こんにちは、株式会社アップリメイク代表取締役の齋藤直樹です。
「そろそろ屋根のメンテナンス時期だけど、葺き替え(ふきかえ)工事の見積もりを見たら予算オーバーだった…」
「訪問業者から『カバー工法なら廃材も出ないし、安くて工期も短いですよ』と強く勧められたけれど、本当にデメリットはないのだろうか?」
大切なお住まいの修繕において、このような悩みを抱えている方は非常に多くいらっしゃいます。
そして、インターネットで「屋根カバー工法 失敗」「やめたほうがいい」といった不安な検索キーワードを打ち込み、この記事にたどり着かれたのではないでしょうか。
結論から申し上げます。
屋根カバー工法(重ね葺き)は、条件さえ合えば、コストパフォーマンスに優れた非常に有効なリフォーム手法です。
しかし、建物の劣化状況や構造、そしてお客様の将来のライフプランを無視して安易に行うと、数年後に取り返しのつかない事態を招く「劇薬」にもなり得ます。
実際、「雨漏りが止まるどころか再発した」「2階がサウナのように暑くなった」「太陽光パネルを載せようとしたら断られた」といった深刻な後悔の声が、私の耳にも数多く届いています。
私たちアップリメイクは、静岡で創業から50年以上、職人直営の塗装専門店として5,000件以上の施工に携わってきました。
その経験から断言できるのは、「カバー工法は決して万能薬ではない」ということです。
この記事では、甘い営業トークだけでは決して語られない「カバー工法の構造的なリスク」と、それを回避して成功させるための「プロの視点」を、包み隠さず徹底的に解説します。
この記事を読み終える頃には、あなた自身がプロと同等の判断基準を持ち、後悔のない選択ができるようになっているはずです。
記事のポイント
- 「軽い金属屋根だから耐震性は大丈夫」という説明に潜む、構造力学的な落とし穴
- 施工後数年で発生する「内部結露」と、それによる「野地板腐食」の恐ろしいメカニズム
- 将来の資産価値を損なわないために知っておくべき「太陽光パネル」と「アスベスト」の真実
- 失敗しないための「SGL鋼板」などの材料選びと、本当に信頼できる「板金職人」の見極め方
屋根カバー工法で後悔する典型例
カバー工法を選択して「失敗した」と後悔するケースの9割は、事前の説明不足や、業者の診断能力不足によるものです。
ここでは、構造面と環境面において、特によくある後悔のパターンを深く掘り下げて解説します。
屋根重量増による耐震性の低下
「今の屋根は重いですが、カバー工法で使うガルバリウム鋼板は非常に軽いので、重ねて葺いても家の耐震性にはほとんど影響ありませんよ」
多くのリフォーム営業マンがこのように説明しますが、これは建築構造力学の観点から見ると不十分であり、時には危険な誤解を含んでいます。
確かに、新しい屋根材であるガルバリウム鋼板単体は、1平方メートルあたり約5kgと軽量です。
しかし、カバー工法の最大の特徴は「既存の屋根材を撤去しない」ことにあります。
一般的なスレート屋根(コロニアル等)の重量は、1平方メートルあたり約20kg前後です。
そこに新しい屋根材(約5kg)が加わるため、施工後の総重量は約25kg/m²となります。
単純計算で、屋根の重さが約1.25倍に増加することになります。
「たった5kg増えるだけでしょう?」と思われるかもしれませんが、屋根は建物の「最上部」に位置しています。
地震の揺れにおいて、建物の重心が高くなればなるほど、振り子のように揺れ幅(地震応答倍率)が増大します。
これを「頭でっかち」な状態と呼びます。
特に、一般的な30坪の住宅で屋根面積が80〜100㎡あると仮定すると、屋根全体で約400kg〜500kgもの重量増となります。
これは、屋根の上に軽自動車の半分くらいの重りを常時乗せているのと同じ状態です。
この重量増が致命的になるのが、以下のケースです。
特に注意が必要なケース
1981年以前の「旧耐震基準」で建てられた木造住宅や、2000年の基準改正以前の建物で、壁量計算(耐力壁の量)がギリギリで設計されている住宅の場合、この「プラス5kg/㎡」の重量増が耐震バランスを崩す引き金になり得ます。
