こんにちは、株式会社アップリメイク代表取締役の齋藤直樹です。
築15年、20年と経過したお住まいで、屋根の色あせやひび割れ、雨漏りへの不安を感じてはいませんか?
屋根は普段の生活ではほとんど見えないため、「見た目はそれほど悪くなさそうだから、まだ大丈夫かな」と判断しにくい場所ですよね。
一方で、業者に点検を依頼すると、「塗装で十分です」「カバー工法が必要です」「すぐに葺き替えなければ危険です」と、それぞれ違う説明を受けることがあります。
見積金額にも大きな差が出るため、結局どの工事を選べばよいのかわからなくなってしまう方も多いと思います。
特に、日本の住宅で広く使われているスレート屋根にお住まいの方は、屋根材表面の劣化だけでなく、その下にある防水シートや野地板の状態まで考えて修繕方法を選ばなければなりません。
「そろそろ屋根の修理が必要だけど、高額な葺き替え工事しか選択肢はないのだろうか」
「塗装を勧められたけれど、本当に塗るだけで雨漏りを防げるのだろうか」
「古いスレートにはアスベストが含まれていると聞き、撤去時の飛散や処分費用が心配だ」
私たちは日々の現場で、お客様からこうした切実なお悩みを伺っています。
そのようなときに、塗装と葺き替えの中間的な選択肢として検討されるのが、スレート屋根のカバー工法です。
カバー工法は、既存の屋根を基本的に残したまま、その上へ新しい防水シートと軽量な屋根材を施工する方法です。
屋根材の全面撤去を避けられるため、葺き替えと比べて解体費用や廃材処分費を抑えやすく、工期も短くできる可能性があります。
ただし、どの住宅にも施工できる万能な工法ではありません。
野地板が腐っている住宅、長期間の雨漏りが続いている住宅、屋根の形状や勾配が採用する屋根材の施工基準に合わない住宅では、カバー工法より葺き替えが適している場合があります。
この記事では、スレート屋根カバー工法の仕組み、費用相場、メリット、デメリット、アスベストが含まれる可能性がある屋根での注意点まで、できるだけわかりやすくお伝えします。
さらに、塗装・カバー工法・葺き替えのどれを選ぶべきか、見積書のどこを確認すればよいか、屋根と外壁を同時に工事するときの考え方も解説します。
読み終わるころには、「自宅はカバー工法を検討できそうか」「業者に何を質問すればよいか」「安い見積もりだけで決めてはいけない理由」が見えてくるはずですよ。
記事のポイント
- スレート屋根カバー工法の仕組みと、塗装・葺き替えとの具体的な違い
- カバー工法を検討できる屋根と、葺き替えを優先すべき屋根の判断基準
- 屋根重量の増加、雨漏りの見落とし、結露などのデメリットと対策
- アスベスト含有屋根で必要となる事前調査と、施工時に確認したいこと
- ガルバリウム鋼板・SGL鋼板など、カバー工法で使われる屋根材の特徴
- 足場代を含む費用相場と、見積書で省かれやすい項目の確認方法
- 屋根と外壁の同時施工で費用を抑えられるケースと、別々でもよいケース
スレート屋根のカバー工法とは?既存屋根の上に新しい防水層を作る工事
スレート屋根の主なメンテナンス方法には、「屋根塗装」「屋根カバー工法」「屋根葺き替え」の3種類があります。
屋根塗装は、既存の屋根材表面を洗浄・補修し、新しい塗膜で保護する工事です。
カバー工法は、既存の屋根材を基本的に残し、その上へ新しい防水シートと屋根材を施工します。
葺き替えは、古い屋根材と防水シートを撤去し、必要に応じて野地板も補修・交換してから、新しい屋根を作る工事です。
この3つは費用だけでなく、修繕できる範囲が違います。
表面の色あせや軽い劣化であれば塗装が選択肢になりますが、防水シートの更新まで考える場合はカバー工法か葺き替えが必要です。
野地板の腐食や屋根構造の傷みまで直す必要がある場合は、既存屋根を撤去して内部を確認できる葺き替えが基本となります。
コロニアル屋根のカバー工法の特徴
日本の木造住宅で広く採用されている屋根材の一つが、平形の化粧スレートです。
一般には「コロニアル」「カラーベスト」と呼ばれることが多いのですが、これらはもともと特定メーカーの商品・ブランド名称です。
長年広く普及したため、現在では平形スレート屋根全体を指すような言葉として使われることがあります。
スレート屋根は日本瓦より軽く、比較的施工しやすく、住宅の外観にも合わせやすいことから、多くの新築住宅で採用されてきました。
ただし、年月が経過すると、表面塗膜の色あせ、コケや藻、ひび割れ、欠け、反りなどが発生します。
ここで誤解しないでいただきたいのは、屋根塗装の役割です。
塗装は、スレート屋根の表面を紫外線や雨水から保護し、水分を吸い込みにくくするために行います。
しかし、屋根の雨漏りを最終的に防いでいるのは、屋根材だけではありません。
屋根材の重なりや勾配によって雨水を流し、その下にある防水シートが二次防水の役割を担うことで、住宅内部への浸水を防いでいます。
そのため、防水シートが破れている、谷板金に穴が開いている、壁際の雨仕舞いに問題があるといった場合は、表面を塗装するだけでは雨漏りを止められません。
新築から10年~15年ほどで、色あせや軽度のコケなど、表面の劣化が中心であれば塗装を検討できます。
一方、築20年前後を迎え、屋根材の割れや反りが増えている場合や、防水シートの劣化が疑われる場合は、塗装だけで本当に十分なのか慎重に判断する必要があります。
