屋根葺き替えはどこに頼む?業者・工務店の選び方と相見積もりのコツ

日本家屋の屋根と「屋根の葺き替え、どこに頼む?失敗しない業者の選び方」というタイトルの表紙画像

こんにちは、株式会社アップリメイク代表取締役の齋藤直樹です。

築年数が経ち、「そろそろ屋根の葺き替え時期かもしれない」と考え始めた時、最初にぶつかるのが「結局、どこに頼むのが一番安心なのか?」という疑問ではないでしょうか。

屋根工事は決して安い買い物ではありません。

情報収集を進めれば進めるほど、専門業者、工務店、リフォーム会社、ハウスメーカーなど選択肢が多く、頭を悩ませてしまう方は非常に多いです。

屋根はご家族の安全と建物の寿命を直に守る重要な「防衛線」です。

しかし、普段は目に見えない場所だからこそ、残念ながら悪質な業者が介在しやすい業界でもあります。

この記事では、現場で長年職人として汗を流してきた私の経験と、宅地建物取引主任者やAFPとしての視点を交え、後悔しない業者の選び方を徹底的に解説します。

この記事を読むことで以下のポイントを理解していただけます。

記事のポイント

  • 専門業者、工務店、リフォーム会社それぞれのメリットとデメリット
  • 技術力が高く信頼できる優良業者を見極める具体的なチェックポイント
  • 悪質な訪問営業の手口と、絶対に騙されないための防衛策
  • 適正価格を知るための相見積もりの正しい取り方と見積書の解読法

屋根の葺き替えはどこに頼むべきか

屋根の業者選びで迷っている方へのメッセージ。悪質業者への不安や費用について

屋根の葺き替えを依頼する先は、大きく分けて4つの業態が存在します。

それぞれのビジネスモデルや得意分野を知ることが、ご自宅にとって最適なパートナーを見つける第一歩となります。

ここからは、各業態の構造的な特徴を詳しく解き明かしていきます。

屋根葺き替え業者の種類と特徴

工務店、リフォーム会社、ハウスメーカー、屋根専門業者の費用・専門性・安心感を比較した表

「屋根の葺き替え」と一口に言っても、業者選びの入り口は多岐にわたります。

皆さんがインターネットで検索したり、ポストに入っているチラシを見たりして出会う業者は、主に4つの業態に分類されます。

一つ目は、私たちアップリメイクのような現場の最前線で実務を行う「屋根工事専門業者(塗装専門店含む)」

二つ目は、地域に根ざして新築から修繕までを手掛ける「工務店」

三つ目は、水回りや内装から外装までパッケージ化された商品を提供する「リフォーム会社」

そして四つ目が、建物を新築した際の元請けである「ハウスメーカー」です。

これら4つの業態が市場に混在しているため、「結局どこが正解なのか?」と迷ってしまうのは当然のことです。

しかし、どの業態が「絶対に一番良い」と一概に言えるものではありません。

なぜなら、それぞれの会社は成り立ちやビジネスモデルが全く異なり、得意としている領域や、工事費用に含まれる「原価の構造」が違うからです。

例えば、広告宣伝費や立派なショールームの維持費、あるいは営業マンの歩合給などは、最終的にすべてお客様が支払う「工事費用」の中に含まれていきます。

この事実をまず知っておくことが重要です。

業態による構造の違いを理解せずに、ただ見積もりの一番下の「合計金額」だけで比較してしまうと、結果として「高いお金を払ったのに、実際の屋根工事に使われた材料や職人の手間賃はごくわずかだった」というような悲しい失敗を引き起こしかねません。

各業態を選ぶ際の根本的な違いとは?

