屋根葺き替えとアスベスト:調査が必要な屋根材・費用・工事の流れをわかりやすく

屋根の葺き替えとアスベスト:必要な調査・費用・工事の流れをわかりやすく解説するタイトルスライド

こんにちは、株式会社アップリメイク代表取締役の齋藤直樹です。

大切なお住まいのメンテナンスを考えたとき、多くの方が直面するのが「屋根のアスベスト問題」です。

特に築年数が経過しているお家の場合、葺き替えを検討する中で『うちの屋根にはアスベストが入っているの?』『追加でどのくらいの費用がかかるんだろう?』といった不安を感じる方は少なくありません。

以前は曖昧だったルールも、現在では法改正によって非常に厳格化されています。

この記事では、私が現場で培ってきた経験と最新の法的知識をもとに、アスベスト含有屋根の調査から撤去費用、そして後悔しないための工事の進め方まで、どこよりも分かりやすく丁寧に解説します。

この記事を読み終える頃には、あなたの不安が安心に変わり、最適な選択ができるようになっているはずです。

記事のポイント

  • アスベスト事前調査が義務化された背景と具体的な法的ルール
  • 自分の家の屋根材にアスベストが含まれているかを見分ける基準
  • 屋根の葺き替え時に発生するアスベスト処理費用のリアルな相場
  • 将来的なリスクを最小限に抑えるための正しい工法の選び方

屋根葺き替えで無視できないアスベストの基本

和室で天井を見上げる女性の写真。「古い屋根材、健康や費用が心配ではありませんか?」という問いかけと、健康・追加費用への不安を表現した画像

かつて「魔法の鉱物」と呼ばれたアスベストは、日本の住宅建材において非常に重宝されてきました。

しかし、その健康リスクが明らかになった今、屋根の葺き替え工事を行う際には、単なる「古い板の交換」以上の注意が必要です。

ここでは、なぜアスベストがこれほどまでに重要視されているのか、その背景を整理してお伝えします。

アスベスト(石綿)は、天然に産出する繊維状の鉱物です。

耐火性や耐久性に優れていたため、1970年代から90年代にかけてのスレート屋根材には、その強固さを支えるために多くの製品に含まれていました。

現在では、これらを含んだ屋根の「寿命」が来ているため、適切な処理が急務となっています。

2023年開始のアスベスト事前調査義務化とは

アスベスト対策を強化するため、2022年から段階的に法律が変わりました。

現在では、すべての住宅リフォーム工事において、工事前の調査と報告が公的な義務となっています。

これは、現場の作業員だけでなく、近隣に住む皆さまの安全を守るための極めて重要なステップです。

報告が必要なリフォーム工事の具体的基準

アスベスト事前調査の結果を自治体(労働基準監督署および各自治体)へ報告する義務は、2022年4月からスタートしました。

リフォーム業界においては非常に大きな転換点となりましたが、すべての軽微な工事が対象になるわけではありません。

しかし、屋根の葺き替え工事に関しては、ほぼ例外なく報告義務の対象となると考えて間違いありません。

具体的に報告が必要となる工事の閾値は、建築物の解体であれば「解体部分の床面積が80㎡以上」、リフォームなどの改修であれば「請負代金の合計額が税込100万円以上」と定められています。

ここで注意が必要なのは、この「100万円」には、屋根材そのものの費用だけでなく、足場代、雨樋の交換費用、下地補修費用など、その工事に付随するすべての請負金額が含まれるという点です。

一般的な30坪程度の住宅で屋根の葺き替えを行う場合、足場を組んで新しい屋根材を施工すれば、まず100万円を下回ることはありません。

そのため、実質的に「屋根葺き替え=事前調査と報告が必須」という構図が出来上がっています。

また、この報告は工事の着工前に行わなければなりません。

現在は「石綿事前調査結果報告システム」という電子システムを利用した報告が主流となっており、私たち施工業者がお客様に代わって手続きを行います。

施主様(お客様)には、調査結果を記した書面を工事現場に掲示する義務、および調査結果の写しを保管する義務があります。

この手続きを無視して工事を強行すると、業者には最大で30万円以下の罰金などの罰則が科せられ、工事自体が中断されるリスクもあります。

お客様にとっても、コンプライアンス(法令遵守)を守らない業者に依頼することは、将来的な売却時のトラブルや近隣トラブルの火種になりかねないため、非常に重要なポイントです。

