こんにちは、株式会社アップリメイク代表取締役の齋藤直樹です。
「築20年を超えて、スレート屋根の色あせやコケ、ひび割れが目立ってきた」
「塗装で済ませられるのか、それとも屋根カバー工法まで行った方がよいのか分からない」
「スーパーガルテクトは長持ちすると聞くけれど、本当に価格に見合う屋根材なの?」
このような疑問を抱えながら、この記事をご覧になっているのではないでしょうか。
屋根リフォームは、完成後の見た目だけでは工事の良し悪しが分かりにくく、費用も決して小さくありません。
だからこそ、「評判がよいから」「保証が長いから」という理由だけで決めるのではなく、今の屋根の状態や下地、勾配、立地条件、これから何年住む予定なのかまで考えて選ぶことが大切です。
その有力な選択肢の一つが、アイジー工業の金属屋根材「スーパーガルテクト」を使用した屋根カバー工法です。
スーパーガルテクトは、軽量で耐食性に配慮された鋼板と断熱材を一体化した屋根材で、傷みが進んだスレート屋根の改修に適しています。
一方で、どの住宅にも無条件で施工できる万能な屋根材ではありません。
屋根勾配や流れ長さが施工条件に合わない場合、野地板が腐食している場合、雨漏りの原因が特定できていない場合などは、カバー工法ではなく葺き替えや下地補修を選ぶ必要があります。
また、「穴あき25年保証」と「25年間は雨漏りも含めて何でも無料で直してもらえる」という意味は同じではありません。
ここを知らずに契約してしまうと、「保証があると思っていたのに対象外だった」「カバー工法では直せない屋根だった」と後悔する可能性があります。
この記事では、1973年の創業以来、静岡で屋根・外壁塗装リフォームに携わってきた専門店の立場から、スーパーガルテクトの性能、費用、保証、施工条件、デメリット、業者選びまで詳しく解説します。
良い面だけを並べるのではなく、どのような家に向いていて、どのような場合には別の工法を選ぶべきなのかまで正直にお伝えします。
読み終わる頃には、あなたの家では「塗装」「カバー工法」「葺き替え」のどれを検討すればよいのか、判断するための基準が見えてくるはずです。
記事のポイント
- スーパーガルテクトに使われる超高耐久ガルバの構造と、従来のガルバリウム鋼板との違い
- 塗膜15年・赤さび20年・穴あき25年というメーカー保証の対象範囲と免責条件
- 屋根カバー工法が向いている住宅と、葺き替えを選んだ方がよい住宅の判断基準
- 30坪前後の住宅でスーパーガルテクトを施工する場合の費用相場と見積書の確認項目
- 太陽光パネル、沿岸部、緩勾配屋根、アスベスト含有屋根で見落としやすい注意点
- 防水シート・野地板・ビス・換気計画まで含めた、屋根を長持ちさせる施工品質
スーパーガルテクトによる屋根カバー工法とは
屋根カバー工法とは、既存のスレート屋根などを原則として残したまま、その上に新しい防水シートと屋根材を重ねるリフォーム方法です。
古い屋根をすべて撤去する葺き替え工事と比べて、撤去する廃材の量や解体作業を抑えやすく、工期や費用を調整しやすい点が特徴です。
ただし、傷んだ屋根をそのまま隠してしまう工事ではありません。
施工前には、既存屋根の種類、割れや反り、雨漏りの有無、野地板の強度、屋根勾配、流れ長さ、壁や天窓との取り合いなどを確認する必要があります。
下地が腐っている住宅にカバー工法を行っても、傷みの原因は解決しません。
費用を抑えられるからといって無理にカバー工法を選ぶのではなく、屋根の状態に合う工法を選び分けることが重要ですよ。
次世代の金属屋根材として選ばれる「超高耐久ガルバ」
スーパーガルテクトの表面材には、アイジー工業が「超高耐久ガルバ」と呼ぶ、2%マグネシウム・55%アルミニウム・亜鉛合金めっき鋼板が使われています。
一般には、従来のガルバリウム鋼板を改良した次世代型の鋼板として、SGL鋼板と呼ばれる系統の素材です。
従来のガルバリウム鋼板は、亜鉛が先に酸化して鉄を守る「犠牲防食作用」と、アルミニウムが保護層をつくる働きを組み合わせることで、一般的な亜鉛めっき鋼板よりも高い耐食性を実現していました。
超高耐久ガルバでは、めっき層にマグネシウムを加えることで、より緻密で水に溶けにくい保護生成物がつくられやすくなっています。
この保護層が亜鉛の消耗を抑え、金属の腐食が進む速度を遅らせる仕組みです。
「自己修復」という表現の正しい受け止め方