それぞれの業態は「誰が実際に工事を行うか(施工体制)」と「どれくらいの中間マージンが発生するか(費用構造)」が根本的に異なります。

どこに頼むのが正解というわけではなく、お客様が「屋根単体の修繕をコスパ良く行いたいのか」「家全体のフルリノベーションをしたいのか」「絶対的なブランドの安心感を買いたいのか」によって、最適な選択肢が変わってきます。

ご自身の「リフォームの最大の目的」を明確にすることが、業者選びの第一歩となります。

ご自宅の大切な屋根を託すためには、各業態のメリット・デメリットを冷静に比較し、ご自身の希望(予算、安心感、品質など)に最もフィットする依頼先を見極める必要があります。

次項からは、これら4つの業態をさらに深く掘り下げ、判断基準となるポイントを詳細に解説していきます。

工務店とリフォーム会社の違い

地域密着の工務店の最大の強みは、建物的「構造全体」を俯瞰して見ることができる点に尽きます。

家を建てる大工仕事からスタートしている会社が多いため、木組みの構造や耐震性の計算に非常に長けています。

例えば、既存の重い日本瓦から、ガルバリウム鋼板などの軽量な金属屋根に葺き替える場合、建物の重心が大きく下がるため、家全体の耐震バランスが変化します。

経験豊富な工務店であれば、この重量変化が家屋の耐力壁にどう影響するかを緻密に計算し、必要であれば柱や壁の耐震補強とセットにした総合的な改修提案を行うことが可能です。

将来的な間取りの変更や増改築も見据え、家の歴史を知る「ホームドクター」として、親子二代、三代にわたる長いお付き合いを望む方には非常に向いています。

一方でリフォーム会社は、建物の改修を「統合的にプロデュースする能力」に長けています。

屋根だけでなく、外壁塗装、クロスの張り替え、キッチンやお風呂といった水回り設備の最新化まで、住宅全体の機能向上やデザイン一新を得意としています。

中古住宅を購入して一気に現代風にフルリノベーションを計画しているような場合、リフォーム会社に依頼すれば窓口が一つになるため、発注の手間や工程管理の心理的負担が大幅に軽減されます。

また、提携しているメーカーの住宅設備を安く仕入れるルートを持っていたり、洗練されたデザイン提案のパッケージを持っていたりすることも多く、見た目の美しさや最新設備を重視する方から人気を集めています。

工務店・リフォーム会社に依頼する際の注意点

しかし、注意すべき重大なポイントがあります。

それは、どちらの業態も「実際の屋根工事(板金や瓦の作業)」は、自社の社員ではなく、下請けの専門業者(屋根屋や板金屋)に丸投げで外注するケースが大半を占めるという点です。

元請けとしての彼らの利益、営業経費、現場管理費などが工事原価に上乗せされるため、屋根単体の工事で比較した場合、直接専門業者に依頼するよりも総額が2割から3割ほど高額になる傾向があります。

また、現場の最終的な仕上がりは「その時アサインされた下請け職人の腕」に依存してしまうため、品質にバラつきが出るリスクが内在していることも理解しておく必要があります。

ハウスメーカーと専門業者の比較

新築時のハウスメーカーに修繕を依頼する最大のメリットは、「絶対的な安心感と保証の継続」です。

家を建てた際の詳細な図面や構造計算書といった膨大なデータが社内に保管されているため、既存の構造体に最も適した、安全確実な工法を素早く導き出せます。

特に、特殊な工法(型式適合認定など)で建てられた家の場合、他社では構造上の判断が難しく、ハウスメーカーでしか手出しができないケースも存在します。

また、全国規模での厳格な品質管理基準マニュアルが整備されており、施工後の10年、20年といった長期保証制度も充実しています。

費用がどれだけかかっても「ブランドによる絶対的な安心と、手厚いアフターサービス」を最優先する方には、最も適した選択肢と言えるでしょう。

ただし、その充実したサービス体制や、莫大な固定費(テレビCMなどの広告費、展示場の維持費、営業マンの人件費など)が工事原価に大きく上乗せされるため、4つの業態の中で費用はダントツで最も高額になります。

それに対して、私たちのような屋根工事専門業者(自社施工店)の最大の強みは、「高い専門技術」と「無駄のない適正価格」の両立です。

自社で熟練の職人を雇用し、下請けを挟まずに直接施工を行うため、ハウスメーカーやリフォーム会社で発生する高額な中間マージンを完全に排除できます。

これにより、浮いたコストを「より長持ちする高品質な屋根材(断熱材入りのSGL鋼板など)」や「見えない下地(ルーフィング)のグレードアップ」に回すことが可能になり、費用対効果を最大化できます。

