屋根カバー『シーガード』の特徴・価格の目安・向いている家を解説

穴を開けない新しい屋根カバー工法「シーガード」のご紹介

こんにちは、株式会社アップリメイク代表取締役の齋藤直樹です。

「屋根の劣化が気になるけれど、大掛かりな工事は予算的に厳しい」「塗装ではすぐに剥がれてしまわないか心配だ」とお悩みではありませんか?

大切なお住まいを守るための屋根リフォームにおいて、費用と耐久性のバランスは最も頭を悩ませるポイントですよね。

屋根リフォームにおける費用が高すぎる、耐久性が心配、工事で雨漏りしないか不安といったお悩み

そんな中、近年急速に注目を集めているのが、既存の屋根材(コロニアル等の平板スレート)に穴を開けずに新しい屋根材を被せる画期的な専用カバー工法「シーガード(C/guard)」です。

本記事では、塗装のプロフェッショナルとしての長年の現場経験に基づき、シーガードの持つ圧倒的なメリットから、具体的な費用相場、さらには「施工してはいけないケース」といったデメリットまで、包み隠さず徹底的に解説いたします。

この記事を最後までお読みいただければ、ご自宅の屋根にとってシーガードが最適な選択肢かどうかがはっきりと分かるはずです。

記事のポイント

  • シーガード独自の「穴を開けない接着工法」の仕組みと安全性
  • 既存板金や太陽光パネルを活かした大幅なコスト削減効果
  • 30坪の住宅における具体的な総額費用と他工法との価格比較
  • シーガードが向いている家と絶対に施工してはいけない条件

屋根カバー工法シーガードとは?

シーガードとは、日本の住宅で最も広く普及している平板スレート(一般にコロニアルと呼ばれます)屋根の改修に特化して開発された、専用の屋根カバー工法です。

ここでは、他の屋根材とは一線を画す独自のテクノロジーと素材の秘密についてお伝えします。

穴を開けない画期的な専用の接着工法

既存の屋根に専用接着剤で貼り合わせる、ビスを使わない画期的なカバー工法

従来の金属屋根を使ったカバー工法では、新しい屋根材を固定するために、下地の木材(野地板)まで届く長いビスや釘を、屋根全体で何百本、何千本と無数に打ち込む必要がありました。

しかし、これは既存の硬化した屋根材を物理的に破壊しひび割れを誘発するだけでなく、その下で家を雨から守っている最後の砦である「防水シート(ルーフィング)」にまで無数の貫通穴を開けてしまうことを意味します。

施工直後は問題なくても、10年、15年と経過するうちに、台風の強風による屋根材の微細な振動や、夏の猛暑と冬の極寒による金属の熱膨張・収縮が繰り返されることで、このビス穴が少しずつ広がり、将来的な雨漏りリスクを生む直接的な経路になり得るのです。

何千本ものビスを打つ従来の工法による雨漏りリスクと、強力な接着剤で固定し建物へダメージを与えないシーガードの比較

これに対し、シーガードは「屋根改修し〜る工法」と呼ばれる、他に類を見ない画期的な強力接着工法を採用しています。

既存のスレート屋根の表面に専用の弾力性ボンドを適量塗布し、新しいガルバリウム鋼板パネルを「点」ではなく「面」で強固に張り合わせます。

既存の屋根にも防水層にもビスを一切打たず、物理的な穴を一つも開けないため、施工に起因する雨漏りのリスクを原理的にゼロに根絶することができます。

さらに、この専用ボンドは過酷な屋根環境を計算し尽くして開発されており、非常に接着力が高く硬化スピードが早いのが特徴です。

夏季の好条件であれば、塗布して圧着した後、わずか30分程度で強力に固定され不動の状態になります。

この圧倒的なスピードのおかげで、施工の途中で近年多発している突発的なゲリラ豪雨や突風に見舞われたとしても、施工途中の隙間からの雨水侵入やパネルが飛散する心配がありません。