スーパーガルテクトについて、「傷が付いても自分で元通りになる屋根材」と説明されることがあります。
実際には、傷や切断面そのものが新品の状態へ戻るわけではありません。
めっき成分から生まれる保護生成物が、露出した鋼板部分の腐食を抑える方向に働くという意味です。
深い傷や施工時の切り粉、異種金属との接触、雨水が滞留する状態まで自動的に直るわけではないため、丁寧な加工と施工後の清掃は欠かせません。
アイジー工業では、一定条件の促進耐食性試験において、超高耐久ガルバは従来のガルバリウム鋼板に比べて「3倍超の寿命が期待できる」と案内しています。
ただし、この「3倍超」は、すべての住宅で実際の耐用年数が必ず3倍になるという意味ではありません。
海からの距離、雨が当たるかどうか、屋根勾配、飛来物による傷、切り粉の除去、役物の納まり、定期点検などによって、実際の劣化速度は変わります。
「3倍だから60年持つ」といった単純な計算ではなく、従来のガルバリウム鋼板より耐食性を高めた素材だと考えるのが適切です。
詳しい製品仕様は、施工時点のアイジー工業公式商品情報も確認してください。
断熱材一体型のサンドイッチ構造
「金属屋根にすると、夏は暑くなりませんか?」
「強い雨が降ったとき、トタン屋根のように音が響きませんか?」
これは、スーパーガルテクトをご検討される方からよくいただく質問です。
確かに、断熱材が付いていない薄い金属板だけの屋根は、熱が伝わりやすく、雨粒の衝撃による振動音も出やすい傾向があります。
スーパーガルテクトは、表面の金属板と裏面のアルミライナー紙の間に、ポリイソシアヌレートフォームという断熱材を一体化しています。
最大厚さは16mmで、金属板だけの屋根材とは構造が異なります。
- 遮熱性と断熱性:表面には遮熱性を備えた塗装が施され、断熱材と組み合わせることで屋根から伝わる熱を抑えます。ただし、室温の変化は天井断熱材の厚さ、小屋裏換気、窓、間取り、屋根色、エアコンの使用状況にも左右されます。屋根材だけで室温が必ず何度下がるとは言い切れません。
- 遮音性と制振性:鋼板の裏側に断熱材が密着しているため、金属板の振動を抑えやすい構造です。メーカーの試験では、天井材やグラスウールを含む試験条件において、雨量106mm/hの豪雨を想定した雨音が室内で「ささやき声程度」まで低減された結果が示されています。
ここで気をつけたいのは、屋根材単体の性能と、住宅全体で感じる快適性は同じではないという点です。
天井に断熱材がほとんど入っていない住宅や、小屋裏の換気が不足している住宅では、屋根材を変えただけで暑さの悩みがすべて解決するとは限りません。
夏の暑さや冬の結露が気になっている場合は、屋根材だけでなく、天井断熱や換気経路も一緒に確認してもらいましょう。
◆齋藤のワンポイントアドバイス
「スーパーガルテクトにすれば、断熱工事は何もしなくてよいですか?」と聞かれることがあります。
スーパーガルテクトの断熱材は確かに大きなメリットですが、住宅の暑さや寒さは屋根だけで決まるものではありません。
私は、屋根材の性能だけを強調するのではなく、天井断熱、小屋裏換気、窓の状態まで確認したうえで、必要な対策を考えることが大切だと思っています。
スーパーガルテクトの主なメリット
スーパーガルテクトの魅力は、耐食性だけではありません。
軽さ、断熱材一体型の構造、既存屋根を大きく解体せずに防水機能を更新できる点など、住宅リフォームに適した複数の特徴があります。
約5kg/㎡と軽く、カバー工法の追加荷重を抑えやすい
スーパーガルテクト本体の重量は、メーカー公表値で約5kg/㎡です。
一般的なスレート屋根や瓦屋根と比べて軽量であるため、カバー工法で新しい屋根を重ねる際にも、追加される重量を比較的抑えられます。
ただし、「軽い屋根材を重ねるから、カバー工法を行えば耐震性が向上する」とまでは言い切れません。
カバー工法では既存屋根を残すため、屋根全体の重量は施工前より増えます。
例えば既存のスレート屋根が約20kg/㎡であれば、スーパーガルテクト本体に加えて、防水シート、役物、固定部材などの重量が追加されます。
多くの一般住宅で採用されている工法ではありますが、建物の築年数、構造、劣化状態、増改築歴によっては、追加荷重を確認した方がよいケースもあります。
特に、柱や梁に大きな劣化がある住宅、雨漏りで野地板や垂木が腐っている住宅、過去に無理な増築が行われている住宅では、材料の軽さだけで判断しないでください。
