屋根カバー工事とは?向いている家・工事の流れ・費用目安をわかりやすく

屋根の劣化を気にして塗装か葺き替えかで悩んでいる男性のイラスト

 

こんにちは、株式会社アップリメイク代表取締役の齋藤直樹です。

「屋根の劣化が気になるけれど、葺き替え(ふきかえ)は大掛かりすぎて予算が心配…」

「塗装だけで本当に長持ちするのだろうか? すぐに剥がれたりしないだろうか?」

そんな切実なお悩みをお持ちの方にとって、今、最も現実的で賢い選択肢として、リフォーム市場で急速に定着しているのが「屋根カバー工法(重ね葺き)」です。

屋根は、一年中、紫外線や酸性雨、台風、そして気温変化による熱収縮といった過酷な環境ストレスを直接受け止めている場所です。

だからこそ、単に表面をきれいにするだけの「化粧直し」ではなく、家全体の寿命を延ばすための根本的なメンテナンスが必要不可欠です。

特に築20年以上経過したお住まいでは、屋根材そのものの寿命や、防水シートの劣化が進行していることが多く、塗装だけでは解決できない問題も多々あります。

この記事では、私が長年現場で培ってきた経験と、建築板金の専門知識をもとに、屋根カバー工法の詳細なメカニズムから、メリット・デメリット、適正価格の相場、そして絶対に失敗しないための業者選びのポイントまで、プロの視点で包み隠さず徹底的に解説します。

記事のポイント

  • 屋根カバー工法の仕組みと塗装・葺き替えとの決定的な違い
  • アスベスト対策としてカバー工法が推奨される理由と条件
  • 工事にかかる適正費用と外壁塗装とのセットによる節約術
  • 積水ハウスやミサワホームなどハウスメーカー物件の注意点

屋根カバー工法とは?基礎知識

屋根のリフォーム手法には、大きく分けて「塗装(塗り替え)」「葺き替え(交換)」「カバー工法(重ね葺き)」の3つの選択肢があります。

かつては「塗装」か「葺き替え」の二択が主流でしたが、廃材処理費の高騰やアスベスト問題などの背景から、現在ではコストと性能のバランスが最も優れた「カバー工法」が、現代の住宅事情における最適解として選ばれるケースが増えています。

まずは、その基本的な仕組みと、なぜこれほどまでに普及しているのか、その技術的背景を深く理解しましょう。

既存屋根に新しい屋根を被せる仕組み

既存の屋根の上に新しい防水シートと屋根材を重ねるカバー工法の仕組み図解

屋根カバー工法とは、その名の通り「今ある屋根材を撤去せず、その上から新しい防水シート(ルーフィング)と新しい屋根材を被せて施工する」リフォーム手法です。

建築業界では「カバールーフ工法」や「重ね葺き(かさねぶき)」とも呼称されます。

この工法の根本的な原理は、既存の屋根構造を「新しい屋根の下地」として再定義することにあります。

通常、屋根は「垂木(構造材)→野地板(木下地)→ルーフィング(防水紙)→屋根材(仕上げ)」という積層構造を持っていますが、カバー工法ではこの上にさらに「→新規ルーフィング→新規屋根材」を追加することで、屋根全体を二重構造化します。

仕組みのイメージと機能転換
1. 既存屋根の温存: 古いスレート屋根などはそのまま残します。
2. 防水ラインの二重化: その上に新しい「粘着層付き改質アスファルトルーフィング」等の高性能防水シートを敷きます。
3. 高耐久屋根材の設置: さらにその上に、ガルバリウム鋼板などの「軽量金属屋根」を固定します。

最大の特徴は、古い屋根を解体・撤去しないことです。

これにより、解体工事に伴う騒音や大量のホコリの飛散を抑え、高騰している廃材処分費を大幅にカットすることが可能になります。

しかし、メリットはコストダウンだけではありません。

屋根カバー工法による断熱性・遮音性・防水性の向上を示すアイコン

 