私たち施工側としても、そしてお客様にとっても極めて安全かつ確実なリフォームを進行できる、まさに住宅を守るための理にかなった仕組みなのです。

屋根という過酷な環境において、「穴を開けない」という選択がどれほど建物の長寿命化に貢献するか、私たち現場の人間が一番よく理解しています。

極薄かつ軽量なガルバリウム鋼板仕様

薄さわずか0.35mmで瓦屋根の半分以下の重さを持つ、サビに強いガルバリウム鋼板

シーガードの本体基材には、防錆性能と耐候性能において建築業界で最高水準の評価を確立している「ガルバリウム鋼板」が全面的に使用されています。

特筆すべきは、そのパネルの厚みがわずか0.35mmという驚異的な極薄・超軽量設計であることです。

一般的に「薄い=弱い」と思われがちですが、シーガードはスレートの形状にピタリと密着するジャストフィット設計と緻密な成型技術により、薄さと強靭な耐久性を両立させています。

重さに関しても、1平方メートルあたり約4.6kgしかありません。

一般的な既存の平板スレート屋根が1平方メートルあたり約20kgですので、シーガードを上から被せたとしても合計で約24.6kgです。

これは、昔ながらの日本瓦(約50kg/㎡)と比較しても半分以下の重さに収まります。

屋根の重さと耐震性の関係

屋根が重くなると建物の重心が高くなり、振り子の原理で地震発生時の揺れが大きく増幅されてしまいます。

シーガードのような超軽量な金属屋根材であれば、既存の屋根に重ねて施工した際の建物全体への荷重負荷(デッドロード)の増加を最小限に抑制し、建物の重心上昇を防ぐことで、耐震性の低下を回避する上で極めて重要な役割を果たします。

さらに、このガルバリウム鋼板の表面処理には、高度な工業的塗装技術が適用されています。

国内の専用工場において、錆に強い鋼板の上に有機骨材を精緻に配合したポリエステル樹脂塗料を塗布し、2回にわたる高温の焼き付け塗装を施した「ネオマット」と呼ばれる特殊な表面仕上げがなされています。

この厳格な温度管理下での焼き付け工程により、塗膜と鋼板基材が分子レベルで密着します。

現場で職人が手作業で行う常温乾燥の一般的な屋根塗装とは比較にならないほど強靭で均一な塗膜を形成しており、酸性雨や強烈な紫外線に長期間さらされても、色褪せやチョーキング(白亜化)、塗膜の剥離が起きにくい卓越した耐候性を実現しています。

シーガードが持つ3つの大きな特徴

私たちが現場でシーガードを施工していて、お客様から特に喜ばれるポイントがいくつかあります。

それは単に「屋根が綺麗になる」という以上の、実質的なコスト削減や環境への配慮に直結するメリットです。

主な3つの特徴をご紹介します。

既存の板金部材をそのまま活かせる

一般的な屋根カバー工法の場合、段差のある新しい金属屋根材や断熱材を既存屋根の上に被せることによって、屋根全体の厚み(仕上がり高さ)が数センチメートル増加してしまいます。

そのため、屋根の頂上部に設置されている「棟板金(むねばんきん)」や、屋根の端部を保護している「ケラバ板金」といった既存の周辺部材をすべて一度取り外し、増加した高さに合わせて新しく成型した板金部材へ交換・再施工する工程が絶対に避けられませんでした。

しかし、シーガードは極薄のパネル(0.35mm)が既存のスレート一枚一枚に対して隙間なく密着するように重ね合わされるため、施工後も屋根全体の高さや段差の寸法が実質的に変化しません。

