金属屋根のカバー工法:適用できる屋根・費用相場・メリット/注意点

金属屋根のカバー工法で施工できる屋根、費用相場、メリット、注意点を解説

こんにちは、株式会社アップリメイク代表取締役の齋藤直樹です。

「屋根が色あせてきたけれど、塗装で済ませてよいのかな?」

「金属屋根を重ねるカバー工法を提案されたけれど、本当に自宅に合っているの?」

「葺き替えより安いと言われたけれど、あとから追加費用が発生しないか心配……」

屋根のカバー工法を検討し始めると、このような疑問が次々と出てきますよね。

屋根は地上から見えにくく、ご自身で劣化状態や工事の必要性を判断するのが難しい場所です。

そのため、業者から「この屋根ならカバー工法しかありません」と言われても、本当にそれが正しいのか判断できず、不安になる方も少なくありません。

最初にお伝えしておきたいのは、金属屋根を使ったカバー工法は、条件が合えば費用、耐久性、工期のバランスに優れた工事だということです。

ただし、どの住宅にも使える万能な工法ではありません。

既存屋根の種類、野地板の状態、雨漏りの有無、太陽光パネル、建物の構造などを確認せずに施工すると、新しい屋根を重ねたあとに雨漏りや結露、屋根材の浮きといった問題が起こる可能性があります。

そこでこの記事では、金属屋根カバー工法の仕組みだけでなく、施工できる屋根とできない屋根、費用の見方、アスベストへの対応、見積書の確認方法、業者選びまで詳しくお伝えします。

読み終わるころには、「我が家は塗装でよいのか」「カバー工法が合うのか」「葺き替えを選ぶべきなのか」という判断の軸が見えてくるはずですよ。

記事のポイント

  • 金属屋根を使ったカバー工法の仕組みと、塗装・葺き替えとの違い
  • スレート屋根や既存の金属屋根に施工できる条件
  • 野地板の腐食や雨漏りがある屋根にカバー工法が向かない理由
  • 20坪・30坪・50坪を目安とした費用相場と見積書の確認方法
  • 工事費を抑えやすい外壁塗装との同時施工と、その注意点
  • アスベスト事前調査のルールと、カバー工法でも対策が必要な理由
  • 材料の価格だけでは判断できない、信頼できる施工業者の選び方

