屋根カバー工法は何年持つ?耐用年数・寿命・長持ちさせるメンテ方法

屋根カバー工法という選択・30年後も安心できる住まいへ

こんにちは、株式会社アップリメイク代表取締役の齋藤直樹です。

「屋根のメンテナンス、そろそろ考えないとなぁ…」

「塗装にするか、カバー工法にするか迷っているけど、本当に長持ちするのはどっち?」

そんなお悩みを抱えて、このページにたどり着いたのではないでしょうか。

大切なお住まいのことですから、安くない費用をかけてリフォームする以上、「またすぐに工事が必要になった」なんて事態は絶対に避けたいですよね。

特に屋根カバー工法は、近年急速に普及している工法であるがゆえに、インターネット上で「メンテナンスフリー」だとか「半永久的」といった魅力的な言葉が並ぶ一方で、「内部結露で家が腐る」「重量で耐震性が落ちる」といった怖い情報も目にすることがあり、何が真実なのか判断に迷われる方が非常に多いのが現状です。

私は元々、塗装職人としてキャリアをスタートさせました。

1973年に父が創業した塗装店を受け継ぎ、現場で数多くの「劣化した屋根」や「雨漏りした屋根」を見てきた経験から断言できるのは、「屋根カバー工法は、正しい知識と誠実な施工さえ行えば、家の寿命を劇的に延ばす最強の選択肢になる」ということです。

この記事では、カタログスペックだけではない、現場のプロだからこそ知る「リアルな耐用年数」と、それを最大限に引き出すためのポイントを、包み隠さずお伝えします。

単なる工法の解説ではなく、静岡の気候風土を知り尽くした私たちが、お客様の「30年後の安心」を守るための情報をすべて詰め込みました。

記事のポイント

  • 屋根カバー工法の現実的な寿命と、塗装工事との決定的な違い
  • 「SGL鋼板」や「石粒付き屋根」など、素材ごとの耐久性の差
  • 30年スパンで見た場合の、塗装とカバー工法のコスト比較
  • メーカー保証の対象外になりかねない、施工環境のリスクと対策

屋根カバー工法の耐用年数は何年?

まず結論から申し上げますと、屋根カバー工法の寿命は、一般的な塗装工事とは比較にならないほど長持ちします。

しかし、「カバー工法=一生もの」と安易に考えるのは危険です。

ここでは、その具体的な年数と、なぜそこまで長持ちするのか、その構造的な理由について深掘りして解説します。

一般的な寿命は20年~50年

屋根カバー工法を行った場合の期待耐用年数は、使用する屋根材にもよりますが、おおむね20年から50年と言われています。

「20年と50年では倍以上違うじゃないか」と思われるかもしれません。

この差は、大きく分けて「採用する屋根材の素材グレード」と「施工品質」の掛け合わせによって生まれます。

例えば、現在主流となっているガルバリウム鋼板(特にSGLと呼ばれる次世代型)を使用した場合、メーカーによる「穴あき保証」だけでも25年が付帯されることが一般的です。

これは、「25年以内に腐食して穴が開いたらメーカーが責任を持って無償で製品を保証する」という非常に強力な約束です。

家電製品の保証が通常1年〜5年であることを考えると、この「25年保証」がいかに異例の長さであるかがお分かりいただけると思います。

メーカーが「25年は絶対に大丈夫」と担保しているということは、実質的な寿命(物理的に屋根として機能しなくなるまでの期間)は、その先の30年、40年と続く可能性が極めて高いことを意味しています。

実際に、私たちが施工させていただくお客様、特に30代〜40代の子育て世代の方には、「今回しっかりとした素材でカバー工法を行えば、お子様が独立し、ご自身が定年退職を迎える頃まで、屋根に関する大きな心配事はなくなりますよ」とお伝えしています。

