気がこもって発生する「壁体内結露」を防ぐという、建物の寿命に関わる極めて重要な役割を果たしているのです。

見えない部分の通気設計こそが、プロの腕の見せ所と言えます。

【ポイント】

カバー工法は、ただ見た目を新しくするだけでなく、胴縁を用いた正確な「通気設計」を行う高度な建築技術です。

この換気経路の構築が不十分だと、内部で結露が発生し、木材を腐らせる原因となります。

そのため、専門的な知識と経験を持った職人による精密な施工が不可欠です。

塗装工事との根本的な機能面の違い

表面を保護する雨合羽のような塗装と、断熱性を高める防寒着のようなカバー工法の比較イラスト

外壁のメンテナンス時期を迎えた際、まず第一の選択肢として「塗装」を思い浮かべる方が圧倒的に多いと思います。

しかし、塗装工事とカバー工法では、リフォームによって建物にもたらされる付加価値が決定的に異なります。

塗装工事が「既存の外壁材の表面を塗膜で保護し、防水性を高めて美観を回復させる(いわば、家に高性能なレインコートを着せる)」ことを目的とするのに対し、カバー工法は「建物の外壁そのものを新しく二重化し、物理的・機能的なアップグレードを伴う(いわば、家の外側にもう一枚、分厚い防寒着を着せる)」点に最大の特徴があります。

ただ色を塗り直すだけではなく、建物の外殻の性能そのものを根本から引き上げるのがカバー工法なのです。

カバー工法によって壁が二重構造化され、そこに空気層や断熱材が組み込まれることで、建物の断熱性および遮音性が施工前と比較して大幅に向上します。

これは、単なる表面の化粧直しである塗装では、たとえ優れた遮熱塗料などを用いたとしても、決して得ることのできない絶大な恩恵です。

外の冷気や熱気が室内に伝わりにくくなり、大雨の音や車の走行音なども驚くほど軽減されます。

ただし、カバー工法は新しい建材を丸ごと使用するため、初期費用は塗装工事の2倍程度と高額になるのが一般的です。

例えば、私たちアップリメイクでは「手塗りローラー4回塗り」という高品質な塗装を標準としており、30坪の住宅における高耐久シリコン塗装の目安は約638,000円〜(税込)となっております。

一方でカバー工法は、材料費に加えて胴縁の施工や役物の取り付けなどが必要になるため、費用が跳ね上がります。

※本記事で紹介する費用や期間はあくまで一般的な目安です。

建物の状況や足場代(一般的な住宅で約15万円~30万円程度が相場です)の有無により大きく異なるため、正確な情報は公式サイトをご確認いただくか、最終的な判断は専門家にご相談ください。

しかし、30年という長期的なライフサイクルコスト(LCC)の視点で考えると見え方が大きく変わります。

塗装工事(10〜15年ごとの再投資)とカバー工法(初期投資で将来の出費を確定)の30年間の費用推移を比較したグラフ

一般的なシリコン塗料の耐久年数は約10〜15年であり、その周期ごとに高額な足場仮設費用を伴う再施工が必要になります。

一方、高耐久な金属サイディングを用いたカバー工法であれば、その後の大規模な修繕を長期間不要にすることができます。

結果的に、将来の足場代やメンテナンス費用を合算すると、長期的にはカバー工法の方がトータルコストを抑えられるケースが非常に多いのです。

家の外壁カバー工法が向いているケース

塗装不可能な劣化、断熱と遮音の改善、処分費用の回避を示す3つのアイコン

カバー工法は、あらゆる住宅やあらゆる劣化状況に対して無条件に適用できる魔法の万能手法ではありません。

建物の現在の構造的健全性や、お客様ご自身が求めるリフォームの目的によって、明確な技術的適合性が存在します。

ここでは、カバー工法を選択することで、最も高い費用対効果と圧倒的な満足度が得られる「向いている家」の特徴を具体的に解説します。

塗装では直せない外壁の傷みがある家

カバー工法が最も威力を発揮するのは、外壁材自体の劣化がすでに限界を超えており、上からいくら高級な塗料を塗ってもすぐに塗膜が剥がれてしまうような状態の家です。

例えば、窯業系サイディングボードが長年の水分吸収と乾燥の繰り返しによって極度に反り返ってしまっている場合や、冬場の凍結と融解を繰り返すことで起きる「凍害」によって、外壁材の表面がボロボロに崩れ落ちてしまっている場合などがこれに該当します。