カバー工法は耐震補強工事ではありません
スーパーガルテクトが軽量であることは大きなメリットですが、屋根カバー工法そのものを耐震補強と考えるのは適切ではありません。
重い瓦屋根を撤去し、軽い金属屋根へ葺き替える場合は屋根全体を軽量化できますが、カバー工法では既存屋根を残します。
耐震性に不安がある場合は、屋根工事とは別に建物全体の耐震診断を検討しましょう。
既存屋根を残しながら防水機能を更新できる
屋根塗装は、既存屋根材の表面を保護する工事です。
色あせや表面の防水性低下には対応できますが、古くなった防水シートまで新しくなるわけではありません。
一方、屋根カバー工法では、既存屋根の上に新しい防水シートを全面施工し、その上へ新しい屋根材を取り付けます。
屋根材だけでなく、雨漏りを防ぐ二次防水も更新できることが、塗装との大きな違いです。
築20年以上が経過し、屋根材の割れや反りが増えているものの、野地板や垂木はまだ健全という住宅では、カバー工法が有力な選択肢になります。
ただし、すでに雨漏りが続いている住宅では、下地の状態を確認せずにカバーしてはいけません。
室内の天井にシミがある、小屋裏にカビ臭さがある、屋根を歩くと沈む感じがある場合は、必要に応じて屋根材の一部を開け、野地板の状態まで確認することが大切です。
塩害に強い素材でも沿岸部では保証条件の確認が必要
静岡県は海に面しており、静岡市清水区、焼津市、牧之原市など、潮風の影響を受けやすい地域も少なくありません。
海塩粒子が金属表面へ付着すると、腐食が進みやすくなります。
超高耐久ガルバは従来のガルバリウム鋼板より耐食性を高めた素材ですが、「沿岸部でも絶対に錆びない」という意味ではありません。
スーパーガルテクトのメーカー保証では、海岸線から500m以内の地域に加えて、塩害地域も保証対象外となる条件があります。
つまり、海岸から500m以上離れていれば、自動的に保証対象になるわけではありません。
風向き、海との間にある建物や地形、塩分の付着状況などによっては、500mを超えていても塩害環境と判断される可能性があります。
また、雨が当たりにくい軒下、太陽光パネルの下、壁際などは、付着した塩分や汚れが雨水で流されにくい場所です。
沿岸部で採用する場合は、契約前に次の内容を書面で確認してください。
- 施工場所がメーカー保証の対象地域に入るか
- 保証登録を施工会社が行ってくれるか
- 塗膜、赤さび、穴あきのどこまでが保証対象か
- 役物や加工部分、切断面が保証対象に含まれるか
- 施工会社独自の工事保証がどこまで付くか
なお、屋根へ自分で上って洗浄するのは大変危険です。
塩分や汚れが気になる場合も、高所作業は専門業者へ依頼し、点検時に清掃の必要性を判断してもらいましょう。
屋根カバー工法の寿命や保証の読み方については、以下の記事でも詳しく解説しています。
屋根カバー工法は何年持つ?耐用年数・寿命・長持ちさせるメンテ方法
スーパーガルテクトが向いている屋根・向いていない屋根
屋根材の性能が高くても、現在の屋根や建物の状態に合わなければ、よいリフォームにはなりません。
契約前に、カバー工法が本当に適しているかを確認しましょう。
| 屋根の状態 | 検討しやすい工法 | 判断するときの注意点 |
|---|---|---|
| 色あせが中心で割れや反りが少ない | 屋根塗装 | 屋根材、防水シート、下地が健全であることが前提です。 |
| ひび割れや反りが増えているが下地は健全 | 屋根カバー工法 | 野地板がビスを保持できるか、雨漏りがないかを確認します。 |
| 塗装に向かないノンアスベストスレート | カバー工法または葺き替え | パミール、コロニアルNEOなど、商品と劣化状態に応じて判断します。 |
| 雨漏りや野地板の腐食が進んでいる | 葺き替え・下地補修 | 腐った下地を残したまま覆わないことが重要です。 |
| 瓦屋根 | 原則として葺き替え | 瓦の上へ直接スーパーガルテクトを重ねる一般的なカバー工法は行いません。 |
| 勾配が2.5寸未満 | 立平葺きなど別工法 | スーパーガルテクトの適用勾配外です。 |
屋根を地上から見ただけでは、野地板や防水シートの状態までは分かりません。
ドローンや高所カメラによる撮影は便利ですが、画像だけで下地の強度を完全に判断できるわけでもありません。