詳しい屋根塗装・葺き替えの費用相場についても併せてご確認ください。

対象工事 具体的な判断基準 報告のタイミング
屋根葺き替え 請負金額100万円以上(税込) 着工の数日前まで
部分補修 100万円未満でも調査自体は必要 報告は不要だが記録は保管
住宅解体 延床面積80㎡以上 解体着工前まで

有資格者による調査が完全義務化された理由

2023年10月1日、日本の建築業界にさらなる厳しいルールが加わりました。

それが「有資格者によるアスベスト事前調査の完全義務化」です。

これまでは、業者の知識経験に基づいた判断や、メーカーのデータベースとの照合で済まされることもありましたが、現在は「建築物石綿含有建材調査者」という公的資格を持つプロが調査を行わなければ、工事を進めることができません。

なぜここまで厳しくなったのでしょうか。

その背景には、過去の解体・リフォーム現場における「アスベストの見落とし」と「不適切な処理」による二次被害があります。

アスベストは目に見えないほど細かな繊維であり、一度飛散すると肺の奥深くに沈着し、数十年という長い潜伏期間を経て中皮腫や肺がんを引き起こします。

これまでは知識の乏しい業者が「これはアスベストじゃないだろう」と安易に判断して屋根を割り、粉塵を撒き散らしてしまった事例が数多くありました。

これを防ぐためには、建築物の構造を熟知し、どの年代にどの建材が使われていたかを正確に判別できる専門家の目が不可欠だと判断されたのです。

調査者は、単に図面を見るだけではありません。

現場で実際に屋根の裏側や小口(断面)を確認し、必要であれば建材の一部を採取して専門機関で分析にかけます。

私たちアップリメイクがこの資格者を自社で抱えているのは、お客様に「法律を守っています」と胸を張って言えるだけでなく、作業に当たる職人の健康、およびそのお家の周りで生活されるご家族や近隣住民の皆さまの安全を、科学的根拠に基づいて守るためです。

資格のない業者が「大丈夫ですよ」と根拠なく言う言葉ほど、怖いものはありません。

依頼先を決める際は、必ず「調査資格者の証明書」を見せてもらうようにしてください。

資格のない業者が調査を行うことは法令違反です。

依頼する業者が「石綿含有建材調査者」を在籍させているか、必ず確認しましょう。

私たちアップリメイクでは、国家資格保持者が責任を持って調査を実施しています。

アスベストが含まれている屋根材の見分け方

ご自身のお家の屋根にアスベストが入っているかどうかは、ある程度の目安を立てることができます。

最大の判断基準は「いつ建てられたか」という建築時期と、使用されている製品名です。

2004年以前に建てられた住宅は特に要注意

築20年以上の和風住宅と築浅の洋風住宅を比較し、年代でアスベスト含有の可能性を見分ける目安(20年以上は可能性が高い)を示したスライド。

「うちの屋根、アスベストが入っているのかな?」という疑問に対する最も明確な回答は、建物の建築時期にあります。

日本のアスベスト規制は、1970年代から徐々に強化されてきましたが、一般住宅の屋根材に決定的な影響を与えたのは2004年の法改正です。

この年、石綿を1重量%を超えて含有する製品の製造・使用が原則禁止されました。

そして2006年にはさらに厳しくなり、0.1重量%を超える含有が実質的に全面禁止となりました。

このことから、2004年以前に新築されたお家、あるいは前回の屋根工事が2004年以前であった場合、使用されているスレート屋根材には高確率でアスベストが含まれています。

