こんにちは、株式会社アップリメイク代表取締役の斎藤直樹です。
マンションの外壁塗装をご検討される際、塗装は一体何年ごとの周期で行うべきか、塗料の種類や耐用年数によって修繕費の費用がどう変わるのか、具体的な単価や相場が分からずお困りではありませんか。
また、工事の工程や期間中の生活への影響、例えばベランダは使えるのか、洗濯物は干せるのかといった不安もあるでしょう。特に部屋が臭いのではないか、換気扇は使えるのか、ペットへの影響、さらには妊娠中の塗装工事は安全なのかといった心配事は尽きません。
おしゃれな色を選びたいけれど失敗したくない、数年で塗装が剥がれたらどうしよう、といったストレスを感じる方もいらっしゃいます。賃貸マンションの外壁塗装を考えているオーナー様や、補助金の活用方法、信頼できる業者の選び方や見積もりのポイントなど、疑問は多岐にわたります。
この記事では、静岡で多くの実績を持つ塗装専門家として、これらの疑問や不安に一つひとつ丁寧にお答えしていきます。
記事のポイント
- マンション塗装の適切な時期と費用感
- 工事中の生活への影響と具体的な対策
- 信頼できる業者の選び方と見積もりの見方
- 塗料の種類やおしゃれな色の選び方
マンション外壁塗装の計画で知るべきこと
- 塗装は何年ごとの周期で考えるべきか
- 塗料の耐用年数と最適な選び方
- 外壁塗装で使われる塗料の種類
- 修繕費として考える外壁塗装の費用
- 塗装工事の単価と費用相場の目安
- 外壁塗装で補助金は活用できるのか
- 良い業者か見積もりで見抜くポイント
- 賃貸マンションの外壁塗装の注意点
塗装は何年ごとの周期で考えるべきか
マンションの外壁塗装を検討する上で、「何年周期で行うのが適切か」という疑問は非常に多く寄せられます。結論から言いますと、一般的には10年~15年がひとつの目安です。これは、建物を雨水や紫外線から守っている「塗膜」の防水機能が、経年によって低下してくる時期だからです。
国土交通省が示す長期修繕計画ガイドラインでも、大規模修繕工事の周期は約12年が推奨されており、多くのマンションでこのタイミングが採用されています。
ただし、この「10年~15年」という数字は絶対ではありません。実際の最適なタイミングは、建物の状況によって大きく異なります。例えば、前回使用した塗料が安価なアクリル塗料であれば5~7年で劣化が始まりますし、高耐久なフッ素塗料であれば15年以上もつこともあります。画一的な年数で判断するのは危険なのです。
塗装周期を左右する主な要因
- 前回使用した塗料の耐用年数:これが最も決定的な要因です。塗料のグレードによって、耐久性は大きく異なります。
- 立地環境と方角:静岡のように海が近い地域では塩害、交通量の多い道路沿いでは排気ガスによる汚染、日当たりの良い南面は紫外線による劣化が、それぞれ塗膜の寿命を縮める要因となります。
- 前回の施工品質:塗装の品質は、塗る前の「下地処理」で9割決まると言っても過言ではありません。この下地処理が不十分だと、どんなに良い塗料を使っても数年で剥がれてしまうことがあります。
- 外壁材の種類:モルタル壁か、サイディング壁かなど、外壁材によっても劣化の進行度は異なります。
ここで重要なのは、「計画上の年数」と「建物の実際の状態」のバランスです。多くの管理組合様は長期修繕計画に定められた年数に頼りがちですが、実際の劣化は計画通りに進むわけではありません。
そこで私たちが強く推奨するのが、計画上の工事時期の2~3年前に専門家による建物劣化診断を実施し、その結果に基づいて正確な工事時期と仕様を決定する「計画と診断のハイブリッド方式」です。これにより、まだ綺麗な状態での無駄な工事や、劣化を放置してしまうことによる余計な補修費用の発生、この両方を避けることができます。
◆斎藤のワンポイントアドバイス
建物は、声を出して不調を訴えることができません。しかし、ひび割れ(クラック)や、壁を手で触ると白い粉が付くチョーキング現象など、様々な「劣化のサイン」を発しています。これらのサインを見逃さず、適切な時期にメンテナンスしてあげることが、結果的に建物を長持ちさせ、修繕費用を抑えることに繋がるのです。ぜひ一度、ご自宅のマンションの外壁をじっくりと観察してみてください。
塗料の耐用年数と最適な選び方
外壁塗装の費用と耐久性を決定づける最も重要な要素が「塗料選び」です。塗料は、その性能を決定づける主成分「合成樹脂」の種類によってグレードが分かれ、それぞれ耐用年数と価格が大きく異なります。ここでは代表的な塗料の種類と、その特徴について詳しく解説します。
| 塗料の種類 | 耐用年数(目安) | 費用単価(/㎡)の目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| アクリル | 5~8年 | 1,000~1,800円 | 安価だが紫外線に弱く、耐用年数が短い。現在はあまり使われない。 |
| ウレタン | 7~10年 | 1,700~2,500円 | 密着性に優れるが、シリコンの普及で需要は減少傾向。 |
| シリコン | 10~15年 | 2,300~3,500円 | コストと性能のバランスが良く、現在最もスタンダードな選択肢。 |
| フッ素 | 15~20年 | 3,000~5,000円 | 高耐久で汚れにくい。長期的なコスト削減に繋がる。 |
| 無機 | 約20年 | 4,500~5,500円 | 最高の耐久性を持つが、高価でひび割れしやすい性質もある。 |
ご注意:費用単価と耐用年数について
上記の費用単価や耐用年数は、あくまで一般的な環境下での目安です。建物の劣化状況や形状、施工業者によって変動します。正確な情報については、必ず専門業者からの見積書でご確認ください。
塗料を選ぶ際に最も大切なのは、初期費用だけでなく、長期的な視点での「ライフサイクルコスト」で考えることです。例えば、初期費用がシリコン塗料より高いフッ素塗料を選んだとします。フッ素塗料の耐用年数が長いため、次の塗り替えまでの期間を5年以上延ばすことが可能です。