雨漏り歴がある場合や、屋根の沈みが疑われる場合は、小屋裏からの確認や部分的な開口調査も含めて判断してもらいましょう。
導入前に知っておきたいデメリットと注意点
スーパーガルテクトは優れた屋根材ですが、注意点を知らずに採用すると、期待していた保証や性能を得られない可能性があります。
特に、太陽光パネル、屋根勾配、下地の状態、沿岸部の保証条件は、見積もり前に確認しておきたいポイントです。
太陽光パネルを設置すると保証がすべて消えるわけではない
屋根リフォームと同時に太陽光発電を設置したい方や、将来パネルを載せる予定の方もいらっしゃると思います。
スーパーガルテクトへ太陽光パネルを設置する場合、メーカー保証の読み方に注意が必要です。
公式保証規定では、「太陽光発電パネルなど屋根面を覆う設備の設置に起因する不具合」が保証対象外とされています。
これは、太陽光パネルを載せた瞬間に屋根全体の保証がすべて無効になる、という意味ではありません。
パネルの架台や固定金具によって屋根材が変形した、異種金属の接触で腐食した、設備の設置作業によって塗膜が傷付いたなど、設備の設置が原因となった不具合が免責になるという内容です。
太陽光設置前に書面で確認したいこと
屋根工事業者と太陽光設置業者の責任範囲が曖昧なまま工事を進めると、不具合発生時に原因や責任の所在をめぐってトラブルになる可能性があります。
屋根材の変形、金具周辺の錆、雨漏り、パネル脱着時の破損について、どの会社がどの保証を行うのかを契約前に確認してください。
すでに太陽光パネルが設置されている屋根へカバー工法を行う場合は、原則としてパネルと架台を一度取り外し、屋根全体へ防水シートと屋根材を施工した後に再設置します。
パネルを残したまま、見える部分だけをカバーする方法では、パネル下の防水機能を更新できません。
太陽光パネル付き屋根の工事手順や注意点は、以下の記事も参考にしてください。
太陽光パネル付き屋根のカバー工法|撤去・載せ替え費用と注意点
最低勾配だけでなく「流れ長さ」にも制限がある
スーパーガルテクトは、原則として2.5寸以上の屋根勾配で使用する製品です。
2.5寸は、水平に10進んだときに高さが2.5上がる傾斜を指し、角度では約14度です。
ただし、勾配が2.5寸以上であれば、どのような屋根にも同じ方法で施工できるわけではありません。
メーカーの施工条件では、次のように勾配と流れ長さが定められています。
| 屋根勾配 | 流れ長さの上限 | 下葺き材の基本条件 |
|---|---|---|
| 2.5寸以上3.5寸未満 | 7m以下 | 粘着層付き改質アスファルトルーフィング |
| 3.5寸以上 | 20m以下 | 改質アスファルトルーフィング |
2.5寸以上3.5寸未満の緩やかな屋根では、横ジョイント部分の処理にも追加条件があります。
勾配だけを測って「2.5寸あるから大丈夫」と判断するのではなく、軒先から棟までの流れ長さと、使用する防水シート、ジョイント処理まで確認してください。
メーカー条件に合わない屋根へ無理に施工すると、強風を伴う雨の際に継ぎ目から水が入りやすくなる可能性があります。
2.5寸未満の緩勾配屋根では、スーパーガルテクトではなく、立平葺きなど緩勾配に対応する別の金属屋根を検討します。
施工条件は改定されることがあるため、契約前にメーカーの最新施工説明書を確認してもらいましょう。
野地板が傷んでいる屋根にはカバー工法が向かない
屋根カバー工法では、新しい屋根材をビスで固定します。
そのため、既存の野地板や垂木が、ビスを十分に保持できる状態であることが重要です。
雨漏りで野地板が腐っていたり、湿気によって木材が著しく弱っていたりすると、ビスを打っても必要な固定力を得られません。
その状態で金属屋根を重ねると、強風時の浮きや剥がれにつながるおそれがあります。
また、既存屋根材がパミールなどの層間剥離を起こしている場合、表面が薄く剥がれ続けるため、単に粘着式防水シートを貼ればよいとは限りません。
既存屋根の清掃方法、防水シートの密着、ビスの固定先、必要な下地補修を総合的に判断する必要があります。
「上から覆えば見えなくなるから大丈夫」という考え方は危険ですよ。
スーパーガルテクトの費用相場と見積もりの見方
屋根カバー工法は、塗装よりも初期費用が高くなる工事です。