防水シートの耐久性は、使用されている製品、屋根裏の温湿度、屋根勾配、施工状態、日射や雨風の影響によって変わります。
「築20年だから必ず寿命」「築30年までは絶対に大丈夫」と、年数だけで決めることはできません。
屋根裏の雨染み、野地板の変色、過去の雨漏り履歴、屋根表面の状態を合わせて確認することが大切です。
こうした、塗装だけでは防水性能を十分に見直せない屋根で検討されるのが、コロニアル屋根のカバー工法です。
一般的なカバー工法では、棟板金や雪止めなど施工の妨げになる部材を撤去したあと、既存のスレート屋根の上へ新しい防水シートを敷きます。
その上から、ガルバリウム鋼板やSGL鋼板を使った軽量な金属屋根を施工し、メーカーの施工基準に沿って下地へ固定します。
カバー工法の大きな特徴
既存屋根材を全面撤去しないため、葺き替えと比べて解体作業や廃材量を抑えられる可能性があります。
屋根が全面的に開いた状態になりにくいため、天候の影響を管理しやすく、工期も短縮しやすい工法です。
ただし、棟板金、雪止め、古い下地材、加工時の端材などは発生するため、「廃材がまったく出ない工事」ではありません。
工期は屋根面積、屋根形状、下地補修の有無、天候によって変わりますが、一般的な戸建て住宅では1週間前後から10日程度が一つの目安です。
寄棟屋根で棟が多い住宅、谷や下屋がある住宅、太陽光パネルの脱着が必要な住宅では、さらに日数がかかる場合があります。
また、葺き替えより解体音や粉じんを抑えやすいとはいえ、工事中は足場の組み立て音、板金加工音、ビス固定時の振動が発生します。
普段どおり生活できるケースが多いものの、在宅勤務、小さなお子様、音に敏感なペットがいるご家庭では、音が出やすい工程を事前に確認しておくと安心ですよ。
カバー工法は、工期と撤去費用を抑えながら、新しい防水層と屋根材を設けられることが大きな魅力です。
ただし、その性能は新しい屋根材だけで決まるものではありません。
防水シートの種類、重ね幅、軒先・ケラバ・谷・棟・壁際の雨仕舞い、ビスの固定位置など、施工後に見えなくなる部分が雨漏り防止の要になります。
より具体的な工事の流れや、ご自宅がカバー工法に向いているかを確認したい方は、屋根カバー工事とは?向いている家・工事の流れ・費用目安もご覧ください。
カラーベスト屋根カバー工法の仕組み
カラーベストも、一般的には平形スレート屋根を表す名称として使われています。
セメントと繊維質などを主原料として成形されており、屋根材の製造時期や商品によって、含まれる成分や経年劣化の現れ方が異なります。
カラーベスト屋根に対するカバー工法の基本的な考え方は、コロニアル屋根と同じです。
既存屋根を残し、新しい防水シートと軽量な屋根材を重ねます。
ここで慎重に選びたいのが、新しく被せる屋根材です。
カバー工法は既存屋根の上へ材料を追加するため、重量をできる限り抑えなければなりません。
そのため、住宅用のカバー工法では、軽量な金属屋根が選ばれることが一般的です。
ガルバリウム鋼板とSGL鋼板の違い
金属屋根の代表的な素材が、ガルバリウム鋼板です。
ガルバリウム鋼板は、アルミニウムと亜鉛などを組み合わせためっき層によって鋼板を保護し、従来の亜鉛めっき鋼板より耐食性を高めた素材です。
さらに近年は、ガルバリウム鋼板のめっき組成にマグネシウムを加えた「SGL鋼板」を使用する屋根材も増えています。
SGL鋼板の素材メーカーでは、独自の複合サイクル試験に基づき、ガルバリウム鋼板と比べて3倍を超える耐食性が期待できると案内しています。
ただし、この数値は素材の試験結果であり、どの住宅でも屋根全体が3倍長持ちするという意味ではありません。
実際の耐久性は、表面塗膜、切断部の処理、ビスや役物、海からの距離、周辺環境、施工品質、定期点検によって変わります。
商品を比較するときは、「SGLという素材名」だけを見るのではなく、塗膜保証、赤さび保証、穴あき保証、沿岸地域での保証条件まで確認してください。
断熱材一体型の金属屋根は暑さと雨音を軽減しやすい
カバー工法に使われる金属屋根には、金属板の裏側へ断熱材を一体化した商品があります。
断熱材一体型の商品は、断熱材のない薄い金属屋根と比べて、日射熱や雨音を室内へ伝わりにくくする効果が期待できます。
また、既存のスレート屋根が下に残ることも、金属屋根へ雨粒が当たったときの振動を室内へ伝わりにくくする要素の一つです。
ただし、「屋根を二重にすれば夏の2階が必ず涼しくなる」「電気代が大幅に下がる」とまでは断定できません。
室内の暑さは、天井断熱材の厚さ、小屋裏換気、窓から入る日射、住宅の気密性、エアコンの性能などにも左右されるからです。
◆齋藤のワンポイントアドバイス
暑さ対策を重視する場合は、屋根材だけでなく、屋根裏の断熱材や換気状態も一緒に確認することが大切です。
現地調査の際には、「断熱材一体型ですか」「屋根裏の換気は足りていますか」「換気棟を追加できますか」と業者へ質問してみてください。
屋根材の商品名だけでなく、住宅全体で熱をどう逃がすかまで考えてくれる業者の方が、安心して相談できるかなと思います。
スレート屋根カバー工法が向いている家・向いていない家
カバー工法は、既存屋根を下地の一部として利用する工事です。
そのため、見た目が古いから施工するのではなく、既存屋根と下地が新しい屋根を受け止められる状態かどうかを確認しなければなりません。