マンションの塗装工事では、費用の約20%を「足場代」が占めます。30年という期間で考えた場合、塗装工事の回数が1回減ることで、この高額な足場代を丸々一回分節約できる可能性があるのです。
結果として、初期費用は高くても、トータルコストではフッ素塗料の方が安くなるという逆転現象も起こり得ます。私たちはお客様の建物の状況と将来設計をしっかりとお伺いし、長期的な視点で最もメリットのあるプランをご提案しています。
外壁塗装で使われる塗料の種類とは
塗料は耐用年数を決める「樹脂」の他に、機能性や性質によってもいくつかの種類に分けられます。それぞれの特徴を理解することで、よりご自身のマンションの課題解決に繋がる、最適な選択が可能です。
機能性で選ぶ塗料
近年の塗料は、単に建物を保護する基本機能に加え、居住環境の快適性向上や省エネルギーに貢献する様々な付加機能を持つ製品が登場しています。
- 遮熱塗料:塗料に含まれる特殊な顔料が、太陽光の熱の原因となる赤外線を効率よく反射します。これにより、外壁や屋根の表面温度の上昇を抑え、特に夏場の室内温度の上昇を緩和し、冷房負荷を軽減する効果があります。
- 断熱塗料:塗膜内に微細な中空セラミックバルーンなどが含まれており、これが熱の伝導を妨げる「空気の層」を形成します。魔法瓶のように、夏は外部からの熱の侵入を防ぎ、冬は室内の熱が外部へ逃げるのを防ぐため、年間を通じて冷暖房効率の向上に寄与します。
- 光触媒塗料:太陽光が当たると、表面で活性酸素が発生し、排気ガスなどの有機系の汚れを分解します。分解された汚れは雨水によって洗い流される「セルフクリーニング効果」が最大の特徴で、長期間にわたって美観を維持できます。
「遮熱」と「断熱」の違いを理解する
この2つは混同されがちですが、役割が異なります。「遮熱」は太陽熱を反射する機能で、主に夏の暑さ対策に特化しています。一方、「断熱」は熱の伝導を抑える機能で、夏も冬も効果を発揮します。
静岡の気候を考えると、年間を通じて省エネ効果が期待できる宇宙技術を応用した断熱塗料「ガイナ」などは、非常に費用対効果の高い選択肢として人気があります。
性質で選ぶ塗料
塗料を何で薄めるか(希釈する)かによって「水性」と「油性(溶剤)」に、また使い方によって「1液形」と「2液形」に分かれます。
- 水性塗料と油性塗料:水で薄める「水性」は、シンナーなどの強い臭いがほとんどないため、居住者様や近隣への配慮に優れています。近年の技術向上で性能も大幅に向上し、現在の外壁塗装の主流です。一方、シンナーで薄める「油性」は特有の臭いがありますが、密着性が高く強固な塗膜を形成するため、下地の状態が悪い場合や鉄部などに使用されます。
- 1液形塗料と2液形塗料:「1液形」はそのまま使える手軽さが特徴です。一方、「2液形」は主剤と硬化剤を混ぜて使うタイプで、化学反応で硬化するため、より強固で耐久性の高い塗膜を形成します。ただし、混合比率や使用可能な時間(可使時間)の管理など、施工には高い技術力が求められます。
私たちアップリメイクでは、近隣への配慮や居住者様の健康を第一に考え、基本的には臭いの少ない高性能な水性塗料をおすすめしつつ、建物の状態や部位に応じて最適な塗料を使い分けるご提案をしています。
修繕費として考える外壁塗装の費用
特に賃貸マンションのオーナー様にとって、外壁塗装にかかった費用を税務上どのように処理するかは、キャッシュフローに直結する非常に重要な問題です。この費用は、その目的によって「修繕費」または「資本的支出」のいずれかに分類され、経費計上の方法が全く異なります。
「修繕費」と「資本的支出」の決定的な違い
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- 修繕費:建物の通常の維持管理や、劣化した部分を元の状態に戻す(原状回復)ための支出を指します。最大のメリットは、支出したその年度に全額を経費として一括計上できることです。例えば、経年劣化した外壁を、以前と同等グレードのシリコン塗料で塗り替える場合などがこれにあたります。
- 資本的支出:建物の資産価値を明らかに高めたり、耐久性を向上させたりするための支出を指します。こちらは一度「建物」などの固定資産として計上され、建物の法定耐用年数(例:鉄筋コンクリート造の住宅で47年)にわたって、毎年少しずつ減価償却という形で経費化していくことになります。
- 例えば、一般的なシリコン塗料から、耐用年数が大幅に長いフッ素塗料にアップグレードする場合や、新たに断熱機能を追加する場合などが該当します。
この判断を分けるのは、「原状回復」か「価値の向上」かという点ですが、実務上はその境界が曖昧なケースも少なくありません。そのため、税法では判断を容易にするための例外規定も設けられています。
修繕費として処理できる例外規定(主なもの)
- 支出額が20万円未満である場合。
- 修繕費か資本的支出か明らかでない場合で、支出額が60万円未満、またはその固定資産の前期末取得価額のおおむね10%相当額以下である場合。
専門家への相談を強く推奨します
この税務上の判断は専門的な知識を要し、誤った処理をしてしまうと後で税務署から指摘を受けるリスクもあります。どちらに分類されるかによってキャッシュフローに大きく影響するため、工事計画の段階で必ず税理士などの専門家にご相談いただくことを強くおすすめします。
一般的に、キャッシュフローの観点からは、一括で経費にできる「修繕費」として計上する方が有利になることが多いです。工事計画を立てる際に、こうした税務上の側面も考慮に入れ、どのような仕様の工事を行うか検討することが、賢明な経営判断に繋がります。
塗装工事の単価と費用相場の目安
外壁塗装の費用は、マンションの規模や劣化状況、使用する塗料によって大きく変動するため、「定価」というものが存在しません。しかし、費用の全体像を掴むために、一般的な単価と相場の目安を知っておくことは非常に重要です。ここでは、その内訳と目安について詳しく解説します。
費用の4大内訳
塗装工事の見積もりは、主に以下の4つの項目で構成されています。この割合を把握しておくと、見積書の内容が妥当かどうかを判断する助けになります。