既存屋根を撤去せずに新しい防水シートと金属屋根を重ねる屋根カバー工法

金属屋根のカバー工法とは?まず意味を確認しましょう

「金属屋根のカバー工法」という言葉には、大きく分けて二つの意味があります。

一つは、スレート屋根やアスファルトシングルなどの既存屋根に、新しい金属屋根材を重ねる工事です。

一般住宅で「金属屋根カバー工法」と呼ばれる場合は、こちらを指していることが多いですよ。

もう一つは、すでに施工されている古い金属屋根の上へ、さらに新しい金属屋根を重ねる工事です。

既存屋根が金属の場合も施工できるケースはありますが、サビ、穴あき、固定金具、屋根の形状、内部結露などの確認が必要になります。

既存屋根が何でできているのかによって、施工方法も注意点も変わるため、まずは屋根材の種類を特定することが大切です。

屋根カバー工法の基本的な仕組み

古い屋根の上に防水シートと軽量な金属屋根材を施工するカバー工法の仕組み

屋根カバー工法は「重ね葺き」とも呼ばれ、既存の屋根材を基本的に残したまま、その上へ新しい防水シートと屋根材を施工する方法です。

一般的なスレート屋根の場合は、最初に棟板金、貫板、雪止めなど、新しい屋根を施工するうえで邪魔になる部材を取り外します。

その後、既存屋根の浮き、割れ、著しい段差などを補修し、表面のゴミや汚れを取り除きます。

既存屋根の上に、粘着層付き改質アスファルトルーフィングなど、下地と施工方法に適合した防水シートを敷き込みます。

最後に、ガルバリウム鋼板やマグネシウムを添加した高耐食性めっき鋼板などの金属屋根材を施工し、棟、軒先、ケラバ、谷、壁際などを板金部材で納めます。

屋根は、新しい金属屋根材だけで雨水を防いでいるわけではありません。

金属屋根材の下にある防水シートが二次防水の役割を持ち、屋根材の継ぎ目などから入り込んだ水を軒先へ排出します。

つまり、見える金属屋根材と、見えなくなる防水シートの両方が正しく施工されて、初めて長く雨水から住宅を守れるんです。

【屋根材より先に確認したいもの】

見積もりでは、金属屋根の商品名や色に目が向きやすいのですが、本当に確認してほしいのは防水シートと板金部分の仕様です。

新しい金属屋根がきれいでも、防水シートの重ね幅、谷、壁際、天窓周辺の処理が不十分であれば、雨漏りの原因になります。

屋根材の商品名だけでなく、防水シートの商品名、棟板金の固定方法、壁際や谷の納め方まで説明してくれる業者を選ぶことが大切ですよ。

カバー工法で使われる金属屋根材

現在のカバー工法では、ガルバリウム鋼板や、めっき層にマグネシウムを加えて耐食性を高めた鋼板を使用した金属屋根材が多く採用されています。

昔のトタン屋根と同じように見えるかもしれませんが、めっき、表面塗装、接合方法、断熱材の有無などが大きく進化しています。

たとえば、アイジー工業のスーパーガルテクトは、遮熱性鋼板と断熱材を一体化した金属屋根材です。

製品重量は約5kg/㎡と軽く、カバー工法にも使用しやすい屋根材となっています。

ただし、「断熱材一体型を使えば、必ず夏の室温が何度も下がる」とまでは言い切れません。

室内の暑さは、天井や屋根裏の断熱材、換気、窓、間取り、日当たり、エアコンの状態などにも左右されるからです。

断熱材一体型の金属屋根には屋根面から伝わる熱を抑える効果が期待できますが、住宅全体の状態を見ながら選ぶ必要があります。

また、断熱材は雨音の振動を和らげる役割も持っています。

既存のスレート屋根を残すカバー工法では、既存屋根と新しい屋根の二重構造になるため、薄い金属板だけを施工する場合より雨音を抑えやすくなります。

とはいえ、雨音の感じ方には個人差があり、屋根裏空間や天井断熱の仕様にも影響されます。

音に敏感な方は、「金属屋根だから大丈夫」と口頭で済ませず、断熱材の厚みや遮音に関するメーカー資料まで確認すると安心です。

金属屋根カバー工法のメリット

屋根カバー工法の工期、費用、断熱性、生活への影響に関するメリット

既存屋根の撤去量を減らし、費用を抑えやすい

カバー工法の代表的なメリットは、既存屋根材の全面撤去を行わないことです。

葺き替え工事では、既存屋根材を一枚ずつ取り外し、屋根から降ろし、運搬して処分しなければなりません。

屋根材の撤去には職人の手間がかかり、廃材の運搬費や処分費も必要になります。

カバー工法では既存屋根の大部分を残すため、葺き替えに比べて解体費と廃材処分費を抑えやすくなります。

ただし、廃材がまったく出ないわけではありません。

棟板金、貫板、雪止め、屋根材の端材、梱包材などは撤去・処分が必要です。

見積書に「廃材処分費」が入っていても、それだけで不当な請求とは限りませんよ。

屋根を解体する時間が少なく、工期を短縮しやすい

既存屋根の全面撤去がないため、葺き替えより工程を減らしやすいのもメリットです。

一般的な戸建て住宅では、屋根部分の施工に5~10日程度、足場の設置と解体を含めて1~2週間前後が一つの目安になります。

ただし、屋根の面積、形状、勾配、天候、下地補修、太陽光パネルの有無によって工期は変わります。

雨の日や屋根面が濡れている状態では、安全面や防水面から作業できない工程もあります。

契約前に、予定工期だけでなく、雨天時に工期が延びた場合の連絡方法や追加費用の有無も確認しておきましょう。

新しい防水シートを施工できる

塗装は既存屋根材の表面を保護する工事です。

屋根材の下にある古い防水シートを、新しく交換する工事ではありません。

一方、カバー工法では、既存屋根の上に新しい防水シートを施工します。

築年数が進み、屋根材だけでなく防水層の劣化も心配される住宅では、屋根全体の防水性能を見直せることが大きなメリットです。

ただし、すでに野地板や垂木まで腐っている場合は、上から防水シートを重ねても根本的な解決にはなりません。

雨漏りがある住宅ほど、「新しい防水シートを重ねれば大丈夫」と単純に判断せず、雨水の侵入経路と下地の状態を確認する必要があります。

断熱性や遮音性の向上が期待できる

断熱材一体型の金属屋根を選ぶと、既存屋根、新しい防水シート、断熱材、新しい金属屋根という複数の層ができます。

これにより、屋根面から伝わる熱や雨音を抑える効果が期待できます。