ここで注意が必要なのは、「2004年ギリギリ」の物件です。

法律が施行される前に製造された在庫品が現場で使用されていたケースも考えられるため、2005年や2006年に建てられたお家であっても、書面調査の結果、含有が判明することは珍しくありません。

逆に、2006年後半以降に建てられたお家であれば、ノンアスベスト製品(石綿を含まない製品)への切り替えが完全に終わっているため、アスベストの心配はほぼないと言えるでしょう。

築年数を確認する際は、登記簿謄本や建築確認申請書の「新築日」だけでなく、実際の着工日を確認することが重要です。

また、これまでの修繕履歴も大切な手がかりになります。

過去に塗装工事を一度でもされている場合、その時の見積書に屋根材の商品名が載っていれば、そこから製造年を特定することも可能です。

もし不明な場合は、私たちのような専門家が設計図書を拝見し、当時のメーカーカタログやデータベースと照合することで、アスベストの有無をほぼ正確に判定することができます。

この「時期による判別」は、無駄な分析費用を抑えるための第一歩となります。

注意すべき代表的な石綿含有製品名の一覧

屋根材には多くの種類がありますが、アスベスト含有が特に疑われるのは「住宅用化粧スレート」と呼ばれる薄い板状の屋根材です。

かつてはクボタ(現:ケイミュー)や松下電工(現:パナソニック)といった大手メーカーが市場を独占しており、代表的な製品名を知っておくだけでも不安の解消に繋がります。

まず、最も普及しているのがクボタの「カラーベスト・コロニアル」シリーズです。

1961年の発売以来、圧倒的なシェアを誇りましたが、2001年頃までに製造された「ニューコロニアル」や「コロニアル」などはアスベストを含有しています。

次に松下電工の「フルベスト」です。

これも2003年頃までアスベスト入りの製品が流通していました。

また、セメントを瓦の形に成形した「セメント瓦」や、積水化学工業の「かわらU」も注意が必要です。

特に1975年から1990年にかけて製造された「かわらU」は、強度を出すためにアスベストがふんだんに練り込まれていました。

一方で、アスベスト規制が始まった直後の「ノンアスベスト初期製品」には別のリスクが潜んでいます。

代表的なのがクボタの「コロニアルNEO」や松下電工の「レサス」、ニチハの「パミール」などです。

これらはアスベストを抜いたことで強度が不足し、塗装をしても数年で屋根材自体がパリパリと割れたり、層状に剥がれたり(層状剥離)する不具合が多発しました。

これらの屋根材は「塗装不可」と判断されることが多く、アスベストは入っていなくても「葺き替え」や「カバー工法」を強く推奨される対象となります。

つまり、アスベストの有無に関わらず、20年前後の築年数のお家は、屋根材そのものの寿命という観点から詳細な診断が不可欠なのです。

◆斎藤のワンポイントアドバイス

「うちの屋根、アスベストが入っているかも?」と心配されるお客様は多いですが、実はスレート屋根材(レベル3)の場合、普通に生活しているだけでアスベストが飛散することはありません。

大切なのは、解体する際に壊して粉塵を出さないことです。

過度に怖がる必要はありませんが、工事の際の手順だけはプロに任せて正しく行いましょう。

屋根の葺き替えにかかるアスベスト処理費用

「安全な撤去と処分費」「アスベスト事前調査費」「屋根の基礎工事費」という3つのコスト要素を積み木のように表現したイメージ画像

アスベスト含有屋根の葺き替えは、通常の屋根工事に加えて「調査費」「撤去費用」「処分費」が加算されます。

近年、アスベストを廃棄できる最終処分場が少なくなっているため、処分費用は年々高騰する傾向にあります。

事前調査と検体分析にかかる費用の目安

アスベストが含まれている可能性がある屋根の葺き替えを検討する際、最初にかかるコストが「事前調査費用」です。

これは2023年の法改正以降、避けては通れない必須の工程となりました。

以前であれば、業者が見た目で「これはアスベスト入りですね」と判断して見積もりを出すこともありましたが、現在は「有資格者による書面・目視調査」と、その結果の「公的機関への報告」がセットで義務付けられているため、調査そのものに人件費や事務手数料が発生します。