その結果、既存の板金部材や雨樋の設定位置などを変更・交換する必要がなく、そのまま活かすことが可能です。

既存の板金を撤去する際に出る廃材の処分費用もかかりません。

この「周辺部材の全交換が不要である」という特性は、単に新規の板金材料費を削減するだけにとどまりません。

板金の切断・曲げ加工や撤去・再設置に関わる専門的な板金職人の煩雑な作業工程を大幅にカットすることに直結し、全体的な工期の大幅な短縮と、それに伴う人件費の劇的な削減という連鎖的なコストダウンを生み出す最大の要因となっています。

(※ただし、プロの目から見て既存板金の内部にある貫板などの木部腐食が著しい場合に限っては、シーガードの耐久性に合わせる形で足場があるうちに同時交換することを強く推奨しています。)

屋根カバー工事の一般的な流れやメリットについてより詳しく知りたい方はこちらもご参照ください。

太陽光パネルの脱着費用を大幅に削減

太陽光パネルの脱着費用0円、既存板金交換不要、アスベスト処分費用0円など、お財布にも環境にも優しいメリット

太陽光パネル設置住宅の救世主

太陽光パネルが乗っている屋根のメンテナンスは、非常に高額になるケースが多いです。

従来のカバー工法や葺き替えを行うためには、屋根全体への施工スペースを確保するため、一度パネルと架台をすべて下ろす「脱着工事」が必要となり、それだけで30万円〜40万円の追加費用が発生してしまうからです。

近年、電気料金の高騰やエコの観点から太陽光パネルを搭載する住宅が増加していますが、築15年〜20年を迎えて屋根のメンテナンスが必要になった際、この「脱着費用」が施主様にとって極めて重い経済的負担となっています。

パネルの脱着には電気工事士などの専門技術が必要であり、さらに取り外しによるメーカー保証の失効リスクなども絡むため、非常にデリケートな問題です。

ここでシーガードの「ジャストフィット設計」と「接着工法」が最大限の威力を発揮します。

シーガードは屋根の高さが変わらないため、太陽光パネルの架台が設置されている足元の周囲の隙間だけを狙って、パネルの下に滑り込ませるように張り上げることが可能です。

つまり、重く複雑な太陽光パネルを屋根から一切下ろすことなく、紫外線や雨風にさらされて劣化している「パネルが乗っていない部分の屋根」だけを美しくカバーし完遂できるのです。

これにより、施主様はこの数十万円にも上る脱着費用を丸ごとカットでき、圧倒的な経済的メリットを享受できます。

アスベストの飛散を安全に封じ込める

日本の住宅史において、1990年代から2004年頃までに建築または屋根の葺き替えが行われた住宅の平板スレート屋根には、強度と耐久性を高める目的でアスベスト(石綿)が含有されているケースが非常に多いです。

現在、健康被害を防ぐ観点から、アスベスト含有建材を撤去・解体・処分する際には、大気汚染防止法などの厳格な法令に基づき、専門機関による事前の含有調査、飛散防止のための特殊な隔離養生、そして最終的な特別管理産業廃棄物としての厳重な処理が義務付けられています。

これにより、旧型スレート屋根を剥がして行う「葺き替え工事」は、純粋な屋根工事費用に加えて数十万円単位の莫大なアスベスト関連費用が上乗せされることになり、施主様にとって経済的に極めて非現実的な選択肢となりつつあります。

シーガードの接着工法は、既存の屋根材を一切切断・破砕・剥離せずに、上からガルバリウム鋼板と強力接着剤で完全に密閉する「封じ込め(カプセル化)」の手法をとります。

施工過程において既存屋根にビス穴すら開けないため、アスベストの粉塵が周辺環境に飛散するリスクを完全にゼロに抑え込むことができます。

さらに、既存屋根材の撤去を伴わないため廃材がほとんど発生せず、複雑化する行政手続きの手間と高額な特別処分コストを劇的に削減できます。

近隣住民への配慮という点でも、安全かつ合法的にアスベスト問題を解決する現状における最適解と言えます。

シーガードの施工費用と価格の目安

皆様が最も気になるのは、やはり「結局いくらかかるのか?」という費用の部分だと思います。

目先の初期費用(イニシャルコスト)だけでなく、数十年単位での総維持費用(ライフサイクルコスト:LCC)を見据えた上で、おおよその目安と他工法との比較を分かりやすくお伝えします。

