ガルテクトの屋根カバー工法とは?費用相場・メリット/デメリット・失敗しない選び方

スーパーガルテクトを使用した金属屋根リフォームの施工イメージと賢い選択というキャッチコピー

こんにちは、株式会社アップリメイク代表取締役の齋藤直樹です。

「築20年を超えて、スレート屋根の色あせやコケが目立ってきた」

「近所の家が屋根工事を始めたけれど、うちは塗装でいいのか、それともカバー工法にすべきか迷っている」

そんな切実なご相談を、私たちも毎日のようにいただきます。

特に、将来的なメンテナンスコストや耐久性を真剣に考えられている、30代から40代のお客様の間で、今最も選ばれているのがアイジー工業の金属屋根材「スーパーガルテクト」を用いた屋根カバー工法です。

インターネットで検索すると「最強の屋根材」「メンテナンスフリー」といった魅力的な評判を目にすることも多いですが、プロの視点から冷静に見ても、その性能は確かに頭一つ抜けています。

しかし、どんなに優れた製品であっても、メリットばかりではありません。

施工方法をひとつ間違えればその性能は半減しますし、適さない条件の家に無理やり施工すれば雨漏りの原因にもなりかねません。

この記事では、静岡県で創業から50年以上、外壁・屋根塗装の専門家として、そして現場を知り尽くした職人として、スーパーガルテクトの実力とリアルな費用、そして絶対に知っておくべき注意点を、包み隠さず誠実にお伝えします。

カタログスペックの羅列ではなく、現場で培った「生きた知識」を提供することをお約束します。

記事のポイント

  • スーパーガルテクトが「次世代の屋根」と呼ばれる技術的な理由とSGL鋼板の秘密
  • 30坪の住宅でカバー工法を行った場合のリアルな費用相場と見積もりの詳細内訳
  • 太陽光パネルの設置や塩害地域での採用など、導入前に知っておくべき保証のリスク
  • 手抜き工事を防ぎ、家を30年長持ちさせるための施工品質管理の重要ポイント

ガルテクトカバー工法が選ばれる理由

既存の屋根材の上に防水シートと新規屋根材(スーパーガルテクト)を被せて完全密閉するカバー工法の断面図

数ある屋根材の中で、なぜこれほどまでに「スーパーガルテクト」が指名されるのでしょうか。

単なる流行やデザイン性だけではなく、そこには物質工学に基づいた明確な理由と、高温多湿で地震の多い日本の住宅事情に完全にマッチした機能性があります。

次世代ガルバリウム「SGL鋼板」の実力

スーパーガルテクトの最大の特徴であり、最強たる所以は、素材に使われている「SGL(エスジーエル)鋼板」という革新的な金属にあります。

これは、長らく金属屋根の主流であった「ガルバリウム鋼板(GL)」をさらに進化させた、まさに次世代の素材です。

従来のガルバリウム鋼板は、アルミニウム55%、亜鉛43.4%、シリコン1.6%のめっき層を持つことで、亜鉛の「犠牲防食作用(自らが溶けて鉄を守る)」とアルミニウムの「不動態皮膜形成作用(強力な保護膜を作る)」を組み合わせ、高い耐久性を実現していました。

しかし、塩害地域や酸性雨の影響下では、どうしても切断面(エッジ部)からの錆の進行が避けられないという課題がありました。

スーパーガルテクトに採用されているSGL鋼板は、このガルバリウム鋼板のめっき組成に、新たに「マグネシウム(Mg)」を2%添加しています。

たった2%と思われるかもしれませんが、このマグネシウムが金属の腐食メカニズムにおいて劇的な働きをします。

マグネシウムによる「自己修復作用」の秘密
マグネシウムは、めっき層から亜鉛が溶け出す際に共存することで、生成される保護被膜(シモンコライトなど)を極めて緻密で、水に溶けにくい性質へと変化させます。
この緻密な被膜が、鋼板の切断面や傷部分を強力に覆い隠すように広がり、まるで傷を自ら治すかのような「自己修復的な作用」を発揮して、錆の進行を強力に抑え込むのです。