【断熱性と遮音性の向上】
屋根が二重になることで、既存屋根と新規屋根の間に空気層(Air Gap)が生まれます。

この空気層が断熱材のような役割を果たし、夏場の熱気や冬の冷気が室内に伝わるのを遅らせる効果があります。

また、金属屋根は雨音がうるさいというイメージがありますが、下に既存のスレート屋根があることでそれが遮音材(ダンパー)の役割を果たし、雨音の振動を吸収・減衰させるため、室内は意外なほど静かになります。

【防水性能の抜本的強化】
カバー工法では、防水の要である「ルーフィング」が新しくなります。

特に、既存屋根の凹凸に追従しやすい「粘着層付き」のルーフィングを使用することで、釘穴からの雨水浸入を強力に防ぎます。

これにより、単なる表面保護である塗装とは異なり、雨漏りリスクに対する信頼性が飛躍的に向上するのです。

葺き替えや塗装との違いと選び方

築20年の屋根における塗装の限界と防水シート劣化のメカニズム

「結局、うちはどの工事を選べばいいの?」「塗装でも十分なのでは?」と迷われる方も多いでしょう。

私たち専門家が最適な工法を判断する際、最も重視するのは「屋根の下地(野地板)の健康状態」「既存屋根材の種類と劣化度」です。

それぞれの工法の違いを、コストや耐久性の観点から詳細に比較しました。

工法 内容と特徴 費用の目安
(30坪想定)
向いているケース・判断基準
屋根塗装
(Painting)
既存屋根の表面を高圧洗浄し、塗料で保護膜を作る。
※防水紙や屋根材自体の寿命は延びない。
50〜70万円 ・築10〜15年程度
・屋根材にひび割れが少ない
・雨漏りの履歴がない
・とりあえず美観を回復させたい
カバー工法
(Overlay)
既存屋根を残し、防水紙と屋根材を新設する。
※廃材が少なく、コスパと性能のバランスが良い。
80〜150万円 ・築20年以上経過している
・スレート屋根が劣化している
・アスベストを含んでいる可能性がある
・長期的に安心したい
葺き替え
(Replacement)
既存屋根を全て撤去し、下地から新しく作り直す。
※最も確実だが、費用と工期がかかる。
120〜200万円〜 ・雨漏りで下地(野地板)が腐っている
・日本瓦など重い屋根を軽くしたい
・下地の強度が著しく低下している

ここで重要なのが、「塗装とカバー工法の生涯コスト」という視点です。

塗装は1回あたりの費用は安いですが、スレート屋根の寿命(約30年)までに2〜3回の塗り替えが必要になります。

一方、カバー工法で使用するガルバリウム鋼板などは20年〜30年以上の高耐久性を誇るため、一度施工すれば長期にわたってメンテナンスフリー期間が続きます。

長い目で見れば、何度も足場を組んで塗装を繰り返すよりも、カバー工法で根本的にリニューアルしてしまった方が、トータルの支出は同等か、むしろ安くなるケースが多いのです。

特に、パミール等の「塗装できない屋根材」の場合、塗装は無意味な出費となってしまうため、迷わずカバー工法を選択する必要があります。

屋根の塗装費用や単価について詳しく知りたい方は、以下の記事で解説していますので参考にしてください。

【知らないと損】屋根塗装の平米単価、その見積もりは適正?静岡のプロが相場と注意点を全解説

屋根カバー工法が向いているケース

カバー工法は万能な「魔法の杖」ではありません。

適している屋根と、構造上施工できない屋根には明確な選別基準が存在します。

リフォーム計画の第一歩として、ご自宅の屋根がカバー工法に適しているかを知ることは非常に重要です。

特に注意すべきは「屋根材の種類(アスベスト有無)」と「下地の腐食状況」です。

スレート屋根とアスベスト対策に

古いスレート屋根のアスベストを飛散させずに封じ込めるカバー工法の安全性と費用対効果

カバー工法が最も真価を発揮し、推奨されるのは「スレート屋根(コロニアル・カラーベスト)」のお住まいです。

これには、法的・経済的な深い理由があります。

1. アスベスト(石綿)問題の解決策
2004年以前に製造されたスレート屋根材には、強度を確保するためにアスベストが含まれている可能性が極めて高いです(クボタのカラーベスト、松下電工のフルベスト等)。