実際のリフォーム後のトラブルとして、大きな地震が来ていないのに「建具(ドアや窓)の建て付けが悪くなった」「トラックが通るたびに以前より家が揺れるようになった」という報告があります。
これらは、屋根の重量増加に対して、家を支える壁や柱の力が不足しているサインである可能性があります。
「軽いから絶対に大丈夫」という言葉を鵜呑みにせず、現在の建物の耐震性能に余裕があるか、あるいは耐震補強が必要ないかを慎重に検討することが重要です。
内部結露による野地板の腐食
カバー工法における最大かつ「見えない」リスク、それが内部結露です。
これは施工直後には分からず、数年〜10年後に発覚するため、非常に厄介な問題です。
まず、メカニズムをご説明します。
築15年〜20年を経過した既存のスレート屋根は、経年劣化により表面の塗装が剥げ、吸水性が高まっています。
つまり、雨が降るとスポンジのように水分を含んでしまう状態です。
もし、雨が降った直後や湿度の高い梅雨時期などにカバー工法を行い、その上から防水性の高い金属屋根と防水シート(ルーフィング)ですっぽりと蓋をしてしまったらどうなるでしょうか?
答えは、「水分の逃げ場がなくなる」です。
夏場、直射日光を受けた金属屋根は高温になります。
すると、既存のスレート屋根に含まれていた水分は温められ、水蒸気となって体積を膨張させます。
しかし、上部は新しい屋根で密閉されているため、水蒸気は下方向へ、つまり屋根の下地である「野地板(のじいた)」や屋根裏へと強い圧力で移動します(水蒸気圧差による移動)。
この現象により、野地板は常に高温多湿な「蒸し風呂」状態にさらされます。
その結果、木材腐朽菌が繁殖し、野地板がボロボロに腐ってしまうのです。
「雨漏りを直すためにカバー工法をしたのに、数年後に天井にシミができた」という事例の多くは、外部からの雨水の浸入ではなく、この内部からの蒸れによる腐食(結露)が原因です。
さらに恐ろしいのは、野地板が腐ると、新しい屋根材を固定しているビス(ネジ)の「引き抜き強度」が失われることです。
ビスが効いていない屋根は、台風などの強風が来た際に、下地ごと捲れ上がり、近隣へ飛散する大事故につながります。
これが「カバー工法は剥がれやすい」と言われる物理的な理由です。
◆斎藤のワンポイントアドバイス
この問題を避けるためには、屋根そのものの施工だけでなく「換気計画」が不可欠です。
カバー工法によって既存の「棟換気」や「軒裏換気口」を塞いでしまうような施工は言語道断です。
湿気を適切に排出できるよう、新しい屋根材にも換気棟を設置し、小屋裏の空気の流れを確保することが、家の寿命を守る鍵となります。
より詳しい結露のメカニズムや対策については、以下の記事でも専門的に解説していますので、併せてご覧ください。
屋根カバー工法で結露・雨漏りが起きる原因と対策(防水シートの重要性)
雨音の騒音や断熱性の悪化
生活の質(QOL)に直結する問題として、「音」と「熱」のリスクも見逃せません。
「金属屋根にすると、雨音がうるさくて眠れない」「2階が暑くてエアコンが効かない」という後悔は、施工後に初めて気づくことが多いため、事前の対策が必須です。
まず「音」についてですが、金属屋根は一般的に厚さが0.35mm〜0.4mm程度と非常に薄い素材です。
そのため、雨粒が当たると振動しやすく、高い周波数の音(パラパラ、バラバラという音)を発生させます。
さらに悪いことに、カバー工法では既存屋根と新しい屋根の間にわずかな空洞(隙間)が生じることがあります。
この空洞がギターや太鼓の胴体のように共鳴箱の役割を果たし、音を増幅させる「太鼓現象」を引き起こすことがあるのです。
これまで瓦屋根やスレート屋根といった、質量があり音を吸収・遮断する性質のある屋根の下で暮らしていた方が、安価な金属屋根に変えた途端、激しい雨音に悩まされ、睡眠障害を訴えるケースもあります。
次に「熱」の問題です。
金属は熱伝導率が高いため、夏場の太陽熱を強烈に吸収し、屋根裏へと伝えます。