しかし、総額だけを見て高い・安いと判断すると、防水シートや役物、換気部材など、屋根を長持ちさせるために必要な工程が抜けていることに気付けない場合があります。
30坪の住宅でも屋根面積は同じではない
延床面積30坪前後の住宅であっても、屋根面積は建物の形によって変わります。
総2階建ては1階部分の面積が小さいため屋根面積も比較的小さくなりやすく、平屋は同じ延床面積でも屋根が広くなります。
切妻屋根、寄棟屋根、谷の多い複雑な屋根でも、役物の長さや加工手間が異なります。
2026年時点の一般的な目安として、屋根面積80~100㎡程度の住宅で断熱材一体型金属屋根によるカバー工法を行う場合、足場を含めておおむね100万円~160万円前後が一つの目安です。
ただし、太陽光パネルの脱着、野地板の補修、天窓、急勾配、3階建て、狭小地、複雑な屋根形状などがある場合は、この範囲を超えることがあります。
見積書を見るときは、税込か税別か、足場や既存部材の処分費が含まれているかも確認してください。
見積書に記載してほしい主な項目
| 工事項目 | 単価の目安 | 確認したい内容 |
|---|---|---|
| 仮設足場・飛散防止シート | 600~900円/㎡前後 | 足場面積、運搬費、メッシュシートが含まれているかを確認します。一般的な住宅では15万円~30万円程度が目安です。 |
| 下葺き材 防水シート |
800~1,500円/㎡前後 | 商品名、種類、粘着層の有無、屋根勾配への適合を確認します。 |
| 屋根材本体 材料・施工手間 |
10,000~16,000円/㎡前後 | スーパーガルテクトの正確な商品名、色、材料費、施工費を確認します。 |
| 役物工事 棟・軒先・ケラバ・谷 |
3,000~5,000円/m前後 | 屋根形状が複雑なほど長さと加工箇所が増えます。雨仕舞いを左右する重要な部分です。 |
| 既存棟板金などの撤去 | 2万円~5万円前後/式 | 撤去する部材と処分費の範囲を確認します。 |
| 換気棟・雪止め | 数量・仕様による | 既存の換気計画、積雪、隣地との距離に応じて必要数量を判断します。 |
| 石綿事前調査 | 調査方法による | 書面・目視調査、必要に応じた分析、行政への報告が含まれるかを確認します。 |
相場より安い見積もりが、必ずしも悪いとは限りません。
ただし、「屋根カバー工事一式」としか書かれていない場合は、使用する防水シート、役物、ビス、換気部材、保証内容が分かりません。
反対に総額が高くても、屋根面積や役物の数量が実際より多く計上されていれば適正とは言えません。
最低でも、数量、単位、単価、商品名、工事範囲が分かる見積書を受け取りましょう。
屋根カバー工法の詳細な費用や見積もりの比較方法は、以下の記事でも解説しています。
屋根カバー工法の費用相場はいくら?平米単価・内訳・安くするコツ
外壁塗装と同時に行うと足場費用を共用しやすい
屋根カバー工法では、安全な作業と資材の落下防止のために足場が必要です。
屋根工事の数年後に外壁塗装を行うと、それぞれの工事で足場を組むことになり、足場費用も二回分かかります。
外壁にもチョーキング、ひび割れ、シーリングの劣化などがある場合は、屋根と外壁を同時に施工することで足場を共用できます。
ただし、「足場代を節約できるから」という理由だけで、まだ必要のない外壁塗装まで急いで行う必要はありません。
屋根と外壁の劣化状態、次回のメンテナンス時期、今後の予算を確認したうえで判断しましょう。
葺き替えより廃材を減らしやすいが、アスベスト調査は必要
築年数の経過したスレート屋根には、石綿を含む製品が使用されている場合があります。
ただし、「2006年以前に建てられた家はすべてアスベスト入り」「2006年以降ならすべて含まれていない」と、築年数だけで判断することはできません。
製品名、メーカー、製造時期、設計図書などを調べ、必要に応じて分析を行います。
屋根に使われる石綿含有スレートは、一般に石綿含有成形板と呼ばれるレベル3建材です。
葺き替えで撤去する場合は、できるだけ割らずに取り外し、ほかの廃材と分けて適切に運搬・処分しなければなりません。
カバー工法では既存屋根材の大部分を残せるため、葺き替えに比べて撤去する石綿含有廃材を減らしやすいメリットがあります。
しかし、撤去しないからといって石綿の事前調査が不要になるわけではありません。
改修工事を行う際は、工事部分に石綿含有建材があるかを事前に調査する必要があります。