毎日屋根の上で作業をしている職人が直接現地調査を行うため、建物の劣化状況を最も正確に見抜き、本当に必要な処置だけを提案することができます。

◆斎藤のワンポイントアドバイス

「とりあえず新築したハウスメーカーに任せれば保証も続くし安心だろう」と深く考えずに契約してしまう方は非常に多いです。

しかし、ぜひ一度、地元の自社施工の専門業者にも相見積もりを取ってみてください。

同じ予算額を提示した場合、専門業者であれば、耐用年数が2倍以上長い最新の屋根材を使ったり、外壁塗装までセットで行えたりと、圧倒的に中身の濃い工事ができることに驚かれるはずです。

屋根単体の修繕を高品質・適正価格で行いたい場合は、間違いなく専門業者がおすすめです。

失敗しない屋根葺き替え業者の選び方

どの業態に依頼するかの方針が固まっても、その中から本当に信頼できる優良な一社を選び抜く作業が必要です。

ここからは、悪質業者や技術力不足の業者を排除し、あなたの大切な資産を託すに足るプロフェッショナルを見分けるための、厳格な評価基準を解説します。

資格、実績、保証、説明の4つの柱を掲げた日本建築を模した良い業者を見分ける基準のイラスト

資格と施工実績で技術力を見極める

屋根工事業界には驚くべき事実があります。

それは、500万円未満の軽微な工事であれば「建設業許可」すら不要であり、極端な話、今日から素人が「私は屋根屋です」と名乗って営業を始めることが法的に可能だということです。

だからこそ、その業者の本当の技術力や、法令遵守への意識の高さを客観的に測る指標として、「有資格者の在籍状況」と「確かな施工実績」を必ずご自身の目で確認してください。

まず資格についてですが、実際の施工を担う職人の腕を国が証明する「1級建築塗装技能士」や、現場の品質・安全・工程を厳格に管理できる「2級建築施工管理技士」といった国家資格があります。

さらに、建物の構造や法律に精通した「宅地建物取引主任者」や、お客様のライフプランに合わせた総合的な資金計画をご提案できる「AFP(2級ファイナンシャルプランニング技能士)」などの資格も重要です。

これらの資格は、単に試験に受かれば良いというものではなく、数年単位の厳しい実務経験が必須条件となっています。

つまり、これらの資格を持つスタッフが多数在籍している業者は、スタッフの教育に時間と費用をかけており、技術研鑽に熱心で責任ある工事を行う組織であると高く評価できるのです。

次に施工実績ですが、公式サイト等で「継続的かつ詳細に」実績が公開されているかが重要です。

単なる「施工前・施工後」のきれいな写真だけでなく、古い屋根材を剥がした後の下地の状態や、防水シート(ルーフィング)を丁寧に敷き詰めている様子など、「施工中の途中工程」の写真が豊富に掲載されている業者を選んでください。

見えなくなる部分の写真を堂々と公開できるのは、手抜き工事を一切行わないという絶対的な自信の表れです。

同じ地域で長年事業を継続しているという事実そのものが、顧客からのクレームがなく、信頼を獲得し続けてきた何よりの証左となります。

さらに詳しく

技術力や信頼性の客観的な指標については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

国家資格の有無や地元での長年の営業実績がいかに重要か、さらに深くご理解いただけます。

その業者、大丈夫?外壁塗装が下手なサインと後悔しない選び方 - アップリメイク

保証内容とアフター体制の確認

屋根の葺き替え工事は、足場が解体されて職人が帰ったらすべて完了、という単純なものではありません。

施工後の予期せぬ巨大台風や大雪などの自然災害、あるいは万が一の初期不良に対する強固な備えがあってこそ、初めて安心して暮らすことができます。

そのため、契約前に必ず確認すべきなのが、独自の「アフター体制」です。

優良業者は、自社の施工品質に対する誇りと自信から、明確な「自社施工保証書」を必ず書面で発行します。

ここで確認すべきは、単なる「最長〇〇年!」といった目を引く保証年数だけではありません。

最も重要なのは「免責事項」です。

「どのような不具合(例えば、施工不良による雨漏りなのか、災害による飛来物での破損なのか)が起きた場合に、どこからどこまでを無償で対応してくれるのか」が、誰が読んでも分かるように明確に規定されているかをチェックしてください。