素材そのものの強度が失われているところに塗装を行っても、下地ごと塗装が剥がれ落ちてしまうため、お金と時間の無駄になってしまいます。

このような物理的な崩壊が始まっている建材を再生させることは、塗装の技術をもってしても不可能です。

また、外壁の目地を埋めるシーリング(コーキング)の劣化を長年放置してしまった結果、外壁材の裏側にまで雨水が回り込み、サイディングボードが裏側から傷んでしまっているケースも非常に多く見受けられます。

このような状態で表面だけをきれいに塗装しても、内部の腐食は進行し続けるため、根本的な解決には至りません。

劣化したシーリングの放置がいかに危険かについては、外壁塗装でコーキングしないとどうなる?プロが費用と5つのリスクを徹底解説でも詳しく解説しています。

「塗装業者に見積もりを依頼したら、壁が傷みすぎているので塗装はできないと断られた」というお客様からのご相談をよくいただきますが、まさにそのような絶望的な状況において、既存の壁を土台として新しい壁で覆い隠すカバー工法は、建物を救う最適かつ最も現実的な救済措置となります。

古い壁を保護しつつ、全く新しい強靭な鎧を身にまとわせるイメージです。

【補足:優れた外壁材を持つハウスメーカーの住宅について】

すべての住宅に塗装やカバー工法が必要なわけではありません。

例えば、積水ハウス様の木造住宅「シャーウッド」で採用されている陶版外壁「ベルバーン」は、焼き物であるため非常に優れており、外壁材そのものの塗装メンテナンスは基本的に不要とされています。

このような素晴らしい外壁にはカバー工法は行わず、築10年~20年を目安とした目地(シーリング)の打ち替えによる防水処理を行うことで、その美観を長く保つことができます。

断熱性や遮音性を大幅に向上させたい方

「見た目をきれいにするだけでなく、住環境の快適性を根本から改善したい」という明確な目的がある場合、カバー工法は非常に有効な選択肢となります。

前述の通り、既存の外壁の上に新しい外壁材を重ねることで壁が多重構造となり、外部からの熱の移動や音の侵入を物理的に遮断する効果が劇的に高まります。

現代の新築住宅のような快適な空間を、既存の住宅でも実現できるのが大きな強みです。

具体的には、「夏になると2階の部屋がサウナのように暑くてたまらない」「冬は足元が底冷えして暖房がなかなか効かない」「大通りに面していて、夜間の車の騒音や、雨の日の雨音が気になって眠れない」といった、日々の生活における深刻なお悩みを抱えている方に強く推奨いたします。

カバー工法で主に使用される金属サイディングの裏面には、発泡ポリウレタンなどの高性能な断熱材が分厚く充填されています。

これが既存の壁との間に挟まれることで、家全体が魔法瓶のようにすっぽりと包み込まれる状態になります。

この圧倒的な断熱性能の向上は、エアコンなどの冷暖房効率を劇的に改善させ、毎月の電気代やガス代といったランニングコストの削減に直接的に寄与します。

昨今の光熱費高騰の対策としても有効であり、初期費用はかかりますが、その後何十年にもわたって続く「快適な生活空間」と「光熱費の節約」を考えれば、その投資対効果は計り知れません。

家族が健康で心地よく暮らせる住まいづくりにおいて、カバー工法は最高の選択と言えます。

解体費用やアスベスト処分費を抑えたい

外壁を新しくする方法には、カバー工法のほかに、既存の外壁をすべて撤去して新しいものを張る「張り替え工法」があります。

この張り替え工法と比較した場合、カバー工法は解体費用や廃材の処分費用を根本的に削減できるという、非常に現実的で大きな経済的メリットがあります。

特に建物の面積が大きいほど、この費用の差は歴然としたものになります。

特に注意が必要なのが、2006年(平成18年)の労働安全衛生法施行令改正以前に建築された建物です。

この時期より前に建てられた住宅の外壁材(特に窯業系サイディングなど)には、高い確率でアスベスト(石綿)が含有されています

アスベストが含まれた建材を撤去・解体する場合、作業員や近隣住民への健康被害を防ぐため、飛散防止のための厳重な仮設措置や、特別管理産業廃棄物としての適正な処理が法律で義務付けられており、これらに数十万円という多額の費用が加算されます。