これらの屋根を「葺き替え」で撤去する場合、大気汚染防止法や石綿障害予防規則に基づき、厳格な飛散防止対策が義務付けられています。

作業員の防護服着用や作業場の隔離などが必要となり、通常の解体費用に加えて数十万円単位の処分費用が上乗せされます。

ここがポイント!
カバー工法なら、アスベストを含む屋根材を破壊・飛散させず、新しい金属屋根で完全に「封じ込める(囲い込み)」ことができます。

これは法令上も認められた正規の工法であり、高額な処分費用を節約しつつ、近隣へのアスベスト飛散リスクも確実に防げるため、非常に合理的で安全な選択肢となります。

2. ノンアスベスト移行期の「脆弱な屋根材」への対応
一方で、アスベスト規制が強化された2000年前後の移行期に製造された屋根材(ニチハ「パミール」、クボタ「コロニアルNEO」、松下電工「レサス」等)には別の問題があります。

これらは技術的に未成熟な時期の製品であり、経年劣化により「層間剥離(ミルフィーユ状にボロボロ剥がれる)」や「ひび割れ」が著しく発生します。

これらの屋根材に塗装をしても、基材自体が崩れてしまうため塗料が定着せず、すぐに剥がれてしまいます。

「塗装しても意味がない」「塗装不可」と診断されるこれらの屋根にとって、カバー工法は建物を守るための唯一かつ最善の救済策と言えます。

カバー工法が推奨されるスレート屋根(カラーベスト)と塗装不可の屋根材パミールの写真

施工できない屋根と下地診断

日本瓦や下地が腐食している屋根などカバー工法が施工できないケースのイラスト

しかし、どのような屋根でもカバー工法ができるわけではありません。

以下のようなケースでは、構造的・物理的な理由からカバー工法は不適合(施工不可)となります。

  • 日本瓦・セメント瓦・モニエル瓦:
    これらは波打った形状で凹凸が大きく、厚みもあるため、上から新しい屋根材を物理的に固定することができません。また、重量も重いため、さらに屋根を載せると耐震性を著しく損なう恐れがあります。この場合は「葺き替え」が原則となります。
  • 下地(野地板)が腐食している:
    これが最も危険なケースです。雨漏りなどで野地板が腐っていると、新しい屋根材を固定するための釘やビスが効きません。その状態で施工すると、台風などの強風時に新しい屋根ごと吹き飛んでしまう大事故につながります。
  • 雨漏りが進行している:
    雨漏りを直さずに上から蓋をするのは、「臭いものに蓋」をするだけで、内部での腐食(シロアリやカビの発生)を加速させます。雨漏りがある場合は、必ず原因箇所を特定し、下地の補修や張り替えを行ってから施工するか、葺き替えを選択する必要があります。

◆斎藤のワンポイントアドバイス

私たちは、カバー工法のご提案前には必ず「屋根裏の点検」や、人が上がれない場合は「ドローンによる高解像度撮影」を用いた詳細な診断を行います。

野地板に雨染みがないか、屋根を踏んだ時に沈み込みがないかを入念にチェックします。

もし、下地の状態を確認せずに、安易に「カバー工法で大丈夫ですよ」と勧める業者がいたら、それはプロとしての責任を放棄していると言わざるを得ません。

見えない部分だからこそ、事前の診断が何よりも大切なのです。

ご自身での点検が難しい場合や、DIYを検討されている方は、そのリスクや点検ポイントをまとめたこちらの記事もぜひご覧ください。

屋根カバー工法DIYは可能?必要工具・危険性・失敗例を解説

積水ハウス・ミサワホームの施工

大手ハウスメーカー(プレハブ住宅メーカー)によって建てられたお住まいは、一般的な工務店が建てる「木造軸組工法(在来工法)」とは異なり、独自の構造や規格化された部材が使用されています。