カバー工法を検討しやすい住宅
次のような住宅は、カバー工法を検討できる可能性があります。
- 既存屋根がスレート屋根、またはカバー対応の金属屋根である
- 屋根材のひび割れや色あせが進み、塗装だけでは長期的な保護が難しい
- 野地板に、新しい屋根材を固定できる強度が残っている
- 長期間続く雨漏りや、広範囲の下地腐食が確認されていない
- 屋根の勾配が、新しく採用する屋根材の施工基準を満たしている
- 太陽光パネルや天窓などの処理方法が事前に決まっている
- 今後も長く住む予定があり、防水シートから見直したい
ただし、この項目に当てはまっていても、屋根の上から見ただけでは判断できないことがあります。
屋根裏から野地板の状態を確認し、過去の雨漏り履歴や図面も踏まえて判断することが必要です。
葺き替えを優先した方がよい住宅
次のような状態では、カバー工法より葺き替えを優先することがあります。
- 雨漏りが長期間続いている
- 屋根裏の広い範囲に雨染みや腐朽がある
- 野地板が柔らかくなり、ビスを十分に固定できない
- 屋根面が大きく波打っている、または沈み込んでいる
- 日本瓦やセメント瓦など、一般的なカバー工法が難しい屋根である
- すでに一度カバー工法が行われ、屋根が二重になっている
- 屋根を軽くして耐震性を見直すことが最優先である
- 雨漏りの原因が特定できていない
特に注意していただきたいのが、雨漏りがある状態で原因を特定せず、上から新しい屋根を被せてしまうケースです。
雨漏りは、屋根材の割れだけでなく、谷板金、壁際、天窓、棟、外壁との取り合い、雨どい周辺など、さまざまな場所から発生します。
原因を直さずに覆ってしまうと、工事後も雨漏りが続いたり、古い屋根の内側で腐食が進んだりする可能性があります。
「カバー工法ができる」と「カバー工法が最適」は別です
物理的に施工できる住宅であっても、数年後に建て替える予定がある場合や、将来の解体費まで考えると、別の補修方法が合う場合があります。
工事費だけでなく、これから何年住む予定なのか、次の大規模修繕をいつ想定するのかまで考えて選びましょう。
スレート屋根カバールーフの主なメリット
カバー工法には、葺き替えと比べて既存屋根の撤去範囲を抑えられること以外にも、いくつかのメリットがあります。
ただし、住宅の状態や採用する商品によって得られる効果は異なります。
解体費用と廃材処分費を抑えやすい
葺き替えでは、既存屋根材を一枚ずつ撤去し、地上へ下ろして運搬・処分します。
カバー工法では既存屋根材の大部分を残すため、全面撤去と比べて解体作業と廃材量を抑えられます。
その結果、解体費用、廃材の運搬費用、処分費用を抑えやすくなります。
ただし、下地が傷んでいて補修範囲が広い場合や、太陽光パネルの脱着がある場合、複雑な屋根形状の場合は、想定より費用が高くなることがあります。
葺き替えより工期を短縮しやすい
屋根材を全面撤去する工程が少ないため、葺き替えと比べて工期を短縮しやすいこともメリットです。
工期が短くなれば、足場が設置されている期間、騒音が発生する期間、窓を開けにくい期間も短くできる可能性があります。
ただし、雨天や強風時には安全のため作業を中止します。
「必ず何日で終わる」とは考えず、予備日を含めた工程表を確認しておくと安心です。
新しい防水シートまで施工できる
塗装とカバー工法の大きな違いは、新しい防水シートを施工できることです。
屋根材の下へ入った雨水を受け止める防水シートは、雨漏り防止に欠かせません。
カバー工法では既存屋根の上へ新しい防水シートを設けるため、屋根材表面だけでなく、二次防水層まで見直せます。
ただし、防水シートを敷けばどのような施工でも安心というわけではありません。
重ね幅、立ち上げ寸法、谷や壁際の納まり、固定方法がメーカー基準に合っているかが重要です。
断熱性・遮音性の改善が期待できる
断熱材一体型の金属屋根を使用した場合は、屋根から伝わる日射熱や雨音を軽減できる可能性があります。
既存スレートと新しい金属屋根の二重構造も、振動や熱を室内へ直接伝えにくくする要素になります。
ただし、効果は住宅ごとに異なります。
暑さや雨音を重視する場合は、屋根材の断熱材厚さ、天井断熱、小屋裏換気まで確認しましょう。
アスベスト含有スレートでカバー工法を検討するときの注意点
古いスレート屋根の改修で、特に慎重な対応が必要となるのがアスベストです。
アスベストは、耐熱性、耐火性、断熱性などに優れた繊維状の鉱物で、過去には多くの建築材料へ使用されていました。
しかし、微細な繊維を吸い込むことで、肺がんや中皮腫などの健康被害につながることがわかり、現在は製造・使用などが禁止されています。
住宅用の化粧スレートにも、過去にアスベストを含む製品が存在しました。
ただし、「2004年以前に建てられた住宅はすべてアスベスト入り」「古い屋根なら外観だけで判断できる」というものではありません。
メーカー、商品名、製造時期によって異なるため、図面、仕様書、製品情報、現地調査をもとに確認します。
カバー工法でも石綿の事前調査は必要
「既存屋根を撤去しないカバー工法なら、アスベストの調査は必要ないのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、カバー工法でも棟板金や雪止めを撤去したり、既存屋根を通してビスを固定したりする工程があります。
