屋根葺き替えは住みながらできる?騒音・安全・養生・作業人数のリアルと対策

「屋根葺き替えは住みながらできる?」という見出しと、その不安を解消するプロの解説を示す図解。

こんにちは、株式会社アップリメイク代表取締役の齋藤直樹です。

注文住宅での生活も10年、15年と経過すると、紫外線や風雨に晒され続けた屋根の劣化がどうしても気になってくるものです。

特に屋根の葺き替え工事は、建物の寿命を根本から延ばし、最新の軽量な屋根材に変更することで耐震性を飛躍的に高めるための、最も抜本的かつ確実なメンテナンス手法として位置づけられています。

しかし、お客様とお話ししていると、「あんな大掛かりな修繕工事の期間中、今の家にそのまま住み続けることは本当に可能なのだろうか?」という切実なご不安の声を数多く耳にします。

「騒音や振動で日常生活が送れなくなるのでは?」

「何人もの見知らぬ職人さんが敷地内に出入りして、プライバシーや防犯面は大丈夫なのか?」

「足場や養生シートで家の中が真っ暗になってしまうのではないか?」

……大切なお住まいでご家族との穏やかな日常を過ごされているからこそ、生活環境への直接的な影響を心配されるのは当然のことです。

結論から明確に申し上げますと、屋根の葺き替え工事は、住みながらでも十二分に可能です。

むしろ、大半のお客様が住みながら工事を完了されています。

そして、施工プロセスに関する事前の深い理解と、現場を管理する施工業者との密なコミュニケーションさえあれば、生活への物理的・心理的ストレスを最小限に抑え込み、安全かつ計画通りに工事を終えることができます。

この記事では、私が長年数え切れないほどの施工現場の最前線で培ってきた経験と専門知識をもとに、屋根葺き替え工事中における「リアルな居住環境」の実態と、皆様の大切な日常を守りながら安心して工事期間を過ごすための、具体的かつ実践的な対策を徹底的に解説いたします。

記事のポイント

  • 屋根葺き替え工事中の日常生活への影響と、仮住まいを不要にする圧倒的なメリット
  • 工事全体の中で騒音・振動が最も激しくなるピンポイントの工程と、その確実な回避戦略
  • 養生(マスカー等)による窓の密閉がもたらす生活制限(換気・洗濯・エアコン)とプロの対処法
  • 足場仮設によって劇的に高まる防犯リスクのメカニズムと、ご自身で即座に実行できる多層的な安全対策

屋根葺き替えは住みながら可能か

屋根の全面的な葺き替え工事は、住宅のメンテナンスの中でも最大規模の修繕プロジェクトとなりますが、だからといって現在の生活基盤を別の場所へ丸ごと移す必要は全くありません。

ここでは、住みながら工事を行うことの現実的な側面と、それに伴う極めて大きな経済的・心理的メリット、そして日々の生活を維持する上で事前に知っておくべき注意点について、専門家の視点から深く掘り下げて解説いたします。

日常生活への影響とメリット

「屋根の葺き替え工事」という言葉の響きから、天井がなくなり、家全体が廃墟のように使えなくなってしまうのではないかと想像される方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、ご安心ください。

実際の作業領域は建物の外部空間(屋根の上部および外周の足場部分)に完全に限定されます。

万が一、雨漏りが深刻で天井板が抜け落ちているといった特殊な構造的欠陥がない限り、室内空間での日常生活に決定的な支障をきたすことはありません。

調理や入浴、トイレの要となる水道、ガス、電気といった生活インフラも、普段と全く同じように使用し続けることが可能です。

※ただし、工事のために外部の立水栓(外水道)や屋外コンセントの電力を職人がお借りすることは一般的ですので、その点だけはあらかじめご了承ください。

住みながら工事を実行する最大のメリットは、何と言っても「仮住まいを用意するための莫大な経済的負担と、引っ越しに伴う強烈な心理的コストを完全に回避できること」に尽きます。

もし、工事の期間中に家族全員で別のアパートやウィークリーマンションを借りるとなれば、家賃だけでなく、敷金・礼金、仲介手数料、そして往復の引っ越し業者費用が重くのしかかり、総額でかなりの余計な出費が発生するケースも珍しくありません。

