LIXILの屋根カバー工法:対応製品・費用目安・選び方

株式会社アップリメイクによるLIXIL T・ルーフ屋根リフォーム解説ガイド

こんにちは、株式会社アップリメイク代表取締役の齋藤直樹です。

「そろそろ屋根のメンテナンス時期だけど、塗装にするか、カバー工法にするか迷っている」

「LIXILのT・ルーフを提案されたけれど、本当に良いものなのか第三者の意見が聞きたい」

「初期費用が高いと聞いたけれど、長い目で見たら本当にお得なの?」

大切なお住まいのリフォーム、特に屋根は雨風から家族を守る要(かなめ)ですから、絶対に失敗したくないとお考えのことでしょう。

私たちアップリメイクでも、既存のコロニアル(スレート)屋根のリフォーム手法として、LIXILの「T・ルーフ」を用いたカバー工法のご相談をいただく機会がございます。

私は元々、一人の塗装職人としてこの業界に入りました。

現場で数え切れないほどの屋根を見てきた経験から申し上げますと、屋根材選びで最も大切なのは「カタログスペック」ではなく、「その家の将来設計に合っているか」です。

T・ルーフは非常に優れた屋根材ですが、全てのお宅にとって正解とは限りません。

この記事では、メーカーのカタログには書かれていない、現場の職人だからこそ分かる「T・ルーフの真実」を包み隠さずお話しします。

メリットはもちろん、デメリットや注意点、そして費用の実態まで、プロの視点で徹底的に解説します。

記事のポイント

  • LIXIL「T・ルーフ」が選ばれる技術的理由とメンテナンスフリーと言われる根拠
  • 初期費用と30年間のトータルコストで見る経済性評価シミュレーション
  • 「クラシック」や「モダン」など、自宅のデザインや建築様式に合う製品の選び方
  • 知っておくべき断熱性の課題と、失敗しないための施工店選びの基準

LIXIL屋根カバー工法が選ばれる理由

目先の安さで「塗装」を選ぶと10年後にまた費用がかかるリスク

屋根のリフォーム市場には、様々なメーカーから多種多様な屋根材が販売されています。

その中で、なぜ今、LIXILの「T・ルーフ」が多くの施主様に選ばれ続けているのでしょうか。

単に「大手メーカーだから安心」という理由だけではありません。

そこには、日本の過酷な四季や、地震・台風といった自然災害に適応するための、確かな「技術的な裏付け」と「機能性」が存在するからです。

まずは、その技術的な特徴を深掘りしていきましょう。

天然石付金属屋根「T・ルーフ」の特徴

「金属の強さ」と「天然石の美しさ」を兼ね備えたガルバリウム鋼板×天然石チップの屋根材

LIXILの「T・ルーフ」を一言で表現するなら、「金属の強さと石の美しさを兼ね備えたハイブリッド屋根材」です。

この製品は、一般的な「塗装された金属屋根」とは一線を画す構造を持っています。

まず、コアとなる基材には、耐食性に極めて優れた「ガルバリウム鋼板」が採用されています。

これは、アルミニウム55%、亜鉛43.4%、シリコン1.6%から成るメッキ鋼板で、アルミニウムが持つ「長期的な耐久性(不動態皮膜)」と、亜鉛が持つ「傷ついた部分を守る力(犠牲防食作用)」を併せ持っています。

これにより、従来のトタン屋根の3〜6倍という圧倒的な寿命を実現しています。

そして、T・ルーフ最大の特徴が、その表面に施された「天然石チップ」のコーティングです。

この技術は、屋根材先進国であるニュージーランドのAHI ROOFING社が開発したもので、世界120カ国以上での使用実績を誇ります。

金属屋根でありながら表面が「石」で覆われているため、金属特有の無機質で冷たい印象がなく、自然素材ならではの温かみと重厚感を醸し出します。

また、この多層構造は「アクリル樹脂ベースコート」「天然石チップ」「トップコート(クリア)」などで構成されており、過酷な紫外線や酸性雨、塩害などから基材のガルバリウム鋼板を強力にガードします。