具体的な費用の内訳としては、まず図面や建築当時の資料を確認する「書面調査」と、実際に現場で屋根の状態を確認する「目視調査」を合わせて、1件あたり2万円~5万円程度が相場です。

この段階で、設計図書からアスベスト含有が「明らか」であると判定できれば、高額な分析調査は不要になります。

しかし、図面が紛失していたり、建材の商品名が特定できなかったりする場合は、実際に屋根材の一部を数センチ角ほど切り取り、専門の検査機関に送って顕微鏡などで調べる「分析調査(検体調査)」が必要になります。

この分析費用は、1検体(1箇所)につき1.5万円~3万円程度が一般的です。

もし屋根だけでなく、軒天や外壁なども同時にリフォームする場合は、それぞれの部位で検体が必要になるため、調査費用だけで10万円を超えるケースも珍しくありません。

「調査だけで数万円も払うのはもったいない」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、この調査は単なる手続きではなく、工事に関わる全員の安全を担保するためのものです。

また、正確な調査を行わずに「アスベストあり」と決めつけて高い処分費を請求する悪徳業者もゼロではありません。

逆に、正確な調査によって「アスベストなし」と判明すれば、その後の撤去・処分費用を大幅に抑えることができます。

私たちアップリメイクでは、国家資格を持つ調査員が、お客様の無駄な出費を抑えつつ、最大限の安全を確保するための最適な調査プランをご提案しています。

まずは、現状を知るための「第一歩」として、この費用が必要であることをご理解いただければと思います。

アスベストの事前調査費用は、自治体によっては「アスベスト調査補助金」の対象となる場合があります。

上限額や条件は地域によって異なりますが、分析調査が必要になった場合には大きな助けとなります。

弊社では静岡市をはじめとする近隣自治体の補助金申請サポートも行っておりますので、お気軽にご相談ください。

撤去工事と廃棄物処分費の坪数別相場

アスベスト含有屋根の葺き替えにおいて、最も大きなコスト増要因となるのが「撤去人件費」と「廃棄物処分費」です。

アスベストを含む建材は、通常の産業廃棄物として捨てることはできません。

法律で「アスベスト含有成形板(レベル3)」に指定されており、運搬から最終処分まで、厳格な管理ルート(マニフェスト管理)が義務付けられています。

この「処分の難しさ」が、そのまま費用に跳ね返っているのが現状です。

まず撤去費用についてですが、アスベストが含まれるスレート屋根の場合、「湿潤化作業(散水しながらの撤去)」や「手作業による非破砕撤去」が求められるため、通常の屋根撤去に比べて人件費が1.5倍~2倍ほど高くなります。

機械でバリバリと剥がすことができないため、職人が一枚ずつ丁寧に剥がし、割れないように地面へ下ろす手間がかかるからです。

この撤去費用だけで、1㎡あたり3,000円〜5,000円程度が相場となります。

次に処分費ですが、これが最も厄介です。

アスベスト廃材を受け入れられる処分場は全国的に減少しており、処分単価は10年前の5倍以上にまで跳ね上がっています。

さらに、粉塵が舞わないように二重梱包するための資材代や、特別管理産業廃棄物の収集運搬許可を持つ車両の手配費用も加算されます。

では、具体的に「合計でいくらくらいかかるのか」を、一般的なお家の大きさ別に見てみましょう。

以下の表は、通常の葺き替え工事費用(新しい屋根材や足場代)に追加で発生するアスベスト関連費用の目安です。

延床面積の目安 アスベスト撤去・処分費用(目安) 工事総額(葺き替え全体)
20坪(屋根 約70㎡) 約20万円 ~ 50万円 約100万円 ~ 180万円
30坪(屋根 約100㎡) 約30万円 ~ 100万円 約130万円 ~ 300万円
40坪(屋根 約130㎡) 約40万円 ~ 130万円 約160万円 ~ 350万円