既存建材へ手を加える改修工事であるため、工事前に石綿含有の有無を調査する必要があります。
2023年10月1日以降に着工する建築物の解体・改修工事では、原則として「建築物石綿含有建材調査者」などの資格者が事前調査を行います。
また、一定規模以上の工事では、事前調査結果を行政へ報告する義務があります。
詳しい制度については、厚生労働省の石綿総合情報ポータルサイトでも確認できます。
見積書で石綿調査の扱いを確認しましょう
石綿事前調査を誰が行うのか、調査費用が見積もりに含まれているか、調査結果の書面を受け取れるかを確認してください。
「カバー工法だから調査は不要です」と説明する業者には注意が必要です。
カバー工法は撤去作業を減らせるが、飛散リスクがゼロになるわけではない
アスベストを含む可能性があるスレート屋根を全面撤去する場合は、屋根材をできる限り割らずに取り外し、飛散防止措置を行ったうえで、適切に保管・運搬・処分する必要があります。
石綿含有スレートなどの成形板は、吹付け石綿のような飛散性の高い建材とは作業措置や廃棄物区分が異なります。
そのため、すべてのスレート撤去工事で建物全体を負圧隔離するわけではありません。
一方で、切断や破砕を避けること、必要な湿潤化や集じん対策を行うこと、保護具を使用することなど、法令に沿った対策が必要です。
カバー工法では既存スレートの大部分を残すため、全面撤去と比べて屋根材を取り外したり破砕したりする作業を減らせます。
その結果、飛散リスク、廃材量、撤去・処分費用を抑えられる可能性があります。
ただし、棟板金や雪止めの撤去、ビス固定など、既存屋根へ触れる工程はあります。
カバー工法はアスベストの飛散リスクを抑えやすい工法ですが、「何の対策も必要ない」「飛散リスクが完全にゼロ」と考えてはいけません。
アスベストがなくなるのではなく、建物に残ることも理解する
カバー工法を選んでも、アスベストを含む既存屋根材そのものが建物からなくなるわけではありません。
新しい防水シートと金属屋根の下に残ることになります。
将来、建物を解体するときや、次の屋根改修を行うときには、新しい金属屋根と古いスレート屋根の両方を撤去しなければならない可能性があります。
つまり、カバー工法は現時点の撤去費用を抑えやすい一方で、古い屋根材の撤去・処分を将来へ持ち越す側面もあります。
今後も長期間住み続けるのか、将来建て替える予定があるのか、家族へ住宅を引き継ぐ予定があるのかまで考えて選ぶことが大切です。
スレート屋根カバー工法のデメリットと失敗を防ぐ対策
カバー工法には多くのメリットがありますが、決して万能な工法ではありません。
メリットだけを説明し、デメリットをほとんど伝えない業者には注意してください。
ここからは、契約前に知っておきたい主なリスクを解説します。
屋根の総重量が増加する
カバー工法は、既存屋根を残したまま新しい防水シートや金属屋根を追加する工事です。
そのため、施工前より屋根が軽くなることはありません。
重量は必ず増えます。
一般的な住宅用スレートは、商品によって差がありますが、1㎡あたり約20kg前後になるものがあります。
カバー工法で使用される金属屋根には、1㎡あたり約4~5kg程度の商品があります。
防水シートや役物などの重量も加わるため、施工後の屋根重量は既存スレートだけの状態より増加します。
金属屋根は日本瓦などと比べると軽量ですが、「金属屋根が軽いから、カバー工法をしても耐震性にまったく影響しない」とまでは言えません。
建物に作用する地震力は重量とも関係するため、屋根重量が増えれば建物への負担も増えます。
ただし、重量が増えたからといって、直ちに危険な住宅になるわけでもありません。
建物の構造、壁量、接合部、劣化状態、屋根形状などによって判断は変わります。
築年数や耐震基準だけで「大丈夫」と決めつけず、古い住宅、増改築を繰り返した住宅、耐震性に不安がある住宅では、必要に応じて構造面も確認しましょう。
屋根を軽くしたいなら葺き替えを検討
現在の屋根より総重量を軽くし、建物の重心を下げたい場合は、既存屋根を残すカバー工法では目的を達成できません。
古い屋根材を撤去し、軽量な金属屋根へ葺き替える方法を検討する必要があります。
傷んだ野地板を隠してしまう可能性がある
カバー工法で特に怖いのが、既存屋根の下地が傷んでいるにもかかわらず、そのまま新しい屋根で覆ってしまうことです。
野地板が雨漏りや結露によって腐っている場合、新しい屋根材を固定するビスが十分に効きません。
固定力が不足すると、強風時に屋根材が浮く、役物が外れる、雨水が入り込むといったトラブルにつながります。
カバー工法を行ったあとでは、既存屋根の状態を簡単に目視できなくなります。
だからこそ、施工前の屋根裏調査、雨漏り履歴の確認、必要に応じた下地補修が重要です。
屋根裏へ入れない住宅では、点検口から確認したり、図面、屋根の沈み、固定具の効き、過去の修繕記録など、複数の情報から判断します。
雨漏りの原因を隠してしまうことがある
雨漏りが発生している住宅では、カバー工法を始める前に原因を特定しなければなりません。
新しい屋根を被せれば雨漏りが止まるケースもありますが、原因が外壁、天窓、ベランダ、壁際の取り合いなどにある場合、屋根だけを覆っても改善しません。