日本国内においても、単なる金属屋根ではなく「天然石付金属屋根」という独自のカテゴリーを確立しており、その信頼性は年々高まっています。

メンテナンスフリーを実現する天然石

屋根リフォームを検討されるお客様が最も気にされるのが、「将来のメンテナンスコスト」です。

一般的なスレート屋根(コロニアル)や、塗装仕上げの金属屋根の場合、避けて通れないのが「塗り替え工事」です。

通常、屋根の塗膜は紫外線によって徐々に劣化し、チョーキング(粉吹き)や色褪せ、剥がれが発生します。

防水性を維持し美観を保つためには、約10年〜15年ごとに足場を組んで再塗装を行う必要があり、その都度、数十万円〜百万円規模の費用がかかります。

これは、長く住めば住むほど家計を圧迫する大きな要因となります。

しかし、T・ルーフの表面を覆っているのは「天然石」です。

石は無機物であるため、紫外線による化学変化を起こさず、半永久的に色褪せることがありません。

陶器の瓦が色褪せないのと同じ理屈です。

基材のガルバリウム鋼板も、厚い石粒層によって直射日光や雨風から守られているため、期待耐用年数は非常に長くなります。

メーカーからは「基材30年保証(錆による穴あき)」に加え「美観10年保証(著しい変色や剥離)」が提供されていますが、実質的なパフォーマンスとしては、「30年間ノーメンテナンス(再塗装不要)」を目指せる設計になっています。