このように、アスベストの有無だけで数十万円以上の差が出るのが現実です。

しかし、この費用を惜しんで不適切な処理を行う業者に依頼してしまうと、後から近隣トラブルに発展したり、将来的な建物の資産価値を著しく下げてしまったりすることに繋がります。

私たちアップリメイクでは、ファイナンシャルプランナーの資格を持つスタッフも在籍しており、単に見積もりを出すだけでなく、お客様の将来的なライフプランに合わせた最適な修繕計画をご提案しています。

予算に合わせて、無理のない支払い方法や補助金の活用方法もアドバイスさせていただきます。

アスベストの処分費用は、今後さらに上昇することが予想されます。

処分場が満杯になれば、さらに遠方へ運ぶ必要が出てくるため、運送費も加算されるからです。

「いつかやらなければならない」のであれば、処分費が比較的安定している今のうちに処理してしまうのが、経済的にも最も合理的な判断と言えるかもしれません。

アスベスト含有屋根を安全に撤去する流れ

職人の作業写真とともに、事前調査、安全な撤去、新しい屋根への葺き替えという3つの適正な工程を示したスライド

アスベスト含有屋根の撤去工事は、周囲への環境配慮と作業員の安全確保が最優先されます。

私たちプロの業者は、単に古い屋根を剥がすだけでなく、目に見えないアスベスト繊維を一粒たりとも近隣に漏らさないよう、非常に緻密な工程で作業を進めています。

ここでは、実際に行われている「安全な撤去」の裏側を詳しく解説します。

工事の第一段階は、徹底した「事前準備」です。

近隣の方々へは事前に工事内容を説明し、アスベストに関する法規に基づいた掲示板を現場の見える場所に設置します。

そして足場を組み、飛散防止のための高密度なメッシュシート(養生シート)でお家を丸ごと包み込みます。

このシートは、単に塗料が飛ばないようにするためのものではなく、万が一繊維が舞った場合でも外部へ漏らさない「防護壁」の役割を果たします。

ここまでの準備が整って初めて、実際の屋根作業に入ることができます。

アスベスト対策は、工事が始まる前の段階でその品質が決まると言っても過言ではありません。

飛散を防ぐ湿潤化作業と手作業による撤去

実際の撤去作業において、最も重要なキーワードが「湿潤化(しつじゅんか)」です。

アスベストの繊維は非常に軽く、乾燥した状態で衝撃を与えると、目に見えない霧のように空気中へ飛散してしまいます。

これを防ぐために、専用の噴霧器や散水装置を使用して、屋根材全体を常に濡れた状態に保ちながら作業を進めます。

水分を含んだアスベスト繊維は重くなり、飛散することができなくなるため、この工程が最大の安全策となります。

そして、撤去はすべて「手作業」で行われます。

通常の屋根解体では使われることもある電動カッターやサンダーなどの動力工具は、一切使用しません。

これらの工具は屋根材を削り、大量のアスベスト粉塵を発生させてしまうからです。

職人はバールやハンマーなどの手道具のみを使い、屋根材を可能な限り割らないように一枚ずつ丁寧に剥がしていきます。

剥がした屋根材はその場ですぐに、厚手のプラスチック袋に入れて一次梱包します。

その後、地上へ下ろしてからさらに二重に梱包し、厳重に密封します。

この「濡らして、一枚ずつ剥がし、二重に包む」という地道な作業こそが、ご家族と近隣住民の方々の健康を守る唯一の方法なのです。

作業終了後には、清掃と点検が欠かせません。

屋根の下地(野地板)にアスベストの破片が残っていないか、ヘパフィルター付きの特殊な掃除機などで細かく吸い取り、安全を確認してから新しい屋根材の施工へと移ります。

私たちアップリメイクでは、これらの全工程を写真に収め、後日「工事写真報告書」としてお客様にお渡ししています。

目に見えない部分だからこそ、証拠を残し、確実な安心をお届けするのが私たちのスタイルです。

◆斎藤のワンポイントアドバイス