特に、黒や濃紺などの濃い色の屋根材を選んだ場合、表面温度は70度近くまで上昇します。
「屋根が二重になるから断熱性が上がる」という業者の説明は、あくまで理論上の話であり、適切な換気や断熱材の施工が伴わなければ、熱気がこもってしまい逆効果になることさえあります(蓄熱現象)。
快適性を守るための具体的な対策
- 断熱材一体型屋根材を選ぶ: 金属板の裏側にポリイソシアヌレートフォームなどの断熱材が工場出荷時から貼り付けられた製品(例:アイジー工業のスーパーガルテクト等)を選んでください。これにより、制振効果が生まれ、雨音を大幅に軽減できるとともに、遮熱効果も期待できます。
- 石粒付き金属屋根を選ぶ: 表面に天然石の粒(ストーンチップ)をコーティングした屋根材(例:ディプロマット等)は、表面の凹凸が雨粒を拡散させ、石の質量が振動を抑えるため、瓦並みの静粛性を実現できます。雨音を特に気にする方には最良の選択肢です。
見落としがちな将来的・経済的リスク
リフォームを検討する際、どうしても目先の「工事費用の安さ」に目が行きがちですが、住宅は20年、30年と長く付き合う資産です。
将来のライフプランを考慮せずにカバー工法を行うと、経済的な損失や資産価値の低下を招くことになります。
太陽光パネル設置の保証対象外
近年、電気代の高騰や環境意識の高まりから、太陽光発電システムの導入を検討される方が増えています。
特に20代〜40代の若い世代にとって、将来的に自宅をZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)化することは重要な選択肢の一つです。
しかし、ここで重大な落とし穴があります。
一度カバー工法(重ね葺き)を行ってしまうと、その屋根への太陽光パネル設置は、多くの大手パネルメーカーや屋根材メーカーにおいて「メーカー保証対象外」となります。
なぜでしょうか? 理由は構造上の安全性にあります。
太陽光パネルを固定する架台は、屋根の下にある「垂木(たるき)」という太い木材(構造材)に長いビスを打ち込んで強固に固定する必要があります。
しかし、カバー工法では、「新しい屋根材 + 新しいルーフィング + 古い屋根材 + 古いルーフィング + 野地板」という何層もの障害物のさらに下に垂木があるため、外側から正確に垂木を狙ってビスを打つことが極めて困難なのです。
もしビス打ちに失敗して垂木を外せば、固定強度が不足して台風でパネルが飛散する恐れがあります。
また、ビスが古いスレート屋根を貫通する際にスレートを割ってしまい、そこから雨漏りが発生しても、二重屋根になっているため発見や補修が困難です。
こうしたリスク(瑕疵責任の所在が不明確になること)を嫌い、メーカーは保証を出さないのです。
「金属屋根のハゼ(突起)を掴むキャッチ工法なら穴を開けないから大丈夫」という説明もありますが、これに対応しているのは「立平葺き」などの特定の屋根形状に限られます。
デザイン性の高い「横葺き」を選んでしまうと、事実上、後付けでの太陽光設置は不可能になります。
「将来載せるつもりだったのに、知らなかった…」と後悔しないよう、ご自身のライフプランと照らし合わせる必要があります。
将来の撤去費用とアスベスト
経済的な観点で最も注意すべきなのが、「処分の先送り」問題です。
特に、2004年(平成16年)以前に製造されたスレート屋根(カラーベスト・コロニアル)の多くには、発がん性物質であるアスベスト(石綿)が含まれています。
カバー工法は、このアスベスト屋根を解体せずに「封じ込める」工法です。
そのため、工事時点ではアスベストの飛散防止対策費や高額な処分費がかからず、葺き替え工事と比較して20万〜50万円程度のコストダウンが可能になります。
これがカバー工法の最大のメリットとして語られます。
しかし、これはあくまで「問題の先送り」に過ぎません。
家を将来解体して更地にする際、あるいは30年〜40年後に再び屋根の寿命が来てリフォームが必要になった際、どうなるでしょうか?