天然石の効果で色あせせず、将来のメンテナンス費用を抑えるLIXIL T・ルーフ

◆斎藤のワンポイントアドバイス

「メンテナンスフリー」といっても、「何もしなくていい」わけではありません。

例えば、長年の雨風で屋根に溜まった汚れを落としたり、万が一の飛来物による破損がないかをチェックしたりする定期点検は必要です。

しかし、最も高額な「足場をかけた全面塗装」が不要になるという点は、ライフプランを考える上で非常に大きなメリットと言えます。

雨音を抑える高い遮音性能

金属屋根へのリフォームを提案した際、お客様からよくいただくご質問の一つに、「雨音がうるさくなるのではないですか?」というものがあります。

昔ながらのトタン屋根のイメージをお持ちの方も多く、平滑な金属板は雨粒が当たると「バラバラ」という高い音が響きやすい性質があるのは事実です。

しかし、T・ルーフに関して言えば、その心配はほとんど無用です。

ここでも「天然石チップ」が重要な役割を果たしています。

T・ルーフの表面にある無数の石粒の凹凸は、雨粒が衝突した瞬間のエネルギーを分散させ、吸収するクッションのような働きをします。

これにより、金属屋根特有の共振音を大幅に減衰させることができます。

メーカーの実験データや実際に施工されたお客様の声によれば、その静粛性は日本瓦とほぼ同等レベルとされています。

最近の住宅事情では、2階に寝室や子供部屋を配置するケースが一般的ですが、激しい雨の夜でも屋根を打つ音が気になって眠れない、といったトラブルを防ぐことができます。

また、遮音性だけでなく、この石粒層は屋根表面の熱伝導を和らげる効果もあり、夏場の屋根裏温度の上昇を抑制する遮熱・断熱の補助的な効果も期待できます。

地震に強い軽量設計と固定方法

重さは瓦の約8分の1で地震に強く、天然石が雨音を吸収して静かな室内環境を実現

地震大国である日本において、屋根の「軽さ」は建物の耐震性を左右する極めて重要なファクターです。

重い屋根は、地震の揺れによって振り子のように大きく揺さぶられ、建物全体に大きな負荷をかけます。

逆に屋根が軽ければ、建物の重心が下がり、揺れ幅(応答変位)を小さく抑えることができます。

T・ルーフの重量は、1平方メートルあたり約6kg〜7kgです。

これを他の屋根材と比較すると、日本瓦(約50kg/m²)の約1/8、一般的な化粧スレート(約20kg/m²)の約1/3という驚異的な軽さになります。

カバー工法は、既存の屋根の上に新しい屋根材を重ねるため、「屋根が二重になって重くなり、耐震性が下がるのでは?」と不安に思われる方もいらっしゃいます。

しかし、計算してみると、既存のスレート屋根(約20kg)の上にT・ルーフ(約7kg)を載せても、合計は約27kg/m²です。

これは、最初から日本瓦が載っている家(約50kg/m²)の約半分の重さにしかなりません。

つまり、カバー工法を行っても、構造躯体への負担は十分に許容範囲内に収まるのです。

さらに、T・ルーフは「インターロッキング工法」という特殊な施工方法を採用しています。

屋根材同士を上下左右でがっちりと噛み合わせ、専用のステンレスビスで野地板(下地)に直接固定します。

瓦のように「重さで載せている」のではなく、「建物と一体化させて固定する」構造であるため、台風や突風による巻き上げや飛散に対しても、極めて高い耐性を発揮します。

風速60m/sクラスの暴風試験もクリアしており、防災リフォームの観点からも非常に推奨できる屋根材です。

補足情報:耐震リフォームとしての価値
もし現在のお住まいが重い瓦屋根で、耐震性に不安がある場合は、瓦を撤去してT・ルーフに葺き替えることで、劇的な耐震性能の向上が見込めます。自治体によっては耐震改修工事として補助金の対象になる場合もありますので、確認してみると良いでしょう。

建物の外観に合う3つのデザイン

クラシックR、モダンN、ヴェルウッドNなど、家の雰囲気に合わせて選べるT・ルーフのラインナップ

屋根は住宅の外観デザインを決定づける「家の顔」とも言える重要なパーツです。

どんなに性能が良くても、見た目が家の雰囲気に合わなければ、リフォームの満足度は下がってしまいます。

LIXILのT・ルーフには、施主様の多様な好みや建築スタイルに合わせて選べる、個性豊かな3つのデザインラインナップが用意されています。

重厚感のあるクラシックR

「クラシックR」は、その名の通り伝統的で優雅な波型形状を持つデザインです。

日本瓦や洋瓦(スパニッシュ瓦)のような美しい曲線を再現しており、屋根全体に豊かなボリューム感を与えます。

このデザインの最大の特徴は、表面の大きな凹凸が生み出す「陰影の深さ」です。

光の当たり方によって表情を変え、遠目から見てもしっかりとした存在感を放ちます。

そのため、築年数が経過した純和風住宅のリフォームや、南欧風(プロヴァンス風)の輸入住宅など、屋根に重厚感や格式を持たせたい建築物に最適です。

また、この波型形状は単なるデザインではありません。

雨水を効率よく流すための排水機能や、屋根材の下に通気層を確保しやすくする機能的なメリットも兼ね備えています。

カラーバリエーションは、チャコール、ブラウン、グリーンなどが展開されており、落ち着いた色合いが日本の風景によく馴染みます。

現代的なモダンNとヴェルウッドN

近年の住宅トレンドに合わせたデザインとして人気なのが「モダンN」と「ヴェルウッドN」です。

【T・ルーフ モダンN】
「モダンN」は、2色の天然石を巧みにミックスしたグラデーションカラーが特徴です。

形状はフラットに近く、すっきりとした直線的なラインを描きます。

都市部のシンプルモダンな住宅や、箱型のスクエアな形状の建物、あるいは外壁にサイディングやガルバリウム鋼板を使用している現代的な住宅と非常に相性が良いです。

フラットな金属屋根は、時として「安っぽく」見えてしまうことがありますが、モダンNは天然石の粒度による微妙な陰影とグラデーションが高級感を演出し、洗練された印象を与えます。