住みながらの工事であれば、この費用を丸ごとカットし、その分をより高品質な屋根材や塗料のアップグレードに投資することが可能になります。

さらに、工事の進捗状況を毎日ご自身の目で確認できるという点も、大きな心理的安心感に繋がります。

「今日はどこまで進んだのか」「職人さんが真面目に作業してくれているか」を直接見守ることができるため、手抜き工事などの不安を未然に払拭できます。

ただし、窓の外は「プロの工事現場」という完全に非日常の空間と化しているため、日常の静穏を維持しようとする内部空間との間に、ある種のギャップが生じることは事実です。

このギャップを事前に想定しておくことが、ストレスのない工事期間を過ごす第一歩となります。

日中在宅や子供・ペットの注意点

近年は働き方の多様化により、テレワーク等で日中もご自宅に在宅されている方が非常に増えています。

また、好奇心旺盛な小さなお子様や、音や匂いに敏感なペットがいらっしゃるご家庭では、工事期間中の過ごし方に特段の配慮と工夫が求められます。

工事中に発生する4つの大きな不安要素(騒音、養生、人、家族の安全)をまとめたリスト。

まず、テレワークをされている方にとって最大の課題となるのが「作業音と人の気配」です。

工事中は、屋根上での足音、機材の搬入音、電動工具のモーター音などが断続的に響きます。

オンライン会議や集中を要する業務がある場合は、この音が致命的なノイズとなる可能性があります。

対策として、最も効果的なのはノイズキャンセリング機能付きの高性能なイヤホンやヘッドホンを活用することです。

また、重要な会議の予定がある場合は、事前に現場責任者にスケジュールを共有していただければ、「その時間帯だけは音の出る作業を控える」といった柔軟な工程調整を行うことも可能です。

次に、小さなお子様がいらっしゃるご家庭での安全管理です。

工事現場は危険と隣り合わせです。

興味本位で足場に登ろうとしたり、地面に落ちている廃材や釘などの鋭利な金属片を触ったりすることは、重大な事故に直結します。

工事期間中は、「絶対に足場やネットの内側、作業エリアには近づかない」という厳格なルールをご家族内で共有し、徹底的に言い聞かせることが不可欠です。

さらに見落とされがちなのが、ペットへの深刻な影響です。

犬や猫は人間よりも遥かに聴覚や嗅覚が優れているため、見知らぬ職人の足音や、建物を揺らす振動に極度の恐怖を感じ、体調不良を引き起こすケースが多々あります。

大切な家族であるペットを守るためには、工事現場から最も遠い静かな奥の部屋に、お気に入りのおもちゃやベッドを置いた「安心できる避難部屋(サンクチュアリ)」を作ってあげることが重要です。

より詳しい対策については、以下の記事でも解説していますので、ぜひ参考にしてください。

外壁塗装のストレスをプロが解説!工事期間を快適に過ごす手法

◆斎藤のワンポイントアドバイス

私たちアップリメイクは、単に工事を完了させるだけでなく、工事中の「お客様の生活の質(QOL)」を守ることも重要な使命だと考えています。

現場で働く職人たちにも、お客様のライフスタイルに寄り添った行動を徹底させています。

ご家族の状況で少しでも心配なことがあれば、着工前の打ち合わせで遠慮なく全てお話しください。

プロとして最適な解決策をご提案いたします。

屋根葺き替えの人数と作業体制

平穏なご自宅の敷地内に、作業着姿の見知らぬ職人たちが頻繁に出入りする状況は、防犯面やプライバシーの観点から、少なからず心理的なプレッシャーとなるものです。

ここでは、屋根の葺き替え工事という大プロジェクトにおいて、どのような専門技術を持った職人が、何人くらいチームとして現場に投入されるのか、そのリアルな作業体制を紐解いていきます。

敷地内に出入りする専門業者の役割

一般的な規模(延床面積30坪前後)の注文住宅における屋根葺き替え工事では、大勢の作業員が押し寄せるわけではなく、通常2名から4名程度の非常にコンパクトな少数精鋭チームで作業が進行します。

「意外と人数が少ないな」と驚かれた方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、これには明確な理由があります。

屋根という傾斜を伴い、足場も限られた高所空間において、無闇に作業人数を増やすことは百害あって一利なしです。

人数が多すぎると、職人同士の動線が交錯して作業効率が著しく低下するばかりか、接触による転落事故や、工具・部材の落下といった致命的な安全リスクを急増させる原因となります。