特に、2階の天井が屋根に近く、夏の暑さに悩んでいる住宅では、屋根工事とあわせて屋根裏断熱や換気棟の状態も確認するとよいでしょう。

屋根材だけを高性能にしても、屋根裏の熱や湿気が逃げにくいままでは、期待した効果が得られないことがあるからです。

工事中も自宅で生活しやすい

屋根の上での作業が中心となるため、基本的には工事中も自宅で生活できます。

既存屋根を全面的に解体する葺き替えに比べると、解体時の騒音や粉じんを抑えやすいこともメリットです。

ただし、足場の組み立て、金属屋根の加工、ビス固定などでは音が発生します。

足場とメッシュシートによって日当たりが変わったり、窓を開けにくくなったり、洗濯物を外に干せない日が出たりすることもあります。

在宅勤務、小さなお子様、夜勤をされているご家族、音に敏感なペットがいる場合は、音が大きくなる工程を事前に教えてもらうと安心ですよ。

カバー工法のデメリットと契約前に知っておきたい注意点

カバー工法には多くのメリットがありますが、良い面だけを見て決めるのはおすすめできません。

工事後に「そんな話は聞いていなかった」と後悔しないために、デメリットも確認しておきましょう。

屋根の重量は確実に増える

金属屋根材は軽量ですが、重さがゼロではありません。

たとえば約5kg/㎡の金属屋根材を80㎡施工すれば、屋根材本体だけでも約400kgが追加されます。

さらに、防水シート、棟板金、下地材、雪止めなどの重量も加わります。

一般的なスレート屋根と金属屋根を合わせても、重い瓦屋根より軽く収まるケースは多くあります。

しかし、それだけで「耐震性にはまったく影響しない」と断定することはできません。

築年数が古い住宅、増改築を繰り返した住宅、すでに一度カバー工法を行っている住宅などは、建物全体の状態を確認したうえで判断する必要があります。

◆齋藤のワンポイントアドバイス

「金属屋根は軽いから、どの家でも重ねて大丈夫です」と説明する業者には注意してください。

大切なのは、瓦屋根より軽いかどうかだけではありません。

今の建物に追加される重量がどれくらいで、既存の屋根が何層になっているのかを確認することが必要です。

屋根材の商品重量と施工面積を使い、追加される重さを説明してもらうと分かりやすいですよ。

既存屋根の下にある傷みを直接確認しにくい

カバー工法では、既存屋根材を全面撤去しません。

そのため、葺き替えのように野地板全体を目で確認することはできません。

屋根裏から確認できない住宅や、過去の雨漏り履歴が不明な住宅では、隠れた腐食を見落とさないよう慎重な診断が必要です。

屋根を歩いたときの沈み、釘やビスの保持力、屋根裏の雨染み、木材の変色、含水状態など、複数の情報から下地を判断します。

調査の結果に不安が残る場合は、部分的に屋根を開けて下地を確認する方法や、葺き替えへ変更する方法も検討しなければなりません。

次回の屋根工事では撤去費が高くなりやすい

カバー工法を行うと、既存屋根と新しい屋根が二重になります。

新しい金属屋根が寿命を迎えた将来、さらにもう一枚屋根を重ねることは、重量や納まりの面から現実的でない場合が多いです。

そのため、次回の大規模改修では、二重になった屋根を撤去して葺き替える可能性があります。

今回の工事費だけを比べるとカバー工法が安くても、将来の撤去量と処分費は増えることになります。

今後何年住む予定なのか、子どもへ引き継ぐ予定があるのか、建て替えの計画があるのかによっても、適切な選択は変わります。

屋根の高さや厚みが増える

新しい屋根を重ねるため、屋根全体の厚みが増します。

軒先、雨樋、ケラバ、壁際、天窓、換気口などでは、厚みが増えた屋根に合わせて納まりを調整しなければなりません。

とくに壁と屋根が接する部分の雨押え板金や、複数の屋根面から水が集まる谷板金は、雨漏りが起こりやすい重要部分です。

屋根材本体の平らな部分だけでなく、こうした細部の施工写真を残してもらうことをおすすめします。

金属屋根にもメンテナンスは必要

金属屋根は耐久性に優れていますが、永久に何もしなくてよいわけではありません。

表面塗膜の劣化、傷からのサビ、棟板金の浮き、シーリングの劣化、雪止めや固定部の緩みなどが発生することがあります。

海に近い地域では、塩分によって腐食リスクが高まるため、メーカー保証の対象地域やメンテナンス条件も確認が必要です。

施工後も定期点検を行い、小さな不具合の段階で補修することが屋根を長持ちさせるポイントです。

カバー工法の失敗例や、契約前に確認したい注意点については、屋根カバー工法で後悔・失敗しないための落とし穴と対策でも詳しく解説しています。

塗装・カバー工法・葺き替えはどう選ぶ?

屋根の工事を検討するときに大切なのは、最初からカバー工法だけに決めないことです。

屋根の状態によっては塗装で十分な場合もあれば、葺き替えでなければ根本的に直せない場合もあります。

工法 主な工事内容 向いている状態 主な注意点
屋根塗装 既存屋根を洗浄・補修し、塗料で表面を保護する 屋根材そのものの傷みが少なく、塗装可能な屋根材である 防水シートや野地板は新しくならない
カバー工法 既存屋根を残し、防水シートと新しい金属屋根を重ねる 屋根材の劣化が進んでいるが、野地板の強度を確保できる 重量と厚みが増え、下地全体を直接確認できない
葺き替え 既存屋根を撤去し、必要に応じて野地板から作り直す 野地板の腐食、長期間の雨漏り、瓦屋根、多重屋根など 撤去費、処分費、工期が増えやすい

屋根塗装で対応できる可能性があるケース

屋根材に大きな割れ、反り、剥離がなく、下地にも問題がない場合は、塗装で表面保護を行える可能性があります。

築年数だけで「15年を超えたからカバー工法」と決めるのではなく、屋根材の商品名と劣化状態を確認してください。

ただし、塗装は屋根材の表面を保護する工事です。

すでに雨漏りがある場合や、屋根材そのものが崩れている場合は、塗装で直すことはできません。

カバー工法が選択肢になりやすいケース

既存屋根がスレート、アスファルトシングル、施工可能な金属屋根などで、野地板に新しい屋根を固定できる強度が残っている場合です。

屋根材のひび割れや反りが広範囲にあり、塗装では長く保護できないものの、下地を全面交換するほどの腐食がない住宅では、カバー工法が費用と耐久性のバランスを取りやすい選択になります。