雨漏り箇所と侵入口は一致しないことも多く、天井にシミがある真上から水が入っているとは限りません。
雨水が野地板や梁を伝い、離れた場所へ落ちることがあるためです。
雨漏りがある場合は、目視調査だけでなく、必要に応じて散水調査などを行い、原因と修繕範囲を確認してから工事を進めましょう。
結露リスクは屋根全体の換気・断熱計画で考える
カバー工法では屋根が二重になるため、「屋根の間に湿気がこもり、結露するのではないか」と心配される方もいらっしゃいます。
結露は、空気中の水蒸気が冷たい面に触れ、露点温度を下回ったときに発生します。
屋根周辺の結露リスクは、既存屋根の含水状態、小屋裏から上がる湿気、断熱材の状態、気密性、小屋裏換気、新しい屋根の構成などが関係します。
原文のように、「古いスレートの水分が必ず大量に蒸発し、金属屋根の裏へ大量の結露を発生させる」と一律に考えることはできません。
一方で、雨漏りして濡れている屋根を十分に確認せず覆うことや、小屋裏の換気不良を放置することは避けなければなりません。
下葺き材はメーカー施工基準と住宅の状態に合わせて選ぶ
カバー工法では、粘着式の改質アスファルトルーフィングなどが使われることがあります。
一方で、屋根の通気構成によっては、透湿性を持つ下葺き材を検討する場合もあります。
どちらが常に優れているというものではありません。
採用する屋根材のメーカー施工基準、既存屋根、屋根勾配、防火・防水条件、通気層の有無に合わせて選ぶ必要があります。
メーカーが指定していない下葺き材や、屋根構成に合わない材料を業者の判断だけで使用すると、製品保証へ影響する可能性もあります。
換気棟は有効な選択肢だが、すべての住宅で同じ仕様にはならない
小屋裏の湿気や熱気を排出する方法として、軒裏換気口や換気棟があります。
軒先などから空気を取り込み、屋根の高い位置から排出する流れを作ることで、小屋裏の温度上昇や結露リスクの軽減が期待できます。
ただし、換気棟を付けるだけで十分とは限りません。
空気の入口が確保されているか、天井断熱材が換気経路を塞いでいないか、住宅全体の気密・換気計画と合っているかも確認する必要があります。
「透湿ルーフィングと換気棟を付ければ必ず結露しない」という説明ではなく、住宅ごとの屋根構成と小屋裏環境まで確認してもらうことが大切です。
カバー工法で後悔しやすいポイントや、施工業者を選ぶ際の確認事項については、屋根カバー工法で後悔・失敗しない!よくある落とし穴と対策まとめでも詳しく解説しています。
次回の改修・解体時に撤去費用が増える可能性がある
カバー工法では、古い屋根と新しい屋根が建物に残ります。
そのため、将来の屋根改修や建物解体では、二層分の屋根材を撤去することになる可能性があります。
現在の工事費を抑えられても、将来の撤去費が増える場合がある点は、契約前に理解しておきたいデメリットです。
長く住み続ける住宅ではカバー工法の利点を生かしやすい一方、近い将来に建て替える予定がある住宅では、部分補修や別の方法が合う場合もあります。
スレート屋根カバー工法の費用相場
屋根リフォームを検討するときに、やはり気になるのが費用ですよね。
カバー工法の費用は、住宅の延床面積だけでは決まりません。
屋根面積、勾配、形状、使用する屋根材、防水シート、下地補修、役物の長さ、足場条件などによって変わります。
一般的な住宅では80万円~150万円前後が一つの目安
延床面積30坪前後の一般的な2階建て住宅で、スレート屋根へカバー工法を行う場合、足場を含む総額は80万円~150万円前後が一つの目安です。
屋根面積が広い住宅、寄棟で棟が多い住宅、谷や下屋がある住宅、急勾配の住宅、高性能な屋根材を選ぶ住宅では、150万円を超え、180万円前後になることもあります。
反対に、単純な切妻屋根で面積が小さく、下地補修が少ない場合は、比較的費用を抑えられる可能性があります。
「30坪だから必ず〇万円」と考えるのではなく、実際の屋根面積と工事項目で確認しましょう。
足場代込みの主な費用内訳
適正な価格を見極めるためには、見積もりの総額だけでなく、内訳を確認することが大切です。
以下は一般的な目安であり、実際の単価は商品、施工条件、地域、屋根形状によって変わります。
| 費用項目 | 単価または金額相場の目安 | 確認したい内容 |
|---|---|---|
|
仮設足場・飛散防止ネット |
15万円~30万円前後 |
職人の安全確保、資材落下や粉じんの飛散防止に必要です。 3階建て、狭小地、道路使用が必要な現場では高くなる場合があります。 |
|
既存棟板金・雪止めなどの撤去 |
工事範囲により変動 |
既存屋根を全面撤去しなくても、施工の妨げになる部材の撤去は必要です。 石綿含有の可能性がある場合は、撤去方法と廃材処理も確認します。 |
|
新規防水シート施工 |
500円~1,500円程度/㎡ |
防水シートの商品名、種類、メーカー基準への適合を確認します。 粘着式や高耐久品など、仕様によって単価が変わります。 |
|
新規屋根材本体・施工費 |
5,000円~11,000円程度/㎡ |
ガルバリウム鋼板、SGL鋼板、断熱材一体型などで費用が変わります。 商品名、保証内容、対応地域、屋根勾配を確認しましょう。 |
|
軒先・ケラバ・谷・棟・壁際などの役物 |
1,000円~3,000円程度/m |