30坪住宅における総額費用の相場

30坪の目安における屋根塗装(50〜70万円)、シーガード(100〜110万円)、葺き替え(150万円〜)の費用と耐久性の比較表

一般的な日本の戸建て住宅において最もボリュームゾーンとなる「延床面積30坪(屋根面積約100㎡)」を標準的なモデルケースとして、費用相場を詳細に分析します。

シーガードの本体材および施工に直接関わる作業工賃の目安(平米単価)は、1平方メートルあたり約9,680円(税込)〜と設定されていることが多いです。

しかし、実際の工事においてはお客様が支払うことになる「総額ベース」での費用概算を把握しておくことが重要です。

安全に作業を行うための仮設足場代(約15万円〜30万円)、接着強度を極限まで高めるための事前の徹底したバイオ高圧洗浄代(約3万円〜5万円)、そして材料費、施工費、現場管理費などをすべて合算した「総額」の目安は、約100万円〜110万円程度に収まるケースが大半です。

一部の悪質な訪問販売業者のように「足場代無料キャンペーン」などと謳い、見えない部分で材料の質を落としたり、高圧洗浄を怠ったりするような「一式見積もり」には絶対に注意してください。

優良な施工店であれば、面積や工程ごとの単価を明確に提示します。

総額100万円強という投資で、20年以上の高耐久性が手に入ると考えれば、建物のライフサイクルコストを劇的に下げる非常にコストパフォーマンスに優れた選択肢であることが分かります。

費用の詳細な内訳や適正価格の見極め方については、屋根カバー工法の費用相場についての詳細な解説記事もあわせてご覧ください。

塗装や従来の金属屋根カバーとの比較

シーガードのコスト競争力と投資対効果をより明確にするため、30坪住宅における他の代表的な屋根改修工法との費用比較と、それに伴う特性を以下の表にまとめました。

工法 総額費用の目安 特徴・LCC(ライフサイクルコスト)
屋根塗装 50万円〜70万円 初期費用は全工法中で最も安価。しかし塗膜の寿命が10年前後のため、将来的に再塗装と足場代が繰り返し発生し、長期的には総コストが膨張する。
シーガード 約100万円〜110万円 既存板金部材の交換が不要で初期費用を圧縮。国内工場焼き付け塗装による20年以上の高耐久性(メンテナンスフリー)を実現し、LCCに極めて優れる。
一般的な金属カバー 120万円〜180万円 新規防水シート敷設や既存棟板金の全撤去・新設加工が必須となるため、高額になる。断熱性が高いメリットはある。
葺き替え工事 150万円〜250万円以上 最も根本的な解決策だが、既存スレートの撤去費と、アスベスト含有時の特別処分費が重くのしかかり、非常に高額化する。

この比較データから明らかなように、シーガードは「高価で大掛かりな金属カバー工事や葺き替えを行うほどの予算的余裕はないが、10年程度で寿命を迎えてしまう塗装工事では将来のメンテナンス費用の再発が不安である」という、多くのお客様が抱える心理的および経済的なジレンマに対して、極めて説得力のある価格帯と性能バランスを提示しています。

安価だが短寿命な「屋根塗装」と、高耐久だが高額な「従来の金属カバー工法」のちょうど中間に位置する、戦略的な「第三の選択肢」なのです。

他の金属屋根カバー工法との違い

カバー工法を検討される際、情報収集を行うお客様が比較対象として頻繁に直面するのが、アイジー工業株式会社などが提供する断熱材一体型の高級金属屋根材(代表例:スーパーガルテクト)です。

