【地域別】屋根カバー工法の費用相場とおすすめ業者の選び方(上尾市/大阪/千葉/福岡/横浜)

こんにちは、株式会社アップリメイク代表取締役の齋藤直樹です。

「築20年を超えて、屋根のスレートが色あせているのが気になる…」
「訪問販売の業者に『屋根の板金が浮いていますよ』と指摘されて、夜も眠れないほど不安…」
「葺き替え工事の見積もりを取ったら200万円を超えていて、とても手が出ない…」

もし今、あなたがそのようなお住まいの悩みを抱えているなら、この記事が必ず解決の糸口になるはずです。

私は静岡で創業し、50年以上にわたり地域の皆様の住まいを守り続けてきた職人として、何千件もの屋根リフォームの現場を見てきました。

その経験から断言できることがあります。
それは、「屋根リフォームに全国共通の正解はない」ということです。

日本地図で解説する地域ごとの屋根の天敵(埼玉の猛暑、九州の台風、横浜の塩害)

近年、廃材が少なく費用を抑えられるとして「屋根カバー工法(重ね葺き)」がリフォームの主流になりつつあります。

しかし、実は住んでいる地域――例えば内陸の上尾市と、海沿いの千葉市や横浜市、台風の多い福岡市では、選ぶべき屋根材のスペックや、職人がこだわるべき施工ポイントが全く異なるのです。

この事実を知らずに、インターネットのランキング情報や、安さだけを売りにする業者の提案を鵜呑みにしてしまうと、数年後に「雨漏りが止まらない」「サビだらけになった」といった深刻なトラブルに直面することになりかねません。

この記事では、現役の塗装職人であり経営者でもある私が、プロの視点と現場のリアルな知識を総動員して、「地域別の屋根カバー工法の正解」を徹底的に解説します。

記事のポイント

  • なぜ今、葺き替えではなく「屋根カバー工法」がプロの間で推奨されているのか、その技術的・経済的根拠
  • 上尾、大阪、千葉、福岡、横浜など、各都市の気候リスク(猛暑、塩害、台風)に打ち勝つための具体的な施工戦略
  • 悪徳業者に騙されないために、見積書で必ずチェックすべき「隠された項目」と業者選びの鉄則
  • 2026年の最新トレンドである「窓リノベ」とのセット活用など、補助金を賢く使って費用を抑える裏技

屋根カバー工法が選ばれる理由とメリット

屋根のリフォーム手法には、大きく分けて「塗装」「葺き替え」「カバー工法」の3つがあります。

その中で、なぜ今、私たちのような専門家が「カバー工法」を強く推奨するケースが増えているのでしょうか。

それは、日本の住宅事情の変化と、建材技術の進化により、カバー工法が最も「費用対効果(コスパ)」と「建物の長寿命化」を両立できる合理的な選択肢となったからです。

ここでは、その理由を深掘りして解説します。

屋根カバー工法が選ばれる3つの理由:費用が安い、工期が短い、断熱性・遮音性の向上

廃材が少なく工期短縮できる経済的メリット

屋根カバー工法の最大の特徴は、既存の屋根材を撤去せずに、その上から新しい防水シートと屋根材を被せる点にあります。

これがもたらす経済的メリットは計り知れません。

まず、最大のコストダウン要因となるのが「アスベスト(石綿)問題」の回避です。

現在、リフォーム時期を迎えている築20年〜30年の住宅(特に2004年以前に建築されたもの)の多くで使用されているスレート屋根(カラーベスト・コロニアル)には、アスベストが含まれている可能性が極めて高いのが現状です。

アスベストは、解体時に飛散すると肺がんや中皮腫などの健康被害を引き起こすリスクがあるため、法律(大気汚染防止法など)によって非常に厳しい処理基準が定められています。

もし、アスベスト入りの屋根を「葺き替え工事」で撤去しようとすると、以下のコストが発生します。

  • 近隣への飛散を防ぐための厳重な養生費用
  • 特別な資格(石綿作業主任者)を持つ作業員による慎重な手作業の手間賃
  • 高額な「特別管理産業廃棄物」としての処分費用