そのため、労働安全衛生の観点からも、必要最小限の熟練工による体制が最も安全かつ高品質な仕上がりを生むとされているのです。

具体的な人員配置と役割分担は、概ね以下のようになります。

担当役割 標準的な配置人数 主要な業務内容と専門性
現場責任者
(親方・ディレクター)
1名 工程全体の進捗管理、施工品質の厳しいチェック、そして何より施主様との連絡窓口を担います。近隣住民の方からのご質問やご要望にも対応する、現場の司令塔です。
屋根専門職人
(板金工・瓦葺き工)
1名〜3名程度 既存の重い屋根材の解体・撤去、腐食した下地の補修、防水シートの敷設、新規屋根材の緻密なカットと施工といった実作業を、汗水流して担当するエキスパートです。
足場仮設専門業者
(足場鳶)
2名〜3名程度 高所作業を安全に行うための足場の組み立ておよび解体を専門に行います。※彼らは「足場のプロ」であり、工期の初日(組立)と最終日(解体)のみ現場に稼働します。

このように、毎日同じ職人が来るわけではなく、工事の進捗状況(足場→解体→木工事→板金工事)に合わせて、その道の専門家が入れ替わりで現場に入ります。

事前に「今日はどんな作業をする職人さんが来るのか」を把握しておくことで、見知らぬ人が敷地内にいる不安感は大きく軽減されます。

工期全体の流れについては、以下の記事で詳細に解説しています。

屋根葺き替え工事の流れと期間:工程・日数・雨の日対応までわかる完全ガイド

また、お客様から「職人さんのトイレはどうすればいいですか?」と聞かれることがよくありますが、ご安心ください。

プロの職人は、近隣のコンビニエンスストアや公園の公衆トイレを利用するため、お客様の家の中にあるトイレをお借りすることは一切ありません。

同様に、休憩時間のお茶出しやご祝儀なども不要ですので、どうぞお気遣いなく普段通りにお過ごしください。

屋根葺き替えの騒音と振動対策

住みながらの屋根葺き替え工事において、居住者の方に最も直接的かつ強烈な肉体的・精神的ダメージを与えるのが、工事に伴う「騒音」と「振動」です。

建築現場である以上、これを完全に無音にすることは現代の技術をもってしても不可能です。

しかし、「どの工程で」「どのような特性の音が」「どれくらいの期間続くのか」を正確に予測し、事前に対策を打つことで、実害を劇的に軽減することができます。

最も大きな音が出る既存屋根材の撤去

全工程を通して、文句なしに最大の騒音と激しい振動が発生するのが、「既存の古い屋根材を撤去(解体)する工程」です。

数十年にわたり家を守ってきた古い瓦や、釘で強固に固定されたスレート屋根材を剥がす作業は、決して容易ではありません。

職人は重いハンマーやバール(鉄製のてこ)を使い、一つひとつ物理的な力で破壊・剥離していきます。

この時、屋根のすぐ下にある「野地板(のじいた)」と呼ばれる薄い木の板が太鼓の皮のような役割を果たしてしまい、打撃による重低音と、建物全体を揺さぶるような激しい振動が増幅されて、ダイレクトに室内に響き渡ります。

感覚としては、すぐ頭の上で力いっぱい太鼓を叩かれているような状態になり、テレビの音はもちろん、会話すらままならないほどの騒音レベルに達します。

また、剥がした大量の廃材をトラックに積み込む際の、ガラガラという金属音や破砕音も重なり、現場は完全な「解体現場」の様相を呈します。

この工程は、どんなに配慮して静かに作業しようと努めても、建物の構造上、物理的に避けることができない最大の難関なのです。

屋根工事における作業工程ごとの音の発生レベルと、事前告知によるスケジュール調整についての解説図。

しかし、絶望する必要はありません。

この最大負荷となる撤去作業のピークは、一般的な住宅であれば、通常朝から夕方までの「わずか1日(屋根の形状が複雑な場合でも長くても2日)」で終了します。

それ以降の、新しい防水シートを貼ったり、新規の軽い金属屋根材をビスで固定したりする工程でも電動工具(インパクトドライバーのウィーンという音や、金属をカットする高い音)の騒音は発生しますが、撤去時のような骨に響く重低音や激しい振動はありません。