そのため、メーカーごとの構造特性を熟知していない業者が安易に施工すると、雨漏りや強度不足、最悪の場合は建物の資産価値を損なうトラブルに繋がる恐れがあります。

ハウスメーカー独自の屋根への対応

ハウスメーカー独自の屋根構造における施工知識の重要性と注意点

ここでは、代表的なハウスメーカーの屋根特徴と、カバー工法における注意点を具体的に解説します。

■ 積水ハウス(Sekisui House)の場合
積水ハウスの住宅では、かつて「セキスイかわらU」という独自の屋根材が広く採用されていました。

この屋根材は、経年劣化により表面の塗膜が剥がれるだけでなく、基材そのものが脆くなり、歩くだけで割れてしまうことがあります。

この状態の「かわらU」の上からカバー工法を行うことは、下地としての強度が期待できないため推奨されません。

一度撤去してから葺き替えるか、野地板の状態によっては慎重に判断する必要があります。

また、陸屋根(フラットルーフ)の場合は、板金工事ではなく塩ビシート防水などの「防水改修工事」の領域となります。

アップリメイクでは防水工事も得意としており、メーカー工事の5〜7掛け程度の費用で施工可能です。

■ ミサワホーム(Misawa Home)の場合
ミサワホームは、屋根と壁、床が一体となった強固な「木質パネル接着工法」が特徴です。

屋根パネル自体が構造体となっているため、無闇に釘を打つことができません。

カバー工法を行う際は、パネル内部にある芯材(桟木)の位置を正確に把握し、そこにピンポイントでビスを打ち込む高度な技術が求められます。

これを誤ると、固定強度が不足するだけでなく、パネルの性能を低下させるリスクがあります。

■ パナホーム・大和ハウス(鉄骨系)の場合
軽量鉄骨造の住宅では、屋根下地が木材ではなく「C型鋼」などの鉄骨で組まれている場合があります。

この場合、通常の木造用のビスは刺さりません。

鉄骨用のドリルビスを使用するなど、下地材に合わせた専用部材の選定が必須となります。

メーカー保証と「保証の罠」について
多くのハウスメーカーは、「新築後10年ごとの有償メンテナンス」を受けることを条件に保証を延長する制度を設けています。

そのため、外部業者で工事を行うと、メーカー保証が打ち切られる可能性があります。

しかし、ここで冷静に考えていただきたいのが「費用の差」です。

築20年を超えている場合、メーカー提示の修繕費用は、広告宣伝費や中間マージンが含まれるため、市場価格の1.5倍〜2倍近く高額になるケースが珍しくありません。

「保証継続のために数百万円高い工事をする」のか、「適正価格で高品質な専門店の施工(施工店保証付き)を選ぶ」のか。

多くの賢明な施主様が、後者を選ばれているのが実情です。

積水ハウスの外壁塗装やメンテナンス費用、助成金活用について詳しく解説した記事もありますので、メーカー物件にお住まいの方はぜひ参考にしてください。

【専門家が解説】積水ハウスの外壁塗装|助成金・費用相場・注意点の完全ガイド

屋根カバー工法の費用と節約術

リフォーム計画において、最も気になるのはやはり「費用」ではないでしょうか。

屋根カバー工法は決して安い買い物ではありません。

だからこそ、適正な相場を知り、無駄な出費を抑えつつ、必要な品質を確保する賢い計画を立てることが重要です。

工事費用の相場と修繕費の目安

30坪目安の屋根カバー工法費用相場80万円から150万円を示すイラスト

一般的な2階建て住宅、延床面積30坪(屋根面積約80〜100㎡)の切妻屋根を想定した場合の、屋根カバー工法の費用目安は以下の通りです。

  • 工事総額目安: 80万円 〜 150万円(税別)

この金額には、以下のすべての工程が含まれるのが一般的です。

項目 内容
足場仮設費 飛散防止ネット含む。安全な作業のために必須。
既存役物撤去・処分費 棟板金や雪止め金具の撤去と廃棄費用。
防水シート(ルーフィング) 粘着層付き改質アスファルトルーフィングなど。
本体材料費・施工費 ガルバリウム鋼板、SGL鋼板、石粒付き金属屋根など。
役物取り付け費 棟、軒先、ケラバなどの板金加工と取り付け。