両者は同じカバー工法に用いられる鋼板製品ですが、設計思想や適しているお住まいの状況は根本的に異なります。

スーパーガルテクト等との徹底比較

スーパーガルテクトの最大の強みは、表面のSGL鋼板の裏面全体にポリイソシアヌレートフォームなどの高性能な発泡断熱材を隙間なく充填した「断熱材一体型構造」による圧倒的な断熱性能です。

夏場の強烈な日差しによる屋根裏の温度上昇を強力に遮断するため、「2階の寝室やロフトの暑さを劇的に改善したい」という明確な目的がある場合には非常に有効な選択肢となります。

しかし、スーパーガルテクトは本質的に「ビスを用いた固定工法」です。

施工にあたっては、既存の屋根に新しいルーフィング(防水シート)を全面に敷き詰め、その上からビスを打ち込んで固定します。

また、屋根材自体に断熱材の厚みがあるため屋根全体のボリュームが増加し、前述の通り既存の棟板金やケラバ板金の全交換作業が必須となります。

複雑な屋根形状に合わせてこれらを美しく納めるためには高度な板金加工技術が必要となり、初期費用は140万円〜180万円と必然的に高額化するというデメリットが存在します。

一方シーガードは、パネル自体に極厚の断熱材は付着していませんが(弾力性ボンド層による一定の遮熱・制振効果はあります)、ビスによる防水層貫通リスクがゼロ、板金交換不要による工期短縮と低コスト化、そして何より太陽光パネルをそのままに施工できるという独自の強みを持っています。

◆斎藤のワンポイントアドバイス

「居住空間(特に2階)の断熱性向上を最優先にしたい」「既存スレートが激しく割れていて接着剤を塗る基盤がない」という場合は、初期費用をかけてでもスーパーガルテクト等の断熱材一体型を選び、ビスで強固に固定するべきです。

一方で、「現在の空調効率に致命的な不満はなく、将来の雨漏りリスクやアスベスト問題を賢く・低コストで解決したい」「太陽光パネルを載せている」という条件が揃っている場合は、シーガードが圧倒的におすすめです。

ご自身の目的に合わせて最適な工法を見極めることが成功の秘訣です。

シーガードの施工が不可能な条件

これまでの解説の通り、シーガードは数多くの革新的なメリットを持つ極めて優れた建材ですが、あらゆる状況を解決できる万能な魔法の工法というわけではありません。

製品の構造的特性と接着工法というアプローチに起因する、明確な適用限界(施工が不可能なケース)が存在します。

プロとして、このデメリットもしっかりお伝えしなければなりません。

雨漏りや下地の腐食が進行している家

すでに雨漏りしている、屋根材がボロボロに割れている、瓦屋根など、シーガードの施工ができない注意ケース

施工不可の明確なサイン

・すでに室内の天井や壁に雨漏りの染みが発生している

・屋根の上を歩くと、下地の木材が腐ってブカブカと沈み込む箇所がある

・過去の台風や雹で屋根材が広範囲にわたって割れたり欠損している

・日本瓦、洋瓦、波形スレートなど、平板スレート以外の形状の屋根である

シーガードは既存の屋根材の上に強力に「密着」して、表面からの新たな雨水浸入を完全に防ぐことには長けていますが、屋根の内部に防水シート(ルーフィング)を新設・修復するわけではありません。

もし既存の屋根において、すでに内部の防水シートが破断し、野地板(下地となる木材)まで腐食やカビの繁殖が進んで室内に雨漏りが発生している場合、表面だけをシーガードで綺麗に覆い隠しても根本的な問題は全く解決しません。

それどころか、内部に侵入して溜まった湿気や結露が外部へ抜け放たれない密閉状態を作り出してしまい、木部の腐朽をさらに加速させ、最悪の場合は屋根が陥没する危険性すらあります。

また、既存のスレートがボロボロに崩壊している状態では、専用接着剤を均一に塗布するための「安定した基盤」が存在しないため、十分な接着強度を確保できず、強風時にパネルごと剥がれ飛散する恐れがあります。