【騒音ピーク日の完全回避戦略】

テレワークをされている方、お昼寝が必要な乳幼児、勉強に集中したい受験生、そして音に極端に敏感なペットがいらっしゃるご家庭は、この「撤去作業が行われる1日」だけは、何としてでも自宅での滞在を避けることを強く推奨します。

実家やご友人宅へ一時的に身を寄せる、静かなカフェやコワーキングスペースで仕事をする、あるいは少し足を伸ばしてデイキャンプやショッピングモールに出かけるなど、ご家族全員で「1日だけの避難計画」を事前に立てておきましょう。

たったこれだけで、工事期間中の最大のストレスを無効化することができます。

近隣挨拶と精緻な工程表の重要性

騒音や振動による被害は、ご自宅の中だけにとどまりません。

隣接するご近所の皆様にとっても、ある日突然強烈な騒音が鳴り響くことは、多大な迷惑とストレスになります。

「一体何の騒ぎだ?」「このうるさい音はいつまで続くんだ?」という不確実で理不尽な状況こそが、人間の怒りを最も増幅させ、深刻な近隣トラブルの火種となります。

工事が終わった後もその地域で生活していくお客様にとって、ご近所付き合いが悪化することは絶対に避けなければなりません。

そこで絶対的に重要になるのが、工事着手前の丁寧な近隣挨拶と、精緻な工程表の共有です。

私たちのような地域密着の優良施工業者は、工事が始まる約1週間前には、必ず粗品を持って、向こう三軒両隣や裏の家など、影響が及ぶ範囲の近隣住民の方々へご挨拶に伺います。

そこで、「いつ足場を組み立てるのか」「いつが一番大きな音(解体音)が出る日なのか」「高圧洗浄で水飛沫が飛ぶリスクがある日はいつか」そして「全体の工事はいつ完了する予定なのか」を明確に記載したスケジュール表をお渡しし、ご説明します。

「明日の午前中は特にうるさくなります」と事前に知らされているだけで、人間の心理的なストレスは驚くほど軽減されるものです。

何かあった場合の業者の連絡先も明記しておくことで、クレームの矛先がお客様に直接向かうのを防ぐ防波堤の役割も果たします。

また、業者任せにするだけでなく、お客様ご自身からも、日頃顔を合わせた際に「来週から屋根の工事でご迷惑をおかけします」と一言添えていただくだけで、地域のコミュニティの絆はさらに強固に保たれます。

工事開始前と完了後の近隣住民への丁寧な挨拶と説明を行う様子

屋根葺き替えの養生がもたらす影響

工事現場において、足場と同様に欠かすことのできない重要な工程が「養生(ようじょう)」です。

これは、解体時の粉塵や、高圧洗浄時の汚水、そして外壁塗装などを同時に行う場合の塗料が、周囲に飛散することを防ぐための保護措置です。

近隣の住宅や車を守り、美しい仕上がりを実現するために不可欠な工程ですが、この養生こそが、実は居住者の方の「家の中での生活インフラ」に、予想以上の物理的な制限を強いる最大の要因となるのです。

車、庭、窓ガラスなどを保護するための具体的な養生箇所を示した図解。

ここでは、養生がもたらす生活への影響と、その閉鎖的な期間を乗り切るためのプロの対処法について詳しく解説します。

窓の密閉による換気制限と臭気問題

屋根の汚れを落とす高圧洗浄時や、外壁や付帯部の塗装工程が始まると、住宅の窓ガラス、換気口、勝手口などは、「マスカー」と呼ばれる、テープとビニールシートが一体化した専用の保護材で完全に覆われ、目張りされた状態になります。

このマスカーによる密閉期間中は、「窓を開けての換気が物理的に全くできない状態」が、工程にもよりますが約5日間から長ければ1週間程度にわたって強制的に続くことになります。