【価格変動の要因】
費用に幅があるのは、使用する屋根材のグレードによる違いが大きいです。

例えば、断熱材が裏打ちされた「断熱材一体型」のガルバリウム鋼板や、より錆に強い「SGL鋼板」、あるいは表面に天然石を吹き付けた「石粒付き金属屋根」などを選ぶと、材料費が上がります。

また、屋根の形状が複雑(寄棟や入母屋など)であったり、急勾配で「屋根足場」が必要な場合は、施工手間賃が加算されます。

【注意すべき見積もり】
「屋根工事一式 100万円」といった、内訳の分からない大雑把な見積もりには十分注意してください。

これでは、どのメーカーの何という商品を使うのか、ルーフィングのグレードは何か、全く検証できません。

必ず「アイジー工業 スーパーガルテクト」「田島ルーフィング タディスセルフ」のように、具体的な商品名と単価が明記されているかを確認しましょう。

外壁塗装とセットで足場代を削減

屋根カバー工法には、職人の転落防止と近隣への配慮のため、必ず建物の周囲に「足場」を設置する必要があります。

この足場代は、一般的なお住まいで約15万円〜30万円程度かかります。

もし、「今年は外壁塗装だけ」「数年後に屋根工事」と別々の時期に工事を行うと、この高額な足場代をそれぞれ支払うことになり、非常にもったいないことになります。

これらをまとめて一度に行えば、足場代1回分(約20万円相当)が丸ごと節約できるという「セット割」的なメリットが生まれます。

屋根工事と外壁塗装をセットで行うことで足場代約20万円が節約できる仕組み

おすすめのタイミング
築20年〜25年頃は、外壁のシーリング(コーキング)の劣化や、外壁塗膜のチョーキング現象が目立ち始める時期であり、同時に屋根もメンテナンスが必要になるタイミングです。

この時期に「屋根カバー工法 + 外壁塗装」をセットで行うのが、建物のライフサイクルコストを最小限に抑える、最も賢く経済的な選択です。

実際の工事の流れと期間

工事期間は、屋根の大きさや形状、天候にも左右されますが、実働で約5日〜7日程度です。

足場の設置から解体までを含めると、全体で約10日〜2週間を目安にお考えください。

お客様が普段通り生活される中で、どのような工程で工事が進んでいくのか、具体的なステップを見ていきましょう。

足場設置から完工まで約10日から2週間かかる工事工程のフロー図

足場設置から完工までのステップ

Step 1
足場設置
近隣挨拶・足場仮設
工事開始の数日前にご近所様へご挨拶に伺います。初日は足場を組み、塗料や部材が飛散しないようメッシュシートで家全体を囲います。
Step 2
下地調整
既存役物の撤去・清掃
棟板金(屋根の頂上の板金)や雪止め金具を全て撤去し、屋根面をフラットにします。苔や汚れを清掃し、この段階で下地の最終チェックを念入りに行います。
Step 3
防水
新規防水シート敷設
既存屋根の上から新しい防水シート(ルーフィング)を、軒先から棟に向かって貼り重ねていきます。粘着層付きのものを使用し、釘穴からの浸水を防ぎます。これが雨漏りを防ぐ「二次防水」の要となります。
Step 4
本体施工
新規屋根材の施工
まずは「唐草(からくさ)」や「谷桶(たにおけ)」などの役物を取り付け、その後、新しい屋根材(ガルバリウム鋼板等)を一枚ずつビスで強固に固定していきます。
Step 5
仕上げ
棟板金・換気棟設置
屋根の頂点部分に貫板(下地)を取り付け、板金で覆います。この際、小屋裏の熱気や湿気を逃がす「換気棟(かんきむね)」の設置も行います。
Step 6
完了
最終検査・足場解体
施工不備やキズがないか厳しく検査し、お客様にもご確認いただいた後、足場を解体します。周辺の清掃を行い、全ての工事が完了となります。