口頭での「何かあったらすぐに飛びますよ」という約束は、いざという時に反故にされるリスクが高いため、必ず書面化を求めてください。

一般的に、屋根リフォーム工事における適切な自社保証期間は最長10年程度です。

世の中には「うちは屋根工事を20年保証します!」といった非現実的な長期保証を謳って契約を迫る業者がいますが、逆に警戒が必要です。

屋根本体のメーカー保証とは別に、施工業者が20年も無償で面倒を見るというのはビジネス上非常に困難であり、最悪の場合、保証期間内に会社を計画倒産させて逃げてしまうケースすら存在します。

また、工事完了後も定期的なアフターメンテナンス(定期点検)の仕組みがしっかりとシステム化されているかも、その業者が「売りっぱなし」にせず、長く付き合えるパートナーかどうかの決定的な判断基準になります。

現地調査と説明の透明性をチェック

業者との最初の技術的な接点であり、その業者の力量と誠実さを図る最大のテストとなるのが「現地調査(屋根の点検)」です。

ここでの姿勢を見れば、その会社が本物かどうかが一目瞭然で分かります。

悪徳業者や技術力のない業者は、地上から屋根を見上げるだけの5分〜10分程度の「目視」で済ませ、「だいぶ傷んでますね、早く直さないと」とすぐに帰ってしまいます。

このような業者は絶対に避けてください。

本物の優良業者は、必ず梯子をかけて実際に屋根の上に登るか、あるいは30倍の専用スコープや赤外線サーモグラフィーカメラなどの最新機材を使用して、30分から1時間という時間をかけて徹底的に屋根を調査します。

屋根材の割れや欠けはもちろんのこと、見えにくい板金部分の釘の浮き、防水シーリングの劣化具合、さらには屋根裏(小屋裏)にまで入り込んで、雨漏りの染みがないか、木部の腐食が進んでいないかまで、まるでお医者さんのように詳細に確認します。

この事前調査が雑な業者は、いざ契約して工事を始めてから「屋根を剥がしたら、想定外の下地の腐食が見つかりました」と主張し、高額な追加費用を次々と請求してくるリスクが極めて高いのです。

調査後の「報告プロセス」も非常に重要です。

地上にいるお客様からは屋根の上が見えないため、撮影した写真やデータをタブレット等で見せながら、専門用語を使わずに素人にも分かりやすい言葉で「なぜ葺き替えが必要なのか(あるいは、まだ塗装で持たせられるのか)」を論理的に説明してくれるかを観察してください。

さらに、提案する工法(葺き替えかカバー工法か)や材料のメリットばかりを語るのではなく、「カバー工法だと屋根の重量が増えて耐震性に影響が出る場合がある」「金属屋根は断熱材入りでないと夏場暑くなりやすい」といったデメリットやリスクまで包み隠さず正直に説明する業者は、目先の契約や利益よりも、お客様との長期的な信頼関係を重視している本物のプロフェッショナルです。

良いことだけでなく、デメリットやリスクも正直に説明してくれる業者の大切さについて

悪質業者とのトラブルを回避するコツ

どれだけ情報化社会になり、インターネットで業者の口コミが調べられるようになっても、「屋根の上は住人から物理的に見えない(死角になる)」という特性を悪用したトラブルは後を絶ちません。

あなたの大切な資産と心を守るためには、悪質業者がよく使う常套手段や手口を事前に知り、適切な防衛策を講じておくことが不可欠です。

訪問営業による点検商法に要注意

「今すぐ工事」と急かす、根拠のない大幅値引き、見積書が「一式」表記といった悪質業者の特徴リスト

消費者庁や各都道府県の警察からも度々強い注意喚起がなされているのが、訪問営業を起点とする「点検商法」と呼ばれる悪質な手口です。

彼らはある日突然やってきて、インターホン越しに「近所で屋根の工事をしていて、お宅の屋根の棟板金が浮いているのが見えたので、親方に言われて親切で教えに来ました」「このままでは次の台風で屋根が飛んで、ご近所さんの家や車を壊して賠償問題になりますよ」と、巧妙な言葉で過度に不安を煽ってきます。