これらを合計すると、解体・処分費用だけで30万円〜50万円以上のコストが上乗せされてしまうことも珍しくありません。

しかし、カバー工法であれば、既存の屋根を剥がさずに新しい屋根で封じ込めるため、アスベストを飛散させるリスクをゼロにでき、かつこの高額な処分費用をカットできるのです。

また、工期の短縮も大きなメリットです。

葺き替え工事では、古い屋根を剥がしてから新しい屋根を乗せるまでの間、どうしても屋根の下地(野地板)が剥き出しになる期間が発生します。

この間に雨が降ると、室内への雨漏りという最悪の事態を招きかねないため、雨養生(ブルーシートなどでの保護)に多くの手間と時間を要します。

一方、カバー工法なら、既存の屋根がそのまま防水層として残っている状態で作業を進めるため、工事中の急な雨でも雨漏りの心配がほとんどありません。

実質5日〜10日程度で完了するため、普段通りの生活を送りながら、ストレスなく工事を終えることができます。

断熱性と遮音性が向上する技術的メリット

「屋根を二重にして重くなりませんか?耐震性は大丈夫ですか?」という質問をよく頂きます。

確かに重量は増えますが、スレート屋根の上に金属屋根を重ねても、日本瓦の約1/10程度の重さにしかならないため、耐震性への影響は限定的です。

それ以上に、屋根を二重にすることによる「住環境のアップグレード効果」が非常に大きいのです。

既存の屋根の上に新しい屋根が乗ることで、その間には空気層や新しい防水シート、そして屋根材そのものが重なる多層構造が生まれます。

これにより、物理的に熱や音が伝わりにくくなる効果が得られます。

特に、真夏の屋根表面温度は60度〜70度にも達しますが、カバー工法を行うことで、この熱が直接屋根裏(小屋裏)に伝わるのを防ぎます。

さらに注目すべきは、最近の屋根カバー工法で主流となっている「断熱材一体型」の金属屋根(ガルバリウム鋼板やSGL鋼板)の進化です。

これまでの金属屋根は「夏は暑く、雨音うるさい」というのが常識でしたが、現在は屋根材の裏面に「硬質ウレタンフォーム」などの高性能断熱材がびっしりと貼り付けられた製品が標準になりつつあります。

遮音性の劇的な向上
金属屋根特有の「パラパラ」という雨音は、裏面の断熱材が吸音材の役割を果たすことで大幅に軽減されます。
メーカーの実験データでは、激しい雨音(約70dB)が、断熱材一体型屋根を通すことで図書館の中(約30dB程度)と同レベルまで静かになるという結果も出ています。
実際に施工されたお客様からも「雨が降っていることに気づかなくなった」という驚きの声を多くいただきます。

また、冬場のメリットも見逃せません。

魔法瓶と同じように、家の中の暖かい空気を外に逃がさない保温効果が高まるため、暖房効率が良くなり、光熱費の削減にも寄与します。

また、屋根裏の結露リスクを軽減する効果も期待できます。

つまり、屋根カバー工法は単なる「雨漏り防止の修理」ではなく、家全体の断熱性能を引き上げ、一年中快適な住環境を作り出す「断熱リノベーション」としての価値があるのです。

ただし、下地(野地板)が腐食して釘が効かない状態など、すべての屋根に施工できるわけではありません。

詳細な適合条件については、以下の記事でも解説しています。

屋根カバー工事とは?向いている家・工事の流れ・費用目安をわかりやすく

【2026年版】屋根カバー工法の費用相場

次に、皆様が最も気にされる「費用」について、2026年現在の最新相場を基に解説します。

建設業界では「2024年問題」以降、職人の労務費(人工単価)が上昇しており、さらに金属価格の高騰や物流コストの上昇も相まって、リフォーム費用は上昇傾向にあります。

インターネット上には数年前の古い価格情報も混在していますが、ここでは株式会社アップリメイクの実績データや現在の市場価格を反映した、リアルな適正価格をお伝えします。