葺き替えを優先した方がよいケース

野地板が広い範囲で腐っている場合や、雨漏りによって垂木や断熱材まで傷んでいる場合は、既存屋根を撤去して状態を確認する必要があります。

日本瓦、陶器瓦、セメント瓦、モニエル瓦などの凹凸が大きい屋根も、基本的にはカバー工法に向きません。

すでに一度カバー工法が施工され、屋根が二重になっている場合も、さらに重ねるのではなく、撤去して葺き替える方法が基本となります。

工事の仕組みや流れを初めから確認したい方は、屋根カバー工事とは?向いている家・工事の流れ・費用目安も参考にしてください。

金属屋根カバー工法を施工できる屋根とできない屋根

カバー工法を施工しやすい平らなスレート屋根と施工できない瓦屋根の比較

スレート屋根はカバー工法の対象になりやすい

コロニアル、カラーベストなどと呼ばれるスレート屋根は、表面の凹凸が比較的小さいため、カバー工法の対象になりやすい屋根です。

ただし、「スレート屋根なら何でも施工できる」という意味ではありません。

商品ごとの劣化特性、屋根材の割れ方、野地板の状態、過去の雨漏りなどを確認する必要があります。

屋根材が広い範囲で崩れていたり、歩くだけで大きく割れたりする状態では、適切な固定方法を確保できるか慎重に判断しなければなりません。

パミールなどの屋根は製品名だけで工法を決めない

初期のノンアスベスト屋根材の一部には、経年によって層状に剥がれたり、不規則なひび割れが広がったりする製品があります。

代表的なものとして知られているのが、ニチハのパミールなどです。

このような屋根は塗装による保護が難しい一方で、カバー工法が必ず安全とは限りません。

重要なのは、ビスが既存屋根材だけでなく、十分な強度を持つ野地板や垂木へ適切に固定される設計になっているかどうかです。

屋根材が著しく剥離し、防水シートを平らに施工できない場合や、下地の状態を確認できない場合は、葺き替えを優先することがあります。

「パミールだから必ずカバー工法」「パミールだから必ず葺き替え」と製品名だけで決めず、劣化状態、下地、施工仕様まで確認してください。

既存の金属屋根にも施工できる場合がある

トタン、ガルバリウム鋼板、折板屋根など、既存の金属屋根へ新しい金属屋根を重ねる工事もあります。

ただし、既存の金属屋根の形状に合った専用工法や固定金具が必要です。

赤サビや穴あきが広がっている場合、表面だけを覆っても下地の腐食が進む可能性があります。

屋根の裏面に結露が発生している場合は、換気や断熱の問題も確認しなければなりません。

既存金属屋根のハゼ、ボルト、固定金具、下地材の状態を確認し、メーカーの施工基準に合う方法を選ぶことが大切です。

アスファルトシングルも状態によって施工できる

アスファルトシングルは比較的平らな屋根材であるため、カバー工法を行える場合があります。

ただし、表面の石粒や屋根材の浮きによって防水シートが密着しにくい場合があります。

既存屋根材のめくれ、接着状態、下地の強度を確認し、必要な下地調整を行ってから施工します。

瓦屋根は基本的にカバー工法ができない

日本瓦、陶器瓦、洋瓦、セメント瓦、モニエル瓦などは、厚みと凹凸が大きいため、その上へ防水シートと金属屋根を平らに施工できません。

瓦屋根はもともとの重量も大きいため、その上へさらに屋根を重ねる方法は適していません。

瓦屋根を軽量な金属屋根へ変更する場合は、既存の瓦を撤去して葺き替える方法が基本です。

瓦と葺き土を降ろすことで屋根が軽くなる場合がありますが、耐震性がどの程度向上するかは建物全体の構造によって変わります。

「金属屋根に変えるだけで耐震性が劇的に上がる」とは決めつけず、必要に応じて耐震診断も検討してください。

野地板が腐っている屋根には施工できない

カバー工法の可否を決めるうえで、最も重要なのが野地板の状態です。

野地板は屋根材を固定する土台であり、屋根全体を支える重要な部分です。

野地板が腐っていると、新しい屋根材を固定するビスが十分に効きません。

【下地が傷んだまま重ねる危険性】

固定力が不足した状態でカバー工法を行うと、台風や突風の際に金属屋根材が浮いたり、剥がれたりする危険があります。

また、雨漏りや湿気の原因を残したまま新しい屋根で覆うと、内部の腐食が進んでも外から気づきにくくなります。

天井の雨染み、屋根裏の湿気、屋根を歩いたときの沈み、野地板の変色がある場合は、カバー工法を決める前に下地の状態を詳しく調べることが必要です。

屋根裏へ入れる住宅では、野地板の裏側から雨染み、カビ、腐食、釘の状態を確認します。

屋根裏へ入れない場合は、屋根の歩行感、既存ビスの保持力、過去の雨漏り履歴なども含めて判断します。

診断結果によっては、一部を開口して下地を確認する場合もあります。

太陽光パネルがある場合は脱着費用も確認する

太陽光パネルが設置された屋根でも、カバー工法を行える場合があります。

ただし、パネルを載せたまま、その周囲だけに新しい屋根材を施工する方法はおすすめできません。

パネル下の防水シートを連続して施工できず、将来の雨漏りや再工事につながる可能性があるからです。

基本的には太陽光パネルと架台を一度取り外し、屋根工事後に再設置します。

パネルの脱着、電気配線、足場、保管、再接続、発電確認などの費用が加わります。

太陽光設備のメーカー保証や施工保証に影響する場合もあるため、屋根業者だけでなく、電気工事や太陽光設備に対応できる体制も確認してください。

太陽光パネルがある屋根の工事については、太陽光パネル付き屋根のカバー工法と脱着・載せ替えの注意点で詳しく解説しています。

屋根カバー板金工事の費用相場

30坪住宅の屋根カバー工法にかかる費用相場と主な内訳

屋根カバー工法の費用は、住宅の坪数だけでは決まりません。

実際に施工する屋根面積、屋根の形、勾配、階数、足場の組みやすさ、下地の状態、金属屋根材、防水シートなどによって変わります。

同じ延床面積30坪でも、総2階の切妻屋根と、平屋の寄棟屋根では屋根面積も板金部材の量も異なります。

坪数別の金額は、最初に予算を考えるための目安としてご覧ください。

延床面積の目安 カバー工法の費用相場 費用を見るときの注意点
20坪 約60万~110万円 小規模住宅でも足場、運搬、現場管理などの固定費がかかります。
30坪 約80万~150万円 屋根が単純で下地補修が少ない場合は、100万~130万円前後に収まることがあります。
50坪 約150万~300万円 平屋か2階建てか、屋根の形状や材料によって金額差が大きくなります。

上記は、足場、防水シート、金属屋根材、役物板金、施工費、諸経費などを含めた一般的な目安です。

材料価格や人件費は変動するため、最終的な費用は現地調査後の見積書で確認してください。

延床面積と屋根面積は同じではありません

見積書でとくに確認してほしいのが、実際の屋根面積です。

延床面積は、住宅内部の各階の床面積を合計したものです。

一方、屋根工事は屋根の実測面積をもとに計算します。

同じ30坪でも、平屋は建築面積が広いため、総2階住宅より屋根面積が大きくなりやすいです。

屋根には勾配と軒の出もあるため、建築面積より施工面積が広くなります。

見積書に「屋根カバー工法一式」としか書かれていない場合は、何㎡で計算しているのかを確認してください。

30坪住宅における主な費用内訳

工事項目 金額の目安 見積書で確認したいこと
足場仮設費 15万~30万円程度 運搬、組み立て、解体、メッシュシートを含むか
既存屋根の確認・下地処理 3万~8万円程度 棟板金撤去、雪止め処理、清掃、割れや浮きの補修内容
防水シート施工 7万~15万円程度 メーカー、商品名、規格、重ね幅、谷や壁際の施工方法
金属屋根材施工 50万~80万円程度 商品名、鋼板の種類、断熱材、表面塗膜、保証条件
役物・板金工事 15万~30万円程度 棟、軒先、ケラバ、谷、雨押え、天窓周辺を含むか
換気棟・雪止め 仕様により変動 数量、位置、既存の換気経路や地域の積雪条件に合うか
諸経費・管理費 5万~15万円程度 運搬、現場管理、廃材処分、駐車場、工事保険などの内容