SGL鋼板に含まれるマグネシウムが緻密な膜を作り、傷ついた部分を自己修復して錆を防ぐイメージ図

メーカーであるアイジー工業や日本製鉄の過酷な暴露試験データによると、SGL鋼板は従来のガルバリウム鋼板と比較して、約3倍の耐食性(錆びにくさ)を有することが実証されています。

これにより、メーカー保証も「穴あき25年」「赤さび20年」という、ひと昔前のトタン屋根では考えられなかった長期保証が実現しています。

「金属屋根=錆びる」という常識は、SGL鋼板の登場によって過去のものとなりつつあります。

断熱材一体型による快適性と遮音性

「金属屋根にすると、夏は部屋が暑くて、雨が降るとうるさいのではないか?」

これは、金属屋根をご検討されるお客様から、ほぼ100%いただくご質問です。

確かに、断熱材のない一枚板の金属屋根(いわゆるトタン屋根や安価な板金屋根)では、そのような問題が発生します。

しかし、スーパーガルテクトに関しては、その心配は無用と言ってよいでしょう。

なぜなら、スーパーガルテクトは鋼板単体ではなく、表面のSGL鋼板と、裏面のアルミライナー紙の間に、「断熱材(ポリイソシアヌレートフォーム)」が隙間なく充填され、一体成型された「サンドイッチ構造」になっているからです。

この構造により、以下の2つの劇的な効果が生まれます。

遮熱性のある黒色鋼板、厚い発泡断熱材、アルミ紙が一体化したスーパーガルテクトの断面構造図

  • 圧倒的な遮熱・断熱性:表面の塗装には「遮熱顔料」が配合されており、太陽光の赤外線を反射して熱の吸収を抑えます。さらに、芯材として充填されているポリイソシアヌレートフォームは、一般的な硬質ウレタンフォームよりも難燃性が高く、熱伝導率が極めて低い優秀な断熱材です。
    屋根カバー工法では、既存の屋根材と新しいスーパーガルテクトの間に空気層も形成されるため、この「断熱材+空気層」のダブル効果で、夏場の2階の室温上昇を体感レベルで抑制します。
    「以前は夏になると2階がサウナのようだったのが、工事後は冷房の効きが良くなった」というお声を多数いただいています。
  • 驚きの遮音性(制振性):金属屋根の音の問題は、雨粒が当たった衝撃で薄い板が振動することで発生します。
    スーパーガルテクトは、鋼板の裏側にびっしりと断熱材が密着しているため、これがクッションとなり振動を吸収・減衰させる「制振材」としての役割を果たします。
    メーカーの実験では、豪雨時の雨音も「図書館の中」程度の静けさまで低減されることが確認されています。
    既存のスレート屋根(コロニアル)と比較しても同等、あるいはそれ以上の静粛性があり、日常生活で雨音が気になることはほとんどありません。

◆斎藤のワンポイントアドバイス

実際にスーパーガルテクトへリフォームされたお客様の多くが、工事完了後の最初の雨の日に「本当に静かで驚いた」と連絡をくださいます。

昔のトタン屋根の「バラバラ」という音とは全く別物ですので、安心してください。

また、断熱性の向上は冬場の寒さ対策にも有効で、一年を通して快適な住環境を作り出してくれます。

スーパーガルテクトの主なメリット

素材の良さだけでなく、建物全体に及ぼす構造的なメリットについても見ていきましょう。

特に地震大国である日本において、屋根の軽量化は、建物の寿命と家族の命を守る防災の観点からも非常に重要な意味を持ちます。

圧倒的な軽量化で耐震性が向上

耐震性能において、「屋根の軽さ」は絶対的な正義です。

物理学の法則(F=ma)により、建物の最も高い位置にある屋根が重ければ重いほど、地震の際に建物全体を揺さぶる水平力(地震力)は大きくなります。

頭の重い振り子ほど、大きく揺れるのと同じ原理です。

スーパーガルテクトの重量は、1㎡あたり約5kgという驚異的な軽さを誇ります。

これを他の屋根材と比較すると、一般的なスレート屋根(約20kg/㎡)の4分の1、伝統的な日本瓦(土葺きで約50kg/㎡以上)と比較すると約10分の1という圧倒的な差になります。