このような深刻な状態の場合は、表面を隠すカバー工法ではなく、既存材をすべて剥がして下地の木材や防水シートから根本的に造り直す「葺き替え工事」しか適応できません。

だからこそ、表面のドローン撮影だけでなく、実際に職人が屋根に登って踏み心地を確認し、小屋裏(屋根裏)まで入って下地をチェックする、事前の正確な屋根診断が何よりも重要なのです。

屋根カバー工法で後悔しないための診断ポイントと悪徳業者の見抜き方についても、契約前に必ず目を通しておくことを強くお勧めします。

屋根カバー工法(シーガード)に関するよくある質問(FAQ)

Q1. ボンドで接着すると聞きましたが、工事中、接着剤の嫌な臭いなどはしませんか?

A. ご安心ください。

シーガードの施工で使用する専用の弾力性接着剤(ボンド)は、一般的な屋根塗装(特に油性・溶剤系塗料)で使用するシンナーなどのような、ツンとする強い刺激臭はほとんどありません。

揮発性有機化合物(VOC)の発生も抑えられているため、ご近隣への臭いによる影響やトラブルのリスクも極めて少なく、隣家との距離が近い密集した都市部の住宅街であっても、ストレスなく安心して工事をお任せいただけます。

Q2. シーガード施工後、将来的に塗装などのメンテナンスは一切不要になるのですか?

A. シーガードのガルバリウム鋼板パネル自体は、工場での厳格な焼き付け塗装処理により、20年以上にわたって塗り替えが不要となる極めて高い耐久性を誇ります。

しかし、「家全体」として見た場合、完全なメンテナンスフリーになるわけではありません。

パネル同士の接合部や壁際などの雨仕舞いをしているコーキング(シーリング)部分や、今回残置して再利用した既存の棟板金などは、紫外線によって経年劣化し、10年〜15年程度でひび割れやサビが発生する可能性があります。

建物の健康状態を維持するためには、10年を目安にプロによる定期点検を受け、必要に応じてコーキングの打ち替えや板金の防錆処理などの「予防的メンテナンス」を行うことを強くお勧めします。

Q3. 金属の屋根材を被せると、雨の日にバラバラと音がうるさくなったりしませんか?

A. 薄い金属屋根と聞くと、トタン屋根のような騒音を心配される方が非常に多いですが、シーガードの場合は全く問題ありません。

その秘密は「専用ボンド」にあります。

既存の硬いスレート屋根と新しい金属パネルの間に隙間なく充填された、弾力性を持った接着剤の層が、雨粒が金属を叩くことで発生する微振動をしっかりと吸収する緩衝材(制振機能)の役割を果たします。

太鼓の皮を手で押さえると音が響かなくなるのと同じ原理です。

そのため、激しいゲリラ豪雨であっても、室内で雨音がうるさくて眠れないといった騒音問題に悩まされることはほとんどありません。

Q4. 自宅は瓦屋根(日本瓦)なのですが、シーガードを施工することはできますか?

A. 誠に申し訳ございませんが、日本瓦や洋瓦、セメント瓦のような大きく波打った形状や厚みのある屋根には、構造上シーガードを施工することは絶対にできません。

シーガードの本体パネルは、表面が平らな「平板スレート(コロニアル)」の規格寸法に合わせて、ピタリと被さるようにジャストフィットで精密に専用設計されているからです。

無理に接着しようとしても接着面が確保できず、すぐに剥がれてしまいます。

瓦屋根のお客様でリフォームをご検討の場合は、現在の重い瓦をすべて撤去し、地震に強い超軽量な金属屋根(スーパーガルテクト等)へと新調する「葺き替え工事」を最適なプランとしてご提案させていただきます。