各項目の上限をすべて合計すると、相場の上限を超えるように見えるかもしれません。

すべての住宅で各項目の上限が同時に当てはまるわけではないためです。

屋根材が高くても役物が少ない住宅もあれば、標準的な屋根材でも谷や壁際が多く、板金加工費が高くなる住宅もあります。

大切なのは、総額と内訳のつながりを業者が説明できることです。

高圧洗浄が必ず含まれるとは限りません

屋根塗装では高圧洗浄を行うのが一般的ですが、カバー工法では既存屋根の状態に応じて清掃方法が変わります。

とくに石綿を含む可能性があるスレート屋根では、強い高圧洗浄によって屋根材を傷めたり、粉じんを発生させたりしないよう注意が必要です。

表面のゴミやコケを除去し、必要な補修を行えば施工できる場合もあります。

見積書に高圧洗浄が入っていないから手抜きとは限りません。

反対に、どのような屋根でも機械的に高圧洗浄を行う業者には、既存屋根材と石綿への対応を確認してください。

価格差が出やすい条件

  • 平屋で屋根面積が広い
  • 寄棟、入母屋、谷が多い複雑な屋根
  • 急勾配で屋根足場が必要
  • 3階建てや狭小地で資材搬入が難しい
  • 天窓、ドーマー、壁際が多い
  • 野地板や軒先に補修が必要
  • 太陽光パネルの脱着が必要
  • 換気棟や雪止めを追加する
  • 高耐久塗膜や断熱材一体型の屋根材を選ぶ
  • 海沿いで耐食性の高い仕様を選ぶ

インターネット広告の最低価格だけを見て予算を決めると、現地調査後に金額が大きく上がることがあります。

広告価格に足場、役物、防水シート、諸経費、消費税が含まれているかも確認しましょう。

坪数別の費用と内訳については、屋根カバー工法の費用相場を20坪・30坪・50坪別に解説した記事でも詳しくお伝えしています。

足場代を抑えるなら外壁塗装との同時施工も検討する

屋根カバー工法と外壁塗装を同時に行い足場を共用する方法

屋根カバー工法では、職人の安全、資材の落下防止、周辺への飛散防止のため、基本的に足場を設置します。

一般的な住宅でも、足場費は15万~30万円程度かかることがあります。

屋根工事の数年後に外壁塗装を行うと、外壁工事でも再び足場費が必要です。

屋根と外壁のメンテナンス時期が近い場合は、同時施工によって足場を共用できます。

結果として、将来もう一度必要になる予定だった足場費を抑えられる可能性があります。

工事期間中の洗濯物、駐車場所、近隣への挨拶なども一度にまとめやすくなります。

ただし、足場代を節約するためだけに、まだ健全な外壁を急いで塗装する必要はありません。

外壁のチョーキング、シーリングのひび割れ、塗膜の剥がれなどを診断し、屋根と外壁の次回メンテナンス時期を近づけられるか確認してください。

【同時施工を判断するときのポイント】

屋根だけの見積もりと、屋根・外壁を同時施工する見積もりを両方出してもらいましょう。

外壁工事を追加すれば材料費と施工費は増えるため、単純に総額が安くなるわけではありません。

今回の足場費、次回予定される足場費、外壁の残りの耐用期間を比べて判断することが大切です。

屋根カバー工法と外壁塗装を同時に行う場合の考え方や費用については、屋根と外壁を同時にリフォームするときの費用と注意点もご覧ください。

ハウスメーカー住宅は外壁材と保証内容も確認する

ハウスメーカー住宅では、独自の外壁材、防水材、接合部材が使われていることがあります。

「足場を組むから外壁も全部塗りましょう」と安易に決めず、塗装が必要な外壁材かどうかを確認してください。

たとえば、積水ハウスの木造住宅シャーウッドに採用されている陶版外壁ベルバーンは、焼き物の外壁材であり、外壁材そのものは一般的な塗装外壁とは異なるメンテナンス計画となります。