【T・ルーフ ヴェルウッドN】
「ヴェルウッドN」は、木目調のような不規則な波模様(シェイク調)を表現したデザインです。

自然素材の風合いを重視しており、ログハウス調の建物や、ナチュラルモダン、北欧風の住宅にぴったりです。

「ヴェルサ」の後継的な位置づけとして登場し、外壁の色を選ばず合わせやすい汎用性の高さが魅力です。

自然な揺らぎを感じさせるテクスチャは、金属屋根であることを忘れさせるほどの温かみを持っています。

※廃盤製品に関するご注意
インターネット上の口コミや古いブログ記事には「ヴェルサ」などの旧製品名が残っていることがありますが、現在は上記3シリーズに集約・整理されています。リフォームを検討する際は、必ず最新のカタログや「N」「R」といった現行モデルの型番を確認するようにしてください。

費用目安と長期的な経済性

「性能が良いのは分かった。でも、やっぱり高いんでしょう?」

T・ルーフをご検討されるお客様が、最終的に一番悩まれるのが「費用」の問題です。

確かに、初期投資額だけを見れば、他のリフォーム方法よりも高額になるケースがほとんどです。

しかし、住宅リフォームは「工事をした瞬間」で終わりではありません。

そこから10年、20年、30年と暮らしは続きます。

ここでは、目先の金額だけでなく、長期的な視点での経済性(コストパフォーマンス)について、具体的な数字を交えて解説します。

カバー工法の初期費用と内訳

まず、一般的な2階建て住宅(延床面積30坪、屋根面積80㎡程度)で、既存のスレート屋根の上にT・ルーフをカバー工法で施工した場合の費用目安を見てみましょう。

工事費用の総額は、おおよそ100万円〜140万円程度が相場となります。

一方、同じ条件でスレート屋根の塗装工事(シリコン塗料など)を行った場合の目安は、約50万円〜70万円程度です。

つまり、初期費用だけで比較すると、T・ルーフによるカバー工法は塗装工事の約2倍程度の費用がかかる計算になります。

なぜこれほど価格差があるのでしょうか。その理由は明確です。

まず、T・ルーフという屋根材自体の材料費が、一般的な金属屋根や塗料に比べて高価であることが挙げられます。

天然石をコーティングした輸入高耐久素材ですので、原価自体が高いのです。

さらに、工事の内訳を見ていくと、以下の費用が含まれています。

  • 足場代:安全な作業のために必須です(約15〜30万円)。
  • 防水シート(ルーフィング):屋根の寿命を決める重要な二次防水です。T・ルーフの高耐久に合わせて、高品質な改質アスファルトルーフィングなどを使用します。
  • 施工費(手間賃):T・ルーフはインターロッキング工法など専門的な施工技術を要するため、熟練の職人が丁寧に施工する必要があります。
  • 役物(やくもの)工事費:棟板金、ケラバ、谷樋、壁際などの板金加工・取り付け費用です。

このように、単に「塗るだけ」の工事とは異なり、「新しい屋根を作る」工事であるため、どうしても初期費用は高くなります。

屋根カバー工法の詳細な費用相場や、見積もりの見方については、以下の記事でも詳しく解説しています。

合わせてご覧いただくと、より理解が深まります。

屋根カバー工法の費用相場はいくら?平米単価・内訳・安くするコツ

30年スパンで見るコストメリット

初期費用が高いT・ルーフですが、なぜ私が自信を持っておすすめできるのか。

それは、30年間のライフサイクルコスト(LCC:トータルでかかる費用)で比較すると、実は最も経済的な選択肢の一つになるからです。

以下の比較シミュレーションをご覧ください。

初期費用は高くても30年間のメンテナンス費を含めると安くなるコストシミュレーション

経過年数 ①スレート屋根を
塗装で維持する場合
②LIXIL T・ルーフで
カバー工法をする場合
現在
(築15年)
塗装工事:約50万円〜
※足場代含む
カバー工法:約120万円
※初期投資は高い
10〜15年後
(築25〜30年)
再塗装工事:約60万円
※物価上昇リスク含む。再度足場代が必要。
メンテナンス不要:0円
※点検・軽微な清掃のみ(数万円程度)
20〜30年後
(築35〜45年)
葺き替え工事:約150万円〜
※スレート屋根自体の寿命により、結局葺き替えが必要になる。
メンテナンス不要:0円
※引き続き耐久性を維持
30年間の
総支出
約260万円〜 約120万円 + α