雨水が入りやすい端部を守る金属部材です。 屋根形状が複雑になるほど、役物の長さと加工手間が増えます。 |
|
換気棟・雪止めなどの追加部材 |
設置数・仕様により変動 |
必要性は住宅の換気計画や地域条件によって異なります。 見積書に含まれているか確認してください。 |
|
下地補修・野地板増し張り |
劣化範囲により変動 |
下地が弱い場合に必要です。 補修範囲が広いと、葺き替えとの差額が小さくなることがあります。 |
ここで注意していただきたいのが、「屋根カバー工法一式〇〇万円」としか書かれていない見積書です。
一式表記がすべて悪いわけではありませんが、それだけでは屋根材、防水シート、役物、換気部材、下地補修の範囲がわかりません。
総額が安いかどうかではなく、必要な工程と材料が含まれているかを確認することが大切です。
例えば、見積書では次の項目を確認しましょう。
- 新しい屋根材のメーカー名と商品名
- 防水シートの商品名と種類
- 屋根面積と役物の長さ
- 棟、谷、軒先、ケラバ、壁際の施工内容
- 換気棟や雪止めの有無
- 野地板の補修が必要になった場合の追加単価
- 石綿事前調査の費用と実施者
- 廃材運搬・処分費
- 製品保証と施工保証の対象範囲
- 太陽光パネルやアンテナの脱着費用
坪数ごとの費用や、見積書の比較方法をさらに詳しく確認したい方は、【坪数別】屋根カバー工法の費用相場(20坪・30坪・50坪)と内訳も参考にしてください。
安すぎる見積もりにも、高すぎる見積もりにも理由を確認する
相場より極端に安い見積もりでは、防水シートのグレードを下げている、必要な役物が含まれていない、下地補修を想定していない、施工保証がないといった可能性があります。
反対に、高い見積もりが必ず高品質とも限りません。
訪問販売会社や営業会社が間に入ることで、中間費用が加わっている場合もあります。
大切なのは、最低価格の業者を選ぶことでも、最高価格の業者を選ぶことでもありません。
同じ屋根面積、同じ屋根材、同じ防水シート、同じ役物範囲に条件を近づけて比較することです。
アップリメイクでは、見積書を3社以上から取り、工事内容を比べることをおすすめしています。
他社へ依頼する場合でも、工事後に後悔しないために、数量や使用材料がわかる見積書を選んでください。
屋根カバー工法と外壁塗装を同時に行うメリット
屋根カバー工法の見積書で、大きな割合を占めるのが足場代です。
一般的な2階建て住宅でも、足場と飛散防止ネットに15万円~30万円前後かかることがあります。
足場は工事が終われば撤去されるため、「できるだけ一度で有効に使いたい」と考えるのは自然なことですよね。
同時施工なら足場を共用できる
屋根カバー工法と外壁塗装を別々の時期に行うと、それぞれの工事で足場が必要になる可能性があります。
屋根工事で一度、数年後の外壁工事でもう一度足場を組めば、足場代を二度支払うことになります。
屋根と外壁を同じ時期に工事すれば、一つの足場を共用できるため、将来の足場代を一回分抑えられる可能性があります。
同時施工には、費用面以外のメリットもあります。
業者探し、見積もり比較、打ち合わせ、近隣へのあいさつ、足場設置中の生活制限を一度で済ませやすくなります。
屋根と外壁の色を一緒に選べるため、住宅全体の配色を合わせやすいこともメリットです。
築年数だけで外壁塗装を決めない
スレート屋根の劣化が進みやすい築15年~20年頃は、外壁やシーリングにも劣化が見られることがあります。
外壁を触ると粉が付くチョーキング、シーリングのひび割れ、塗膜の剥がれ、コケやカビなどがある場合は、屋根と一緒に点検してもらいましょう。
ただし、外壁の状態が良好なのに、足場代を節約するためだけに予定より早く塗装する必要はありません。
外壁塗装を早く行いすぎれば、まだ使える塗膜を無駄にする可能性があります。
反対に、外壁の劣化が深刻なのに、予算だけを理由に屋根工事から外してしまうと、数年後に再び足場が必要になるかもしれません。
◆齋藤のワンポイントアドバイス
同時施工を選ぶかどうかは、築年数ではなく、屋根と外壁それぞれの劣化状態で判断してください。
屋根はカバー工法が必要でも、外壁は数年先でよい場合があります。
反対に、外壁やシーリングも防水性を失っているなら、同時施工の方が費用と手間を抑えやすいですよ。
屋根と外壁を同時に工事した場合の費用や、別々に施工した方がよいケースについては、屋根と外壁を同時にリフォームするといくら?カバー工法・塗装をまとめる費用と注意点もご覧ください。
産業用大波スレート屋根のカバー工法
スレート屋根のカバー工法は、一般住宅だけでなく、工場や倉庫の屋根改修にも採用されています。
工場や倉庫では、住宅とは異なるリスクや経営上の判断が必要です。
工場・倉庫で使われる大波スレートの劣化
工場や物流倉庫では、「大波スレート」と呼ばれる波形の屋根材が多く使われてきました。
波形に成形することで強度を持たせ、広い建物の屋根へ施工しやすいことが特徴です。
しかし、長期間使用すると、スレートのひび割れ、欠け、固定ボルトの腐食、パッキンの劣化などが発生します。
工場や倉庫での雨漏りは、生産設備、制御盤、商品、原材料へ被害を与える可能性があります。
住宅のように天井のシミだけで済まず、操業停止や製品廃棄につながるおそれもあるため、早めの点検が大切です。
既存屋根を残すため操業を継続しやすい