また、請負金額が税込100万円以上の建築物改修工事など、一定の規模に該当する場合は、事前調査結果の行政報告も必要です。
見積書では、「アスベスト処分費がかからない」という説明だけでなく、事前調査を誰が行い、結果をどのように記録・報告するのかまで確認してください。
30年間の費用は住み続ける年数によって変わる
カバー工法は、塗装より初期費用が高くなります。
そのため、近いうちに建て替えや売却を予定している住宅では、高耐久な屋根材へ全面改修することが最善とは限りません。
反対に、今後20年、30年と住み続ける予定で、すでに屋根材の割れや反りが進んでいる場合は、短期間で塗装を繰り返すよりカバー工法の方が合理的になる可能性があります。
大切なのは、「カバー工法なら必ず安くなる」と決めつけることではありません。
次回の外壁工事、足場費用、部分補修、再塗装、将来の葺き替えまで含めて比較することです。
アップリメイクでは、耐久性の高い工事を一律に勧めるのではなく、お客様が今後その家に何年住む予定なのか、ご予算をどこへ配分したいのかを伺いながらご提案しています。
屋根を長持ちさせる施工品質の確認ポイント
高性能な屋根材を選んでも、施工が正しくなければ、期待した耐久性や防水性は得られません。
完成すると見えなくなる防水シート、ビス、野地板、壁際、谷、換気部分こそ、屋根工事で特に確認したいところです。
防水シートは屋根勾配と下地状態に合わせて選ぶ
屋根材は、雨をすべて完全に遮断する一枚の板ではありません。
強風を伴う雨などでは、屋根材の継ぎ目から少量の水が入ることを想定して設計されています。
その水を建物内部へ入れず、軒先へ流す最後の防水層がルーフィングです。
スーパーガルテクトの施工条件では、2.5寸以上3.5寸未満の屋根に、粘着層付き改質アスファルトルーフィングを使用します。
3.5寸以上では改質アスファルトルーフィングが基本条件ですが、既存屋根の状態や施工方法に応じて粘着式を選ぶこともあります。
大切なのは、「粘着式だから絶対に安心」「価格が高い防水シートなら安心」と考えることではありません。
既存屋根との相性、重ね幅、立ち上げ、谷や壁際の処理、破れやしわの有無まで含め、正しく施工されることが必要です。
見積書で確認したいこと
「ルーフィング一式」としか記載されていない場合は、メーカー名と商品名を質問しましょう。
さらに、屋根勾配に適合しているか、粘着層付きか、どの程度の耐久性を想定しているかも確認してください。
施工後に見えなくなる部材だからこそ、工事前の確認が大切です。
屋根材を留めるビスの長さと固定先
スーパーガルテクトは、既存のスレート屋根だけに固定するものではありません。
所定の長さのビスを使用し、野地板や垂木など、必要な固定力を得られる下地へ留める必要があります。
ビスが短い、固定間隔が広すぎる、腐った野地板へ打っているといった施工では、強風時の耐久性に影響します。
見積書には、ビスの種類や長さまで記載されないこともありますが、施工会社へ次のように聞いてみてください。
- どのビスを使用するのか
- ビスの長さは何mmか
- どこへ固定する計画なのか
- 野地板の強度をどのように確認するのか
- 施工中の固定状況を写真で残してもらえるか
質問に対して、専門用語だけでごまかさず、図や写真を使って説明してくれる会社であれば安心しやすいですよ。
結露対策は換気棟だけでなく空気の入口も確認する
小屋裏に湿気がこもると、冬場に冷えた野地板へ水蒸気が触れ、結露が発生することがあります。
結露が長期間続けば、野地板の腐食、カビ、断熱材の湿潤などにつながります。
その対策の一つが、屋根の頂上部分に取り付ける換気棟です。
ただし、換気棟を取り付ければ、それだけで必ず十分な換気ができるわけではありません。
空気を棟から排出するためには、軒裏などに空気の入口が必要です。
入口がない状態で出口だけを増やしても、計画した通りに空気が流れない可能性があります。
また、住宅によっては妻面換気、軒裏換気、既存の換気棟など、すでに別の換気方式が採用されています。
既存の換気経路を確認し、必要な換気量と配置を考えたうえで追加することが大切です。
見積もりに換気棟が入っているかだけでなく、「空気はどこから入り、どこへ抜けるのか」を説明してもらいましょう。
屋根カバー工法の結露や雨漏り対策については、以下の記事でも詳しく解説しています。