このように、塗装工事を選択した場合、10年おきに「足場代」や「人件費」が繰り返し発生します。

さらに、スレート屋根自体の素材寿命(約30〜40年)が来れば、最終的には葺き替えなどの大規模修繕が必要になります。

対してT・ルーフは、最初にしっかりとした費用をかけて施工してしまえば、その後30年間は大きな出費がありません。

メンテナンスは雨樋の清掃や定期点検程度で済みます。

「将来かかるはずだったリフォーム費用を、今のうちに先払いして、将来の負担をなくす」。

これが、T・ルーフを選ぶ最大の経済的メリットなのです。

特に、現在30代〜40代で、これからお子様の教育費などでお金がかかる世代の方や、定年退職後の出費を抑えたい方には、非常に合理的な選択だと言えます。

デメリットと競合製品との比較

ここまでT・ルーフの良い面を中心にお伝えしてきましたが、プロとして誠実でありたいと思いますので、デメリットや注意すべき点についても隠さずお話しします。

特に、他社の高性能な金属屋根と比較した際の「弱点」を知っておくことは重要です。

断熱性能の対策と他社製品との違い

断熱材裏打ちなしのT・ルーフにおける遮熱シートや天井断熱などの対策方法

屋根カバー工法を検討する際、T・ルーフの強力なライバルとなるのが、アイジー工業の「スーパーガルテクト」やニチハの「横暖ルーフ」といった製品です。

これらは「断熱材一体型金属屋根」と呼ばれています。

T・ルーフの構造上の最大の弱点は、「屋根材自体に断熱材が裏打ちされていない」ことです。

スーパーガルテクトなどは、金属板の裏に断熱材(ポリイソシアヌレートフォーム等)が分厚く貼り付けられており、屋根材単体でも高い断熱性能を発揮します。

一方、T・ルーフは空気層と石粒による断熱・遮熱効果はあるものの、断熱材一体型製品と比較すると、数値上の断熱性能は劣ります。

「じゃあ、T・ルーフにすると夏暑い・冬寒い家になるの?」と心配されるかもしれませんが、決してそうではありません。

カバー工法の場合、既存の屋根の上に新しい屋根を重ねるため、その間に「空気層」が生まれます。

この動かない空気が断熱材の役割を果たすため、施工前(スレート屋根単体の状態)と比較すれば、断熱性は確実に向上します。

それでも、「2階がサウナのように暑いので何とかしたい」「断熱性能には徹底的にこだわりたい」というお客様には、T・ルーフ単体では物足りない可能性があります。

その場合、私たちアップリメイクでは以下のような「組み合わせによる解決策」をご提案しています。

  • 遮熱ルーフィングの併用:T・ルーフの下に敷く防水シートを、熱を反射する遮熱タイプにする。
  • 天井断熱(小屋裏断熱)の追加:屋根材で止めるのではなく、天井裏に断熱材(グラスウール等)を厚く敷き込む。これが最も効果的です。

製品選びのアドバイス
「断熱性能」を最優先事項とするなら、断熱材一体型のスーパーガルテクト等が適している場合もあります。逆に、「意匠性(見た目)」や「雨音の静かさ」、「長期的なメンテナンスフリー」を優先するならT・ルーフが勝ります。それぞれの特性を理解し、ご自身の優先順位に合わせて選ぶことが大切です。