親切心を装いながら、住人をパニック状態に陥れるのが彼らの狙いです。

彼らの最終的な目的は、正常な判断力を奪い、緊急性を装って「今すぐ屋根に登らせてもらうこと」です。

これだけは肝に銘じてください。

絶対に、突然来た業者を屋根に登らせてはいけません。

悪質業者は、住人の見えない屋根の上という密室空間で、意図的にスレート屋根をハンマーで割ったり、瓦をわざとずらったり、隠し持っていた古い釘を見せて「こんなに釘が抜けていました」と虚偽の報告を行うなど、自作自演のマッチポンプ行為を行うケースが多数報告されています。

一度登らせてしまうと、彼らのペースに巻き込まれ、高額な契約を結ばされるまで帰ってくれません。

絶対にやってはいけないことと防衛策

突然訪問してきた業者に対しては、「今すぐ見てあげる」「無料で点検する」と言われても、その日のうちに屋根に登らせることは絶対にやめてください。

「家族と相談しないと決められない」「懇意にしている工務店がある」と毅然とした態度でキッパリと断り、名刺をもらって帰ってもらいましょう。

もし本当に屋根の異常を指摘されて不安を感じた場合は、ご自身で探した地元の信頼できる屋根工事の専門業者に連絡し、セカンドオピニオンとして「無料点検」を依頼するのが最も確実で安全な防衛策です。

不自然な値引きや即決要求は危険

訪問業者や悪質な営業マンは、屋根の異常を指摘して不安を煽った直後に、すかさず「今日、この場で契約書にサインしてくれれば、特別に足場代(約15万円~30万円相当)を全額無料にします」「今月はキャンペーン中で、近所のモデルケースとしてモニターになってくれれば半額でやります」と、常識外れの大幅な値引き交渉を持ちかけてきます。

これに心を動かされてしまう方が非常に多いのですが、冷静になって考えてみてください。

建設工事、特に屋根の工事において、職人が安全に作業するための「足場仮設費」や、適正な「材料費」、そして熟練職人の「人件費」を無闇に削ることは物理的に不可能です。

それにもかかわらず、数十万円単位の大幅な値引きができるということは、理由は2つしかありません。

あらかじめ不当に高い定価を設定しておき、そこから値引きしたように見せかけている(二重価格の詐欺的手法)か、あるいは値引きした分だけ、必要な工程を省いたり、見えない部分の材料(ルーフィングなど)を粗悪品に変えて「手抜き工事」をする前提かのどちらかです。

足場代が無料になることなど絶対にあり得ないのです。

優良業者は、最初の見積もりの段階から、適正な材料費と職人の手間賃を計算した「適正価格」で提示するため、数十万単位の無謀な値引きには絶対に応じられません。

「今すぐ決めないと家の中に雨水が入って柱が腐る」と恐怖心を煽り、他社と比較検討する(相見積もりを取る)時間を与えずにその場での「即決」を急がせる業者は、他社に見られると自分の嘘やボッタクリ価格がバレてしまうからです。

間違いなく悪徳業者ですので、即決は絶対に避けましょう。

◆斎藤のワンポイントアドバイス

万が一、強引な勧誘や長時間居座られて恐怖を感じ、不本意ながら契約書にサインしてしまった場合でも慌てる必要はありません。

訪問販売で契約したリフォーム工事は、契約書面を受け取った日から起算して「8日以内」であれば、「クーリング・オフ制度」を用いて無条件で一方的に契約を解除することが法律で認められています。