積水ハウスの公式情報では、ベルバーンの高耐久目地について30年目のメンテナンスが一つの目安として示されています。

ただし、建築年代や採用されている目地材、立地条件、実際の劣化状態によって点検・補修の時期は変わります。

外壁材を塗らなくても、シーリング、防水、雨樋、付帯部などの工事が必要な場合があります。

ハウスメーカーの保証を継続している住宅では、他社施工が保証や点検制度へ与える影響も契約前に確認しておきましょう。

アップリメイクでは、外壁塗装だけでなく、板金工事、防水工事、バルコニー防水なども含め、必要な工事とまだ必要のない工事を確認したうえでご提案しています。

アスベスト事前調査と屋根カバー工法の正しい考え方

石綿を含む可能性がある屋根のカバー工法と事前調査・飛散防止対策

古いスレート屋根には、石綿、いわゆるアスベストを含む製品があります。

ただし、建築年だけを見て「この年なら必ず入っている」「この年なら絶対に入っていない」と断定することはできません。

新築後に屋根を交換している可能性もあり、同じ時期でもメーカーや商品によって仕様が異なるからです。

設計図書、仕様書、屋根材の商品名、メーカー資料などを確認し、必要に応じて分析を行います。

工事金額にかかわらず事前調査が原則必要

建築物の解体、改修、リフォーム工事では、原則として工事対象となる材料に石綿が含まれているか、着工前に調査する必要があります。

建築物の事前調査は、2023年10月以降、建築物石綿含有建材調査者など、一定の要件を満たす者が行う必要があります。

「税込100万円以上」という基準を見かけることがありますが、これは建築物の改修工事において、調査結果を行政へ報告する対象になるかどうかの基準です。

100万円未満の工事だから、石綿事前調査をしなくてよいという意味ではありません。

また、2026年1月から資格者調査の対象が広がったのは、ボイラー、発電設備、配管設備など一部の工作物です。

一般住宅の屋根は建築物に該当するため、2023年10月からの建築物向けルールに沿って対応します。

制度の詳しい内容は、厚生労働省の石綿総合情報ポータルサイトや、環境省の石綿事前調査結果報告に関する案内でも確認できます。

カバー工法でも既存屋根へ手を加える工程がある

カバー工法は既存屋根材を全面撤去しないため、葺き替えに比べて屋根材の破砕量や廃材量を減らしやすい工法です。

そのため、石綿を含む屋根の撤去・処分費を抑えられる可能性があります。

しかし、カバー工法だから既存屋根に一切触れないわけではありません。

棟板金や雪止めを撤去したり、固定のために穴を開けたり、ビスを打ち込んだりする工程があります。

屋根材の切断や破損が必要になる場合もあります。

石綿含有と判断された屋根では、粉じんを発生させにくい作業方法、湿潤化、集じん、清掃、保護具など、工事内容に応じた対策が必要です。

【「カバー工法なら石綿対策は不要」は誤りです】

既存屋根を残すことで撤去時の飛散リスクを抑えやすくなる一方、石綿含有建材が建物に残り続けます。

将来、屋根を葺き替えるときには、既存屋根とカバー屋根の両方を撤去しなければならない可能性があります。

今回の費用だけでなく、将来の撤去・処分まで理解したうえでカバー工法を選ぶことが大切です。

見積書で確認したいアスベスト関連項目

  • 誰が事前調査を行うのか
  • 調査者の資格や要件
  • 設計図書と目視の調査内容
  • 屋根材の商品名と製造時期の確認方法
  • 必要な場合の分析費用
  • 石綿含有と判断された場合の作業方法
  • 行政報告の対象となる場合の手続き
  • 調査結果や作業記録の保存方法
  • 将来撤去するときの注意点