ただし、これはあくまで「適切な施工」が行われた場合の数値です。

下地処理を怠ったり、安価な防水シートを使用したりすれば、屋根材そのものは無事でも、屋根としての寿命はもっと短くなってしまいます。

だからこそ、「何を使うか」と同じくらい「誰がどう工事するか」が重要なのです。

ここがポイント

「期待耐用年数」とは、メンテナンスを適切に行った場合に機能を持続できる期間のことです。

カバー工法は一度施工すれば終わりではなく、定期的な点検を行うことで、50年近い寿命を実現できるポテンシャルを持っています。

塗装工事とカバー工法の違い

屋根塗装とカバー工法の寿命比較図・お化粧直しではなく屋根の再生

屋根のリフォームを検討する際、多くの方が「塗装」と「カバー工法」で迷われます。

塗装の方が費用が安いため魅力的に見えますが、耐用年数の観点からは決定的な違いがあります。

屋根塗装の耐用年数は、シリコン塗料で約10年~13年、弊社で扱うような高級なフッ素塗料を使っても15年〜20年程度が一般的です。

なぜこれほどまでに寿命に差が出るのでしょうか。

それは、工事の「目的」と「守る対象」が根本的に異なるからです。

まず、「塗装工事」についてです。

塗装は、既存の屋根材(スレートなど)の表面に新しい塗膜を作り、紫外線を防いで防水性を高める作業です。

これは言わば「お化粧直し」や「延命措置」に過ぎません。

塗膜が新しくなっても、その下にあるスレート材自体の経年劣化(ヒビ割れや反り)は止まりませんし、何より、屋根の防水の要である「防水シート(ルーフィング)」は古いままなのです。

一方、「屋根カバー工法」は全く別次元の工事です。

既存の屋根の上に、新品の高性能な「防水シート(ルーフィング)」を敷き詰め、さらにその上に新品の「金属屋根材」を固定します。

つまり、屋根の防水機能を担う「二次防水(ルーフィング)」と「一次防水(屋根材)」の双方が完全に新品になるのです。

これは「お化粧直し」ではなく、「屋根の再生(リボーン)」です。

築20年を超えたお住まいの場合、防水シートはすでに寿命を迎えて硬化し、破れやすくなっています。

この状態でいくら表面だけ綺麗に塗装しても、雨漏りのリスクは消えません。

根本的な安心を手に入れ、家の寿命そのものを延ばすのであれば、構造的に新品同様になるカバー工法に圧倒的な軍配が上がるのです。

【素材別】屋根材の寿命と特徴

「カバー工法」と一口に言っても、使用する屋根材には様々な種類があり、それぞれ特徴や寿命が異なります。

屋根材選びは、その後の人生におけるメンテナンス頻度やランニングコストに直結する重要な決断です。

ここでは、現在市場で選ばれている主要な素材について、プロの視点で徹底解説します。

次世代ガルバリウム「SGL」の実力

今、屋根カバー工法の世界でスタンダードとなり、私たちアップリメイクでも最も強く推奨しているのが「SGL(エスジーエル)鋼板」です。

かつて金属屋根といえば「トタン」が主流でしたが、錆びやすいのが欠点でした。

その後登場した「ガルバリウム鋼板」は、アルミニウムと亜鉛の合金メッキにより耐久性が飛躍的に向上しました。

しかし、SGLはそのガルバリウムをさらに進化させた、まさに「次世代の金属屋根」です。

SGLの最大の特徴は、メッキ層に「2%のマグネシウム」が添加されている点です。

たった2%と思うかもしれませんが、このマグネシウムが魔法のような働きをします。

従来のガルバリウム鋼板では、切断面や傷がついた部分において、亜鉛が溶け出して鉄を守る「犠牲防食作用」が働いていましたが、亜鉛が尽きると錆が進行してしまう弱点がありました。

SGL鋼板の実力・3倍超の耐食性とメーカー穴あき保証25年

対してSGLでは、マグネシウムが亜鉛とともに溶け出すことで、より緻密で安定した保護被膜(シモンコライトなど)を形成し、傷口を強力に塞ぎます。

メーカーの実験データによれば、このメカニズムにより、SGLは従来のガルバリウム鋼板と比較して「3倍超」の耐食性を実現しています。

この圧倒的な耐久性は、メーカー保証にも反映されています。

例えば、私たちがよく採用するアイジー工業の「スーパーガルテクト」などのSGL製品には、「塗膜変褪色20年」「赤さび20年」「穴あき25年」という長期保証が標準でついてきます。