大波スレートを全面撤去して葺き替える場合、屋根が開いた状態になる範囲や期間が増えます。
工場内部へ雨や粉じんが入り込むリスクがあるため、生産ラインを一時停止しなければならないことがあります。
カバー工法では既存の大波スレートを残し、専用金具などを使用して新しい金属屋根を施工します。
既存屋根が残ることで、葺き替えと比べて工場内部への影響を抑えやすく、操業を続けながら施工できる可能性があります。
ただし、「どの工場でも完全に操業停止ゼロ」とは限りません。
資材の荷揚げ、火気使用、落下物対策、クレーン作業、騒音、振動、安全区画の確保などにより、一部区域や一部工程を止める場合があります。
工場のカバー工法では、屋根工事の工程だけでなく、生産設備、従業員動線、製品への異物混入対策まで含めた施工計画が必要です。
工場のアスベスト対策でも事前調査が必要
古い大波スレートには、アスベストが含まれている可能性があります。
住宅と同じく、カバー工法で全面撤去を避ける場合でも、改修工事前の石綿事前調査が必要です。
既存スレートへの穴あけ、固定部材の撤去、破損箇所の処理などが発生する場合は、石綿の飛散防止対策を行わなければなりません。
工場や倉庫では屋根面積が大きく、作業者数も増えるため、調査結果、作業計画、作業区域、保護具、廃材処理まで確認してください。
断熱・遮音効果は商品と建物条件によって変わる
工場屋根が二重になり、断熱材付き金属屋根を採用することで、屋根から伝わる日射熱を軽減できる可能性があります。
雨音や金属屋根の振動を抑えやすくなることも期待できます。
ただし、工場内温度や電気使用量の変化は、建物の容積、換気設備、機械の発熱量、開口部、空調方式などによって異なります。
省エネ効果を重視する場合は、屋根表面温度だけでなく、工場内部の温度分布、空調負荷、稼働時間まで確認したうえで計画しましょう。
スレート屋根カバー工法に関するよくある質問(FAQ)
Q1. スレート屋根のカバー工法と塗装、結局どちらを選ぶべきですか?
A. 屋根材、防水シート、下地の状態と、今後その家に何年住む予定なのかによって変わります。
屋根材の割れや反りが少なく、表面塗膜の劣化が中心で、雨漏りや下地の問題が確認されていなければ、塗装で保護できる可能性があります。
一方で、屋根材の割れや層状剥離が進んでいる、防水シートの更新も考えたい、塗装に適さない屋根材であるといった場合は、カバー工法や葺き替えを検討します。
雨漏りや野地板の腐食がある場合は、葺き替えが適していることもあります。
屋根表面だけでなく、屋根裏や下地まで確認したうえで判断してください。
Q2. アスベストを含まないノンアスベスト屋根でも、カバー工法は有効ですか?
A. 屋根材と下地の状態が合えば、有力な選択肢になります。
初期のノンアスベスト屋根材の一部には、経年によって層状に剥がれたり、大きく割れたりする商品があります。
代表例として名前が挙がることが多いのが、パミール、コロニアルNEO、レサスなどです。
屋根材そのものが剥離している場合は、表面へ塗料を塗っても基材の劣化を止められないことがあります。
その場合はカバー工法や葺き替えを検討します。
ただし、外観だけで商品名を決めつけず、図面、施工時期、刻印、メーカー資料などから確認することが必要です。
Q3. カバー工法の工事中、引っ越しや仮住まいは必要ですか?
A. 一般的な戸建て住宅では、仮住まいをせず生活を続けられるケースが多いです。
既存屋根を全面撤去する葺き替えと比べて、室内へ粉じんが入り込むリスクや、屋根が大きく開く期間を抑えやすいためです。
ただし、足場の組み立て・解体、金属屋根の加工、ビス固定による音や振動は発生します。
在宅勤務をしている方、小さなお子様、音に敏感な方やペットがいる場合は、音が出る工程の日程を事前に確認してください。
Q4. ガルバリウム鋼板やSGL鋼板はメンテナンスフリーですか?
A. いいえ。耐久性の高い金属屋根でも、定期点検は必要です。
金属屋根の耐久性は、鋼板、表面塗膜、施工環境、海からの距離、切断部や傷の状態によって変わります。
棟板金、役物、固定ビス、シーリング、雪止めなど、屋根材本体以外の部分が先に傷むこともあります。
メーカー保証も、塗膜、赤さび、穴あきなど対象が分かれており、屋根全体のすべてを同じ年数保証するものではありません。
台風や強風のあとを含め、定期的な点検を受けることをおすすめします。
Q5. カバー工法で屋根を軽くできますか?
A. できません。
カバー工法は、既存屋根を残して新しい材料を追加する工事なので、施工前より屋根の重量は増えます。
新しく使う金属屋根が軽量であっても、屋根全体が軽くなるわけではありません。
屋根を軽くして建物の重心を下げたい場合は、既存屋根を撤去して軽量な金属屋根へ葺き替える方法を検討します。
Q6. 太陽光パネルが載っていてもカバー工法はできますか?
A. 施工できる場合がありますが、太陽光パネルの脱着や架台の再施工が必要になることがあります。
パネルのメーカー保証、固定金具、新しい屋根材の施工基準、電気配線、防水処理を確認しなければなりません。
古いパネルでは、脱着後の再設置をメーカーや施工業者が認めない場合もあります。
見積書では、脱着費、電気工事費、再設置後の保証まで確認してください。
Q7. カバー工法をすると雨漏り保証は必ず付きますか?