屋根カバー工法の適正価格は80万〜150万円。「工事一式」見積もりの注意点

標準的な30坪住宅の費用内訳と目安

一般的な2階建て住宅(延床面積30坪、屋根面積約80㎡〜100㎡)の場合、屋根カバー工法の費用相場は80万円〜150万円が目安となります。

この金額の幅は、使用する屋根材のグレード(フッ素加工の有無や断熱材の有無)や、屋根の形状(寄棟か切妻か、ドーマーなどの複雑な形状があるか)によって大きく変動します。

以下に、詳細な内訳の目安をまとめました。
お手元の見積書と比較して、極端に安い、あるいは高い項目がないかチェックしてみてください。

費用項目 単価相場(目安) 内容・変動要因
足場架設費 600~900円/㎡ 飛散防止ネット含む。
私たちアップリメイクの適正単価目安です。
狭小地や3階建て、トラックが入れない場所では運搬費等の割増が発生します。
下地調整費 20,000〜40,000円/式
(高圧洗浄含む)
既存の棟板金や雪止めの撤去、清掃費用。
スレートの割れ補修なども含みます。
洗浄単価は100~200円/㎡が目安です。
防水シート
(ルーフィング)
800〜1,500円/㎡ 最重要項目!
必ず「改質アスファルトルーフィング(ゴムアス)」以上のグレードを指定してください。
本体工事費
(屋根材)
6,000〜10,000円/㎡ ガルバリウム鋼板、SGL鋼板、アスファルトシングルなど。
断熱材一体型は高価ですが、その分性能が高いです。
役物取り付け費 2,500〜4,000円/m 棟(屋根の頂点)、軒先、ケラバ(屋根の端)、谷樋などの板金加工・取付費。
屋根形状が複雑なほど高くなります。

ここで特に強調しておきたいのが、「防水シート(ルーフィング)」の重要性です。

屋根カバー工法において、雨漏りを防ぐ「最終防衛ライン」はこの防水シートです。

防水シートは必ず「改質アスファルトルーフィング(ゴムアス)」を指定してください

どんなに高価で耐久性のある金属屋根を乗せても、その下の防水シートが破れてしまえば雨水は侵入し、野地板を腐らせてしまいます。

見積もりでは必ず「改質アスファルトルーフィング(通称:ゴムアス)」以上のグレードが使われているか確認してください。

安価な「アスファルトルーフィング940」などは、耐久性が低く(約10年〜15年)、寒暖差での伸縮に弱いため破れやすい弱点があります。

一方、ゴムアスは収縮性に優れ、釘穴からの止水性も高いため、長期的な安心を求めるカバー工法には必須です。

㎡あたり数百円の差で家の寿命が大きく変わるため、ここだけは絶対にコストカットしてはいけないポイントです。

より詳しい坪数別の費用相場や、安くするためのポイントについては、以下の記事でさらに深掘りしています。

屋根カバー工法の費用相場はいくら?平米単価・内訳・安くするコツ

地域別に見る屋根カバー工法の特徴と対策

内陸部(埼玉など)は断熱材一体型屋根、沿岸部(横浜・千葉など)はSGL鋼板で塩害対策

ここからが本題です。屋根は24時間365日、その土地の「気候」と戦っています。

雨、風、紫外線、塩分、熱…。これらの外部要因は地域によって全く異なります。

静岡で塗装業を営む私たちが、あえて他地域の皆様に向けて発信するのは、「地域の特性を無視した画一的な工事(マニュアル通りの施工)」がいかに危険かを知っていただきたいからです。

ここでは、主要な都市ごとに、プロが考える「最適な施工戦略」を解説します。

上尾市:猛暑対策としての断熱材一体型屋根

埼玉県上尾市周辺を含む北関東・埼玉エリアは、典型的な内陸性気候です。

海からの風が届きにくいため、夏場は「フェーン現象」や「ヒートアイランド現象」の影響をもろに受け、気温が40度近くまで上昇することも珍しくありません。

この過酷な暑さは、屋根を通じて2階の部屋にダイレクトに伝わります。

特に、断熱性能の低い古いスレート屋根の住宅では、夜になっても2階の熱気が抜けず、エアコンが効かない、寝苦しいという悩みを抱える方が非常に多いのが特徴です。

この地域で屋根カバー工法を行うなら、何よりも「遮熱・断熱性能」を最優先に仕様を決めるべきです。

具体的には、通常の金属屋根(ガルバリウム鋼板)ではなく、裏面に分厚い断熱材が一体化された「断熱材一体型SGL鋼板(例:アイジー工業のスーパーガルテクト、ニチハの横暖ルーフ等)」の使用を強く推奨します。