- 材料費(約20%):塗料、シーリング材、養生シートなど、工事に使用する材料の費用です。塗料のグレードによって大きく変動します。
- 足場代(約20%):安全で高品質な作業に不可欠な足場の設置・解体、飛散防止ネットの費用です。
- 施工費(人件費)(約30%):高圧洗浄、下地処理、塗装作業(3回塗り)など、職人の技術に対する費用です。
- その他経費(約30%):現場管理費、廃材処理費、交通費、そして施工業者の利益などが含まれます。
具体的な費用相場としては、マンション1戸あたり約20万円~30万円がひとつの目安と言われますが、これはあくまで参考値です。正確な費用を知るためには、専門業者による現地調査の上で、建物の寸法や劣化状況を正確に把握した上での詳細な見積もりを取ることが不可欠です。
良い見積書は「単価」が明確
信頼できる業者の見積書は、「外壁塗装工事 一式 〇〇円」といった大雑把な記載ではなく、各工程の単価が明確に記載されています。これにより、何にいくらかかっているのかが透明化され、安心して依頼することができます。
| 工事項目 | 単位 | 単価の目安(円) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 足場設置(飛散防止ネット含む) | ㎡ | 600~900 | 安全な作業のために必須 |
| 高圧洗浄(バイオ洗浄含む) | ㎡ | 100~300 | カビやコケを根こそぎ除去 |
| シーリング打ち替え | m | 800~1,300 | 建物の防水の要 |
| 外壁塗装(シリコン/当社標準4回塗り合計) | ㎡ | 1,500〜2,500 | 塗料のグレードで変動 |
※上記は一般的な目安であり、建物の状況や仕様により変動します。
私たちアップリメイクでは、お客様にご納得いただけるよう、誰が見ても分かりやすい詳細なお見積書のご提出を徹底しています。建物の隅々まで診断した上で、どこにどのような補修が必要で、それにいくらかかるのかを明確にご提示します。
ご自宅の正確な費用が知りたい方は、ぜひ無料の建物診断とお見積りをご利用ください。
外壁塗装で補助金は活用できるのか
外壁塗装は高額な費用がかかるため、「少しでも負担を軽減するために補助金や助成金を使えないか?」というご相談も多くいただきます。結論として、お住まいの地方自治体が設けている制度の条件を満たせば、制度を利用できる可能性があります。
残念ながら、外壁塗装そのものを対象とした国の直接的な補助金制度は現時点ではありません。しかし、多くの地方自治体が、省エネルギー化の推進や地域経済の活性化を目的として、独自の補助金・助成金制度を設けています。
外壁塗装でこれらの制度を利用する場合、一般的に以下のような条件が求められることが多いです。
- 遮熱塗料や断熱塗料など、指定された省エネ効果のある塗料を使用すること。(ヒートアイランド対策の一環)
- 申請する自治体内に本店や支店を置く施工業者に発注すること。(地域経済活性化のため)
- 申請者(または管理組合)が税金を滞納していないこと。
- 【最重要】工事を開始する前に申請し、自治体から交付決定の通知を受けること。(工事開始後や完了後の申請は絶対に認められません)
支給額は、工事費用の10~20%で上限額が10万円~30万円程度に設定されていることが多く、決して小さな金額ではありません。
最新情報の確認と早めの行動が必須です
補助金・助成金制度は、年度ごとに内容や予算、申請期間が目まぐるしく変わります。また、人気のある制度は受付開始後すぐに予算上限に達し、締め切られてしまうことも少なくありません。
マンションが対象となるかは自治体の規定によりますので、まずは静岡市や焼津市、藤枝市など、お住まいの自治体のホームページを確認するか、担当窓口に直接問い合わせて、最新の情報を得ることが非常に重要です。
申請プロセスは必要書類が多く、複雑な場合もあります。私たちはこれまでにも静岡県内での補助金活用実績が多数ございます。お客様が対象となる可能性がある場合は、制度のご案内から申請のサポートまで責任を持って対応させていただきますので、お気軽にご相談ください。
マンションの外壁塗装で活用できる補助金制度の種類や申請条件、国や自治体の具体的な事例については、以下の専門ガイドでさらに詳しく解説しています。費用負担を賢く軽減するために、ぜひご一読ください。
→ 【2025年版】マンション外壁塗装の補助金ガイド|対象工事から申請条件、注意点まで専門家が徹底解説
良い業者か見積もりで見抜くポイント
外壁塗装の成功は、信頼できる業者選びにかかっていると言っても過言ではありません。そして、その業者を見極めるための最も重要な判断材料が、商談の初期段階で提示される「見積書」です。
この見積書には、業者の仕事に対する姿勢や誠実さが如実に表れます。心無い業者は、この見積書でごまかそうとしますので、以下に挙げるポイントをしっかりと確認し、誠実なパートナーかどうかを見抜きましょう。
注意すべき危険な見積書の特徴
- 「一式」表記が多い:「下地補修工事 一式」「付帯部塗装 一式」のように、具体的な数量や単価が書かれていない見積書は最も危険です。何にいくらかかるのかが不明瞭なため、業者の都合で作業内容を省かれるなど、手抜き工事の温床になります。
- 塗料名が具体的でない:「シリコン塗装」としか書かれておらず、メーカー名や製品名(例:日本ペイント パーフェクトトップなど)の記載がない場合は注意が必要です。同じシリコン塗料でも、製品によって価格や性能はピンからキリまであります。安価な低品質の塗料を使われるリスクがあります。
- 異常な値引きを提示する:「今ご契約いただければキャンペーンで50万円値引きします」「モニター価格で足場代が無料です」などを謳う業者は要注意です。そもそも適正価格からかけ離れた高額な金額を提示し、そこから大幅に値引くことでお得感を演出し、契約を急がせている可能性があります。その値引き分は、職人の人件費を削ったり、塗料を薄めたりといった形で、必ずどこかの品質にしわ寄せが来ます。
◆斎藤のワンポイントアドバイス