◆斎藤のワンポイントアドバイス

この工程の中で、私が特に重要視しているのが「換気棟(かんきむね)」の設置です。

屋根を二重にすると、どうしても屋根の間に熱や湿気がこもりやすくなり、それが野地板を蒸れさせて腐食させる原因(結露リスク)になります。

私たちは、自然換気の原理を利用して小屋裏の空気を排出する「換気棟」の設置を、カバー工法の標準仕様として強くおすすめしています。

見積もりに換気棟が含まれていない業者は、家の「呼吸」や物理的な寿命への配慮が足りないかもしれません。ぜひチェックしてみてください。

小屋裏の熱気や湿気を排出する換気棟(かんきむね)の空気循環図

失敗しない業者選びと私たちの想い

最後に、最も大切な「業者選び」についてお伝えさせてください。

屋根カバー工法は、リフォームの一種ですが、専門的には塗装工事ではなく「建築板金(ばんきん)工事」という分野に属します。

塗装職人ではなく、金属を加工し、雨仕舞(あまじまい)を熟知した「板金職人」の技術と知識が必要不可欠なのです。

職人の技術と透明な見積もりの重要性

診断の質・専門性・見積もりの透明性を確認する業者選びのチェックリスト

残念なことに、屋根のリフォーム業界には悪質な業者も存在します。

「近くで工事をしていて見えたのですが、屋根が浮いていますよ」といって突然訪問し、不安を煽って契約を迫る手口(指摘商法)が後を絶ちません。

屋根は見えにくい場所だからこそ、業者の誠実さが問われます。

失敗しないためには、以下の3点を必ず確認してください。

  • 診断の質:
    屋根に上がるだけでなく、屋根裏まで点検しているか? ドローンなどの機器を使って客観的な証拠(写真)を見せてくれるか? 下地が腐っていないかを確認せずに見積もりを出す業者は危険です。
  • 部材の選定:
    ルーフィング(防水シート)は破れにくい「改質アスファルトルーフィング(ゴムアス)」以上を使っているか? 棟の下地には腐らない「樹脂製貫板(タフモック等)」を使用しているか? 細部へのこだわりが寿命を左右します。
  • 見積もりの透明性:
    「屋根工事一式」ではなく、使用する屋根材の商品名、メーカー名、平米数、役物の長さなどが詳細に記載されているか? 不透明な見積もりは手抜きの温床です。

私たちアップリメイクでは、お客様に「安心」と「納得」をご提供するため、詳細な見積もり作成はもちろん、工事中の写真も「施工前・施工中(見えなくなる下地部分)・施工後」と工程ごとに細かく撮影し、すべてご報告書としてお渡ししています。

地元の専門店としてお客様を守る覚悟

私たちは静岡で1973年に創業し、半世紀以上にわたり地元のお客様に支えられてきました。

施工実績は5,096件(2025年9月末時点)を超え、一級建築塗装技能士も11名在籍しています。

大企業のように派手なテレビCMや宣伝はできませんが、余計な中間マージンをカットした「職人直営」だからこそできる、高品質で丁寧な仕事と、適正価格には絶対の自信があります。

私たちの使命は、単に「屋根を新しくする」ことではありません。

「お客様が、これから先も20年、30年と安心して笑顔で暮らせる家を守る」こと。

それが、亡き父から受け継いだ理念であり、私たちが一番大切にしている想いです。

屋根のことで少しでも不安があれば、いつでもお気軽にご相談ください。

無理な営業は一切いたしません。あなたの街の専門家として、誠実にお答えすることをお約束します。

屋根カバー工法に関するよくある質問(FAQ)

Q1. 太陽光パネルが乗っていますが、カバー工法はできますか?

A. はい、可能ですが、屋根全体を覆うために一度パネルを取り外す必要があります。

これには電気工事士の資格を持つ専門スタッフによる脱着工事費(パネル枚数によりますが、約20万〜40万円程度)が別途必要になります。

また、パネルを再設置する際は、新しい金属屋根の突起(ハゼ)を掴んで固定する「キャッチ工法」が採用できるため、屋根に穴を開けずに設置でき、雨漏りリスクは以前より低くなることが多いです。

Q2. 屋根が二重になると重くなって、地震に弱くなりませんか?