違約金も一切かかりません。

一人で悩まず、契約書を持ってすぐに地元の消費生活センター(消費者ホットライン:局番なしの188)などに相談してください。

私たちアップリメイクでは、お客様に心から納得して安心いただくため、法定期間に関わらず「施工開始前ならいつでも契約を解除できる」という独自のお約束をしています。

相見積もりで適正価格と優良業者を知る

悪徳業者の罠を避け、ご自身の予算内で適正な価格、かつ高品質な工事をしてくれる本当に信頼できる業者を見つけるための「最強の防衛手段」があります。

それが「相見積もり(あいみつもり)」です。

2〜3社の見積書を比較することで適正価格がわかることを説明した図解

1社だけの見積もりでは、その金額が相場に対して高いのか安いのか、提案されている工法が本当に最適なのかを判断する基準がありません。

最低でも3社程度から、同じ条件で見積もりを取ることで、市場の相場感が掴めるだけでなく、各業者の提案力、専門知識、そして誠実さの違いが面白いように浮き彫りになってきます。

見積書の一式表記に騙されない方法

3社ほどから見積書が出揃ったら、多くの方はまず一番下にある「合計金額」に目が行ってしまうと思います。

しかし、そこは一旦ぐっとこらえて、見積書の「中身(内訳)」を厳しくチェックする審査員になってください。

ここで最も警戒すべき危険なサインが、「屋根工事一式 〇〇万円」「板金工事一式 〇〇万円」という曖昧な表記が多用されている見積書です。

「一式」という言葉は、素人のお客様には詳細が分からないことをいいことに、具体的な作業面積(平米数)や、使用する材料のグレード(メーカー名や製品名)、そして単価を隠蔽するために、悪質業者やいい加減な業者がよく使う常套手段です。

これでは、本当に必要な工程が含まれているのか、適切な量の塗料や材料が手配されているのかが全く判断できません。

後になって「足場代は一式に含まれていません」と追加請求されるトラブルの元凶にもなります。

誠実で技術力に自信のある優良業者の見積書は、非常に細かく明記されています。

「仮設足場工事(〇〇㎡ × 単価)」「下地処理」「新規塗料(メーカー名・製品名・色番号)施工」といったように、工事を構成する一つ一つの工程が分解され、それぞれの数量と単価が明確に定義されています。

この「情報の透明性」こそが、お客様に対して嘘をつかないという信頼の証拠なのです。

さらに詳しく

相見積もりを成功させるためには、各業者に「全く同じ条件や要望」を伝えることが不可欠です。

公平な比較をするための「要望メモ」の作り方など、プロが教える相見積もりの極意はこちらの記事で詳しく解説しています。

外壁塗装の相見積もり|危険な業者の見抜き方 | 静岡アップリメイク

費用相場と工事内訳の基本を理解する

業者から提出された見積金額が適正かどうか、ぼったくられていないか(あるいは安すぎて手抜きされないか)を判断するためには、お客様ご自身でも大まかな「費用相場」と、工事費用を構成する「原価構造」の基本を理解しておくことが非常に大切です。

これを知っているだけで、業者の言いなりになるのを防ぐことができます。

一般的な2階建ての戸建て住宅(建坪30坪〜40坪程度、屋根面積約80〜100㎡)で、既存の屋根をすべて剥がして新しいものにする「葺き替え工事」を行う場合、足場仮設代、古い屋根材の撤去と産業廃棄物としての処分費、傷んだ下地の補修、新しい防水シートと屋根材の施工までをすべて含めて、おおよそ100万円から260万円程度が総額の相場となります。

金額に大きな幅がある理由は、選ぶ新しい屋根材のグレードや屋根の形状の複雑さ、そして剥がしてみないと分からない「下地の木材の腐食度合い」によって、材料費と手間賃が大きく変動するためです。

また、一つ大きな注意点として、既存の古い屋根材に「アスベスト(石綿)」が含まれている場合は、法律に基づいた特別な飛散防止措置と厳格な処分プロセスが必要になるため、撤去・処分費用だけで数十万円跳ね上がります。