良い業者の見積書は、誰が見ても分かりやすく、詳細に記載されているものです。塗装面積(㎡)や各工程の単価が明確で、使用する塗料も「KFケミカル セミフロンスーパーマイルドⅡ」のように、メーカー名・製品名まで具体的に書かれています。これは、自社の価格設定に自信と透明性がある証拠であり、お客様に誠実に向き合っている証でもあります。
業者選びで後悔しないためには、手間を惜しまず必ず3社以上から相見積もりを取ることを強くおすすめします。複数の提案を比較することで、ご自身のマンション工事の適正価格が見えてきます。
また、各社の担当者がどのような質問をしてくるか、こちらの質問に的確に答えてくれるかなど、専門知識や対応力を比較検討する絶好の機会にもなります。これが、最高のパートナーを見つけるための最も確実な方法なのです。
賃貸マンションの外壁塗装の注意点
賃貸マンションやアパートの外壁塗装は、単に建物を保護するという維持管理の側面だけでなく、「不動産経営」という投資の視点で考えることが非常に重要になります。
手入れの行き届いた美しい外観は、入居希望者が物件情報サイトや現地で目にする最初の情報であり、その第一印象は入居率に絶大な影響を与えます。魅力的な外観は、周辺の競合物件との差別化を図り、空室リスクの低減と安定した家賃収入の確保に直結するのです。
特に築10年を過ぎると色褪せや汚れが目立ち始め、「古びた物件」という印象を与え、内見に至る前に候補から外されてしまう可能性も高まります。つまり、外壁塗装は、将来の収益性を高めるための重要な先行投資なのです。
オーナー様が特に注意すべき3つのポイント
- 戦略的なカラープランニング:ただ綺麗にするだけでなく、「誰に住んでほしいか」というターゲット層を意識した色選びが重要です。例えば、単身の若者向けならモダンでスタイリッシュな配色、ファミリー層向けなら温かみのある落ち着いた配色など、戦略的なカラープランニングが求められます。私たちは、ご希望に応じて周辺環境との調和や入居率アップを考慮したカラーシミュレーションもご提案しています。
- 入居者への丁寧な配慮:工事は、すでにお住いの入居者様の協力なしには進められません。工事期間や洗濯物の制限、騒音などについて、事前に十分な告知と説明を行うことが、クレームやトラブルを未然に防ぐために不可欠です。私たちも、工事前には必ず近隣へのご挨拶と、入居者様への説明資料の配布などを徹底しています。
- 費用対効果のシビアな検討:やみくもに最高級の塗料を使うことが最善とは限りません。建物の築年数や今後の経営計画(あと何年運用するのか、売却の予定はあるかなど)に合わせた、最適なグレードの塗料を選ぶことが大切です。例えば、10年後に建て替えを検討しているなら、耐用年数20年のオーバースペックな高耐久塗料は不要かもしれません。
私たちは、単なる塗装業者としてだけでなく、ファイナンシャルプランナーの資格を持つ専門家として、オーナー様の長期的な経営計画まで見据え、費用対効果が最大化する最適な塗装プランをご提案させていただきます。ぜひ一度、資産価値向上のためのご相談をお寄せください。
【アパート・マンションのオーナー様へ】
外壁塗装を単なる修繕ではなく、「空室対策」や「資産価値向上」に直結する重要な経営戦略として捉え、成功に導くための具体的なポイントをこちらの記事で詳しく解説しています。入居者に選ばれ続ける物件にするための秘訣を、ぜひご覧ください。
マンション外壁塗装中の生活と疑問解決
- 工事の工程と完了までの期間について
- 工事中のベランダ利用と注意点
- 洗濯物はいつから外に干せるのか
- 部屋が臭い時の換気扇使用の可否
- 妊娠中の塗装工事で配慮すべきこと
- ペットがいる場合の塗装工事の注意点
- 工事期間中のストレスを軽減する方法
- 塗装の剥がれが起きる原因と対策
- おしゃれに見せる外壁の色の選び方
工事の工程と完了までの期間について
外壁塗装工事がどのような流れで進むのか、そしてどのくらいの期間がかかるのかを事前に把握しておくことは、工事中の不安を和らげ、スムーズな生活設計を立てるために非常に大切です。ここでは、一般的な工事の工程と期間の目安を詳しく解説します。
標準的な工事の工程(クリティカルパス)
- 【準備段階】事前準備:工事開始の1~2週間前に、管理組合様と連携し、居住者様への説明会や掲示物、書面での告知を行います。同時に、私たち施工業者が近隣へご挨拶に伺い、工事へのご理解とご協力をお願いします。
- 【STEP 1】仮設足場設置・飛散防止ネット:まず、作業員の安全確保と高品質な施工のために、建物の周囲に足場を組みます。そして、塗料や洗浄水が周囲に飛散するのを防ぐためのメッシュシートで建物全体を覆います。
- 【STEP 2】高圧洗浄:専用の高圧洗浄機を使い、外壁に付着した長年の汚れ、カビ、コケ、そして劣化した古い塗膜などを徹底的に洗い流します。この作業を怠ると、新しい塗料の密着性が著しく低下します。
- 【STEP 3】下地処理・補修:ひび割れの補修、欠損部の修復、錆び落とし(ケレン)、劣化したシーリングの打ち替えなどを行います。塗装の仕上がりと耐久性を左右する、最も重要で時間と手間をかけるべき工程です。
- 【STEP 4】養生:窓やドア、エアコンの室外機、給湯器など、塗装しない部分を専用のビニールシートで丁寧に覆い、塗料の付着を防ぎます。
- 【STEP 5】塗装(合計4回塗り):私たちは、塗料メーカーの標準である3回塗りを上回る合計4回塗り(下塗り2回+上塗り2回など)を標準としています。これにより、より厚く強固な塗膜を形成し、塗装の耐久性を最大限に高めます。各層が重要な役割を担っており、この手間を惜しまないことが長期的な美観と保護性能に繋がります。
- 【STEP 6】検査:施工業者による自主検査と、発注者(管理組合等)による完了検査を行います。塗り残しやムラがないか、仕様書通りに施工されているかを厳しくチェックします。
- 【STEP 7】足場解体・清掃:全ての検査が完了したら、養生を撤去し、設置した足場を解体・撤去します。最後に、敷地内や周辺を清掃し、工事前の状態に戻します。