これらの製品は、熱貫流率(熱の伝えやすさ)が低く抑えられており、ただ屋根をカバーするだけでなく、屋根全体を「断熱パネル」で包み込むような効果があります。

さらに重要なのが、「換気棟(かんきむね)」の設置計画です。

どれだけ断熱しても、真夏の太陽に照らされ続ければ、屋根と天井の間にある「小屋裏(屋根裏)」には熱気が溜まります。

この熱気が逃げ場を失うと、夜になっても天井から熱が放射され続けます。

これを防ぐために、屋根の頂点(棟)にスリット状の換気口を設ける「換気棟」を設置し、自然な空気の流れ(ドラフト効果)を利用して熱気を排出します。

上尾市のような酷暑エリアでは、標準仕様(例えば屋根面積40㎡に1本)よりも換気棟の数を増やしたり、換気性能の高い大型の換気棟を選定したりする提案ができる業者が、真に地域に寄り添ったプロと言えるでしょう。

台風エリア(福岡など)は樹脂製下地で固定、密集地(大阪など)は不燃材料を使用

大阪市:狭小地施工と防火規制への対応

大阪市内などの高密度な都市空間では、隣の家との距離が数十センチしかないような「狭小地」での施工が一般的です。

ここで最大の問題となるのが、物理的な「足場の設置スペース」と、法的な「防火規制」です。

まず施工面ですが、足場を組むスペースが物理的に確保できない場合、隣地の方の許可を得て敷地の一部をお借りしたり、空中越境して足場を組んだりする必要があります。

これには民法上の権利関係も絡むため、工事前の丁寧な挨拶と説明、そして書面での取り決めが不可欠です。

経験豊富な業者であれば、こうしたデリケートな交渉や、狭い場所でも安全に組める「狭小地用足場」の手配に慣れていますが、経験の浅い業者だと近隣トラブルに発展するリスクがあります。

見積もりの際は、足場代だけでなく「近隣対策費」や「狭小地割増」が含まれているか確認しましょう。

次に、法的な規制です。大阪市の大部分は、都市計画法に基づく「準防火地域」や「防火地域」に指定されています。

これは、火災が発生した際に延焼を防ぐため、建物の屋根や外壁に厳しい性能基準を求めるものです。

具体的には、屋根材として使用する製品が、建築基準法に基づく「不燃材料」であるか、あるいは国土交通大臣による「飛び火認定」を受けている必要があります。

注意点:デザインだけで選ぶのは危険!
洋風でおしゃれな「アスファルトシングル」などの一部の屋根材は、製品によってはこの防火認定を受けていない、あるいは使用できる地域に制限がある場合があります。
これを知らずに施工してしまうと、最悪の場合、違法建築(建築基準法違反)となり、是正命令が出たり、将来家を売却する際に問題になったりすることもあります。

大阪エリアでの業者選びでは、単に「安さ」だけでなく、「防火地域での施工実績が豊富か」「地域の建築条例に精通しているか」を確認することが重要です。

見積もりの段階で、「この屋根材は防火地域の認定品ですか?」と一言確認するだけでも、業者の知識レベルを見極めることができます。

千葉・横浜:塩害と強風対策にSGL鋼板

千葉市や横浜市は、東京湾や太平洋に面しており、海からの湿った風(潮風)が常に吹き付けるエリアです。

金属屋根にとって、この潮風に含まれる「塩分」は最大かつ最強の天敵です。

塩分が金属表面に付着すると、電解質となって「電蝕(でんしょく)」と呼ばれる化学反応を促進し、驚くべき速さでサビを進行させます。

一度サビ始めると、またたく間に穴が空き、そこから雨水が侵入してしまいます。

従来の「ガルバリウム鋼板」もサビに強い素材として知られていますが、それでも沿岸部(海岸線から500m〜5km圏内)では、10年〜15年程度で赤サビが発生するリスクがありました。