日本瓦(約50kg)、スレート(約20kg)とスーパーガルテクト(約5kg)の1平米あたりの重量比較グラフ

屋根カバー工法を検討される際、「既存の屋根の上に新しい屋根を重ねるから、重くなって耐震性が下がるのでは?」と心配される方もいらっしゃいます。

確かに重量は増えますが、計算してみましょう。

既存のスレート屋根(約20kg)の上に、スーパーガルテクト(約5kg)を重ねても、合計で約25kg/㎡程度です。

これは、最も重い日本瓦の半分程度の重量にしか満たないのです。

構造計算上、この程度の重量増加は、柱や梁の許容応力度に対して極めて軽微であり、建物の倒壊リスクを高めるものではありません。

むしろ、既存が重いセメント瓦などの場合、それを撤去してスーパーガルテクトに葺き替えることで、劇的な耐震改修になります。

また、スレート屋根へのカバー工法であっても、屋根全体が一体化されることで構造用合板のような面剛性が高まり、建物の重心位置を低く保ちながら揺れ幅(層間変形角)を抑制する効果も期待できます。

大掛かりな壁の補強工事を行うことなく耐震性を向上させる、コスト対効果の高い減災リフォームと言えるでしょう。

塩害地域でも対応可能な耐久性

静岡県のように海に面した地域では、「塩害」による屋根の錆びが大きな悩みとなります。

潮風に含まれる塩分は、金属の酸化を急速に早めるため、従来の金属屋根材では、海岸近くでの使用は敬遠されてきました。

しかし、先ほどご紹介したSGL鋼板の強力な防錆能力(マグネシウムによる自己修復作用)により、これまで金属屋根の使用が難しかった塩害地域でも採用が可能になりました。

これは屋根業界における革命的な進歩です。

従来のガルバリウム鋼板では、メーカーの保証規定において「海岸線から5km以内の地域は保証対象外」とされるケースが多く、静岡市や焼津市などの多くのエリアが保証を受けられない範囲に含まれていました。

しかし、スーパーガルテクト(SGL鋼板)では、その圧倒的な耐食性により、条件付きながら「海岸線から500m以遠」であれば、穴あき保証などのメーカー保証の対象となります(※具体的な距離や条件はメーカーの最新カタログをご確認ください)。

ただし、保証対象エリアであっても、塩分が全く付着しないわけではありません。

特に雨が当たらない「軒下」や、太陽光パネルの下などは、付着した塩分が雨で洗い流されずに蓄積しやすいため、腐食のリスクが残ります。

そのため、年に1〜2回程度、ホースで水をかけて塩分を洗い流すメンテナンスを行うことで、より長く美しい状態を保つことができます。

屋根カバー工法の耐久性や寿命について、より詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてください。