その場合は、既存の屋根を剥がさずに、上から防水シートと軽量な新しい屋根材を被せて密閉する「カバー工法(重ね葺き)」という選択肢が非常に有効になってきます。

撤去処分費が不要になるため、カバー工法の費用相場はおおよそ80万円〜150万円程度(30坪目安)と、葺き替えに比べてコストと工期を大幅に抑えることが可能です。

ただし、下地がすでに腐ってグズグズになっている場合は、カバー工法は施工できず、葺き替え一択となります。

工事内容の比較 葺き替え工事(全撤去して新設) カバー工法(重ね葺き)
工事の特徴 古い屋根材と防水シートを全て撤去し、木の下地(野地板)から完全に新しいものに交換・新設する根本的な改修工法です。 古い屋根材を残したまま、その上に新しい防水シートと軽量な金属屋根材を被せて固定する工法です。
メリット ・重い瓦から軽い金属屋根に変えれば家全体の耐震性が劇的に向上する。
・下地の腐食を完全に修復し、新築同様の状態に戻せる。
・どんな屋根材でも選択可能。
・廃材がほとんど出ないため、アスベスト含有屋根でも撤去処分費を抑えられ安価。
・屋根が二重になるため断熱性・遮音性が若干向上する。
・工期が短い(数日〜1週間程度)。
デメリット ・古い屋根材の撤去費と処分費がかさむため、総額が高額になる。
・アスベスト含有の場合はさらに費用が跳ね上がる。
・工事期間が長くなる。
・屋根全体の重量が増加するため、重い日本瓦の上には施工できない。
・下地の木材が激しく腐食している場合は施工不可。
・将来、家を解体する際に屋根材2回分の処分費がかかる。
費用相場 (30坪) 約100万円 〜 260万円 約80万円 〜 150万円

※提示している費用はあくまで一般的な建坪30坪前後の目安です。

実際の費用は建物の立地条件(足場が組みやすいか)、屋根の勾配(急勾配の場合は専用足場が必要)、劣化状況によって大きく変動しますので、正確な金額は優良業者による詳細な現地調査後の見積もりをご確認ください。

さらに詳しく

坪数ごとのより詳細な屋根カバー工法の費用シミュレーションや、足場代やルーフィングといった各項目の適正な平米単価については、こちらの記事で徹底的に解説しています。

屋根カバー工法の費用相場はいくら?平米単価・内訳・安くするコツ - アップリメイク

屋根葺き替えの業者選びに迷ったら

ここまで、屋根葺き替えにおける4つの業態の違い、悪徳業者を見抜き優良業者を選ぶためのポイント、そして相見積もりや費用相場の重要性について、かなり深く解説してきました。

お読みいただき、屋根の工事がいかに専門的で、業者選びが家の寿命を左右する極めて重要なイベントであるかがお分かりいただけたかと思います。

だからこそ、「早く直さないと」と焦って訪問業者と即決したり、よく分からないまま一式の見積もりで契約したりするのではなく、複数の業者をしっかりと比較検討し、ご自身の不安や要望に真摯に向き合ってくれる「本物のパートナー」を見つけることが成功の絶対条件となります。

もし、他社で取った見積もりの金額が高すぎて適正か不安に感じていたり、業者の専門用語ばかりの説明に納得がいかなかったりした場合は、決して一人で悩んだり妥協したりせずに、ぜひ私たちアップリメイクにご相談ください。

私たちは地元静岡に深く根差した「職人直営」の屋根・外壁塗装の専門業者として、ハウスメーカー等で発生する無駄な中間マージンを一切カットした適正価格と、国家資格を保有する熟練職人による妥協のない高品質な施工をお約束します。

強引な売り込みや、しつこい電話営業は一切いたしません。

まずはご自宅の屋根が現在どのような状態にあるのか、プロの目で正しく知るための「無料のお住まい診断(30倍スコープや赤外線サーモグラフィー等使用)」から、セカンドオピニオンとしてお気軽にご活用いただければ幸いです。

屋根葺き替え・業者選びに関するよくある質問(FAQ)

Q1. ハウスメーカーで見積もりを取りましたが、予想以上に高くて驚きました。他の専門業者に頼んでも、家の構造や保証上、本当に問題ありませんか?