静岡県は海に近い地域も多いですが、SGLの登場によって、塩害のリスクがあるエリアでも金属屋根を安心して選べるようになりました。

コストパフォーマンスと耐久性のバランスにおいて、現在これ以上の選択肢はないと言っても過言ではありません。

詳しくは以下の記事でもSGLの特徴について解説していますので、素材選びの参考にしてみてください。

屋根カバー工法のメリット・デメリット:向いている家/向かない家を整理

メンテナンスフリーの石粒付き屋根

もう一つの有力な選択肢として、「自然石粒仕上げ金属屋根(ジンカリウム鋼板など)」があります。

海外では「ストーンチップ鋼板」とも呼ばれ、北米や欧州で50年以上の実績を持つ屋根材です。

この屋根材の構造は、ガルバリウム鋼板と同等の耐久性を持つ鋼板(ジンカリウム)の表面に、アクリル樹脂を使って細かい「天然石の粒」をコーティングしたものです。

最大の特徴にして最大のメリットは、「塗り替えメンテナンスが原則不要」という点です。

一般的な金属屋根やスレート屋根は、表面が「塗装」されているため、紫外線によって塗膜が劣化し、10年〜15年ごとの塗り替えが必要になります。

しかし、石粒付き屋根の色は「天然石そのものの色」です。

石は紫外線で色あせることがほとんどないため、30年経っても美観がほとんど変わりません。

また、表面の石粒が凹凸を作っているため、雨粒が当たった時の音を拡散・吸収し、金属屋根特有の「雨音がうるさい」というデメリットを解消しています。

さらに、雪止め金具がなくても雪が滑り落ちにくいという特性もあります。

初期費用はSGL鋼板よりも高くなりますが、「将来、足場を組んで塗装するのが面倒」「死ぬまでメンテナンスフリーにしたい」という方には、このタイプが最適解となります。

生涯コストで考えれば、決して高い買い物ではありません。

屋根材の種類 期待耐用年数 メンテナンス頻度 詳細な特徴
SGL鋼板
(スーパーガルテクト等)
30~50年 15~20年毎に点検・美観のための塗装 現在の主流。断熱材一体型が多く、遮熱・断熱性能に優れる。コストと耐久性のバランスが最高。
石粒付き金属屋根
(ディプロマット等)
30~50年 原則フリー
(コケ洗浄程度)
塗り替え不要で美観維持。雨音が静か。初期費用は高めだが、ランニングコストは最安。
アスファルトシングル
(オークリッジ等)
20~30年 剥がれ・コケの点検が必要 金属ではないため錆びない。柔らかい素材で割れない。北面の日陰などでコケが生えやすいのが難点。

本当にお得?長期コストを徹底比較

「カバー工法は高い」というイメージをお持ちの方も多いでしょう。

確かに、一回の工事金額だけを見れば、塗装工事の方が安く済みます。

しかし、家は何十年も住み続けるものです。

目先の工事費だけでなく、将来かかる維持管理費を含めた「ライフサイクルコスト(生涯費用)」で比較すると、結果は全く違ったものになります。

30年間でのトータルコスト試算

屋根リフォーム30年間のトータルコスト比較グラフ・塗装とカバー工法の実質費用差

ここでは、最も一般的なケースとして、築15年の時点で初めて屋根リフォームを行うとし、その後30年間(築45年まで)にかかる費用の総額をシミュレーションしてみます。