- 【完了】お引き渡し:最終確認をしていただき、問題がなければお引き渡しとなります。工事保証書もこのタイミングでお渡しします。
工事全体の期間は、マンションの規模(戸数や階数)、建物の形状、劣化状況、そして季節や天候によって大きく異なります。あくまで一般的な目安ですが、以下のようになります。
- 小規模マンション(~50戸程度):約1ヶ月から3ヶ月
- 中・大規模マンション(50戸以上):約3ヶ月から半年以上
これらの期間は、雨や雪、強風などによって作業ができない日が発生すると、その分延長される可能性があります。私たちは、着工前に詳細な工程表をご提出し、天候による遅れなども含め、工事の進捗を随時ご報告することで、居住者の皆様が安心して期間中を過ごせるよう、透明性の高い情報提供を徹底しています。
工事中のベランダ利用と注意点
工事期間中、居住者の皆様が最も不便を感じ、質問が多く寄せられるのがベランダの利用制限についてです。安全で質の高い工事を行うために、どうしてもご協力いただかなければならない点ですので、詳しくご説明します。
外壁やベランダ内部の塗装を行う際には、作業員がベランダに立ち入って作業を行います。そのため、作業期間中はベランダの利用が制限されます。特に、窓やサッシ、床面などに塗料が付着しないようビニールシートで覆う「養生(ようじょう)」を行う期間は、基本的に窓の開閉やベランダへの出入りが一切できなくなります。
この期間は、エアコンの室外機も塗料がかからないよう専用のメッシュカバーで養生しますが、通常はエアコンの運転に支障がないように配慮いたします。ただし、機種や設置状況によっては一時的に使用を控えていただく場合もありますので、事前に担当者にご確認ください。
【重要】ベランダの私物の片付けにご協力ください
足場の設置前や塗装作業が始まる前には、ベランダに置かれている以下のような私物を、居住者様ご自身で室内に移動していただく必要があります。
- 植木鉢、プランター
- 物置、収納ボックス
- サンダル、履物類
- 衛星放送のアンテナ(一時的な移設が必要な場合があります)
- その他、床や手すりに置かれている全ての私物
大変ご不便をおかけしますが、これらの物が残っていると作業ができず、工期の遅れに繋がってしまいます。また、万が一の汚損や破損を防ぐためにも、スムーズな工事進行にご協力をお願いしております。
ベランダが使用できなくなる正確な期間については、事前に配布される工程表で「バルコニー塗装」「養生期間」などとして明記されます。ご不明な点や、どうしても移動が難しいものがある場合は、お早めに管理組合や現場の担当者にご相談ください。
洗濯物はいつから外に干せる?
前述の通り、塗装工事期間中はベランダの使用が制限されるため、洗濯物を外に干すことができない期間が発生します。これも居住者の皆様にとっては大きなストレスになる点ですので、具体的なタイミングについて解説します。
基本的に、以下の作業が行われている期間は、安全確保と品質保持のため、洗濯物を外に干すことはできません。
- 足場の組立・解体時:部材の落下や接触の危険があるため、非常に危険です。
- 高圧洗浄時:汚れた水が飛散し、洗濯物が汚れてしまう可能性があります。
- 外壁の塗装作業時:塗料が飛散して洗濯物に付着してしまうリスクがあります。また、塗料の臭いが移ってしまうことも考えられます。
特に、塗料を塗っている期間とその乾燥期間は、塗膜の品質を確保するためにも、ご協力をお願いしています。これらの工事期間中は、基本的に室内干しや浴室乾燥機、あるいは近隣のコインランドリーなどをご利用いただくことになります。
管理組合によっては、工事期間中に集会室などを一時的な物干しスペースとして解放するなどの配慮がなされる場合もあります。
工事が完了し、足場が解体され、清掃が終わった後には、通常通り洗濯物を干していただけます。ご不便をおかけする期間が数週間から一ヶ月以上に及ぶこともありますが、大切な資産であるマンションを守り、美しく蘇らせるための重要な工事ですので、何卒ご理解とご協力をいただければ幸いです。
部屋が臭い時の換気扇使用の可否
「塗装工事中はシンナーの臭いが部屋に充満するのでは?」と心配される方も多くいらっしゃいます。特に、小さなお子様やアレルギー体質の方がご家族にいる場合は、切実な問題です。結論から言いますと、使用する塗料の種類によって状況は大きく異なり、また換気扇の使用には注意が必要です。
塗料の種類による臭いの違い
現在主流となっている「水性塗料」は、水を主成分としており、希釈にも水を使用するため、シンナー特有のツンとした刺激臭はほとんどありません。全くの無臭ではありませんが、油性塗料に比べると格段に臭いが少なく、環境や人体への負荷も低いのが特徴です。
私たちアップリメイクでは、居住者様や近隣への影響を最小限に抑えるため、特別な理由がない限り、この高性能な水性塗料を標準仕様としています。
一方、下地の状況や鉄部など、特定の箇所で高い密着性や耐久性が求められる場合に「油性(溶剤)塗料」を使用することがあります。この場合、希釈にシンナーを使用するため、どうしても特有の臭いが発生してしまいます。
換気扇の使用についての注意点
油性塗料を使用している期間に換気扇(レンジフードや浴室・トイレの換気扇)を使用することについては、ケースバイケースの判断が必要です。
- 使用できないケース:換気扇の排気口(フード)自体が塗装範囲に含まれている場合や、養生で覆われている場合は、当然ながら使用できません。
- 注意が必要なケース:換気扇を使用できても、室内の空気を外に出すということは、同時にどこかから外の空気を取り込むということです。窓を閉め切っていても、わずかな隙間から外のシンナー臭を室内に引き込んでしまい、かえって部屋が臭くなってしまう可能性があります。
臭いが心配な場合の対策
工事が始まる前に、業者に「どのタイプの塗料をどこに使うのか」「臭いの強い作業はいつ頃か」を具体的に確認しておきましょう。臭いに敏感な方は、その作業が行われる時間帯は外出する、空気清浄機を活用するなどの対策も有効です。私たちは、事前に詳細な工程表をお渡しし、臭いに関するご質問にも丁寧にお答えしています。