その時には、「今回施工した金属屋根」を剥がし、さらにその下にある「アスベスト入りの古い屋根」も剥がして処分しなければなりません。
つまり、撤去費用と手間が将来に「二重」にかかることになります。
しかも、アスベストの廃棄処分に関する法規制は年々厳しくなっており、最終処分場の逼迫も相まって、処分単価は上昇の一途をたどっています。
現在よりも数十年後の方が、処分費が跳ね上がっているリスクは非常に高いと言えます。
| 項目 | カバー工法(先送り) | 葺き替え(完全撤去) |
|---|---|---|
| 今回の初期費用 | 安い(解体費・処分費削減) | 高い(解体費・処分費発生) |
| アスベストの状態 | 残存(家の屋根に残ったまま) | 完全撤去(負の遺産解消) |
| 将来の処分費用 | 屋根2枚分の撤去費+高騰リスク | 通常の廃材処理のみ |
| 不動産売却時 | 重要事項説明で不利になる可能性 | アスベスト無しとして評価向上 |
もし、あなたがまだお若く、その家にあと30年以上住み続ける予定であれば、目先の安さを選んで負の遺産を残すよりも、今のうちに「葺き替え」を選択してアスベストを完全に撤去してしまう方が、生涯コスト(ライフサイクルコスト)で見れば安上がりで賢い選択になる場合が多々あります。
失敗を防ぐ材料選定と診断の鉄則
ここまでリスクを中心にお話ししてきましたが、それでも「予算の都合」「工期の短縮」「近隣への配慮」などの理由から、カバー工法が最適な選択肢となるケースは当然あります。
重要なのは、リスクを理解した上で、それを最小化するための「正しい材料選定」と「事前の診断」を行うことです。
SGL鋼板と透湿ルーフィング
見積もり書を確認する際、屋根材の項目に単に「ガルバリウム鋼板」としか書かれていない場合は注意が必要です。
従来のガルバリウム鋼板も優秀な素材ですが、現在選ぶべきスタンダードは、さらに進化した「SGL(エスジーエル:次世代ガルバリウム)」です。
SGLは、従来のガルバリウム(アルミニウム・亜鉛・シリコン)のメッキ層に、新たに「マグネシウム」を2%添加したものです。
これにより、切断面や傷口からのサビを防ぐ自己修復作用が強化され、防錆性能が従来比で3倍以上に向上しています。
特に、私たちアップリメイクが拠点を置く静岡のような、海からの潮風の影響を受けやすい沿岸地域においては、このSGL、またはさらに耐久性の高い「フッ素樹脂塗装鋼板」を指定することは必須条件と言えます。
そして、屋根材以上にお客様にこだわっていただきたいのが、その下に敷く「ルーフィング(防水シート)」です。
一般的な新築や安価なリフォームでは「アスファルトルーフィング940」などの非透湿系シートが使われますが、カバー工法においてこれを使うと、前述した通り湿気を閉じ込めて野地板を腐らせてしまいます。
カバー工法を成功させるための鉄則は、「透湿ルーフィング」を採用することです。
これは、外部からの雨水は通さず、内部からの湿気(水蒸気)だけを外に逃がす機能を持った高機能シートです。
コストは若干上がりますが、野地板の腐食リスクを劇的に下げることができるため、将来の安心を買うための必要経費と考えてください。
契約前の小屋裏・屋根上点検
失敗しないための最大の防御策、それは契約前の徹底的な「診断」にあります。
残念ながら、多くの営業主体のリフォーム会社では、屋根を下から見上げただけで、あるいはドローンを飛ばして表面の写真を撮っただけで「カバー工法で大丈夫です、見積もりを出します」と言ってきます。
しかし、これは医療に例えるなら、聴診器も当てずにレントゲンも撮らずに手術を提案するようなもので、非常に危険です。
本当に信頼できる診断とは、以下の2点を必ず実施するものです。