※金額は標準的な30坪程度の住宅(足場代込み)を想定した目安です。

【パターンA:塗装工事で維持しようとした場合】

まず、築15年で1回目の屋根塗装を行います。

弊社の相場目安では、30坪で足場代込み約50万円~70万円ですが、ここでは将来的な補修費も見込んで約60万円~80万円と仮定します。

その後10年が経過し、築25年で塗膜が劣化するため、2回目の塗装を行います。

ここでも同程度の約60万円~80万円かかります。

さらに10年後、築35年。

この頃になると、スレート屋根材そのものが経年劣化で脆くなり、ヒビ割れや剥離が激しくなります。

多くの塗装業者が「もう塗装では持ちません」と判断する時期です。

雨漏りが発生するリスクも最大化します。

結局、築40年頃に「カバー工法」または「葺き替え」を余儀なくされます。

この時点での工事費は、将来の物価上昇等を考慮しなくても200万円程度はかかるでしょう。

30年間の合計支出:約320万円〜360万円

【パターンB:今、思い切ってカバー工法(SGL)をした場合】

築15年の現在、カバー工法を実施します。

費用は約150万円〜200万円と、初期投資は塗装の倍以上になります。

しかし、SGL鋼板の耐久性は30年以上です。

築35年の時点では、メーカー保証(穴あき25年)の期間を過ぎたばかりで、点検を行っても大きな異常がないケースがほとんどです。

築45年を迎える頃、ようやく次のメンテナンス(塗装など)を検討する時期に入ります。

30年間の合計支出:約150万円〜200万円

いかがでしょうか。

初期費用こそ大きくなりますが、トータルで見ると100万円以上の差が出ることが分かります。

塗装工事は「安く済む」のではなく、「支払いを先送りにして、総額を高くしている」に過ぎない場合があるのです。

費用相場については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。

屋根カバー工法の費用相場はいくら?平米単価・内訳・安くするコツ

将来の塗り替え不要が生むメリット

コスト面で決して忘れてはならないのが、工事のたびに発生する「足場代」です。

屋根工事を行うには、職人の安全確保と品質維持のために必ず足場を組む必要がありますが、一般的な戸建て住宅で1回あたり15万円〜30万円程度の費用がかかります。

塗装工事を選択するということは、10年〜15年ごとに、この「形に残らない仮設費」である足場代を支払い続けることを意味します。

30年で3回塗装すれば、足場代だけで数十万円が消えていく計算になります。

塗装工事のたびにかかる足場代の無駄とカバー工法によるメンテナンスコスト削減

一方、高耐久なカバー工法、特に「石粒付き金属屋根」を選べば、向こう30年間、屋根のために足場を組む必要がなくなります。

これは単なる金銭的なメリットだけではありません。

工事のたびに近隣へ挨拶回りをする手間、洗濯物が干せない期間のストレス、職人が家の周りに出入りする気疲れ…。

カバー工法による「メンテナンスフリー化」は、こうした精神的な負担からも解放してくれるのです。

◆斎藤のワンポイントアドバイス

私たちアップリメイクでは、ファイナンシャルプランナーの資格を持つスタッフも在籍しており、お客様のライフプランを必ずお聞きしています。

「あと10年住めればいい」「もうすぐ家を手放す」という方には塗装をお勧めしますが、「30代でこれから子育て、長く住みたい」という方には、迷わずカバー工法をお勧めしています。

目先の安さより、将来の安心を買う方が、結果的にお財布にも優しく、何よりご家族が笑顔で過ごせる時間が守れるからです。

施工前に知っておくべきリスクと対策

ここまで「屋根カバー工法」のメリットや耐久性についてお話ししてきましたが、どんな優れた工法にも必ずリスクや弱点が存在します。

これを隠して「絶対に大丈夫です」と言う業者は、プロとして誠実ではありません。

特に、静岡県のような温暖で湿気の多い地域や、沿岸部特有の環境下では、教科書通りの施工では不十分なケースがあります。

ここでは、家の寿命を縮めかねない「2つの重大リスク」と、私たちが現場で行っている具体的な対策について、包み隠さず解説します。

屋根の寿命を縮める「内部結露」

屋根カバー工法の最大リスク・内部結露と換気棟による湿気排出対策

屋根カバー工法において、最も恐ろしく、かつ多くの施工店が見落としがちなリスク。

それが「小屋裏(屋根裏)の内部結露」です。

「雨漏りでもないのに、屋根が腐るの?」と驚かれるかもしれませんが、実は雨漏り以上に厄介な問題です。

【なぜ結露が起きるのか?そのメカニズム】

カバー工法は、既存の屋根の上に、アスファルトルーフィングなどの「防水シート」を隙間なく敷き詰める工事です。

これにより、雨水の侵入を完全にシャットアウトできる反面、屋根全体の「気密性」が極端に高まります。

今まで、古い屋根の隙間から自然に逃げていた湿気(生活の中で発生する水蒸気など)が、新しい防水シートによって逃げ場を失い、屋根裏に閉じ込められてしまうのです。

特に冬場の夜間、放射冷却によってキンキンに冷やされた新しい金属屋根の冷気は、野地板(屋根の下地木材)に伝わります。

そこに、室内から上がってきた暖かく湿った空気が触れると、飽和水蒸気量を超えて「水滴(結露)」が発生します。

これが毎晩繰り返されると、野地板は常に湿った状態(高含水率)になり、やがて「木材腐朽菌」が繁殖し、木材をボロボロに腐らせてしまいます。

【腐敗が進むとどうなるか】

恐ろしいのは、表面の金属屋根はピカピカの新品でも、それを支えている下地が腐ってしまうことです。

釘やビスを保持する力が失われるため、台風などの強風時に、屋根材がごっそりと剥がれて飛んでいくという大事故につながりかねません。

【必須の対策:換気棟の設置】

このリスクを回避するために私たちが全件で実施しているのが、「換気棟(かんきむね)」の設置「換気計画」です。

単に屋根を被せるだけでなく、屋根の頂点部分(棟)の野地板を意図的にカットして空気の通り道(スリット)を開け、そこから湿気を外部へ排出する特殊な部材「換気棟」を取り付けます。