徹底した下地処理と誠実な施工のお約束

接着力を高めるためのバイオ高圧洗浄と、施工前の屋根裏チェックなどプロの診断の重要性

ここまで、屋根カバー工法「シーガード」の持つ数々のメリットや、施工にかかる費用相場、そして注意すべき適用限界について詳しく解説してきました。

本記事の重要なポイントをまとめると、以下のようになります。

完全接着工法:既存屋根や防水層にビス穴を一切開けず、将来的な雨漏りリスクを原理的に根絶できる。

圧倒的なコスト削減:極薄設計により既存の板金部材をそのまま活かせるため、無駄な撤去・交換費用がかからない。

太陽光パネル対応:パネルを下ろさずに隙間から施工可能で、約30〜40万円の脱着費用を丸ごとカットできる。

アスベスト対策:危険な粉塵を安全かつ合法的に封じ込め、高額な特別処分費を回避できる最適解。

施工不可の条件:すでに雨漏りや木部の腐食が進行している屋根、瓦屋根などの凹凸が激しい屋根には適用できない。

これらの優れた特徴を持つシーガードですが、その接着強度を100%引き出し、20年先まで台風や豪雨に耐えうる安心の屋根環境を構築するための最大の命題は、本体パネルの性能以上に「事前の徹底した下地処理(高圧洗浄)」にあります。

シーガードはボンドを用いた接着工法であるため、施工対象となる既存スレート表面の清浄度が、完成後の耐久性に直接的かつ致命的な影響を与えます。

長年の間に堆積した砂埃、繁殖したコケや藻、カビ、あるいは過去の塗装メンテナンスによる旧塗膜の浮きなどの不純物が付着したままボンドを塗布しても、シーガードはスレート本体ではなく「汚れ」に対して接着することになります。

これでは、強風時にあっけなくパネルごと剥がれ飛散する重大な施工不良を引き起こします。

私たちアップリメイクでは、通常の水洗いだけでなく、専用の洗浄剤を用いた「バイオ高圧洗浄」を実施し、目に見えないカビやコケの根っこから徹底的に分解・除去します。

そして、水分が完全に飛ぶまで十分な乾燥工程を経るという厳格な下地処理を絶対のルールとしています。

どんなに優れた建材も、職人の「見えない部分へのこだわりと情熱」が伴っていなければ性能を発揮できません。

私たちは地域密着の職人直営店として、下請けに丸投げすることなく、自社の熟練職人が一棟一棟、自分の家を直すつもりで丁寧に仕上げます。

目先の利益にとらわれず、お客様の「安心」と「幸せ」を第一に考えた適正価格でのご提案と、妥協のない施工品質をお約束いたします。

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※本記事でご紹介した費用相場や耐久年数、工期等は、あくまで一般的な住宅(30坪程度)を想定した目安です。

建物の立地環境(塩害地域など)、屋根の勾配、既存下地の劣化状況によって実際の数値は大きく変動いたします。

インターネット上の情報だけで自己判断せず、正確な費用やご自宅に最適な工法については、必ず資格を持った専門家による現地調査(歩行検査・小屋裏点検)のうえでお見積りをご依頼ください。

大切な資産を守るための最終的な判断は、信頼できる地域の専門家へのご相談を強く推奨いたします。

  • この記事を書いた人

齋藤直樹

(株)アップリメイク代表取締役で元職人、塗装という仕事が大好きです。人生の大きな挫折と数多くの出会いを経て今は大好きな地元・静岡で、お客様の笑顔のために仕事ができることに何よりの誇りを感じています。

▼保有資格▼
1級建築塗装技能士・2級建築施工管理技士・有機溶剤作業主任者・高所作業主任者・2級カラーコーディネーター・光触媒施工技能士・乙4類危険物取扱者・ゴンドラ特別教育・職長・安全衛生責任者・第2種酸素欠乏危険作業主任者・宅地建物取引主任者・2級ファイナンシャルプランニング技能士・AFP