特に、春や秋の気候の良い時期に、自然の風を取り入れられないことは、想像以上に窮屈で息苦しさを感じるかもしれません。

さらに、外壁や破風板などの塗装作業が伴う場合、特有の化学的な臭気が室内にこもりがちになります。

現在の建築用塗料は人体への影響が少ない水性塗料が主流になっていますが、それでも完全な無臭ではありません。

臭いに敏感な方や、小さなお子様、ペットにとっては、この「空気の淀みと臭いの滞留」が体調不良の引き金になるリスクもゼロではありません。

「息苦しいから」「塗料臭いから」といって、お客様ご自身で勝手にマスカーのビニールを破ったり剥がしたりする行為は、絶対に厳禁です。

せっかくの養生が台無しになり、塗料が飛散して大切な窓ガラスが汚れたり、作業のやり直しで工期が延びてしまう原因になります。

この息苦しい期間を乗り切るための効果的な対策は以下の通りです。

  • キッチンの換気扇(レンジフード)のフル稼働:窓が開けられない期間、家の中で最も強力な排気能力を持つのがキッチンの換気扇です。これを24時間、常に「弱」や「中」で稼働させておくことで、室内の淀んだ空気や臭気を強制的に外へ排出し、空気の循環を促すことができます。
  • 開閉可能な「特殊養生」の事前依頼:どうしても生活動線上、開け閉めしたい窓(例えば、お風呂場の小窓や、空気の入れ替え用のリビングの窓など)がある場合は、必ず着工前の打ち合わせの段階で施工業者に相談してください。プロの職人であれば、ビニールの真ん中に開閉用のスリット(切り込み)を入れ、普段はテープで留めておき、必要な時だけ開けられるような工夫を凝らした養生を施すことが可能です。

洗濯物の外干し制限とエアコン対応

換気制限と並んで、日々の家事に直撃するもう一つの大きな制限が、「洗濯物の外干し不可」という問題です。

足場が設置され、その周囲を飛散防止用のメッシュシートが覆っている期間(全体で約2週間〜3週間程度)は、職人が屋根の上で作業をしている間はもちろんのこと、作業をしていない夜間や休日であっても、ベランダや庭での洗濯物の外干しは原則として避けるべきです。

なぜなら、屋根の解体作業中には、古い瓦の破片や、目に見えない微細な木屑、鉄の粉塵が大量に舞い上がります。

また、新しい屋根材をカットした際の金属片が風で飛んでくることもあります。

これらが干してある洗濯物に付着すると、単に汚れるだけでなく、金属片で衣類が傷ついたり、小さなお子様が着た際に肌を傷つけるなどの重大な事故に繋がる恐れがあるからです。

塗料を使用する日であれば、風に乗った塗料の飛沫が衣類に付着して台無しになるリスクも跳ね上がります。

この長期間にわたる洗濯制限に対しては、事前の確固たる家事計画が必要です。

洗濯物の対策案 メリットと注意点
室内干しスペースの拡充 手軽ですが、湿気がこもりやすいため、除湿機やサーキュレーターとの併用が必須です。
衣類乾燥機(ドラム式など)の活用 天候に左右されず最も確実ですが、電気代やガス代が通常より余計にかかります。
近隣のコインランドリーの利用 大物を一気に洗えますが、運ぶ手間と1回数百円〜千円程度の出費が重なります。

ただし、工事期間中ずっと外干しが絶望的なわけではありません。

例えば、日曜日で職人が完全に休みの時や、内部の防水シート(ルーフィング)をタッカーで留めるだけの「飛散物が全く出ない工程の日」などは、現場責任者に確認を取った上で、外に干すことが可能なタイミングも存在します。

日々のコミュニケーションがQOLを左右します。

また、盲点になりがちなのがエアコンの室外機です。

外壁の近くやベランダに設置されている室外機も、塗料や泥水から守るために養生の対象になります。

ここで、知識のない業者が室外機をビニールでぐるぐる巻きに密閉してしまうと、エアコンを使用した際に吸排気ができなくなり、冷暖房が全く効かなくなるばかりか、モーターが過熱して最悪の場合は高額な機器の故障を招く恐れがあります。

優良な業者であれば、通気性を確保したメッシュ状の専用カバーを使用したり、ファンを塞がない特殊な養生を行うため、工事中でも問題なくエアコンを使用できます。

見積もりの際に、「室外機の養生はどうなりますか?エアコンは使えますか?」と確認しておくことを強くお勧めします。

足場仮設に伴う防犯リスクと対策

住みながらの屋根葺き替え工事において、騒音や換気制限といった目に見える、肌で感じる不便さにばかり意識が向きがちですが、実は居住者の方が最も見落としやすく、かつ万が一発生した際に取り返しのつかない実害をもたらす極めて重大なリスクが存在します。