屋根カバー工法は何年持つ?耐用年数・寿命・長持ちさせるメンテ方法

導入前に知るべきデメリットと注意点

太陽光パネル設置時のメーカー保証対象外リスクと、2.5寸未満の緩勾配屋根への施工不可に関する警告

ここまでスーパーガルテクトの良い点ばかりをお伝えしてきましたが、プロとして誠実に、デメリットや潜在的なリスクについてもお話しなければなりません。

ここを理解せずに契約してしまうと、数年後に「こんなはずじゃなかった」と後悔することになりかねません。

太陽光パネル設置時のメーカー保証

昨今の電気代高騰やSDGsへの関心の高まりから、屋根リフォームと同時に、あるいは将来的に「太陽光発電パネル」を設置したいと考えるお客様が増えています。

しかし、スーパーガルテクトの上に太陽光パネルを設置する場合、メーカー保証に関して非常に重要な注意点があります。

現在、金属屋根への太陽光パネル設置は、屋根に穴を開けずに専用の金具で屋根材を挟み込んで固定する「キャッチ工法(掴み金物工法)」が主流です。

穴を開けないため雨漏りリスクが低い優れた工法ですが、アイジー工業の製品保証規定では、基本的に「太陽光パネルの設置に起因する不具合(屋根材の変形、塗膜の剥離、そこから発生した錆など)」については免責(保証対象外)となります。

ここが最大の注意点!
屋根カバー工法を行って「穴あき25年保証」がついたとしても、その後に太陽光パネルを載せた瞬間、パネルが載っている部分やその影響を受けた部分に関しては、屋根材メーカーの保証が適用されなくなるリスクがあります。
パネルの重量や風圧による負荷で屋根材が変形したり、金具との接触部で電食(異種金属接触腐食)が起きたりする可能性があるからです。

対策として、太陽光パネルを設置する場合は、以下のいずれかの対応が必須です。

1. 太陽光パネルメーカー側が、屋根材の破損も含めて保証する制度を持っているか確認し、加入する。

2. アイジー工業が認定している特定の純正金具や工法を使用する(ただし、それでも全範囲が保証されるとは限りません)。

事前に、屋根工事業者と太陽光設置業者の双方に「施工後に雨漏りや屋根の破損が起きた場合、どちらが責任を持つのか」を書面で確認させることが不可欠です。

施工不可となる屋根勾配の制限

スーパーガルテクトは万能な屋根材のように思えますが、実はどんな屋根にでも施工できるわけではありません。

特に気をつけたいのが「屋根の勾配(傾斜の角度)」です。

メーカーの施工マニュアルでは、2.5寸勾配(約14度)以上の屋根であることが施工の必須条件となっています。

これより緩やかな勾配の屋根に無理やり施工するとどうなるでしょうか。

屋根の傾斜が緩いと、降った雨がスムーズに軒先へ流れ落ちず、屋根の上に滞留する時間が長くなります。

すると、強風を伴う雨などの際に、屋根材の継ぎ目(ハゼ)から水が逆流する「毛細管現象」が発生しやすくなり、雨漏りの原因となるのです。

特に、金属屋根は表面が滑らかで水切れが良い反面、継ぎ目の防水性は勾配に依存する部分が大きいのです。

ご自宅の屋根勾配が分からない場合は、必ず現地調査の際にプロに測定してもらいましょう。

「大丈夫ですよ」と感覚だけで判断する業者は危険です。

もし2.5寸未満の緩勾配であれば、スーパーガルテクトではなく、0.5寸勾配から対応可能な「立平葺き(たてひらぶき)」など、緩勾配に特化した別の金属屋根工法を検討する必要があります。

気になる費用相場とコスト構造

皆様が最も気にされる「費用」についてです。

屋根リフォームは決して安い買い物ではありません。

適正価格を知り、見積もりの内容を正しく理解することで、無駄な出費を抑えつつ、確実な工事を行うことができます。

30坪の工事費目安と見積もり内訳

一般的な戸建て住宅(延床面積30坪、屋根面積70〜80㎡程度、切妻または寄棟屋根)において、スーパーガルテクト(標準モデル)を用いた屋根カバー工法を行う場合の費用総額は、80万円〜150万円(税別)が適正な相場のボリュームゾーンとなります。

「随分と幅があるな」と思われるかもしれませんが、これは屋根の形状(複雑さ)、足場の設置条件(隣家との距離や3階建てか否か)、そして付帯工事(雨樋交換や雪止め設置など)の有無によって総額が大きく変動するためです。