これにより、屋根裏の空気が常に循環し、結露の発生を物理的に防ぐことができます。

この「換気棟」は、メーカーの施工仕様書でも設置が強く推奨されていますが、手間と部材費がかかるため、見積もりに含めない(あるいはオプション扱いにする)業者が後を絶ちません。

しかし、私たちはこれを「建物の寿命を守るための必須項目」と考えています。

詳しくは、以下の記事で結露のメカニズムと対策をさらに深掘りして解説しています。

屋根カバー工法で結露・雨漏りが起きる原因と対策(防水シートの重要性)

塩害地域・積雪地での制限事項

塩害地域と積雪地域における屋根工事の注意点・メーカー保証対象外のリスク

SGL鋼板は「錆びに強い」とご説明しましたが、それでも金属である以上、絶対に錆びないわけではありません。

特に注意が必要なのが、静岡県特有の「塩害」と、山間部の「積雪」です。

【① 塩害地域の「500mルール」】

アイジー工業などの主要メーカーの保証規定には、必ず「免責事項(保証の対象外となるケース)」が記載されています。

その中に、「海岸線から500m以内の地域(重塩害地域)」という項目があります。

もし、お住まいが海から500m以内にある場合、SGL鋼板でカバー工法を行っても、メーカーの「穴あき25年保証」などは適用されません。

潮風に含まれる塩分は、想像以上のスピードで金属を腐食させます。

「うちはSGLだから大丈夫ですよ」と安易に勧めてくる業者もいますが、万が一数年で錆びて穴が開いても、メーカーは保証してくれませんし、その業者が責任を取ってくれる保証もありません。