A. 基本的に全く問題ありません。

多くの方が「ハウスメーカー以外の業者に触らせると、メーカーの保証が切れてしまうのでは」と懸念されますが、すでに築年数が経ち、新築時の「10年間の瑕疵担保責任(無償保証期間)」を過ぎているのであれば、メーカーに縛られる必要はありません。

高額なマージンを払ってメーカーに依頼するよりも、地元の優良な専門業者に依頼する方が、同じ予算で数段グレードの高い塗料や屋根材を使用できるため、圧倒的にコストパフォーマンスに優れます。

建物の構造に精通した有資格者(1級建築塗装技能士や施工管理技士など)が在籍する専門業者を選べば、家の構造を損なうことのない安全で確実な施工が可能です。

Q2. 失敗したくないので相見積もりを取りたいのですが、業者に面と向かって「他社にも見積もりを頼んでいる」と伝えても角が立ちませんか?

A. はい、全く気になさる必要はありません。

最初のお問い合わせの段階から、正直に「相見積もりを取って、じっくり比較検討している」と堂々とお伝えいただいて構いません。

100万円を超えるような高額な工事において、消費者が複数社を比較するのは当然の権利です。

むしろ「相見積もりをしている」と伝えた方が、業者側も適当な金額をふっかけることができなくなり、最初から適正な価格で本気の提案を出してくるため、比較検討がしやすくなるというメリットがあります。

優良業者であれば、自社の提案力に自信を持っているため、相見積もりを嫌がることは絶対にありません。

Q3. 訪問してきた業者から「火災保険を使えば、屋根の葺き替え工事が実質無料でできますよ」と営業されました。本当にそんなうまい話があるのでしょうか?

A. 極めて危険な営業トークですので絶対に信じないでください。

火災保険の「風災補償」が適用されるのは、台風による強風で屋根が飛んだり、大雪の重みで雨樋が歪んだりといった「予期せぬ突発的な自然災害」による破損に対してのみです。

築年数の経過による「経年劣化」の修理には、保険は一切適用されません。

悪徳業者は、この経年劣化をあたかも台風で壊れたかのように偽って保険会社に申請させようとします。

もしこれに加担してしまうと、業者だけでなく、お客様自身も「保険金詐欺罪」の共犯として法的に問われる重大なリスクがあります。

保険金の受給を前提とした「自己負担ゼロ」を餌に契約を迫る業者には、絶対に関わらないでください。

Q4. 業者から「屋根の葺き替えと外壁塗装は、同時に行った方が足場代がお得になる」と提案されました。予算が厳しいのですが、本当にセットの方が良いのでしょうか?

A. 長期的なコスト(生涯設計)で考えた場合、セットで行うのが正解です。

屋根工事にも外壁塗装にも、職人の安全を守るための「足場の設置」が法律で義務付けられており不可欠ですが、この足場代は一般的な戸建てで15万円〜30万円程度と非常に高額です。

例えば「今年は屋根だけ直して、5年後に外壁を塗ろう」と別々に工事をすると、この足場代が2回分(30万〜60万円)かかってしまいます。

しかし、同時に行えば足場を共有できるため、1回分の足場代(15万〜30万円)が丸々節約でき、大きなコストダウンになります。

築15年〜20年頃で、屋根も外壁も劣化が進んでいる時期であれば、銀行の低金利なリフォームローンを活用してでも、セットでのメンテナンスを行うことを強く推奨します。

※この記事で解説した工事費用や法的な解釈などは、あくまで執筆時点の一般的な情報に基づく目安です。

ご自宅の正確な劣化状況、屋根の形状、そして詳細な費用については、必ず専門の有資格者による現地調査を受けた上で、最終的なご判断をお願いいたします。

記事をここまでお読みいただいた方へ

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  • この記事を書いた人

齋藤直樹

(株)アップリメイク代表取締役で元職人、塗装という仕事が大好きです。人生の大きな挫折と数多くの出会いを経て今は大好きな地元・静岡で、お客様の笑顔のために仕事ができることに何よりの誇りを感じています。

▼保有資格▼
1級建築塗装技能士・2級建築施工管理技士・有機溶剤作業主任者・高所作業主任者・2級カラーコーディネーター・光触媒施工技能士・乙4類危険物取扱者・ゴンドラ特別教育・職長・安全衛生責任者・第2種酸素欠乏危険作業主任者・宅地建物取引主任者・2級ファイナンシャルプランニング技能士・AFP