妊娠中の塗装工事で配慮すべきこと
妊娠中の方や、生まれたばかりの赤ちゃんがいらっしゃるご家庭では、塗装工事による健康への影響を特に心配されることと思います。これはご家族の心身の安全に関わる非常にデリケートで重要な問題です。
塗料に含まれるVOC(揮発性有機化合物)は、濃度が高いと頭痛や吐き気、めまいなどの原因となる可能性が指摘されています。特に臭いの強い油性(溶剤)塗料は、妊婦さんや赤ちゃんにとっては避けるべきです。
前述の通り、臭いもVOCの発生も少ない「水性塗料」を使用することで、そのリスクは大幅に軽減できます。F☆☆☆☆(フォースター)という、ホルムアルデヒドの発散量が最も少ない等級の製品を選ぶことも重要です。
しかし、影響の感じ方には個人差があり、健康への影響を完全にゼロにすることは、残念ながら保証できません。万が一のことを考えると、できる限りの対策を講じるべきです。
【最重要】安全を最優先した対応をお願いします
もしご不安が強い場合は、必ず安全を最優先した対応をご検討ください。
- かかりつけの医師への相談:まず、ご自身の体調について、かかりつけの産婦人科医などに相談し、専門的なアドバイスを受けてください。
- 管理組合・施工業者への事前申告:工事が計画された段階で、ご自身の状況を管理組合や施工業者に必ず伝えてください。事前に伝えていただくことで、業者側も工程の調整や塗料の選定など、最大限の配慮をすることが可能になります。
- 一時的な避難の検討:最も安全な対策は、物理的に距離を置くことです。特に臭いや粉塵が発生しやすい高圧洗浄や塗装作業が集中する期間だけでも、ご実家やウィークリーマンション、ホテルなどに一時的に避難することを検討する価値は十分にあります。
私たちは、ご事情をお伺いした上で、例えばそのお部屋の面から最も遠い部分から工事を始めるなど、工程を調整する配慮も行っています。大切な時期を安心して過ごせるよう、全力でサポートさせていただきますので、遠慮なくご相談ください。
ペットがいる場合の塗装工事の注意点
大切な家族の一員であるペットにとっても、塗装工事は大きなストレスの原因となり得ます。人間よりも嗅覚や聴覚がはるかに敏感な動物が多いため、人間以上に特別な配慮が必要です。
工事がペットに与える主な影響
- 臭いによるストレスと健康リスク:特にシンナーの臭いは、犬や猫にとって強いストレスになります。体調を崩したり、食欲がなくなったりする子もいます。また、化学物質に敏感な小鳥や爬虫類などにとっては、健康に直接的な影響を及ぼす可能性もゼロではありません。
- 騒音による恐怖:足場の組立・解体時の大きな金属音や、高圧洗浄機のエンジン音、職人の作業音などは、ペットを極度に怖がらせてしまうことがあります。パニックになって逃げ出そうとしたり、吠え続けたりすることもあります。
- 環境の変化と見知らぬ人の存在:ベランダの窓が養生されて外が見えなくなったり、見知らぬ作業員がベランダなどを往来したりすること自体が、縄張り意識の強い動物にとっては大きなストレスになります。
これらの影響を最小限に抑えるための対策としては、人間の場合と同様に、臭いの少ないF☆☆☆☆(フォースター)等級の水性塗料での施工を業者に依頼することが基本中の基本です。
ペットを守るための具体的な対策
- 事前の情報共有:工事計画の早い段階で、業者へペットの種類や性格などを伝えておきましょう。
- 一時的な避難:可能であれば、騒音や臭いが特に強い作業日(足場設置、高圧洗浄、塗装日)には、ペットホテルや知人宅に預けるのが最も安全で確実な方法です。
- 安全な場所の確保:自宅で過ごさせる場合は、工事現場から最も遠い部屋に移動させ、窓を閉め切り、落ち着ける環境(お気に入りのベッドやおもちゃを置くなど)を整えてあげてください。
- 脱走防止の徹底:作業員の出入りなどで玄関ドアが開く瞬間などに、驚いて外へ飛び出してしまう事故を防ぐため、ケージに入れたり、リードをつけたりするなどの対策を徹底してください。
特に臭いに敏感な鳥類や、環境の変化に非常に弱いフェレットなどの小動物を飼っている場合は、より慎重な配慮が求められます。事前に業者としっかりと打ち合わせを行い、大切なペットの安全と健康を第一に考えた対策を講じることが重要です。
工事期間中のストレスを軽減する方法
どれだけ配慮の行き届いた業者に依頼しても、長期間にわたる大規模な工事である以上、居住者の皆様にとって多少のストレスは避けられません。騒音、臭い、プライバシーの問題、生活の制限など、様々な要因が重なります。
しかし、いくつかのポイントを事前に理解し、対策を講じることで、その心身の負担を大きく軽減することは可能です。
工事期間中のストレスを軽減するための3つの具体的な方法
- 【知る】情報を積極的に把握し、見通しを立てる:人間は、先が見えない状況に最も大きな不安を感じます。業者から配布される工程表をよく読み、「いつ、どんな作業が行われるのか」を把握しましょう。特に「足場組立」「高圧洗浄」といった騒音が大きい日や、「養生期間」で窓が開けられなくなる日を事前に知っておくだけで、「この日だけ我慢すればいい」と心の準備ができます。予定の変更がないか、掲示板などをこまめにチェックすることも大切です。
- 【伝える】コミュニケーションを円滑にする:疑問や不安、工事によって生じた困ったことがあれば、一人で抱え込まず、遠慮なく現場の職長や管理組合の担当者に伝えましょう。「こんなこと聞いてもいいのかな?」と躊躇する必要は全くありません。むしろ、小さな問題が大きくなる前に伝えていただく方が、私たち施工業者にとってもありがたいのです。良好なコミュニケーションが、トラブルを未然に防ぎます。
- 【工夫する】物理的な対策で快適性を確保する:ご自身でできる対策も積極的に取り入れましょう。騒音が気になる時間帯は、図書館やカフェ、ショッピングなどで外出する。在宅時は、耳栓やノイズキャンセリング機能付きのイヤホンを活用する。作業員の視線が気になる部屋のカーテンは日中も閉めておく。洗濯物は期間中コインランドリーを利用すると割り切るなど、少しの工夫で快適性は大きく向上します。