<塩害地域での対策>

海に近いエリアにお住まいの方には、以下の選択肢をご提案しています。

アスファルトシングル:ガラス繊維にアスファルトを染み込ませた素材で、金属ではないため絶対に錆びません。

ステンレス屋根:非常に高価ですが、耐食性は最強です。

樹脂製屋根材:塩害の影響を全く受けない新しい選択肢です。

ご注意ください

500m以遠(500m〜5km程度)の地域でも、風向きによっては塩分が飛来します。

特に、雨が当たらない「軒下」や「太陽光パネルの下」などは、塩分が洗い流されずに蓄積しやすいため、定期的にホースで水をかけるなどのメンテナンスが推奨されます。

【② 積雪地域の「すがもれ」リスク】

静岡県でも、御殿場市や山間部などでは積雪があります。

ここで注意したいのが「すがもれ(アイスダム現象)」です。

屋根に積もった雪が、室内の熱で融けて水になり、軒先(屋根の先端)へ流れていきます。

しかし、軒先は外気で冷やされているため、その水が再び凍って氷の堤防(ダム)を作ります。

すると、後から流れてきた融雪水が行き場を失い、ダムにせき止められて溜まり、屋根材の隙間から逆流して室内に漏水するのです。

一般的な屋根は「上から下に流れる水」には強いですが、「下から逆流してくる水」には無力です。

積雪地域でカバー工法を行う場合は、軒先の防水シートを通常よりも高く立ち上げる、あるいは「水切り板金」を雪国仕様にするなどの特別な対策が必須となります。

長持ちさせるための施工品質の重要性

屋根を長持ちさせる施工品質・徹底した下地検査と国家資格者による管理

屋根カバー工法の耐用年数が「20年」で終わるか、「50年」持つかを分ける決定的な要因。

それは、カタログに載っている素材のスペックではなく、現場の職人の手による「施工品質」に他なりません。

私たちアップリメイクは職人直営店として、「見えない部分こそ美しく、強く」をモットーに施工しています。

ここでは、私たちが特にこだわっている「下地検査」と「施工の勘所」についてお話しします。

下地検査と換気棟設置の必須条件

どんなに高耐久な屋根材を使っても、それを固定する土台(下地)が腐っていては、砂上の楼閣と同じです。

しかし、驚くべきことに、下地の状態をろくに確認せず、「カバー工法なら安くできますよ!」と契約を迫る業者が存在します。

【徹底した野地板(下地)検査】

私たちは見積もりを作成する前の「現地調査」に、平均して1時間以上の時間をかけます。

特に屋根カバー工法のご提案前には、以下の検査を徹底しています。

  • 屋根裏からの目視確認:
    雨染みがないか、野地板にカビが生えていないか、光が漏れていないかを確認します。
  • 踏査(とうさ)による強度確認:
    実際に屋根の上を歩き、足裏の感覚で野地板の強度を確かめます。
    腐食が進んでいる箇所は、踏むと「フカフカ」と沈み込む感触があります。この感覚は、長年の経験がある職人にしか分かりません。
  • 含水率の測定:
    専用の機器を使い、木材がどれくらい水分を含んでいるかを数値化します。
    含水率が高い状態で蓋をしてしまうと、内部結露や腐朽が加速するため、施工不可と判断する基準を設けています。

もし検査の結果、下地の劣化が激しい場合は、正直に「カバー工法はできません」とお伝えし、下地からやり直す「葺き替え工事」をご提案します。

売上のために無理な工事を勧めることは、お客様の家を危険に晒す行為だからです。

【見積書で分かる「業者の質」】

お客様が業者選びをする際、ぜひチェックしていただきたいポイントがあります。

それは見積書の「項目」です。

悪い例:「屋根カバー工法一式 〇〇円」

良い例:「換気棟設置費」「雪止め金具設置費」「棟板金下地(樹脂製・貫板)交換費」…など詳細に記載

特に重要なのが、前述した「換気棟」です。

これが見積もりに入っていない場合、その業者は「結露リスクを理解していない」か「コストダウンのためにあえて省いている」かのどちらかです。

また、棟板金を固定する下地材(貫板)に、腐りやすい「木材」ではなく、腐食しない「樹脂製(タフモックなど)」を標準仕様にしているかも、良心的な業者を見分ける一つの基準になります。

【職人の技術:雨仕舞い(あまじまい)】

屋根工事において最も技術差が出るのが、壁際や谷部などの「役物(やくもの)」と呼ばれる板金加工です。

既製品の部材をただ取り付けるだけでなく、現場の形状に合わせて板金をミリ単位で加工し、雨水の侵入経路を完全に断つ技術(雨仕舞い)が求められます。

私たちアップリメイクの職人は、国家資格である「一級建築板金技能士」などの有資格者が施工管理を行います。

「水はどこから入り、どこへ抜けるのか」を知り尽くしたプロフェッショナルが、一棟一棟、手仕事で仕上げるからこそ、30年、50年という長寿命を実現できるのです。

屋根カバー工法に関するよくある質問(FAQ)

Q1. カバー工法をすると屋根が重くなって、耐震性が下がりませんか?

A. ほとんど影響はありませんのでご安心ください。

カバー工法で使用する金属屋根(ガルバリウム鋼板やSGL鋼板)は非常に軽量で、1㎡あたり約5kg程度です。

既存のスレート屋根(約20kg/㎡)と合わせても合計で約25kg/㎡にしかなりません。

これは、一般的な日本瓦(約50kg/㎡)と比較しても半分の重さです。

建築基準法や構造計算の観点からも、この程度の重量増であれば、一般的な木造住宅の耐震性能に対して「問題ない」という評価が定着しています。

Q2. 金属屋根にすると、雨音がうるさくなりませんか?

A. 「トタン屋根」のイメージで心配される方が多いですが、現在は驚くほど静かになっています。

現在主流のSGL鋼板(スーパーガルテクト等)は、鋼板の裏面に分厚い断熱材(ポリイソシアヌレートフォームなど)が一体化されており、これが高い遮音・吸音効果を発揮します。

さらに、カバー工法は「既存の屋根」と「新しい屋根」の二重構造になるため、外からの音は二重に遮断されます。

実際に施工されたお客様からは、「以前のスレート屋根よりも雨音が気にならなくなった」「静かすぎて雨が降っていることに気づかなかった」というお声をいただくことも多いですよ。

Q3. 太陽光パネルが載っているのですが、カバー工法はできますか?