適正な見積もりかどうかを判断するために必要な、各工程の単価目安と構成比率は以下の通りです。

工事項目 単価目安 内容・注意点
仮設足場設置 600〜1,000円/㎡ 飛散防止ネット含む。屋根工事では安全確保のため必須です。「足場無料」を謳う業者は単価を他に上乗せしている可能性が高いので注意。
下葺き材
(ルーフィング)
800〜1,500円/㎡ 最重要項目。耐久性の高い「改質アスファルトルーフィング(ゴムアス)」、特に「粘着式」の使用を推奨します。
本体施工費
(材料・手間)
9,000〜12,000円/㎡ スーパーガルテクト本体価格と職人の施工費。屋根形状が複雑(谷やドーマーがある)だと手間賃が上がります。
役物取付
(棟・軒先等)
2,500〜4,000円/m 棟(むね)、ケラバ、軒先、谷樋などの板金部材。長さ(m)で計算します。換気棟の設置もここに含まれます。
既存役物撤去費 30,000〜50,000円/式 既存の棟板金や雪止めを撤去・処分する費用。

特に足場代は、一般的な住宅で15万円〜25万円程度かかります。

屋根工事のためだけに足場を組むのはもったいないため、外壁塗装や雨樋交換を同時に行うことで、足場代を一回分節約し、トータルコストを圧縮する戦略が非常に有効です。

屋根カバー工法の詳細な費用相場や、安く抑えるコツについては、以下の記事でも詳しく解説しています。

屋根カバー工法の費用相場はいくら?平米単価・内訳・安くするコツ

葺き替えよりお得なコストパフォーマンス

屋根のメンテナンス方法として「葺き替え(古い屋根を全て撤去して新しくする)」と比較されることが多いですが、コストパフォーマンスの観点ではカバー工法に圧倒的な軍配が上がります。

その最大の理由は「廃材処分費」の違いです。

特に、カバー工法の対象となる築20年以上のスレート屋根(2006年以前製造)には、高い確率で有害物質である「アスベスト(石綿)」が含まれています。

葺き替え工事を行う場合、このアスベスト含有建材を撤去・処分するためには、法規制に基づいた厳格な飛散防止措置と、特別管理産業廃棄物としての高額な処理が必要となります。

これにかかる費用だけで、通常の処分費に加え、30万〜50万円以上の追加コストが発生することも珍しくありません。

さらに、解体作業に伴う騒音や粉塵の飛散リスク、工期の長期化も避けられません。

一方、カバー工法であれば、既存のアスベスト含有屋根材を解体せずに、新しい屋根材で完全に覆って「封じ込める」ことができるため、この高額な撤去・処分費をほぼゼロ(棟板金などの一部撤去のみ)に抑えることができます。

屋根葺き替え工事とカバー工法における廃材処分費用の有無とコストの違いを表したイメージ図

この浮いた数十万円の予算を、よりグレードの高い屋根材(スーパーガルテクトなど)や、外壁塗装、断熱改修などに回すことができるのが、カバー工法の最大の経済的メリットです。

初期費用だけでなく、30年間のライフサイクルコスト(LCC)で見ても、10年ごとに塗装を繰り返すより、一度カバー工法を行って30年持たせる方が、トータル支出は圧倒的に安くなります。

失敗しない施工と品質管理のポイント

どんなに最高級の材料を使っても、施工するのは現場の「職人」です。

知識不足による間違った施工や、見えない部分での手抜き工事を防ぐために、お客様ご自身でもチェックしていただきたい重要な技術的ポイントがあります。

下葺き材は粘着式ルーフィングを推奨

屋根カバー工法において、スーパーガルテクトの下に隠れてしまう「防水シート(ルーフィング)」の選定は、実は屋根材本体と同じくらい、あるいはそれ以上に重要な最重要項目です。