「カバー工法なので調査は要りません」「見積もりを安くするために調査費を外します」という説明をされた場合は、契約を急がないでください。

正しく法令を守る業者ほど、事前調査や作業方法について丁寧に説明します。

屋根材と防水シートの選び方

ガルバリウム鋼板と高耐食性めっき鋼板の違い

ガルバリウム鋼板は、アルミニウムと亜鉛などによるめっき層で鋼板を保護した材料です。

現在は、めっき層にマグネシウムを加えて耐食性を高めた鋼板を採用する屋根材も増えています。

ただし、鋼板の種類だけで屋根の寿命が決まるわけではありません。

表面塗膜、鋼板の厚み、切断面の処理、役物の材質、施工方法、立地条件によっても耐久性は変わります。

「SGLだから絶対に錆びない」「30年間何もしなくてよい」といった説明には注意してください。

断熱材一体型が向いている人

2階の暑さ、屋根から伝わる熱、雨音が気になる方には、断熱材一体型の金属屋根が選択肢になります。

一方で、屋根裏断熱をすでに十分施工している住宅や、短期間で建て替える予定の住宅では、追加費用に対する効果を慎重に考えてもよいでしょう。

屋根材単体の性能値だけでなく、今の住宅でどのような効果を期待できるのか説明してもらってください。

防水シートは商品名と耐久性を確認する

カバー工法の完成後、防水シートは金属屋根の下に隠れて見えなくなります。

だからこそ、見積書に「ルーフィング」とだけ書かれている場合は、メーカーと商品名を確認してください。

粘着層付き、改質アスファルト系、高耐久型など複数の種類があります。

下地との相性、屋根勾配、施工方法、金属屋根材の耐久性を踏まえて選ぶ必要があります。

高耐久な金属屋根を施工しても、その下の防水シートが先に劣化すれば、屋根全体の安心につながりません。

換気棟は住宅ごとに必要性を判断する

換気棟は、屋根の頂上付近から屋根裏の熱や湿気を排出する部材です。

軒裏などから空気を取り入れ、棟から排出する経路ができている住宅では、屋根裏の熱気や湿気を逃がす効果が期待できます。

ただし、換気棟だけを設置すれば必ず結露が解消するわけではありません。

給気口が不足していたり、断熱材が通気経路を塞いでいたりすると、十分に空気が流れないことがあります。

設置数や位置だけでなく、屋根裏全体の換気経路を確認してもらいましょう。

海沿いでは保証条件と切断部の処理を確認する

静岡県には海に近い地域も多く、屋根や外壁の金属部が塩分の影響を受けることがあります。

同じ金属屋根でも、海岸からの距離によってメーカー保証の内容が変わる場合があります。

沿岸部では、耐食性の高い材料を選ぶだけでなく、切断面、ビス、役物、異種金属の接触にも注意が必要です。

施工後の水洗いや点検など、メーカーが求めるメンテナンス条件も契約前に確認してください。

屋根カバー工法の一般的な工事手順

1. 現地調査と屋根材の確認

屋根材の種類、屋根面積、勾配、形状、雨漏り履歴、太陽光パネルなどを確認します。

図面だけでなく、ドローン、高所カメラ、屋根裏調査などを組み合わせて状態を見ます。

2. 石綿事前調査

設計図書やメーカー資料、目視などによって、工事対象部分に石綿含有建材が使われているか確認します。

書面や目視だけで判断できない場合は、必要に応じて分析を行います。

3. 足場と飛散防止シートの設置

職人の安全を確保し、資材や粉じんが周囲へ落下・飛散することを防ぐために足場を組みます。

資材の搬入経路、車の移動、植木やエアコン室外機の養生も確認します。

4. 棟板金・雪止めなどの撤去

新しい防水シートと屋根材を平らに施工するため、必要な部材を取り外します。

既存屋根材に石綿が含まれる場合は、破損や粉じんを抑える方法で作業します。

5. 既存屋根の補修と清掃

浮き、著しい割れ、段差などを補修し、防水シートを施工できる状態にします。

屋根の状態に合わない強い高圧洗浄は避け、必要な清掃方法を選びます。

6. 防水シートの施工

軒先から棟へ向かって防水シートを施工します。

重ね幅、谷、壁際、天窓などの処理が重要です。

7. 金属屋根材の施工

メーカーの施工基準に従い、屋根材を固定します。

ビスの長さ、間隔、固定する下地の位置が耐風性に関わります。

8. 棟・ケラバ・谷・雨押えなどの板金工事

屋根の端や接合部を板金部材で納めます。

雨水が集まりやすい部分であり、職人の知識と加工精度が仕上がりを左右します。

9. 検査・清掃・施工写真の確認

ビス、板金、シーリング、傷、汚れなどを確認し、必要な補修を行います。

足場を解体する前に施工写真を見ながら説明を受けると安心です。

失敗しない業者選びと見積書の確認ポイント

屋根カバー工法は、屋根材の商品名だけで品質が決まる工事ではありません。

同じ金属屋根材を使っていても、防水シート、下地診断、ビスの固定、谷や壁際の板金加工によって、工事後の安心感は大きく変わります。

屋根の上だけでなく屋根裏も確認しているか

屋根の表面が傷んでいても、野地板が健全ならカバー工法を検討できます。

反対に、表面がそれほど悪く見えなくても、屋根裏に雨染みや腐食がある場合があります。

可能な範囲で屋根裏まで確認し、カバー工法を選ぶ根拠を説明してくれる業者を選びましょう。

工法を一つに決めつけていないか

信頼できる業者は、塗装、部分補修、カバー工法、葺き替えの違いを説明します。

どの住宅にも同じ工法を勧めるのではなく、現在の劣化状態、予算、今後住む年数に合わせて提案することが大切です。

見積書に数量・単価・商品名があるか

「屋根カバー工事一式」とだけ書かれた見積書では、施工面積や材料を比較できません。

少なくとも、次の項目を確認してください。

  • 屋根の施工面積
  • 足場面積と単価
  • 既存屋根の処理内容
  • 防水シートの商品名
  • 金属屋根材の商品名と色
  • 棟、ケラバ、谷、壁際などの役物
  • 換気棟と雪止めの数量
  • 石綿事前調査の内容
  • 廃材処分費と諸経費
  • 追加費用が発生する条件

極端な値引きや足場無料を強調していないか

「今日契約すれば半額」「今月だけ足場代無料」といった大幅な値引きには注意が必要です。

足場を組むには材料運搬、組み立て、解体、人件費がかかります。

無料に見えても、別の工事項目へ費用が移されている可能性があります。

最初の提示額を高く設定し、大幅値引きで契約を急がせるケースもあります。

値引き額ではなく、値引き後の総額と工事内容が適正かどうかを見てください。

保証の対象と免責事項が明確か

屋根工事には、屋根材メーカーの製品保証と、施工業者による工事保証があります。

メーカー保証は材料そのものを対象とし、施工不良による雨漏りまで保証するとは限りません。

施工保証については、保証年数だけでなく、雨漏り、板金の浮き、シーリング、自然災害など、どこまで対象になるかを確認してください。

保証書を書面でもらえるか、会社が将来も点検に対応できる体制かも大切です。

施工中の写真を残してくれるか

防水シートや下地は、工事が終わると見えなくなります。

既存屋根の状態、防水シートの重なり、谷、壁際、棟などを写真に残してもらいましょう。

完成写真だけでなく、途中の工程を確認できることが安心につながります。

3社程度の相見積もりを取り、内容を比べる

屋根工事は業者によって診断結果や提案内容が変わることがあります。

そのため、可能であれば3社程度から見積もりを取り、総額だけでなく工事範囲と仕様を比較してください。

最安値の会社を選ぶためではなく、説明の違いや不足している工程を見つけるための相見積もりです。

屋根面積が大きく違う場合、防水シートの商品名が書かれていない場合、片方だけに換気棟がある場合などは、その理由を質問してみましょう。

アップリメイクが屋根診断と施工で大切にしていること

株式会社アップリメイクは、1973年の創業以来、静岡で屋根・外壁塗装、防水、板金を含む外装リフォームに携わってきました。

施工実績は2026年4月末時点で6,000件を超えています。

ただし、施工実績の数が多いだけで、目の前の住宅にカバー工法が適しているとは限りません。

私たちが最も重視しているのは、「カバー工法を売ること」ではなく、「その住宅に本当に必要な工事を見極めること」です。

職人の経験に加えて、写真と根拠で状態をお伝えします

屋根はお客様から見えにくいため、言葉だけで「傷んでいます」とお伝えしても、不安を強めてしまいます。

そこで、ドローンや高所カメラ、30倍スコープなどを必要に応じて使用し、撮影した写真をもとに状態をご説明します。

屋根裏へ入れる場合は、野地板の裏側、雨染み、結露なども確認します。

塗装で対応できる状態なのか、カバー工法が必要なのか、葺き替えを優先すべきなのかを、できるだけ分かりやすくお伝えします。

一式表示に頼らない見積書を心がけています

屋根工事では、完成すると見えなくなる部分が多くあります。

だからこそ、屋根面積、材料、工程、役物などを確認できる見積書が必要です。

アップリメイクでは、お客様が他社の見積もりとも比べられるよう、数量、仕様、使用材料が分かる見積書の作成を大切にしています。

分からない項目があれば、契約前に遠慮なくご質問ください。

職人直営で施工内容を現場へつなげます

営業会社が契約を取り、複数の下請け会社へ工事を任せる仕組みでは、打ち合わせ内容が現場へ正確に伝わらないことがあります。

アップリメイクは職人直営の外装リフォーム専門店として、診断、提案、現場施工のつながりを大切にしています。

外壁塗装を同時施工する場合は、仕様に応じて下塗りを含む4回塗りを採用するなど、塗布量、乾燥時間、下地処理を重視しています。

屋根カバー工法についても、屋根材だけでなく、防水シートと板金部分まで確認しながら施工します。

工事後も書面保証と点検で対応します

アップリメイクでは、工事内容に応じた自社保証書を書面で発行し、最長10年の保証をご用意しています。

保証年数や対象範囲は工事内容、材料、プランによって異なるため、お見積もり時に詳しくご説明します。

屋根工事は、完成して足場が外れたら終わりではありません。

気になる点や不具合が発生したときに相談できることが、長く安心して暮らすために大切だと考えています。

実際の仕上がりや工事内容を確認したい方は、アップリメイクの施工事例もご覧ください。

担当者や職人の対応、工事後の感想を知りたい方は、お客様の声も業者選びの参考にしていただけます。

金属屋根カバー工法に関するよくある質問

Q1. 和瓦や洋瓦にも金属屋根を重ねられますか?