A. 施工は可能ですが、一度パネルを取り外す必要があります。

太陽光パネルを載せたままカバー工法を行うことはできません。

一度専門業者によってパネルを取り外し、屋根工事完了後に再度設置するという流れになります。

これには「脱着費用」が別途かかります(パネルの枚数やメーカーによりますが、数十万円かかるケースも)。

そのため、発電量やパネルの残り寿命を考慮し、本当に再設置するメリットがあるかを慎重にシミュレーションする必要があります。

また、再設置の際は、新しい屋根材に穴を開けずに固定できる「キャッチ工法」などの専用金具を使用することをお勧めします。

Q4. 工事中はずっと家にいないといけませんか?

A. いいえ、普段通り生活していただいて大丈夫です。

屋根カバー工法は、基本的にすべて外側からの作業になります。

室内に入って作業することはございませんので、お留守にされていても工事は問題なく進められます。

ただし、工事中は足場がかかるため、洗濯物が干しにくくなったり、日当たりが悪くなったりすることはございます。

また、ビスを打つ際などに多少の作業音や振動が発生しますので、その点だけご了承いただければと思います。

工事の進捗状況は、写真付きの報告書や交換日記などで、毎日しっかりご報告させていただきます。

Q5. アスベストが含まれている屋根でも工事できますか?

A. はい、むしろアスベスト屋根にこそ推奨される工法です。

2004年以前に製造されたスレート屋根(カラーベスト・コロニアル)には、アスベスト(石綿)が含まれている可能性が高いです。

これらを「葺き替え(解体)」しようとすると、アスベストを飛散させないための厳重な養生や、特別な処分方法が必要となり、工事費が跳ね上がります。

カバー工法であれば、アスベスト屋根を壊さずに、上から新しい屋根材で完全に「封じ込める」ことができます。

アスベストが飛散するリスクをゼロにしつつ、処分費用も抑えられるため、安全性とコストパフォーマンスの両面で最も合理的な選択肢と言えます。

幸せな暮らしを守る最適な選択を

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

屋根カバー工法が、単なるリフォームではなく、あなたの大切な資産とご家族の生活を30年、50年先まで守るための「投資」であることを、少しでもお伝えできていれば幸いです。

最後に、今回お話しした中でも特に重要なポイントを改めて整理しておきましょう。

耐用年数は圧倒的:SGL鋼板なら30年以上、塗装工事の3倍以上の寿命が期待できる。

実は経済的:初期費用はかかるが、将来の足場代や再塗装費が不要になるためトータルコストは安い。

施工品質が命:「換気棟」による結露対策と、徹底した「下地検査」がないと長持ちしない。

環境への配慮:塩害地域や積雪地域では、SGL以外の選択肢や特別な施工が必要になる。

屋根カバー工法は、正しく行えば非常に優れた工法です。

しかし、その性能を100%発揮させるためには、「適切な素材選び」と、何より「見えない部分の手を抜かない誠実な施工」が欠かせません。

残念ながら、安さだけを売りにし、結露対策や下地検査を疎かにする業者が存在するのも事実です。

だからこそ、業者選びは慎重に行っていただきたいのです。

私たちアップリメイクは、職人直営の専門店として、ただ屋根を直すだけでなく、その先にあるお客様の「安心」と「笑顔」を守ることを使命としています。

「自分の家だったらどうするか」「自分の親の家だったらどう直すか」。

すべての職人がその想いを胸に、一棟一棟、魂を込めて施工させていただいています。

もし、屋根のことで少しでも不安があれば、どんな小さなことでも構いませんので、お気軽にご相談ください。

「まだ工事するか決めていないけど、とりあえず今の屋根の状態だけ見てほしい」というご依頼も大歓迎です。

無理な営業は一切いたしません。

あなたのお住まいにとって、何が一番の幸せなのか。一緒に考え、最適なご提案をさせていただきます。

お会いできる日を、心より楽しみにしております。

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  • この記事を書いた人

齋藤直樹

(株)アップリメイク代表取締役で元職人、塗装という仕事が大好きです。人生の大きな挫折と数多くの出会いを経て今は大好きな地元・静岡で、お客様の笑顔のために仕事ができることに何よりの誇りを感じています。

▼保有資格▼
1級建築塗装技能士・2級建築施工管理技士・有機溶剤作業主任者・高所作業主任者・2級カラーコーディネーター・光触媒施工技能士・乙4類危険物取扱者・ゴンドラ特別教育・職長・安全衛生責任者・第2種酸素欠乏危険作業主任者・宅地建物取引主任者・2級ファイナンシャルプランニング技能士・AFP