- 屋根上歩行検査: 実際に職人が屋根に上がり、足の感覚で屋根全体を踏んで回ります。表面はきれいでも、野地板が腐っている部分は踏むと「フカフカ」「グズグズ」と沈む感覚があります。この感覚はドローンでは決して分かりません。
- 小屋裏(屋根裏)点検: 押入れの天袋などから屋根裏に入り、野地板の裏側を目視確認します。雨染み、黒カビ、腐食がないか、光が漏れていないかを確認します。
もし診断の結果、下地が著しく劣化していることが判明した場合は、勇気を持ってカバー工法を断念し、「野地板の増し張り」や「葺き替え」に切り替える提案をしてくれる業者こそが、真にお客様の家を守ろうとしている業者です。
信頼できる業者を見極める基準
屋根のカバー工法は、外壁塗装の延長で行えるような簡単な工事ではありません。
高度な技術を要する「建築板金(ばんきん)工事」という専門領域です。
業者選びを一歩間違えると、どんなに良い材料を使っても雨漏りなどの施工不良につながります。
板金職人の資格と詳細見積もり
カバー工法では、屋根の形状に合わせて金属を現場で加工し、取り付ける作業が発生します。
特に、屋根の頂点である「棟(むね)」、屋根の端である「ケラバ」、壁と屋根の接合部である「雨押さえ」といった「役物(やくもの)」と呼ばれる部分の納め方には、熟練の技術が必要です。
既製品のキットをただ説明書通りに取り付けるだけの業者や、塗装専門の職人が見よう見まねで行う工事では、複雑な形状に対応できず、数年後に隙間から雨水が浸入することになります。
契約前に、必ず以下の点を確認してください。
- 施工を担当するのは「建築板金技能士(1級・2級)」の国家資格を持った職人か?(塗装職人ではありません)
- 見積もり書は「屋根工事一式」というドンブリ勘定ではなく、使用する屋根材・ルーフィングのメーカー名、商品名、平米数、単価が詳細に明記されているか?
私たちアップリメイクでは、自社の一級建築塗装技能士だけでなく、実績豊富な板金工事のプロフェッショナルとも密に連携し、チーム体制で施工にあたります。
また、お客様に納得してご契約いただけるよう、透明性の高い詳細な見積もりを作成しています。
見積もりの正しい見方や、適正な平米単価の相場については、こちらの記事でも詳しく解説しています。悪質な業者に騙されないための知識として、ぜひ参考にしてください。
【知らないと損】屋根塗装の平米単価、その見積もりは適正?静岡のプロが相場と注意点を全解説
火災保険の甘い勧誘には要注意
最後に、業界の闇とも言えるトラブルについて警告させてください。
「火災保険を使えば、実質0円で屋根工事ができます」「保険金が出るようにうまく申請します」といった甘い言葉で契約を迫る業者には、最大限の警戒が必要です。
火災保険は、あくまで「台風や雪などの自然災害による突発的な損害」を補償するものであり、経年劣化によるリフォームは対象外です。
また、認められるのは「原状回復(壊れた箇所を元に戻す)」費用であり、屋根全体のグレードアップ(カバー工法)の費用全額が認められることは稀です。
「保険金が出る前提」で契約を結ばせ、もし保険金が下りなかった場合に高額なキャンセル料や違約金を請求するトラブルが多発しています。
最悪の場合、虚偽の理由で申請を行う保険金詐欺の片棒を担がされるリスクさえあります。
正しい保険の知識を持ち、劣化と災害被害を明確に区別して誠実な診断をしてくれる業者を選びましょう。
火災保険の適用範囲や、経年劣化との境界線については、以下の記事でプロの視点から解説しています。
【プロが解説】火災保険の屋根修理と経年劣化の境界線
屋根カバー工法に関するよくある質問(FAQ)
Q1. すでに雨漏りしている屋根でもカバー工法はできますか?