◆斎藤のワンポイントアドバイス
私たち施工業者の立場から言える最も重要なことは、積極的で透明性の高いコミュニケーションです。工事の進捗状況や翌日の作業予定、注意事項などを掲示板や書面で定期的に知らせ、質問や苦情を受け付ける窓口を明確にすることが、居住者の皆様の不安を和らげ、ストレスを軽減する上で最も効果的な手段だと考えています。現場で気になることがあれば、どんな些細なことでも構いませんので、近くにいる職人に気軽に声をかけてください。それが、私たちにとっても品質向上に繋がるのです。
塗装の剥がれが起きる原因と対策
「高い費用を払って大規模修繕を行ったのに、数年で塗装がパラパラと剥がれてきた」というのは、最も避けたい最悪のトラブルの一つです。このような工事後2~3年で発生する早期の不具合は、経年劣化ではありません。結論から言うと、その原因は99%以上、施工不良によるものです。
特に、塗装の寿命を決定づける以下の「見えない部分」の工程で手抜きが行われると、塗膜は本来の耐久性を発揮できず、あっという間に剥がれてしまいます。
- 高圧洗浄の不足:壁面に付着した汚れやカビ、古い塗膜(チョーキングの粉)の除去が不十分なまま塗装すると、新しい塗料が汚れごと一緒に密着せず、いずれ剥がれてしまいます。お化粧で言うところの、洗顔をせずにファンデーションを塗るようなものです。
- 下地処理の怠慢:ひび割れの補修が不適切だったり、劣化したシーリングの上に塗装したりすると、その隙間から雨水が浸入し、内側から塗膜を押し上げて水ぶくれのような「膨れ」や「剥がれ」を引き起こします。
- 乾燥時間の不遵守:高圧洗浄後や、各塗装工程(下塗り・中塗り・上塗り)で、メーカーが規定する乾燥時間を守らないと、塗膜が完全に硬化せず、密着不良の原因となります。工期を短縮したい悪質な業者が、この乾燥時間を無視することがあります。
- 塗料の希釈率違反:塗料を規定以上にシンナーや水で薄めると、材料費を不正に安くできますが、塗料本来の性能が発揮されず、耐久性のないペラペラな塗膜になってしまいます。
これらの工程は、工事が完了して足場が解体されてしまえば、一般の方が見て確認することは不可能です。だからこそ、業者の技術力と誠実さが何よりも問われるのです。
最大の対策は「信頼できる業者選び」に尽きる
この最悪のトラブルを避けるための対策はただ一つ、契約前の段階で、手抜き工事をしない誠実で信頼できる業者を選ぶこと、これに尽きます。私たちアップリメイクでは、こうした見えない部分の工程こそが塗装の品質を決定づける心臓部だと考え、メーカーが定める基準をさらに上回ることもある独自の厳しい品質基準で施工にあたっています。
例えば、工事中の各工程を写真に収めた「工事写真報告書」を作成し、お客様が不在の時でも作業内容をご確認いただけるようにしています。こうした一つ一つの地道なこだわりが、10年後、15年後の安心に繋がると信じています。
おしゃれに見せる外壁の色の選び方
外壁の色は、マンションの印象と資産価値を決定づける最も重要なデザイン要素です。せっかく費用と時間をかけて塗り替えるなら、機能性だけでなく、美観にもこだわりたいものです。ここでは、多くのマンション塗装を手掛けてきた経験から、失敗しない色選びのポイントを具体的にご紹介します。
【基本】汚れが目立ちにくい色と色褪せしにくい色
まず、長期的な美観を保つための基本として、汚れや色褪せに強い色を知っておくことが大切です。
- 汚れが目立ちにくい色:意外に思われるかもしれませんが、真っ白は排気ガスなどの黒い汚れが、逆に真っ黒は砂埃や鳥のフンなどの白い汚れが非常に目立ちやすいです。最も汚れを目立たなくさせるのは、汚れの色に近いグレー、ベージュ、アイボリー、薄いブラウンといった中間色(アースカラー)です。これらは周囲の景観とも調和しやすく、落ち着いた高級感を演出できるため、マンションの外壁色として根強い人気を誇ります。
- 色褪せしにくい色:色褪せの主な原因は紫外線です。特に、赤、黄色、紫といった彩度の高い鮮やかな色は、紫外線のエネルギーによって化学結合が破壊されやすく、色褪せが早い傾向にあります。逆に、紫外線の影響を受けにくい白、黒、青、グレーといった色は比較的色褪せしにくいと言われています。
【重要】面積効果を理解し、必ず大きなサンプルで確認する
色選びで最もよくある失敗が、「色見本帳の小さなチップで見た色と、実際に建物全体に塗られた色の印象が全然違う」というものです。これは「面積効果」と呼ばれる目の錯覚が原因です。一般的に、明るい色は面積が大きくなるほどより明るく鮮やかに見え、暗い色はより暗く重く見えます。
この失敗を防ぐため、最終決定の前には、必ずA4サイズ以上の大きな塗り板サンプル(できれば複数枚)を業者に用意してもらい、実際の建物の壁に当てて確認することが絶対に必要です。
その際、晴れた日、曇りの日、そして朝・昼・夕方など、異なる光の条件下でどのように見えるかを確認することで、後悔するリスクを大幅に減らすことができます。
【応用】ワンランク上のおしゃれな外観を演出するテクニック
- ツートンカラー:1階と2階、あるいは建物のメイン部分とバルコニー部分などで色を塗り分けることで、単色塗りにはないデザイン性や個性を演出できます。同系色の濃淡でまとめると上品に、対照的な色を使うとモダンな印象になります。
- アクセントカラー:ベースカラーは落ち着いた色にし、エントランス周りや一部の壁面など、小さな面積にだけ鮮やかな色を使うことで、建物全体が引き締まり、洗練された印象を与えることができます。
私たちはお客様の色選びを全力でサポートするため、ご希望に応じて建物の写真を使ったリアルなカラーシミュレーションを作成し、完成後のイメージを共有しながら、理想のマンション像を形にするお手伝いをしています。色選びに迷ったら、ぜひお気軽にご相談ください。
マンション外壁塗装に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 工事を依頼するのに最適な季節はいつですか?