谷・壁際・天窓周辺の雨仕舞い
屋根の雨漏りは、広い平面部分より、谷、壁との取り合い、天窓、棟、ケラバといった複雑な部分で起きやすい傾向があります。
特に、下屋根が外壁へ接する部分では、防水シートを適切な高さまで立ち上げ、雨水が建物内へ回り込まないように板金を納める必要があります。
谷がある屋根では、大量の雨水が一か所へ集まるため、谷板金の幅、重ね、端部処理が重要です。
天窓がある住宅では、既存天窓の寿命や防水状態も確認してください。
屋根だけを新しくしても、古い天窓や周辺の防水部材から雨漏りすることがあります。
複雑な形状の屋根ほど、単純な平米単価だけでは施工品質を比較できません。
同じ屋根材を使っていても、役物加工や雨仕舞いの経験によって仕上がりに差が出ます。
施工写真と保証書を工事後に受け取る
防水シートやビスは、屋根材を施工した後には見えなくなります。
そのため、工事中の写真を残してもらうことが重要です。
最低限、次の工程は写真で確認できるようにしてもらいましょう。
- 施工前の屋根全体
- 既存棟板金や雪止めの撤去後
- ひび割れや下地の補修
- 防水シートの全面施工
- 谷、壁際、天窓周辺の防水処理
- 屋根材を固定するビスの位置
- 棟、ケラバ、軒先などの役物施工
- 切り粉や汚れを除去した完成後
保証についても、メーカーの製品保証と施工会社の工事保証を分けて確認してください。
メーカー保証は主に屋根材本体の塗膜、赤さび、穴あきが対象です。
防水シートの施工不良、棟板金の固定不良、壁際の納まりなど、施工に起因する不具合は、施工会社の保証で判断されることが多くなります。
保証年数だけでなく、対象部分、免責事項、点検条件、不具合時の連絡先が書かれているかを確認しましょう。
スーパーガルテクトに関するよくある質問
Q1. スレート屋根の塗装とカバー工法は、どちらがよいのでしょうか?
A. 築年数だけでなく、屋根材の種類、割れや反り、防水シート、下地の状態、今後住む年数で判断します。
色あせが中心で屋根材や下地が健全なら、塗装で費用を抑えられる可能性があります。
ひび割れや反りが多い、塗装に向かない屋根材が使われている、今後20年以上住む予定がある場合は、カバー工法が有力です。
雨漏りや野地板の腐食がある場合は、カバー工法ではなく葺き替えや下地補修を検討します。
Q2. 住みながら工事をすることはできますか?
A. 一般的な屋根カバー工法は、住みながら施工できます。
既存屋根を全面解体しないため、葺き替えと比べて室内への粉じんや雨の影響を抑えやすい工法です。
ただし、足場の組み立て、板金加工、ビスの固定時には音や振動が発生します。
在宅勤務、小さなお子様、夜勤のご家族、ペットがいる場合は、作業時間を事前に相談してください。
Q3. 工事期間はどのくらいかかりますか?
A. 一般的な住宅では、屋根部分の工事に5日~10日程度、足場の設置と解体を含めて1週間~2週間程度が一つの目安です。
ただし、屋根面積、形状、下地補修、太陽光パネルの脱着、天候によって変わります。
雨天や強風時に無理に施工すると品質や安全性へ影響するため、天候による工期延長は一定程度見込んでおきましょう。
Q4. スーパーガルテクトは30年間、塗装しなくても大丈夫ですか?
A. 「30年間は何も必要ない」とは言い切れません。
標準のスーパーガルテクトは、塗膜15年、赤さび20年、穴あき25年のメーカー保証に対応していますが、保証年数と再塗装時期は同じではありません。
立地や色あせ、傷、錆の状態によっては、保証期間中でも点検や部分補修が必要です。
棟板金、シーリング、固定部、換気部材などは屋根材本体とは別に劣化します。
5年から10年程度を目安に専門業者の点検を受け、小さな不具合の段階で直すことが長持ちにつながります。
Q5. 色はどのように選べばよいですか?
A. 外壁、雨樋、サッシ、玄関との組み合わせで選びましょう。
ブラックやチャコールなどの濃色は外観を引き締めやすく、さまざまな外壁に合わせやすい色です。
一方、濃色は明るい色より表面温度が上がりやすい傾向があるため、遮熱性や外観の好みを含めて比較してください。
小さな色見本と実際の屋根では、面積効果や光の当たり方によって見え方が変わります。
施工写真や大きめのサンプルを見ながら選ぶと、完成後のイメージ違いを減らせます。
Q6. 相見積もりは何社くらい取ればよいですか?