A. 基本的にはおすすめできません。
雨漏りが発生しているということは、屋根材の下にある防水シートが破れ、さらにその下の「野地板」が腐食している可能性が非常に高いためです。
その状態でカバー工法を行うと、腐った下地に新しい屋根を固定することになり、強度が保てませんし、内部で腐食がさらに進行します。
まずは雨漏り箇所を特定して部分的な補修を行うか、あるいは下地の野地板から交換する「葺き替え」を選択するのが、建物を守るための賢明な判断です。
Q2. 瓦屋根ですが、カバー工法で金属屋根にできますか?
A. いいえ、日本瓦やセメント瓦のような波打った形状や厚みのある屋根材には、構造上カバー工法はできません。
カバー工法は主に「スレート屋根(コロニアル)」のような平らな屋根材に対して行われるものです。
また、瓦屋根はもともと重量があるため、さらに屋根材を重ねると重量過多となり、耐震性を著しく損なうため危険です。
瓦屋根の場合は、既存の瓦を撤去して新しい軽い屋根にする「葺き替え」をご検討ください。
Q3. 工事中の生活への影響(音や臭い)はありますか?
A. 塗装工事と違い、シンナー臭などの溶剤の臭いはほとんどありませんので、その点はご安心ください。
ただし、新しい屋根材を固定するためにビスや釘を打ち込む際、電動工具の振動音や作業音は発生します。
工期は屋根の大きさにもよりますが、通常5日〜7日程度と、葺き替え工事(解体・撤去があるため長い)に比べて短いのが特徴です。
工事前には、私たちスタッフがご近隣への配慮も含め、しっかりと挨拶回りをさせていただきます。
Q4. メンテナンスフリーと言われましたが本当ですか?
A. 残念ながら、住宅建材において完全にメンテナンスフリーなものは存在しません。
「一生持ちます」というのは悪質な営業トークです。
金属屋根であっても、紫外線や雨風の影響を受けます。
ガルバリウム鋼板やSGL鋼板の場合、一般的には15年〜20年程度で色あせやチョーキング現象が発生し、再塗装などのメンテナンスが必要になる時期が来ます。
特に沿岸部では塩害によるサビのリスクがあるため、定期的な点検をおすすめしています。
幸せなリフォームを実現するために
屋根カバー工法は、適した建物に正しく施工すれば、廃材を減らし、断熱性や耐久性を向上させ、家の寿命を延ばす素晴らしい工法です。
しかし、条件に合わない家に無理に行えば、逆に内部腐食を招き、家の寿命を縮める「凶器」にもなり得る諸刃の剣です。
最後に、この記事でお伝えした「後悔しないための重要ポイント」をもう一度振り返りましょう。
屋根カバー工法 失敗回避の究極チェックリスト
耐震性の確認: 重量の増加(約25kg/㎡増)が、現在の建物の耐震基準や構造で許容できるか確認しましたか?
下地の診断: ドローンや目視だけでなく、小屋裏(屋根裏)に入って野地板の腐食や雨染みを点検しましたか?
将来設計: 将来的な太陽光パネルの設置予定や、家の解体時の費用(アスベスト処分の二重苦)まで考慮しましたか?
材料選定: 錆に強い「SGL鋼板」や、湿気を逃がす「透湿ルーフィング」が指定されていますか?
業者選び: 建築板金技能士の資格を持ち、詳細な見積もりとリスクまで説明をしてくれる誠実な業者ですか?
私たち株式会社アップリメイクの使命は、ただリフォーム工事を受注することではありません。
お客様とそのご家族に、工事を通じて「安心」と「幸せ」を提供することです。
創業者の亡き父から受け継いだ「お客様の幸せを第一に」という理念のもと、私たちはメリットの裏にあるリスクも含めて、すべてを正直にご説明することをお約束します。
「ウチの屋根はカバー工法で大丈夫なのだろうか?」
「他社で見積もりをもらったけど、本当にこの金額や工法で適正なのだろうか?」
もし屋根のことで少しでも迷われているなら、ぜひ一度私たちにご相談ください。
30倍スコープを使った徹底的な診断と、あなたのライフプランに寄り添った最適なご提案で、大切なお住まいを長く守り続けるお手伝いをさせていただきます。