A. 塗装工事に最も適した気候条件は「気温5℃以上、湿度85%未満」です。この条件を満たしやすく、天候が安定している春(3~5月)と秋(10~11月)が、一般的にベストシーズンとされています。工事がスムーズに進みやすく、品質も安定しやすいのがメリットです。ただし、当然ながら人気が集中するため、腕の良い職人のスケジュールが埋まりやすく、費用も繁忙期価格で割高になる傾向があります。逆に、梅雨や台風の時期、冬場は工事が遅延するリスクはありますが、比較的予約が取りやすく、費用を抑えられる可能性があります。それぞれの季節のメリット・デメリットを理解した上で、ご自身の計画に合った時期を選ぶことが重要です。
Q2. 外壁の目地にあるゴム(シーリング)の工事も同時に行うべきですか?
A. はい、絶対に同時に行うべきです。シーリング(コーキング)は、外壁パネルの継ぎ目やサッシ周りを埋める、建物の防水における「最後の砦」とも言える重要な部分です。このシーリング材は、紫外線などの影響で経年劣化し、ひび割れたり痩せたりします。その寿命は塗装とほぼ同じ5年~10年です。外壁塗装と同様に、シーリング工事にも足場が必要になります。もしこれを別々に工事を行うと、その都度、規模にもよりますが十数万円~数十万円かかる足場代が二重に発生してしまいます。コスト効率を最大化し、建物の防水性能を万全に保つためにも、シーリングの打ち替えは外壁塗装とセットで実施することを強くおすすめします。
Q3. 塗料の「ツヤ」は選べますか?仕上がりの印象はどう変わりますか?
A. はい、ほとんどの塗料でツヤの度合いを選ぶことができます。一般的に「ツヤあり(全ツヤ)」「7分ツヤ」「5分ツヤ(半ツヤ)」「3分ツヤ」「ツヤ消し(マット)」といった段階があります。「ツヤあり」は光沢があり、新築のような輝きが出て、汚れが付着しにくいというメリットがあります。ただ、ピカピカした印象が好みでない方もいます。一方、「ツヤ消し」はマットで非常に落ち着いた高級感を演出できますが、ツヤありに比べて表面が微細に凹凸しているため、汚れが付着しやすいというデメリットがあります。近年は、性能と美観のバランスが良い「3分ツヤ」や「5分ツヤ」が人気です。目指す外観のイメージと、メンテナンス性とのバランスを考えて選ぶことが大切です。
Q4. 「足場代が無料」という業者を信じてもいいですか?
A. いいえ、絶対に信じるべきではありません。これは塗装業界でよくある営業トークですが、冷静に考えてみてください。足場の設置には、足場材のリース代や運搬費、そして専門の職人の人件費など、必ず数十万円単位のコストが発生します。これが「無料」になることはビジネスとしてあり得ません。「足場代無料」を謳う業者は、その費用を見積書の他の項目(塗料代や工事費)に不透明な形で上乗せしているか、あるいは必要な工程(例えば下塗りを省くなど)を不正に省いて帳尻を合わせている可能性が極めて高いです。一見お得に見える言葉に惑わされず、見積書全体の内訳と総額をしっかりと確認し、誠実な価格提示をしている業者を選ぶようにしてください。
信頼できるマンション外壁塗装とは
ここまで、マンションの外壁塗装に関する周期や費用、工事中の生活への影響など、様々な情報をお伝えしてきました。考えるべきことは多岐にわたり、複雑に感じられたかもしれません。しかし、最終的にプロジェクトの成功を左右するのは、技術力と誠実さを兼ね備えた、信頼できるパートナー業者を見つけられるかどうか、この一点に尽きると私は確信しています。
優れた塗装技術力はもちろんですが、それと同じくらい、あるいはそれ以上に大切なのが、お客様一人ひとりの不安に寄り添い、正直で誠実な対応を貫く姿勢です。目先の利益のためにオーバースペックな提案をするのではなく、お客様の建物の状態と将来計画を考え、長期的な視点で資産価値を守る最適な提案ができること。
そして、工事が完了してからが本当のお付き合いの始まりだと考え、アフターフォローまで含めて末永くサポートできること。それが、真に信頼できる業者の姿です。
◆斎藤のワンポイントアドバイス
亡き父がこの静岡の地で塗装業を始めてから約50年、私自身も職人からこの道を歩んできました。その中で一貫して大切にしてきたのは、「お客様の幸せを第一に施工品質を考える」という父の言葉です。私たちは、生まれ育ったこの静岡の地で、お客様に「安心」や「満足」だけでなく、その先にある「幸せ」や「感動」までご提供したいという熱い想いで、日々仕事に取り組んでいます。お客様の大切な資産を守り、より豊かにするための最適なご提案をお約束します。
マンションの外壁塗装に関するご相談やお見積もりは、もちろん無料です。「まずは専門家の話だけ聞いてみたい」「うちのマンションは今どんな状態なのか知りたい」という方も大歓迎です。
どんな些細なことでも構いませんので、ぜひお気軽にお問い合わせください。あなたの大切なマンションの未来を、一緒に考えさせていただければ幸いです。