そこで、この地域で絶対に選ぶべきなのが、ガルバリウム鋼板をさらに進化させた「SGL鋼板(エスジーエル)」です。

SGLは、めっき層に2%のマグネシウムを添加することで、「犠牲防食作用(傷ついた部分を修復する力)」と「保護皮膜作用(サビの侵入を防ぐ力)」を劇的に強化しており、従来のガルバリウム鋼板の3倍超の耐食性を誇ります。

メーカー側もSGLの性能には絶対の自信を持っており、これまでは「保証対象外」とされることが多かった塩害地域においても、SGL製品であれば「穴あき保証」を適用するケースが増えています(※海岸からの距離など、詳細な免責事項はメーカーにより異なります)。

千葉や横浜で長く安心して暮らすためには、多少コストが上がっても、必ずSGL鋼板を指定してください。

また、横浜市特有の事情として、「傾斜地(坂道)」や「擁壁(ようへき)の上の家」が多いことが挙げられます。

こうした立地では、資材を運ぶトラックが家の前まで入れないことが多々あります。

その場合、職人が手運びで坂道を登ったり、小運搬用の軽トラックに積み替えたり、あるいは荷揚げ機(ウィンチ)を使用したりする必要があります。

これらにかかる費用は「小運搬費(こうんぱんひ)」や「荷揚げ費」として見積もりに計上されます。

平地の相場よりも10万〜20万円ほど総額が高くなる可能性があるため、見積もり比較の際は「運搬費が含まれているか」を必ずチェックしましょう。

福岡市:台風対策を重視した耐風圧施工

福岡市を含む九州北部は、台風の通過ルートになる頻度が高く、毎年のように猛烈な暴風雨にさらされます。

屋根にとって台風は、単なる雨ではなく、下から突き上げるような猛烈な「風圧力(負圧)」との戦いです。

風速が上がると、飛行機の翼と同じ原理で屋根材を上に吸い上げようとする力(揚力)が働き、固定が甘いと屋根ごと吹き飛ばされてしまう危険性があります。

この地域での屋根カバー工法では、「耐風性能」に特化した施工が求められます。

具体的には、屋根材同士を噛み合わせて一体化させる「嵌合(かんごう)式」の立平葺きや、ビスで横方向にガッチリと固定する「インターロッキング工法」を採用した金属屋根が推奨されます。

これらは、風が入り込む隙間が少なく、かつ構造的に剥がれにくい設計になっています。

また、軒先やケラバといった風の影響を最も受けやすい部分のビス留め間隔を、メーカー標準よりも狭く(密に)施工する「耐風仕様」での施工を依頼するのも有効です。

また、屋根材そのものだけでなく、「棟板金(屋根の頂点の三角の板金)」の固定方法も極めて重要です。

台風被害で最も多いのが、この棟板金が風で飛ばされる事故です。

従来の施工では、板金を固定するための下地に「木の板(貫板)」を使用していましたが、屋根の頂点は高温多湿になるため、木材は経年劣化で腐食したり痩せたりしやすく、徐々に釘が効かなくなり、強風で抜けてしまいます。

そこで、福岡市のような台風常襲地帯で屋根カバー工法を行う場合は、この棟板金の下地に、木材ではなく「樹脂製の人工木材(例:タフモックなど)」を使用することを強く推奨します。

樹脂製であれば、雨水が侵入しても腐ることがなく、長期にわたってビスを保持する力が弱まりません。

さらに、固定には釘ではなく、抜けにくい「ステンレス製のビス」を使用することで、台風の強風にもビクともしない強靭な屋根が完成します。

福岡エリアの重要ポイント
見積もりを依頼する際は、「棟板金の下地は木材ですか?樹脂製ですか?」と必ず確認してください。
ここで「樹脂製を使います」と即答できる業者は、地域の気候リスクを正しく理解している優良業者である可能性が高いです。