A. 私は、できれば3社程度から見積もりを取ることをおすすめしています。
ただし、総額だけを並べても正しく比較できません。
屋根面積、使用商品、防水シート、役物、換気棟、下地補修、保証範囲など、見積条件をそろえて比較してください。
極端な値引きや「今日契約すれば足場無料」といった提案を受けた場合は、値引き前の金額ではなく、工事内容と最終金額を冷静に確認しましょう。
Q7. メーカー保証と施工会社の保証は何が違いますか?
A. メーカー保証は、主に屋根材という製品そのものに対する保証です。
スーパーガルテクトでは、条件を満たして保証登録を行った場合、塗膜、赤さび、穴あきがそれぞれ定められた期間の保証対象になります。
一方、施工会社の保証は、防水シート、固定、板金の納まりなど、工事に起因する不具合を対象とするものです。
保証の対象や期間は会社ごとに異なるため、契約前に保証書の見本を見せてもらいましょう。
メーカー保証の詳しい免責条件は、施工時点のアイジー工業公式保証規定をご確認ください。
スーパーガルテクトで後悔しないために大切なこと
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
スーパーガルテクトは、軽量で耐食性に配慮され、断熱材も一体化した、屋根カバー工法に適した屋根材です。
築年数が進み、スレート屋根の割れや反りが増えているものの、野地板や建物構造が健全な住宅では、有力な選択肢になります。
一方で、製品名や保証年数だけで選んではいけません。
屋根勾配、流れ長さ、下地、太陽光パネル、沿岸部の保証条件、防水シート、換気経路まで確認して、初めて屋根材の性能を生かせます。
この記事の重要なポイントをまとめます。
耐食性:2%のマグネシウムを加えた超高耐久ガルバを使用していますが、傷や塩害に対して完全に錆びない屋根材ではありません。
保証:標準品は塗膜15年、赤さび20年、穴あき25年に対応しますが、保証登録、地域、施工、維持管理などの条件があります。
軽量性:本体は約5kg/㎡で追加荷重を抑えやすい一方、カバー工法自体を耐震補強と考えないことが大切です。
施工条件:2.5寸以上の勾配が必要で、3.5寸未満では流れ長さや防水シートに追加条件があります。
施工品質:屋根材だけでなく、防水シート、野地板、ビス、谷、壁際、換気計画が屋根全体の寿命を左右します。
工法選び:下地が腐っている住宅や雨漏りが進んだ住宅では、カバー工法より葺き替えが適する場合があります。
私たちアップリメイクは、亡き父が1973年に創業して以来、静岡の地で屋根・外壁塗装リフォームに携わってきました。
2026年4月末時点で、施工実績は6,000件を超えています。
ただ、実績の数が多ければ、それだけでよい工事ができるとは考えていません。
どれほど性能の高い屋根材を使っても、現場を確認する人、提案する人、実際に施工する職人が、見えない部分まで誠実に向き合わなければ、材料本来の性能は発揮できないからです。
アップリメイクでは、営業だけで契約を進めるのではなく、屋根の状態とお客様のライフプランを確認し、塗装で十分なのか、カバー工法が必要なのか、葺き替えるべきなのかを考えます。
高額な工法を無条件におすすめすることはありません。
数年後に建て替える予定であれば、最低限の補修が合う場合もあります。
これから長く住み続けるのであれば、将来の足場費用やメンテナンス回数まで考えて、耐久性の高い工法を選ぶ意味が出てきます。
実際の仕上がりや施工内容を確認したい方は、アップリメイクの施工事例も参考にしてください。
業者選びで迷っている方は、工事を依頼された方の感想を掲載しているお客様の声もご覧いただけます。
「うちの屋根は塗装で済むのかな」
「屋根材の名前が分からない」
「パミールやコロニアルNEOかもしれない」
「他社からスーパーガルテクトを提案されたけれど、見積もりが適正か確認したい」
このような段階でも大丈夫です。
工事を決める前に、まず現在の屋根を正確に知ることが、後悔を防ぐ第一歩です。
無料診断では、屋根材の種類、劣化状態、塗装の可否、カバー工法の適合、下地や雨漏りの疑いなどを確認し、必要な工事と急がなくてもよい工事を分けてお伝えします。
見積もりを取ったからといって、すぐに契約する必要はありません。
あなたの大切な家を、この先どのように守っていくかを考えるための判断材料としてご利用ください。