屋根カバー工法のメリット・デメリットについては、以下の記事でも詳しく整理しています。

向いている家、向かない家の条件なども解説していますので、ぜひ参考にしてください。

屋根カバー工法のメリット・デメリット:向いている家/向かない家を整理

失敗しないための施工店選び

最後に、屋根リフォームを成功させるために最も重要なことをお伝えします。

それは、「どの屋根材を選ぶか」と同じくらい、「誰に工事を頼むか」が重要だということです。

どんなに高性能なT・ルーフを選んでも、施工品質が低ければ、数年で雨漏りしたり、強風で剥がれたりするリスクがあります。

徹底した下地診断と職人の技術

傷んだ下地を見逃さない徹底した診断とアップリメイクの施工品質

屋根カバー工法において、絶対にやってはいけないこと。

それは「腐食して傷んだ下地(野地板)の上に、そのまま新しい屋根を被せてしまうこと」です。

既存の屋根材の下にある野地板が、湿気や経年劣化で腐ってブヨブヨになっている場合があります。

この状態に気づかず(あるいは無視して)上からT・ルーフを施工すると、新しい屋根材を固定するビスが効きません。

普段は問題なくても、台風などの強い力が加わった瞬間に、屋根ごとごっそりと剥がれ飛んでしまう大事故につながります。

私たちアップリメイクでは、お見積もりの前の現地調査の段階で、必ず屋根の上に上がります。

そして、屋根の上を歩いて沈み込みがないか確認したり、屋根裏から野地板の状態を目視したりして、徹底的な下地診断を行います。

もし下地が著しく劣化している場合は、正直に「カバー工法はできません」とお伝えし、「葺き替え」や「野地板の増し張り」など、安全を確保できる別の方法をご提案します。

契約欲しさに無理な工事を勧めることは、プロとして絶対にしません。

また、T・ルーフの施工には、板金を加工する高度な技術が求められます。

特に雨漏りの原因になりやすい「谷部(屋根の谷間)」や「壁際」、「トップライト(天窓)周り」などの役物(やくもの)の納まりは、職人の腕の見せ所です。

マニュアル通りの施工はもちろんですが、現場ごとの微妙な屋根の歪みや形状に合わせて、現場で微調整を行う応用力が、20年、30年と雨漏りしない屋根を作るのです。

◆斎藤のワンポイントアドバイス

リフォーム業者の中には、「安さ」を売りにして、見えない部分の下地処理や防水シートのグレードを落とすところも残念ながら存在します。

見積もり比較をする際は、金額だけでなく「下地の状態をどう判断したか」「どんな防水シートを使うのか」「職人は自社か下請けか」といった点もしっかり確認してください。

私たちアップリメイクは、創業以来、職人の技術と人間性にこだわり続けてきました。

お客様の大切なお住まいを、自分の家だと思って施工することをお約束します。

LIXIL屋根カバー工法に関するよくある質問(FAQ)

ここまでLIXILのT・ルーフについて、メリット・デメリットを含めて詳しく解説してきましたが、いざリフォームを決断するとなると、まだまだ細かな疑問や不安が尽きないものです。

私たちアップリメイクには、日々お客様から屋根に関する多くのご質問が寄せられます。

その中から、特にT・ルーフをご検討中の方から頻繁にいただく「鋭い質問」をピックアップし、プロの視点で包み隠さずお答えします。

カタログの「よくある質問」コーナーには載っていないような、現場の実情に即した回答をご用意しました。

Q1. 表面の石粒がボロボロ落ちてくると聞いたのですが、大丈夫ですか?