失敗しない屋根修理業者の選び方

どんなに高性能なSGL鋼板や断熱材を選んでも、それを施工する職人の腕が悪ければ、屋根の寿命は半分以下になってしまいます。

特に屋根カバー工法は、既存の屋根の状態を見極める診断力と、板金を現場に合わせて加工する高度な技術を必要とする専門工事です。

ここでは、業者選びで絶対に失敗しないために、私たちプロが大切にしている基準をお伝えします。

訪問販売は危険!地元密着の職人直営店を選ぶ

「たまたま近くで工事をしていて、お宅の屋根が浮いているのが見えたので、親切心でお知らせに来ました」
「今ならキャンペーン中で、足場代を無料にしますよ」

このように突然インターホンを鳴らして訪問してくる業者には、決して屋根に登らせてはいけません。

2026年現在も、こうした訪問販売によるリフォームトラブルは後を絶ちません。

彼らの手口は年々巧妙化しており、最近ではドローンを飛ばして屋根の空撮画像を見せ、「ここが割れています」と指摘してくるケースも増えています。

しかし、その画像が本当にあなたの家の屋根なのか、あるいは画像加工されていないかは素人には判断できません。

中には、点検と称して屋根に上がり、見えないところで故意に屋根材を割って写真を撮り、不安を煽って契約を迫るという、許しがたい器物損壊行為を行う悪質な業者さえ存在します。

屋根リフォームを依頼するなら、「自社で職人を抱えている地域密着型の専門店」を探してください。

訪問販売は絶対NG。屋根修理は地元密着の職人直営店に依頼しましょう

その理由は明確です。

  • 適正価格であること:
    大手ハウスメーカーや家電量販店、訪問販売会社は、実際の工事を下請け・孫請け業者に丸投げすることがほとんどです。
    その結果、30%〜40%もの中間マージンが発生し、費用が割高になるか、あるいは下請け業者が利益を出すために工事の質を落とす(手抜き工事をする)原因になります。
    自社施工の専門店なら、余計なマージンがかからず、適正価格で高品質な工事が可能です。
  • 責任の所在が明確であること:
    地元の専門店は、「逃げも隠れもできない」という覚悟で仕事をしています。
    評判が悪くなれば地域で商売ができなくなるからです。
    そのため、工事後のアフターフォローや万が一の不具合への対応スピードが段違いに早いです。
  • 地域の気候を知り尽くしていること:
    前述した通り、屋根工事は地域性が重要です。
    その土地で長く営業している業者は、過去の台風や塩害の被害状況を肌で知っているため、マニュアル通りではない、その地域に最適な提案ができます。

見積書で確認すべき「一式」表記の罠

業者から見積書を受け取ったら、金額の安さに目を奪われる前に、まずは「項目(内訳)」をじっくりチェックしてください。

もし、「屋根カバー工事一式 120万円」といったように、詳細が書かれていないざっくりとした見積書が出てきたら、その業者は即刻候補から外すべきです。

なぜなら、「一式」という表記は、業者にとって都合の良い「逃げ道」だからです。

どのような材料を使うのか、どの範囲まで工事をするのかが曖昧なままだと、工事が始まってから「その部分は見積もりに含まれていません」と言われて追加料金を請求されたり、見えない部分で安い材料を使われたりしても、文句を言うことができません。

信頼できる業者の見積書には、必ず以下の情報が詳細に記載されています。

チェック項目 良い記載例 解説
屋根材の仕様 アイジー工業 スーパーガルテクト
(SGL鋼板・断熱材一体型)
カラー:シェイドブラック
「金属屋根」だけでなく、メーカー名、商品名、グレードまで明記されているか。
施工数量 屋根面積:85.4㎡
棟板金:24.5m
ケラバ板金:18.2m
「一式」ではなく、図面や実測に基づいた正確な数値(㎡やm)が記載されているか。
防水シート 田島ルーフィング PカラーEX+
(改質アスファルトルーフィング)
商品名まで記載されているか。
耐久性を左右する重要項目です。
保証内容 施工保証10年(雨漏り保証)
メーカー製品保証20年(穴あき保証)
工事店の「施工保証」とメーカーの「製品保証」のW保証になっているか。