しかし、カバー工法であれば、既存の壁材を破壊したり切断したりすることなく、そのままの状態で安全に内部へ封じ込めることができるため、高額なアスベスト処分代をまるごと削減することが可能となります。

また、大規模な解体作業が発生しないため、工期も約2〜3週間程度と短く済み、廃材の処理に伴う粉塵や騒音の発生も著しく少なくなります。

お客様が仮住まいに引っ越す必要もなく、普段通りの生活を営みながらリフォームを完了できる点も、カバー工法が選ばれる大きな理由です。

◆斎藤のワンポイントアドバイス

「一生に一度の外壁リフォーム」として、築20〜25年を迎えたタイミングでカバー工法を選択されるお客様が非常に増えています。

初期投資はかかりますが、その後の大規模な修繕費用の不確実性を排除し、住居費のトータルコストを確定させる優れた防衛策と言えます。

築年数に応じたリフォームの考え方については、築20年の外壁塗装はいくらかかる?費用相場・必要性・保証の真実まで完全ガイドでも詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

外壁改修カバー工法を避けるべき危険な家

内部の腐朽、未解決の雨漏り、激しい歪みなど、カバー工法を避けるべき状態のリスト

ここまではカバー工法の素晴らしいメリットをお伝えしてきましたが、プロとして絶対に知っておいていただきたい事実があります。

それは、建物の状態によってはカバー工法を強行することで、建物の構造的寿命を急激に縮めてしまう致命的なケースが存在するということです。

以下の状態に当てはまる場合は、カバー工法を見送り、張り替え等へ工法を変更することが強く推奨されます。

内部の構造材や下地が腐朽している状態

カバー工法を行う上で最も危険であり、絶対に避けるべきなのが、外壁の内側にある下地や構造材(柱、間柱、構造用合板など)がすでに腐食している場合です。

カバー工法は、魔法のように壁が宙に浮いているわけではありません。

既存の外壁を土台とし、その奥にある柱などの構造材に向かって、新しい外壁材や胴縁を長いビスでしっかりと打ち込み、固定する仕組みをとっています。

もし、長年の雨漏りや内部結露によって、内部の木材が腐ってスカスカのスポンジ状になってしまっている場合、ビスを打ち込んでも全く効きません。

新しい外壁材の重量を支えるための十分な「引抜強度(ビスが抜けまいと耐える力)」が確保できないのです。

この状態で、「表面だけきれいになればいい」と無理にカバー工法を行えばどうなるでしょうか。

台風の強風や地震の強い揺れが発生した際、ビスがすっぽりと抜け、新しい外壁材が既存の壁ごとごっそりと崩落・脱落するという、人命に関わる重大な事故につながる恐ろしいリスクがあります。

だからこそ、私たちアップリメイクでは、事前の現地調査を何よりも重視しています。

打診棒による音の確認や、目視での歪みチェックなど、徹底したプロの診断によって下地強度を論理的に判定し、安全が担保されない限りカバー工法をおすすめすることはありません。

家を守るためのリフォームが、家を壊す原因になっては本末転倒だからです。

根本的な雨漏りの原因が未解決のまま

「室内の壁紙に雨染みがある」「サッシの周りから水が垂れてくる」など、すでに雨漏りが発生している、あるいは強く疑われる状況において、「外壁が古くてヒビだらけだから、とりあえずカバー工法で全体を覆ってしまえば雨漏りも直るだろう」という短絡的な判断は厳禁です。

外壁補修カバー工法は、あくまで表面的な保護と美観の回復、断熱性の付与を目的とするものであり、構造的な漏水修理の代替には決してなりません。

雨漏りの根本的な原因(内部の防水シートの破断、サッシ周りのピンホール、屋根からの伝い水など)が正確に特定されず、解決もされていないまま表面だけを新しい壁で覆ってしまうと、非常に恐ろしい事態を招きます。