それが、「足場仮設に伴う防犯性の劇的な低下」です。

センサーライトと補助錠による防衛

職人が安全かつ効率的に高所作業を行うために建物の周囲に張り巡らされる「足場」は、工事には絶対不可欠なインフラです。

しかし、視点を変えれば、この足場は悪意を持つ第三者(空き巣などの窃盗犯)にとって、普段は絶対に届かない2階の窓やベランダ、さらには屋根の上へ、梯子も使わずに容易にアクセスできる「最高の仮設階段」として機能してしまうという、恐ろしい構造的矛盾を抱えています。

さらに、粉塵や塗料の飛散を防ぐために足場の外側を覆う「メッシュシート」が、この防犯リスクに拍車をかけます。

本来は環境保護のためのシートですが、これが外部(道路や隣家)からの視線を完全に遮断するブラインドの役割を果たしてしまいます。

ひとたび不審者が足場の内側に侵入してしまえば、周囲の目を気にすることなく、身を隠しながら悠々と窓ガラスを割るなどの破壊工作を行える、完璧な「死角と密室」が誕生してしまうのです。

また、工事期間中は様々な出入り業者が作業着姿でうろついているため、地域のコミュニティも「見慣れない人がいるが、工事の関係者だろう」と誤認しやすく、近隣の監視の目(ソーシャル・アイ)が実質的に機能しなくなるという心理的・社会的な警戒心の低下も、犯罪者にとって好都合な条件となります。

大規模修繕工事中の住宅が空き巣の標的になりやすいという明確な警察のデータが存在するのは、決して偶然ではありません。

この深刻な防犯リスクを最小化し、工事期間中のご家族の安全と財産を守るためには、施工業者任せにするのではなく、居住者ご自身でも物理的抑止力と心理的抑止力を組み合わせた「多層的な防衛策」を講じることが強く求められます。

【工事期間中の必須防犯対策】

  • 2階窓の施錠の徹底と「補助錠」の追加導入:最も重要な基本です。「2階だから大丈夫」という油断から、普段はトイレや浴室の小窓、ベランダの窓を開けっ放し、あるいは無施錠にしている方が多いですが、足場がある期間は「2階も1階と同じ」と考えてください。

    すべての窓を確実に施錠し、さらに数百円で購入できるサッシ用の「補助錠(ストッパー)」を上下に追加設置してください。窓からの侵入に5分以上かかると、犯行を諦める確率が急増するというデータがあります。

  • 高感度センサーライトの効果的な配置:夜間の侵入抑止として極めて有効なのが、熱や赤外線で不審な動きを即座に検知して強力に発光するセンサーライトの設置です。

    足場からアクセスしやすい2階の窓の直下や、建物の死角になりやすい裏口などに設置することで、暗がりを好む侵入者に対して強烈な心理的プレッシャーを与えます。(※ただし、風で揺れる養生シートに反応して誤作動しないよう、センサーの角度調整が必要です)

  • 防犯フィルムの施工(抜本的対策):より強力な防衛線として、既存の窓ガラスの内側に特殊な「防犯フィルム」を貼る手法があります。

    ガラスが割れにくくなり、バールで叩かれても貫通しないため、侵入を物理的に阻止します。

    工事完了後も永続的な防犯資産となるため、この機会に導入を検討するのも一つの有効な手立てです。

もちろん、施工を請け負う私たち業者の側でも、作業終了後の足場入り口ゲートの施錠徹底、防犯カメラ(ダミー含む)の設置、そして不審者への声がけなど、現場の防犯意識を高く保つことが必須の義務です。

安全はお客様と業者の二人三脚で作るものだとお考えください。

屋根葺き替え工事中の生活に関するよくある質問(FAQ)

Q1. 工事期間中、職人さんにお茶出しや差し入れはしたほうが良いのでしょうか?