A. 耐震性を心配されるお気持ちはよくわかります。

しかし、カバー工法で主に使用するガルバリウム鋼板などの金属屋根は非常に軽量(約5kg/㎡)です。

既存のスレート屋根(約20kg/㎡)と合わせても合計で約25kg/㎡程度にしかなりません。

これは一般的な日本瓦(約50kg/㎡)の半分程度の重さであり、建築基準法上の「軽い屋根」の区分に収まることが大半です。

そのため、耐震性に大きな悪影響を与えることはほとんどありませんのでご安心ください。

Q3. 工事中、普段通り生活できますか?

A. はい、基本的には普段通り生活していただけます。

リフォームといっても室内での作業はほとんどなく、外からの工事が中心だからです。

ただし、足場の設置・解体時や、屋根材を加工・固定する際にはどうしても金属音や振動が発生します。

大きな音が出る作業を行う日程については、事前にしっかりとご案内させていただきます。

Q4. アスベストが含まれている屋根でも大丈夫ですか?

A. はい、むしろアスベストが含まれている屋根にこそ、カバー工法は最適なリフォーム手法です。

屋根材を破壊せずに上から新しい屋根で覆うため、危険なアスベストを周囲に飛散させるリスクを最小限に抑え、「封じ込める」ことができます。

もちろん、法令に基づいた適正な施工管理を行いますので、ご家族も近隣の方も安心して工事を行えます。

まとめ:屋根カバー工法は「家の寿命」を延ばす賢い選択

最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。

屋根カバー工法について、その仕組みやメリット、そして注意点など、深くご理解いただけましたでしょうか。

屋根のリフォームは、単に「古くなったから新しくする」ことだけが目的ではありません。

大切なのは、雨風から家という資産を守り、そこで暮らすご家族が安心して毎日を過ごせる環境を維持することです。

カバー工法は、廃材を出さないエコな工法でありながら、断熱性や遮音性といった機能も向上させ、さらにコストパフォーマンスにも優れているという、現代の住宅にとって非常に理にかなった選択肢です。

記事の要点まとめ
1. 安全性: アスベストを飛散させず、安全に封じ込めることができる。
2. コスト: 葺き替えよりも安く、塗装よりも長持ちするためトータルでお得。
3. 注意点: 下地が腐っている場合は施工不可。事前のプロによる診断が必須。
4. 業者選び: 価格だけでなく、換気棟の設置や下地処理にこだわる「板金のプロ」を選ぶ。

私たちアップリメイクは、派手な営業トークは苦手ですが、お客様の大切な家を一軒一軒、自分の家だと思って丁寧に施工することには、誰にも負けない情熱と自信があります。

「うちの屋根はカバー工法ができる状態なの?」
「他社で見積もりを取ったけれど、適正価格なのか見てほしい」

どのような些細な疑問でも構いません。

静岡エリアで屋根のメンテナンスをご検討中の方は、ぜひ一度、地元の専門店である私たちにご相談ください。

経験豊富な職人が、誠心誠意、あなたのお住まいに最適なプランをご提案させていただきます。

あなたの街の「家の守り手」として、皆様からのご連絡を心よりお待ちしております。

屋根リフォームを終えて安心した笑顔の家族と職人のイメージ写真

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  • この記事を書いた人

齋藤直樹

(株)アップリメイク代表取締役で元職人、塗装という仕事が大好きです。人生の大きな挫折と数多くの出会いを経て今は大好きな地元・静岡で、お客様の笑顔のために仕事ができることに何よりの誇りを感じています。

▼保有資格▼
1級建築塗装技能士・2級建築施工管理技士・有機溶剤作業主任者・高所作業主任者・2級カラーコーディネーター・光触媒施工技能士・乙4類危険物取扱者・ゴンドラ特別教育・職長・安全衛生責任者・第2種酸素欠乏危険作業主任者・宅地建物取引主任者・2級ファイナンシャルプランニング技能士・AFP