A. 結論から申し上げますと、施工直後の「初期剥離」は必ず発生しますが、これは製品の欠陥ではなく仕様ですのでご安心ください。

T・ルーフの表面には、製造工程でたっぷりと天然石チップが付着されています。その際、接着剤に完全に食い込んでいない「余剰分」の石粒がどうしても残ってしまいます。これらが、施工時の振動や、工事完了後の最初の雨風によってパラパラと落ちてくる現象を「初期剥離」と呼びます。

「屋根がハゲてしまうのではないか?」と心配されるお客様もいらっしゃいますが、あくまで余分な石が落ちているだけですので、基材のガルバリウム鋼板が露出したり、耐久性が落ちたりすることはありません。通常、数ヶ月〜半年程度でこの現象は落ち着きます。

ただし、落ちた石粒が雨樋(あまどい)に溜まると、水の流れを悪くする原因になります。そのため、私たちアップリメイクでは、工事完了時の清掃はもちろん、施工後1年点検などのタイミングで雨樋の中を確認し、必要であれば清掃を行うアフターフォローを徹底しています。石粒が落ちること自体よりも、その後のケアをしてくれる業者かどうかが重要です。

Q2. 太陽光パネルを後から設置することはできますか?

A. 設置は可能ですが、一般的な屋根材よりも難易度が高いため、慎重な業者選びが必要です。

通常のスレート屋根や金属屋根の場合、汎用的なキャッチ金具(掴み金具)を使って太陽光パネルを固定しますが、T・ルーフは表面に石粒の凹凸があるため、これらの金具が使用できません。無理に取り付けようとすると、石粒が噛んで固定が不安定になったり、最悪の場合、屋根材を傷つけて雨漏りの原因になったりします。

T・ルーフに太陽光パネルを設置する場合は、以下の2つの条件を満たす必要があります。

  • 専用の支持金具を使用すること:石付金属屋根に対応したメーカー純正、または認定された支持金具を使用する必要があります。
  • ビス止め部分の防水処理を完璧に行うこと:キャッチ工法ではなく、野地板にビスを打ち込んで固定する工法が主流となるため、ビス穴からの浸水を防ぐ高度な防水処理技術(コーキングやパッキンの施工)が求められます。

太陽光発電の設置を前提としている場合は、必ず契約前にその旨をお伝えください。屋根の施工と太陽光の設置を別々の業者に依頼すると、雨漏りした際の責任の所在が曖昧になるリスクがありますので、一括して管理できる体制での施工を強くおすすめします。

Q3. 海沿いの地域ですが、塩害の心配はありませんか?

A. T・ルーフは塩害に強い素材ですが、メーカー保証には「距離の制限」があるため注意が必要です。

基材に使用されているガルバリウム鋼板は、アルミニウムの保護作用により、従来のトタン屋根に比べて格段にサビにくい性質を持っています。さらに表面の石粒コートが潮風をガードするため、金属屋根の中ではトップクラスの耐塩害性能を誇ります。

しかし、LIXILのメーカー保証規定では、海岸からの距離(例:500m以内や1km以内など、製品や地域によって異なります)によっては「保証対象外」となるケースがあります。静岡県は駿河湾に面した地域が多く、場所によってはこの制限に該当する可能性があります。

私たちアップリメイクでは、Googleマップや現地調査で海岸からの正確な距離を測定し、メーカー保証が適用されるかどうかを事前に必ず確認します。もし保証対象外のエリアであっても、塩害に強いフッ素塗装の屋根材や、樹脂製の屋根材など、立地条件に最適な代替案をご提案させていただきます。「サビない屋根」はありませんが、「サビさせないための最適な選択」は存在します。

Q4. 結露については大丈夫ですか?

A. カバー工法は構造上、結露に強い工法ですが、小屋裏換気の確保が重要です。

金属屋根は熱しやすく冷めやすいため、冬場に屋根裏で結露が発生するリスクがゼロではありません。しかし、カバー工法の場合は、既存の屋根材と新しいT・ルーフの間に空気層ができるため、直接外気の影響を受けにくく、結露の発生リスクは比較的低いと言えます。

さらに重要なのが「換気」です。T・ルーフの施工時には、屋根の頂点である「棟(むね)」の部分に、湿気を逃がすための「換気棟(かんきむね)」を設置することが推奨されます。これにより、小屋裏に溜まった湿気や熱気を外部に排出し、結露を防ぐと同時に、夏場の室内温度上昇も抑えることができます。