◆斎藤のワンポイントアドバイス

私たちアップリメイクでは、お客様に「なぜこの金額になるのか」を1円単位でご納得いただけるよう、詳細な見積書を作成しています。

職人の手間賃、材料費、足場代、すべてに根拠があります。

「一式」で済ませることは、職人としてのプライドが許しません。

分からない項目があれば、遠慮なく質問してください。答えられない業者は信用できません。

見積書の詳しい見方については、以下の記事でも徹底解説しています。

屋根カバー工法の見積書の見方:項目・単価・要注意ポイントを解説

屋根工事に使える補助金と火災保険の活用

足場を有効活用した「窓リノベ補助金」と、風災時の「火災保険」活用術

最後に、決して安くはない屋根リフォームの費用負担を、少しでも軽くするための「補助金」と「保険」について、2026年の最新トレンドを踏まえて解説します。

制度を正しく理解し活用することで、実質負担額を数十万円単位で減らせる可能性があります。

窓リノベとセットで狙う国の補助金戦略

「屋根の修理に使える補助金はありますか?」とよく聞かれますが、正直に申し上げますと、2026年現在、屋根カバー工法「単体」で使える自治体の補助金は減少傾向にあり、条件も厳しくなっています(例:耐震改修とセットでないと対象外、など)。

しかし、諦めるのはまだ早いです。

国が主導する大型補助金(先進的窓リノベ事業や子育てエコホーム支援事業など)を、屋根工事と組み合わせて活用する「裏技」的な戦略があります。

それは、「屋根工事のために設置する足場を利用して、同時に窓の断熱リフォームを行う」という方法です。

実は、住宅の熱の出入り口の大部分は「窓」と「屋根」です。

屋根を断熱材一体型のカバー工法でリフォームし、同時に2階の窓を「内窓(二重窓)」にしたり、高性能な断熱ガラスに交換したりすることで、家全体の断熱性能が飛躍的に向上します。

この「窓リノベ」部分は、国からの手厚い補助金(工事費の50%相当や、一戸あたり最大200万円など)の対象となります。

屋根工事にも窓工事にも「足場」が必要ですが、これらを別々の時期に行うと、足場代(約15万〜20万円)が2回かかってしまいます。

しかし、同時に行えば足場代は1回分で済み、さらに窓リノベの補助金を受け取ることで、トータルの支出を大幅に圧縮できるのです。

「屋根を直すついでに、家を魔法瓶のように暖かくする」という発想が、2026年の最も賢いリフォーム戦略と言えます。

屋根カバー工法で使える補助金・助成金はある?条件と申請の流れ

火災保険適用となる風災被害の境界線

台風や強風、雹(ひょう)、雪などの自然災害によって屋根が破損した場合は、加入している火災保険の「風災補償」が適用される可能性があります。

例えば、「台風で棟板金が浮いてしまった」「強風で飛んできた物が当たってスレートが割れた」といったケースです。

もし保険が適用されれば、修理費用の自己負担を大幅に減らすことができます。

ただし、ここで重要なのは「経年劣化は対象外」という大原則です。

単なる色あせやサビ、摩耗による劣化は保険の対象になりません。

「いつの台風で」「どこの箇所が」「どのように壊れたか」という因果関係を明確に証明する必要があります。

申請には、被害箇所の詳細な写真や、修理見積書、そして保険会社への事故報告が必要です。

ここで注意していただきたいのが、保険申請を代行すると称して高額な手数料を請求する「申請代行業者」の存在です。

「0円リフォーム」の詐欺に注意!
「火災保険を使えば無料で屋根が直せます」と勧誘し、強引に契約を結ばせ、保険金が下りなかった場合に高額な違約金を請求するトラブルが多発しています。
保険の申請は、契約者ご本人が行うのが基本です。
まずは地元の信頼できる修理業者に調査を依頼し、「これは風災の可能性があるか」を診断してもらい、正規の見積書を作成してもらった上で、ご自身で保険会社に連絡するようにしましょう。

屋根カバー工法に関するよくある質問(FAQ)

Q1. 日本瓦の屋根ですが、カバー工法でリフォームできますか?