壁の内部に浸入した水分が、今度は外に逃げ場を失い、長期間にわたって密閉された壁内部に閉じ込められることになるからです。

いわば、濡れた雑巾をビニール袋に入れて放置するような状態です。

その結果、壁体内が常にジメジメとした湿潤状態となり、木材を腐らせる「腐朽菌」が異常繁殖し、さらには湿気を好む「シロアリ」を強烈に引き寄せることになります。

見えないところで家の骨組みがボロボロに食べ尽くされてしまうのです。

これは屋根のカバー工法でも全く同じことが言えます。

内部の水分閉じ込めによる結露や腐食の恐ろしいメカニズムについては、屋根カバー工法で結露・雨漏りが起きる原因と対策(防水シートの重要性)をご参照ください。

雨漏りがある場合は、必ず原因箇所を完全に解体・修理し、内部を乾燥させてから次のステップに進むのが鉄則です。

【注意】

カバー工法は「臭いものにフタをする」工事ではありません。

下地が健康であることが大前提の工事です。

悪徳業者の中には、下地の腐食を見て見ぬ振りをして無理やりカバー工法を進めるケースもあるため、正確な診断をして悪いところは悪いと指摘してくれる業者選びが命運を分けます。

既存外壁の歪みや凹凸が激しい場合

家は建てた直後から、度重なる地震の揺れや、大型トラックが通る際の振動、そして建材自体の経年変化(木材の収縮や乾燥など)により、必ず微小な歪みや凹凸(建築用語で「不陸:ふりく」と呼びます)が生じています。

築年数が経過すればするほど、この歪みは大きくなる傾向にあります。

この歪みが許容範囲を超えて著しい場合、カバー工法の適用には極めて慎重な判断が求められます。

既存の外壁が大きく波打っていたり、傾いたりしている状態(不陸が激しい状態)を無視して、その上から平らな新しいサイディングボードを無理やり張ろうとするとどうなるでしょうか。

新しい建材に不自然な応力(曲げようとする力)が常にかかり続けることになります。

その結果、施工後わずか数年で新しい外壁材にひび割れが発生したり、パネル同士の接続部に隙間が生じてそこから雨水が浸入したりする致命的な原因となります。

美しい仕上がりは、平らな下地があってこそ実現するのです。

熟練のプロの職人は、施工の際に「胴縁」と呼ばれる下地木材の裏にスペーサー(パッキン)などを細かく挟み込み、高さをミリ単位で揃える「不陸調整」という極めて専門性の高い作業を行います。