A. お気遣いいただき、誠にありがとうございます。

しかし、アップリメイクをはじめとする現代の優良な塗装・リフォーム会社では、10時や15時の休憩時のお茶出しや、工事完了後のご祝儀等は一切お断りしております。

職人は各自で必要な水分や食事を準備して現場に入ります。お客様に余計なお手間や経済的なご負担をおかけすることなく、契約通りの最高の技術と仕上がりをご提供することこそが、プロフェッショナルとしての私たちの仕事です。

どうぞお気になさらず、いつも通りリラックスしてお過ごしください。

Q2. 自宅の駐車場に車を停めたままでも、足場を組んで工事はできますか?

A. 建物の配置と駐車場の広さによりますが、大半のケースでは工事期間中の車の移動(近隣のコインパーキング等の利用)をお願いすることになります。

安全で強固な足場を組み立てるためには、建物の周囲に一定のスペースを確保する必要があるためです。

また、仮に足場が組めたとしても、屋根から解体した廃材が落下したり、高圧洗浄の泥水、塗装時の塗料が車に飛散するリスクが非常に高くなります。

どうしても移動が困難な特殊な場合は、車全体を覆う専用のカーシートで厳重な養生させていただきますが、事前のお見積り時の現地調査で、駐車スペースの状況をしっかりと確認し、お客様にとって最も安全で負担の少ない方法をご相談させていただきます。

Q3. 雨が降った日は作業はお休みになりますか?その分、工期は延びるのでしょうか?

A. はい、屋根工事において降雨は「最大の敵」であり、雨天時や強風時は安全確保と品質維持のために原則として作業は中止(お休み)となります。

特に古い屋根材を剥がした直後は、雨水に対して非常に無防備な状態です。

この状態で雨に降られると、内部の木材(野地板)に水分が浸透し、将来的な木材の腐食やカビ、さらには雨漏りの致命的な原因となります。

そのため、万が一の降雨に備えて毎日ブルーシート等で厳重な防水養生を行いますが、雨天中止が続けば、その日数分だけ全体の工期は延長されます。

梅雨時期や台風シーズンなどは、当初の予定より工期が数日〜1週間程度延びる可能性が高いことを、あらかじめご理解いただけますと幸いです。

Q4. アレルギー体質の小さな子供がいるのですが、工事中の塗料の臭いでシックハウス症候群にならないか心配です。

A. 屋根の「葺き替え(新しい素材への交換)」のみを行う場合であれば、強力な臭気を発する有機溶剤(シンナー等)を用いた塗料は基本的に使用しないため、化学物質による健康被害のリスクは極めて低いです。

ただし、屋根葺き替えと同時に「外壁塗装」や「付帯部塗装」を行う場合は、塗料を使用します。

現在アップリメイクで主流として扱っている塗料は、環境や人体に配慮されたF☆☆☆☆(エフフォースター:ホルムアルデヒドの発散量が最も少ない最高等級)の水性塗料ですが、それでも特有の臭いは発生し、化学物質過敏症の方やアレルギー体質のお子様が体調を崩される可能性はゼロではありません。

ご不安な場合は、臭いの少ない特別な塗料の選定や、換気計画について着工前に綿密にご相談ください。(※健康に関する最終的なご判断は、かかりつけの専門医等にご相談されることを強く推奨いたします)

住みながらの工事を成功させる秘訣

ここまで、住みながらの屋根葺き替え工事に伴う、騒音、換気制限、洗濯物の問題、そして防犯リスクといった、リアルな生活環境の実態と、それぞれの課題に対する具体的な対策について深く掘り下げてきました。

確かに、数週間にわたって生活に一定の制限と不便を強いることは事実です。

しかし、それらは決して「耐え忍ぶしかない苦痛」ではありません。

工程のメカニズムを理解し、いつ何が起こるかを予測し、適切な事前準備を行うことで、そのストレスの大半はコントロール可能なものになります。

そして何より、仮住まいのコストをゼロにし、住み慣れた家で工事の完成を見守ることができるというメリットは、それらの不便さを補って余りあるものです。

事前の無料診断で不安を解消しよう

屋根葺き替え工事という、お客様の人生における大きなイベントを、不安や不満に満ちたものではなく、住まいの資産価値と次世代への安全性を劇的に向上させる「建設的で前向きなプロジェクト」へと昇華させるための最大の秘訣。