A. 日本瓦、陶器瓦、セメント瓦、モニエル瓦などには、基本的にカバー工法を行えません。

瓦は厚みと凹凸が大きく、防水シートや金属屋根を平らに固定できないためです。

瓦屋根を軽量な金属屋根へ変更する場合は、既存瓦を撤去する葺き替えを検討します。

Q2. 金属屋根にすると雨音がうるさくなりませんか?

A. 断熱材一体型の金属屋根を使用し、既存のスレート屋根を残すカバー工法では、雨音を抑えやすくなります。

ただし、音の感じ方は屋根裏空間、天井断熱、雨の強さなどによって変わります。

音が気になる方は、断熱材の有無やメーカーの試験資料を確認してください。

Q3. 屋根が二重になると地震に弱くなりませんか?

A. カバー工法で使用する金属屋根材は軽量ですが、屋根の重量は確実に増えます。

一般的なスレート屋根と軽量金属屋根を合わせても、瓦屋根より軽いケースは多くあります。

ただし、築年数、建物構造、過去の増改築、既存屋根の層数によって判断が変わります。

商品重量と施工面積から追加重量を確認し、必要に応じて構造面も検討してください。

Q4. 工事中も自宅で生活できますか?

A. 基本的には、引っ越しをせずに生活できます。

ただし、足場の組み立て、金属加工、ビス固定などでは音が発生します。

窓を開けにくい日や、洗濯物を外に干せない日もあります。

在宅勤務や夜勤のご家族がいる場合は、音の大きい工程を事前に確認しておきましょう。

Q5. 雨漏りしていてもカバー工法で直せますか?

A. 雨漏りの原因と下地の状態によります。

軽微な不具合を補修したうえでカバー工法を行える場合もありますが、野地板や垂木が腐っている場合は葺き替えが必要です。

雨漏りの原因を確認せず、上から屋根を重ねるだけの施工は避けてください。

Q6. アスベストを含む屋根なら、必ずカバー工法がよいですか?

A. 必ずとは限りません。

カバー工法は既存屋根の撤去量を減らしやすいため、石綿の飛散や処分費を抑えられる可能性があります。

一方で、下地が腐っている場合や屋根材が著しく崩れている場合は、葺き替えが必要です。

カバー工法でも事前調査や飛散防止対策は必要なので、法令に沿って判断してくれる業者へ相談してください。

Q7. 見積もりが安い業者を選んでも大丈夫ですか?

A. 安いこと自体が悪いわけではありませんが、安い理由を確認してください。

足場、防水シート、役物、換気棟、石綿事前調査、諸経費などが別料金になっている場合があります。

屋根面積、商品名、工程、保証内容が同じ条件になっているかを比べましょう。

まとめ|金属屋根カバー工法は下地診断と見積書の中身で決まります

金属屋根を使ったカバー工法は、既存屋根の撤去量を抑えながら、防水シートと新しい屋根材を施工できる工事です。

条件が合う住宅では、葺き替えより費用と工期を抑えやすく、断熱性や遮音性の向上も期待できます。

ただし、すべての屋根に向いているわけではありません。

カバー工法の仕組み:既存屋根の上に防水シートと軽量な金属屋根を施工し、屋根の防水性能を見直す工事です。

施工条件:スレートや一部の金属屋根などが対象ですが、野地板の腐食、瓦屋根、多重屋根では葺き替えが必要になることがあります。

費用の見方:延床面積ではなく、屋根の実測面積、形状、材料、下地補修、役物の量を確認することが大切です。

アスベスト対策:カバー工法でも事前調査は必要であり、穴あけや部材撤去を含む作業方法まで確認しなければなりません。

業者選び:塗装、カバー工法、葺き替えを比較し、写真と根拠を使って提案してくれる業者を選びましょう。

将来の費用:今回の工事費だけでなく、次回の撤去・処分費や今後住む年数まで考えて工法を決めることが重要です。

「カバー工法を勧められたけれど、本当に必要なのか分からない」

「塗装でも間に合うのか、葺き替えが必要なのか見てほしい」

「他社の見積書に書かれている内容が適正なのか確認したい」

このような段階でも大丈夫です。

株式会社アップリメイクでは、屋根材の商品名、劣化状態、雨漏り、野地板、石綿の可能性などを確認し、現在必要な工事と、まだ急がなくてもよい工事をお伝えします。

診断やお見積もりを取ったからといって、すぐに契約する必要はありません。

まずはご自宅の屋根がどのような状態なのかを知り、後悔のない工事を選んでいただきたいと私たちは考えています。

屋根や外壁は、ご家族の暮らしと大切な住まいを雨風から守り続ける部分です。

工事が必要か迷っているときこそ、目に見える写真と根拠をもとに、今後のメンテナンス計画を一緒に考えていきましょう。

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  • この記事を書いた人

齋藤直樹

(株)アップリメイク代表取締役で元職人、塗装という仕事が大好きです。人生の大きな挫折と数多くの出会いを経て今は大好きな地元・静岡で、お客様の笑顔のために仕事ができることに何よりの誇りを感じています。

▼保有資格▼
1級建築塗装技能士・2級建築施工管理技士・有機溶剤作業主任者・高所作業主任者・2級カラーコーディネーター・光触媒施工技能士・乙4類危険物取扱者・ゴンドラ特別教育・職長・安全衛生責任者・第2種酸素欠乏危険作業主任者・宅地建物取引主任者・2級ファイナンシャルプランニング技能士・AFP