しかし、既存の壁の凹凸が限界を超えている場合や、デザイン性が高く凹凸が非常に激しいモルタル壁などの場合は、この不陸調整が物理的に不可能となります。

また、カバー工法による重量増が、現在の耐震基準ギリギリの建物に対して致命的な悪影響を与えると判断される場合も、安全を最優先して張り替え工法をご提案いたします。

外壁リフォームカバー工法の主要な外壁材

樹脂サイディングと金属サイディングの特徴、利点、課題、費用を比較した表

カバー工法において、最も重要な物理的条件となるのが「建物の総重量増加を最小限に抑えること」です。

日本の木造住宅は、屋根や壁が重くなればなるほど、地震発生時の揺れ(慣性力)が大きくなる特性を持っています。

そのため、既存の壁の上にさらに重ねる建材は、圧倒的に軽量でなければなりません。

現在、外壁カバー工法の市場を牽引している、軽量かつ高性能な2つの主要外壁材をご紹介します。

圧倒的に軽量な金属サイディング

現在、日本国内の外壁カバー工法において圧倒的な主流となっているのが金属サイディングです。

ガルバリウム鋼板や、よりサビに強いアルミニウムなどの耐久性の高い金属表面材の裏面に、発泡ポリウレタンなどの断熱材を分厚く裏打ちした複合構造を持っています。

各メーカーがしのぎを削り、年々その性能を向上させている素晴らしい建材です。

最大のメリットは、何と言ってもその「驚異的な軽さ」です。

新築でよく使われる窯業系(セメント系)サイディングと比較すると、重量は約4分の1から6分の1しかありません。

そのため、既存の壁の上に重ねて張っても建物にかかる負担が極めて少なく、耐震性をしっかりと維持することができます。

さらに、金属であるため素材自体が水分を一切吸収しません。

水が染み込まないということは、冬場に内部で水分が凍結して体積が膨張し、外壁を破壊する「凍害」の心配が全くないということです。

寒冷地から都市部まで、非常に幅広い地域で絶大な信頼を集めています。

デザイン面でも目覚ましい進化を遂げています。

以前は「金属=工場や倉庫のような安っぽい見た目」というイメージがありましたが、現在はレンガ調、木目調、石積み調など、本物と見紛うほどの精巧で高級感のあるデザインが多数ラインナップされています。

また、表面に親水性コーティング(雨水で汚れをセルフクリーニングする機能)やフッ素コーティングが施されている商品も多く、かつては汚れが目立つと敬遠されていた「クールホワイト」などの明るい白系のカラーが、現在では堂々の人気ナンバーワンとなっています。

主な特徴 メリット・懸念点 費用相場の目安(材料+施工費)
超軽量・高断熱・高耐久 耐震性への影響が少なく、ひび割れや凍害に強い。沿岸部では塩害によるサビに注意が必要。 約9,000円〜11,500円/㎡前後

耐久性の高い樹脂サイディング

日本ではまだ普及の途上にありますが、北米(アメリカやカナダ)などでは外壁材全体の過半数を超える極めて高いシェアを誇り、今後の日本市場でも間違いなく注目されるのが樹脂サイディングです。

塩化ビニル樹脂を主原料としており、金属サイディングと比較してもさらに特筆すべき技術的優位性を持ち、「究極のメンテナンスフリー材」として業界内で大きな期待を集めています。

第一の強みは、圧倒的な耐候性と色あせ防止機能です。

一般的な窯業系や金属系のサイディングが、表面に塗料を吹き付けたり焼き付けたりしているのに対し、樹脂サイディングは塩化ビニル樹脂という素材そのものに顔料(色)がしっかりと練り込まれています。

金太郎飴のような状態をイメージしていただくと分かりやすいかもしれません。

そのため、強烈な紫外線に何十年晒されても表面の色が剥げたり色落ちしたりすることがなく、万が一、強風による飛来物が当たって深く傷がついてしまったとしても、内部まで同じ色であるため傷がほとんど目立ちません。

第二の強みは、「シーリングレス施工」による将来的なメンテナンスコストの劇的な削減です。

パネル同士を重ね合わせる特殊な張り方(オープンジョイント工法など)を採用するため、一般的な外壁材で必須となる防水シーリング(ゴム状の目地材)を一切使用しません。

外壁メンテナンスにおいて最も劣化が早く、10年ごとに打ち替え費用がかさむシーリング作業が原理的に不要になるため、将来の手間とコストを極限まで抑えることができます。

また、塩害や酸性雨の影響も全く受けないため海沿いの家にも最適です。

ただし、樹脂特有の温度変化による熱膨張・収縮を計算に入れた特殊な固定技術を要するため、現在日本国内において適切に施工できる技術者(職人)が圧倒的に不足しているのが唯一最大の課題となっています。

外壁カバー工法に関するよくある質問(FAQ)

Q1. カバー工法を行うと、家の中が狭くなったりしませんか?

A. いいえ、家の中(室内空間)が狭くなることは絶対にありません。

カバー工法は、建物の「外側」に向かって、新しい胴縁とサイディングボードの厚み分(合計で数センチメートル程度)だけ厚みが増す工事です。

そのため、お客様が生活される居住スペースの広さには全く影響を与えませんので、どうぞご安心ください。

Q2. 工事期間中、普段通りに生活することはできますか?引っ越しは必要ですか?

A. はい、仮住まいなどに引っ越す必要はなく、普段通りに生活していただいたまま工事が可能です。

カバー工法は既存の壁を解体しないため、大規模な解体工事に比べてホコリや粉塵、騒音の発生が非常に少なく済みます。

ただし、安全のために家の周囲に足場と飛散防止ネットを設置するため、日当たりが悪くなったり、洗濯物が干しにくくなったりする期間が生じる点、また日中の作業音につきましては、あらかじめご了承ください。

Q3. 壁が二重になることで、家が重くなり地震に弱くなりませんか?