A. 保証の有無や期間、対象範囲は施工業者によって異なります。
屋根材メーカーの製品保証と、施工業者による工事保証は別のものです。
製品保証は屋根材の塗膜や穴あきなどが対象となり、施工不良による雨漏りは対象外になることがあります。
一方、施工保証でも、天窓、既存外壁、太陽光設備、自然災害、事前に確認できなかった下地などが免責となる場合があります。
保証期間だけでなく、「何が保証され、何が対象外なのか」を書面で確認してください。
職人直営店アップリメイクが大切にしている屋根診断
ここまで、スレート屋根カバー工法の仕組み、費用、メリット、デメリットを解説してきました。
カバー工法を成功させるために最も大切なのは、高額な屋根材を選ぶことだけではありません。
現在の屋根に本当にカバー工法が合っているのかを、工事前に正しく判断することです。
屋根表面だけでなく、屋根裏や下地まで確認する
カバー工法は、施工後に既存屋根が見えなくなる工事です。
だからこそ、契約前の診断で、できる限り屋根裏や野地板の状態を確認しなければなりません。
アップリメイクでは、屋根表面のひび割れ、反り、コケ、棟板金だけでなく、可能な範囲で屋根裏の雨染みや下地の状態も確認します。
必要に応じて30倍スコープなども使用し、屋根材や塗膜の劣化状態を確認します。
雨漏りや下地腐食が疑われる場合は、目先の費用だけでカバー工法を勧めるのではなく、葺き替えや下地補修を含めてご提案します。
耐久性だけでなく、今後の暮らしと予算を踏まえて考える
最も高耐久な屋根材や、最も高額な工事が、すべてのお客様にとって最適とは限りません。
これから30年以上住み続ける住宅と、10年後に建て替えを考えている住宅では、選ぶべき工事が変わります。
外壁塗装や防水工事を同時に行うかどうかも、劣化状態と今後の修繕計画によって判断する必要があります。
株式会社アップリメイクには、2級ファイナンシャルプランニング技能士・AFPの資格を生かし、建物の状態だけでなく、今後のライフプランや修繕費まで踏まえて考えるという方針があります。
「高い工事を勧める」のではなく、「あなたの家と今後の暮らしに必要な工事はどこまでか」を一緒に考えることを大切にしています。
スレート屋根カバー工法を成功させるための確認事項
大切なお住まいと修繕資金を守るために、契約前に次の点を確認しておきましょう。
塗装で十分なのかを確認する:築年数だけでカバー工法を選ばず、屋根材、防水シート、下地の状態から判断します。
野地板の状態を確認する:腐朽した下地へ無理にカバー工法を行うと、固定不良や雨漏りにつながります。
石綿事前調査を確認する:カバー工法でも調査は必要です。調査者、調査結果、飛散防止方法を確認してください。
重量が増えることを理解する:金属屋根は軽量ですが、既存屋根へ追加するため、施工前より屋根は重くなります。
防水シートと役物を確認する:屋根材の商品名だけでなく、施工後に見えなくなる防水層や雨仕舞いが重要です。
断熱・結露対策を一律に考えない:下葺き材、小屋裏換気、断熱材、換気棟を住宅ごとに検討します。
将来の撤去費も考える:カバー工法では古い屋根が残るため、将来の解体・改修時に二層分の撤去が必要になる可能性があります。
見積書を同じ条件で比べる:総額だけではなく、屋根材、防水シート、役物、補修、保証の内容を比較しましょう。
屋根はご自身で状態を確認しにくいため、不安を煽る訪問販売の標的になりやすい場所です。
「近所で工事をしていて、屋根が浮いているのが見えた」「今すぐ直さないと雨漏りする」と突然言われても、その場で屋根へ上げたり、すぐに契約したりしないでください。
まずは写真を見せてもらい、別の専門業者にも点検を依頼しましょう。
なお、本記事でご紹介した費用、工期、耐久性などは一般的な目安です。
実際の費用や工法は、屋根面積、形状、勾配、既存屋根材、下地、立地環境、採用する商品によって変わります。
正確な判断には、現地調査と詳細な見積書が必要です。
◆齋藤からのメッセージ
私たち株式会社アップリメイクは、1973年の創業以来、地元静岡で屋根・外壁塗装リフォームに携わってきました。
私自身も塗装職人から仕事を始め、亡き父から「お客様の幸せを第一に施工品質を考えること」を厳しく教えられました。
屋根の修繕は、決して安い工事ではありません。
だからこそ、無理に高額な工事を勧めるのではなく、現在の状態と今後の暮らしに合った方法を選んでいただきたいと思っています。
診断の結果、まだ工事が必要なければ、そのことも正直にお伝えします。
カバー工法より葺き替えが適している場合や、塗装で十分な場合も、理由をわかりやすくご説明します。
屋根や外壁の状態が気になっているものの、どの工事が必要かわからない方は、まず現状を知るところから始めてみてください。
アップリメイクがこれまで対応してきた工事については、施工事例をご覧いただけます。
実際に工事をご依頼いただいた方の感想は、お客様の声でもご紹介しています。
無料診断では、屋根の写真や劣化状態を確認し、塗装、カバー工法、葺き替えのどれが適しているかをご説明します。
まだ工事をすると決めていなくても大丈夫です。
他社の見積書が適正か確認したい方や、「このひび割れは急いだ方がよいのか」といったご相談も歓迎しています。
最長10年の自社保証と、工事後のアフターフォローもご用意しています。
ご希望がない限り、しつこい連絡や訪問を行うことはありません。