A. 残念ながら、日本瓦やセメント瓦のような波打った形状や厚みのある屋根には、構造上カバー工法はできません。

カバー工法は主に平らな「スレート屋根(コロニアル)」や「金属屋根」等が対象です。

瓦屋根の場合は、耐震性の観点からも軽量な金属屋根への「葺き替え工事」をおすすめします。

Q2. 工事中はずっと家にいないといけませんか?

A. いいえ、ご在宅の必要はありません。

屋根工事はすべて外からの作業ですので、戸締まりだけしっかりしていただければ、普段通りお出かけやお仕事をされていて大丈夫です。

職人も外から出入りしますのでご安心ください。

ただし、工事完了後の最終確認の際だけ、お立会いをお願いしております。

Q3. 金属屋根にすると、雨音がうるさくなりませんか?

A. 昔のトタン屋根とは違い、現在の屋根カバー工法で使用する金属屋根(特に断熱材一体型)は遮音性が非常に高くなっています。

既存の屋根の上に重ねて施工するため、屋根が二重構造になり、むしろ施工前よりも静かになったと言われるお客様が多いです。

図書館並みの静けさを実現する製品もあります。

Q4. 塗装工事とカバー工法、どちらが良いのでしょうか?

A. 屋根材の劣化状況によります。

築10年〜15年程度で大きな損傷がなければ「塗装」で十分コストを抑えられますが、築20年以上でスレートのひび割れが多かったり、防水シートの寿命が近かったりする場合は「カバー工法」の方が長期的にお得になります。

無理に塗装しても数年で剥がれてしまうことがあるため、プロによる診断を受けることをおすすめします。

まとめ:地域の特性に合った最適な選択を

まとめ:地域特性に合った屋根材、ゴムアス防水シート、地元職人直営店を選ぶこと

屋根カバー工法は、廃材を出さずに家の寿命を延ばし、断熱性まで向上させる素晴らしいリフォーム手法です。

しかし、これまでお伝えしてきた通り、お住まいの地域によって「正解」は異なります。

最後に、失敗しない屋根リフォームのために、特に重要なポイントを振り返っておきましょう。

本記事のまとめ

地域特性を重視する:上尾なら「断熱」、千葉・横浜なら「塩害対策(SGL)」、福岡なら「耐風対策」と、エリアのリスクに合わせた仕様を選ぶことが最優先です。

業者選びは慎重に:訪問販売の甘い言葉は避け、自社職人を抱える地元の専門店に依頼しましょう。「一式」と書かれた曖昧な見積もりには要注意です。

賢く費用を抑える:足場を有効活用して国の「窓リノベ補助金」を狙ったり、台風被害などは「火災保険」の適用を検討したりするなど、制度をフル活用しましょう。

それぞれの土地の気候に適した材料と施工方法を選ぶことこそが、10年後、20年後の安心につながります。

私たちアップリメイクは静岡を拠点としていますが、職人として「正しい工事」が日本中に広まることを願ってやみません。

もし、お近くで信頼できる業者がなかなか見つからない、あるいは手元の見積もり内容に不安があるという場合は、セカンドオピニオンとして私たちにご相談いただいても構いません。

皆様の大切なお住まいが、最適なリフォームによって長く守られ、ご家族が笑顔で暮らせることを心より願っています。

まずは無料診断・お見積りを依頼する >

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齋藤直樹

(株)アップリメイク代表取締役で元職人、塗装という仕事が大好きです。人生の大きな挫折と数多くの出会いを経て今は大好きな地元・静岡で、お客様の笑顔のために仕事ができることに何よりの誇りを感じています。

▼保有資格▼
1級建築塗装技能士・2級建築施工管理技士・有機溶剤作業主任者・高所作業主任者・2級カラーコーディネーター・光触媒施工技能士・乙4類危険物取扱者・ゴンドラ特別教育・職長・安全衛生責任者・第2種酸素欠乏危険作業主任者・宅地建物取引主任者・2級ファイナンシャルプランニング技能士・AFP