A. 外壁が二重になるため、建物の総重量自体は施工前よりわずかに増加します。

しかし、カバー工法で主に使用する金属サイディングや樹脂サイディングは、従来の窯業系サイディングやモルタル壁に比べて驚くほど軽量に作られています。

そのため、一般的な住宅の構造であれば、耐震性に重大な悪影響を与えることはまずありません。

ただし、お住まいの現在の構造強度をプロの目でしっかりと確認し、重量増に耐えられるかを事前に正確に診断することが必須となります。

Q4. 国や自治体の補助金を使ってカバー工法をお得に行うことはできますか?

A. はい、一定の条件を満たせば補助金を活用できる可能性が十分にあります。

例えば、断熱材がしっかりと裏打ちされた金属サイディングを用いるカバー工法は、国が推進する「既存住宅の断熱改修」とみなされ、大型補助金事業(子育てグリーン住宅支援事業など)の対象となるケースが多くあります。

補助金制度は予算上限や年度によって要件が細かく変わるため、最新の補助金情報は私たち専門業者にお気軽にご相談ください。

外壁補修カバー工法は無料写真診断から

結論:成功を分ける唯一の法則「表面を覆う前に、内部の健康を知る」というメッセージ

ここまで外壁のカバー工法について詳しく解説してまいりました。

最後に、今回の記事の重要なポイントを改めて整理しておきましょう。

カバー工法(重ね張り)は壁を二重構造化し、断熱性や遮音性を大幅に向上させる

塗装では修復不可能な傷みがある家や、高額なアスベスト処分費を抑えたい場合に最適

内部の構造材の腐朽や雨漏りが未解決のまま施工するのは、家を壊す原因になるため厳禁

耐震性への影響を抑えるため、圧倒的に軽量な金属サイディング等の建材を使用する

外壁のカバー工法は、適切な条件下で正しく施工されれば、住まいの断熱性・遮音性を飛躍的に高め、将来にわたる継続的なメンテナンスコストを劇的に抑えることができる、非常に素晴らしいリフォーム手法です。

一生に一度の大きな投資として、その価値は十分にあります。

しかし、その恩恵を最大限に受けるためには、「そもそもご自宅の現在の状況が、カバー工法に適しているのかどうか」を正確に見極めることが絶対条件となります。

内部の構造材の腐朽や、見えない雨漏りのリスクを見落としたまま、安易に表面だけを覆い隠す工事を進めてしまえば、数年後に家全体が取り返しのつかないダメージを受ける事態になりかねません。

私たちアップリメイクでは、静岡県内トップクラスとなる11名の一級建築塗装技能士をはじめとする国家資格を持った本物のプロフェッショナルが在籍しております。

30倍の専用スコープなどの機器を用いて、お住まいの健康状態を隅々まで徹底的に調査する「無料お住まい診断」を随時実施しております。

「我が家は塗装が良いのか、カバー工法が良いのか、プロの意見を聞きたい」「まずは外壁の傷み具合を正確に診断してほしい」という方は、ぜひお気軽にアップリメイクまでご相談ください。

詳細な写真を用いた分かりやすい診断書を作成し、最長10年の自社保証を含め、お客様のこれからのライフプランにしっかりと寄り添った、誠実で最適なご提案をお約束いたします。

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  • この記事を書いた人

齋藤直樹

(株)アップリメイク代表取締役で元職人、塗装という仕事が大好きです。人生の大きな挫折と数多くの出会いを経て今は大好きな地元・静岡で、お客様の笑顔のために仕事ができることに何よりの誇りを感じています。

▼保有資格▼
1級建築塗装技能士・2級建築施工管理技士・有機溶剤作業主任者・高所作業主任者・2級カラーコーディネーター・光触媒施工技能士・乙4類危険物取扱者・ゴンドラ特別教育・職長・安全衛生責任者・第2種酸素欠乏危険作業主任者・宅地建物取引主任者・2級ファイナンシャルプランニング技能士・AFP