それは、お客様の生活や心情に深く寄り添い、丁寧な工程共有と確かな技術力をもって伴走してくれる「真に信頼できる施工業者」をパートナーに選ぶことに他なりません。

「我が家の屋根は、そもそも今すぐ葺き替えが必要な状態なのだろうか?」

「テレワーク中心の生活スタイルだけど、本当に耐えられるだろうか?」

「予算内でどこまでの工事ができるのか?」

インターネットの情報をいくら集めても、お客様お一人おひとりのご自宅の状況やライフスタイルによって、最適な答えは異なります。

ご自身の家にとっての「正解」を知るための第一歩として、まずは私たち外装リフォームの専門家にご相談ください。

お客様の抱える不安とそれに対する確実な対策をまとめた早見表。

株式会社アップリメイクでは、国家資格(1級建築塗装技能士など)を持つ経験豊富なプロフェッショナルがご自宅に伺い、30倍スコープや赤外線サーモグラフィーといった専用機材を用いて、屋根の表面だけでなく内部の劣化状態までを徹底的に調査する「お住まいの無料健康診断」を実施しております。

この無料診断は、無理に工事の契約を迫るためのものでは一切ありません。

客観的なデータと写真に基づいてご自宅の「今」の健康状態を正確に把握していただき、放置した場合のリスクや、将来に向けた最適な修繕プラン(葺き替えなのか、カバー工法なのか、あるいはまだ塗装で十分なのか)を、お客様と一緒に考えるための「コンサルティングの場」としてご提供しています。

どんな些細な疑問や、生活上の不安でも構いません。

皆様が安心して、笑顔で快適に暮らせる住まいづくりを実現するために、私たちの知識と技術をフル活用して全力でサポートさせていただきます。

ぜひお気軽に、アップリメイクの無料診断をご活用ください。

住まいの現状を確認するためのプロによる無料診断の案内と、申し込みを促す図解

※本記事でご紹介した工事費用、期間の目安、作業体制、防犯に関するデータ等は、あくまで一般的な注文住宅における標準的なケースに基づくものです。

実際には、お住まいの形状、屋根の面積、既存下地の劣化状況、立地条件(狭小地など)、ご選択される屋根材の種類により、大きく変動する可能性があります。

正確な費用や工期、ご自宅に最適な修繕プランについては、必ず事前に専門業者による綿密な現地調査とお見積りをご依頼いただき、その内容を十分にご検討いただいた上でご判断ください。

また、シックハウス症候群等の健康に関するご不安がある場合は、施工業者だけでなく専門医へのご相談を併せておすすめいたします。

記事をここまでお読みいただいた方へ

ご自宅の外壁や屋根について、少しでも気になることがあればお気軽にご相談ください。
「まだ工事するか決めていない」という段階でも大丈夫です。
※アパート・マンション工事も大歓迎

📞 お電話の際は

「斎藤社長のブログを見ました!」
とお伝えください。

普段から精一杯頑張っていますが、ブログをご覧いただいた方には、
いつも以上にお値段を勉強させていただきます。
そのひと言で、私・斎藤直樹が本領発揮。ご納得いただけるご提案を全力でお届けします
※施工実績6,000件突破!

【駿河店】

フリーダイヤル:
0800-100-1641

代表TEL:
054-285-1641

営業時間 9:00~18:00/年中無休

【葵店】

フリーダイヤル:
0800-111-1641

代表TEL:
054-262-1641

営業時間 9:00~18:00/年中無休

✉ メールでのお問い合わせも歓迎です

メールでのお問い合わせは、そのままフォームよりお送りいただいて大丈夫です。
診断・お見積りは無料。相見積もりのご相談も歓迎しております。

※ まだ工事をするか決めていない方も大歓迎です。
※ ご希望がない限り、しつこい営業はいたしません。

  • この記事を書いた人

齋藤直樹

(株)アップリメイク代表取締役で元職人、塗装という仕事が大好きです。人生の大きな挫折と数多くの出会いを経て今は大好きな地元・静岡で、お客様の笑顔のために仕事ができることに何よりの誇りを感じています。

▼保有資格▼
1級建築塗装技能士・2級建築施工管理技士・有機溶剤作業主任者・高所作業主任者・2級カラーコーディネーター・光触媒施工技能士・乙4類危険物取扱者・ゴンドラ特別教育・職長・安全衛生責任者・第2種酸素欠乏危険作業主任者・宅地建物取引主任者・2級ファイナンシャルプランニング技能士・AFP