なぜなら、万が一屋根材の継ぎ目から水が入った時に、雨漏りを食い止める「最後の砦」だからです。

私たちアップリメイクでは、一般的なタッカー(大型ホッチキス)で留めるタイプではなく、「粘着式(裏面が強力なシール状になっている)」の改質アスファルトルーフィング(例:タディスセルフなど)の使用を強く推奨しています。

その理由は、既存のスレート屋根の状態にあります。

築20年を経たスレート屋根は、経年劣化で脆くなっていたり、ひび割れていたりすることが多く、通常の釘やタッカーが効きにくい(保持力が弱い)場合があります。

また、タッカーを打ち込む衝撃でスレートがさらに割れてしまうリスクもあります。

粘着式のルーフィングであれば、既存屋根にピタリと接着するため、強風で剥がれる心配がなく、釘やビスを打ち込んだ際も、その粘着層が釘周りに絡みついて穴を塞ぐ「止水性」を発揮し、漏水リスクを最小限に抑えることができます。

特に、層間剥離(ミルフィーユ現象)を起こしやすいニチハ製「パミール」などの屋根材には、釘が効かないため、この粘着式ルーフィングが必須となります。

粘着式ルーフィング(防水シート)が釘に密着し、隙間からの水の侵入を防いでいる拡大写真

見積もりチェックポイント
見積書の項目に「改質アスファルトルーフィング」「粘着式」といった具体的な記載があるか確認しましょう。
単に「ルーフィング」としか書かれていない場合は、安価な製品を使われる可能性があります。
「どこのメーカーの何という商品を使いますか?」「それは粘着式ですか?」と業者に質問することをお勧めします。

結露を防ぐ換気棟設置の重要性

カバー工法を行うと、屋根が二重構造になり気密性が高まるため、適切な対策をしないと、小屋裏(屋根裏)に湿気がこもりやすくなるリスクがあります。

特に冬場、室内の暖かい空気が小屋裏に漏れ出し、冷やされた屋根の野地板(木材)に触れると、そこで「小屋裏結露」が発生します。

この結露を放置すると、野地板が腐食して強度が低下したり、カビが繁殖したりして、家全体の寿命を縮める原因となります。

これを防ぐためには、屋根の頂点部分に「換気棟(かんきむね)」を設置し、小屋裏の湿気や熱気を外部に排出する「空気の通り道」を確保することが不可欠です。

屋根の棟部分に取り付けた換気棟から、軒下の新鮮な空気を取り込み熱気や湿気を排出する循環図

具体的には、屋根の頂上部分の野地板を一部カットして通気口を開け、そこから雨が入らない特殊な構造を持った換気部材を取り付けます。

これにより、小屋裏の空気が常に循環し、木材を乾燥した健康な状態に保つことができます。

残念ながら、コストを安く見せるため、あるいは知識がないために、この換気棟を提案しない業者も存在します。

見積もりに「換気棟」が含まれているか必ず確認し、もしなければ「換気棟をつけてほしい」と依頼すべきです。

数万円のコストで家の寿命が大きく変わります。

結露対策のメカニズムや重要性については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。

屋根カバー工法で結露・雨漏りが起きる原因と対策(防水シートの重要性)

屋根カバー工法に関するよくある質問(FAQ)

Q1. スレート屋根の塗装とカバー工法、どちらが良いのでしょうか?

A. 屋根の状態と今後のライフプランによります。

築10〜15年程度で、スレートに大きな割れや反りがなければ「塗装」で十分コストを抑えられます。

しかし、築20年以上でスレートの劣化(ひび割れ、剥離)が進行していたり、今後その家に30年以上住み続ける予定であれば、塗装を繰り返すよりも耐久性が高く、将来的なコストが安い「カバー工法」が圧倒的におすすめです。

特にアスベストを含まない時期のスレート(パミール等)は塗装ができないため、カバー工法一択となります。

Q2. 住みながら工事をすることは可能ですか?