見積もりの際は、「換気棟が含まれているか」をぜひチェックしてみてください。安価な見積もりでは、この換気部材が省かれていることがよくあります。家の寿命を延ばすためには、換気は塗装と同じくらい大切な要素です。

LIXILのT・ルーフで叶える「30年間の安心」と後悔しないリフォーム

ここまで、LIXILの「T・ルーフ」を用いた屋根カバー工法について、その特徴から費用、メリット・デメリット、そして現場の職人だからこそ知る注意点まで、詳細にお話しさせていただきました。

改めて、今回の記事でお伝えした重要なポイントを整理します。

メンテナンスフリー:天然石とガルバリウム鋼板の組み合わせで、30年間の再塗装コストと手間を削減できる。

高い防災性能:瓦の約1/8という軽さで地震に強く、独自の固定方法で台風にも耐える。

経済合理性:初期費用は塗装より高いが、足場代や将来の修繕費を含めたトータルコストではお得になる。

施工品質が命:下地の腐食診断や複雑な板金加工など、職人の技術力が寿命を左右する。

屋根のリフォームは、100万円を超える大きな決断です。

しかし、T・ルーフを選ぶということは、単に屋根材を新しくするだけではありません。

「今後30年間、屋根のことで悩まなくて済む」という「安心」と「自由な時間」を手に入れることでもあります。

毎年の台風シーズンに「瓦が飛ばないか」と怯える必要も、10年ごとの塗装業者選びに貴重な休日を費やす必要もありません。

特に、巨大地震が予測されるここ静岡において、屋根を軽量化することは、ご家族の命と財産を守るための大きな備えとなります。

初期費用の差額でこれだけの安心が買えるなら、それは決して高い投資ではないと私は確信しています。

ただし、忘れないでいただきたいのは、「家を守るのは材料ではなく、職人の手である」ということです。

どんなに最高級のT・ルーフを使っても、下地の腐食を見落とせば屋根は飛びますし、雨仕舞(あまじまい)の板金加工を一つ間違えれば雨漏りは起きます。

最高の素材を活かすも殺すも、すべては施工する職人の技術と、その会社が持つ「お客様への想い」にかかっています。

私たち株式会社アップリメイクは、派手な営業マンもいなければ、全国展開しているような大企業でもありません。

しかし、静岡というこの街で生まれ育ち、地域の気候風土を知り尽くした「職人直営」の専門店です。

亡き父から受け継いだ「自分の親の家だと思って工事をする」という理念のもと、見えない下地の一枚、ビスの一本に至るまで、決して手抜きはしません。

工事が終わってからが本当のお付き合いだと考え、万が一のトラブルにもすぐに駆けつけるフットワークの軽さをお約束します。

「まずは屋根の状態だけ見てほしい」「他社の見積もりが適正か診断してほしい」といったご相談でも構いません。

お客様が後悔しないリフォームをするために、私たちが持っている知識と技術のすべてを提供いたします。

あなたの住まいが、これからも長く、家族の笑顔を守り続ける場所でありますように。

私たちアップリメイクが、そのお手伝いをさせていただければ幸いです。

まずは無料診断・お見積りを依頼する >

  • この記事を書いた人

齋藤直樹

(株)アップリメイク代表取締役で元職人、塗装という仕事が大好きです。人生の大きな挫折と数多くの出会いを経て今は大好きな地元・静岡で、お客様の笑顔のために仕事ができることに何よりの誇りを感じています。

▼保有資格▼
1級建築塗装技能士・2級建築施工管理技士・有機溶剤作業主任者・高所作業主任者・2級カラーコーディネーター・光触媒施工技能士・乙4類危険物取扱者・ゴンドラ特別教育・職長・安全衛生責任者・第2種酸素欠乏危険作業主任者・宅地建物取引主任者・2級ファイナンシャルプランニング技能士・AFP