A. はい、問題なく可能です。

カバー工法は既存の屋根を解体しないため、室内に大量のホコリが落ちたり、工事中に雨漏りしたりするリスクが非常に低く、普段通りの生活を送っていただけます。

足場の設置時や、屋根材を固定する際のビス打ち作業中は多少の音が出ますが、生活に支障が出るレベルではありません。

もちろん、近隣の方々へのご挨拶や配慮も私たちが責任を持って行います。

Q3. 工事期間はどのくらいかかりますか?

A. 一般的な30坪程度の住宅であれば、実質的な屋根工事期間は5日〜10日程度です。

足場の組み立てと解体を含めても、おおよそ2週間前後を見ていただければ完了します。

ただし、屋根工事は天候に左右されやすいため、雨天時は安全と品質確保のために作業を中止します。

そのため、梅雨や台風の時期などは工期が少し伸びる可能性があります。

Q4. 色選びで人気があるのは何色ですか?

A. スーパーガルテクトのカラーバリエーションの中で、最も人気があるのは「シェイドブラック」や「シェイドチャコール」などの黒・濃茶系です。

これらは重厚感があり、どんな外壁の色にも合わせやすく、汚れも目立ちにくいのが特徴です。

また、遮熱効果を特に重視される方には、日射反射率が高く設定されている「シェイドブルー」や「シェイドモスグリーン」なども選ばれています。

サンプルをお持ちして実際の見え方を確認していただくことも可能です。

30年先を見据えた誠実なご提案

メンテナンスの手間とコストを削減し、職人直営品質で家を守るという株式会社アップリメイクのメッセージ

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

スーパーガルテクトによる屋根カバー工法は、初期費用こそ100万円〜150万円程度かかりますが、その後20年、30年とメンテナンスの手間や塗装コストを大幅に減らせる、非常にコストパフォーマンスの高い賢明なリフォームです。

「家を守る」という機能性において、現時点でこれ以上の選択肢は少ないと言えるでしょう。

この記事で解説したポイントをまとめます。

耐久性:SGL鋼板の自己修復作用により、従来比3倍の錆びにくさを実現し、塩害地域でも採用可能。

快適性:断熱材一体型のサンドイッチ構造で、夏場の暑さと雨音を劇的に軽減。

経済性:アスベスト処分の高額費用をカットできるため、葺き替え工事よりも圧倒的に低コスト。

施工の肝:「粘着式ルーフィング」による止水と、「換気棟」による結露対策が長持ちの条件。

私たちアップリメイクは、創業以来、静岡の地で「職人直営」にこだわり続けてきました。

それは、ただ工事を請け負うだけでなく、お客様が30年後も「あの時、アップリメイクに頼んでよかった」と笑顔で言っていただけるような、嘘のない仕事をしたいと考えているからです。

だからこそ、メリットだけでなくデメリットも包み隠さずお話ししますし、お客様からは見えない下地処理や、ルーフィングの選定、換気計画にこそ、徹底的にこだわります。

「ウチの屋根はカバー工法ができるの?」「パミールかもしれない」「他社の見積もりが適正か見てほしい」

そんな疑問や不安をお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

営業マンではなく、経験豊富なプロの職人が、あなたの家にとっての最適解を一緒に考えさせていただきます。

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  • この記事を書いた人

齋藤直樹

(株)アップリメイク代表取締役で元職人、塗装という仕事が大好きです。人生の大きな挫折と数多くの出会いを経て今は大好きな地元・静岡で、お客様の笑顔のために仕事ができることに何よりの誇りを感じています。

▼保有資格▼
1級建築塗装技能士・2級建築施工管理技士・有機溶剤作業主任者・高所作業主任者・2級カラーコーディネーター・光触媒施工技能士・乙4類危険物取扱者・ゴンドラ特別教育・職長・安全衛生責任者・第2種酸素欠乏危険作業主任者・宅地建物取引主任者・2級ファイナンシャルプランニング技能士・AFP