私たちアップリメイクでは、近隣の皆さまへの安心も提供するため、事前のご挨拶の際にアスベスト対策の内容もしっかりご説明しています。

工事後の「マニフェスト(廃棄物管理票)」の提出までが私たちの責任。

不透明な「一式」見積もりではなく、詳細を明記することを徹底しています。

カバー工法と葺き替えの長期的リスク比較

アスベスト含有屋根のメンテナンスを検討する際、多くの方が「カバー工法(重ね葺き)」という選択肢を提示されます。

既存の屋根をそのままに、上に新しい屋根材を被せるこの工法は、アスベストの撤去・処分費用がかからないため、初期費用を数十万円単位で抑えられるという大きなメリットがあります。

しかし、私はプロの視点からあえて申し上げますが、アスベスト含有屋根におけるカバー工法は「問題の先送り」であり、将来的な負債を増やすリスクがあることを知っておいてください。

最大の懸念は、将来お家を壊す(解体する)時の費用です。

カバー工法を行った家を解体する場合、上に被せた新しい屋根材と、下にある古いアスベスト屋根材を、それぞれ分別して解体・処分しなければなりません。

これには二重の手間と費用がかかります。

さらに、その頃にはアスベストの処分費用が今よりも格段に高騰している可能性が高いのです。

また、カバー工法は屋根が重くなるため、耐震性能への影響も無視できません。

特に古いお家の場合、設計時に想定されていない重量が屋根に乗ることで、地震時の揺れが大きくなるリスクがあります。

20代から40代の皆さまが、今後30年、50年とお家に住み続ける、あるいは次の世代に引き継ぐことを考えれば、今この瞬間に数千円〜数万円の負担を増やしてでも、アスベストを完全に「デトックス(除去)」してしまう「葺き替え」を選択するのが、最も賢明な資産防衛策です。

「今の安さ」を取るか、「一生の安心」を取るか。

私たちは、お客様が30年後に「あの時葺き替えを選んでよかった」と思えるような、正直なアドバイスを心がけています。

詳細は、こちらの記事でも詳しく解説しています。

外壁塗装とカバー工法はどっちが正解?費用・耐久性・向いている症状で比較

無届工事のリスクと信頼できる業者の選び方

適切な防護装備で作業する職人の写真。無届工事の危険性と、正しい手順での処理が資産価値を守ることを説明するスライド

もし、事前調査を怠ったり、報告なしにアスベスト含有屋根を解体したりした場合、「大気汚染防止法」違反として懲役や罰金が科せられる可能性があります。

これは施工業者だけでなく、発注者である施主様も指導の対象になることがあります。

法令違反の工事を行っている現場は、自治体のパトロールや近隣からの通報で容易に発覚します。

一度工事が止まってしまえば、予期せぬ是正勧告への対応などで工期が大幅に延び、精神的な負担も計り知れません。

信頼できる業者を見極めるためには、まず「資格」の有無を真っ先に確認してください。

「建築物石綿含有建材調査者」の資格者証を提示できるか、そして「石綿作業主任者」が現場を指揮するかが、法律を守る業者としての最低条件です。

次に、見積書の透明性です。

「アスベスト対策工事一式」という曖昧な表現ではなく、調査費、撤去費、運搬費、処分費が細かく分かれているかチェックしましょう。

あまりにも安い見積もりを出す業者は、不法投棄をしていたり、湿潤化などの手間を省いていたりするリスクがあります。

最後に、自治体の補助金制度について教えてくれるかどうかも、地域に根ざした優良業者を見分ける指標になります。

私たちアップリメイクのように、静岡の風土と法規を熟知している業者は、お客様の負担を減らすためのあらゆる手段を熟知しています。

屋根のメンテナンスは人生の大きなイベントです。

安さの裏にあるリスクを見抜き、数十年先まで責任を持って守ってくれるパートナーを選んでください。

私たちも、そのパートナー候補の一人として、誠実な情報発信を続けてまいります。

屋根葺き替えとアスベストに関するよくある質問(FAQ)

Q1. アスベストが入っている屋根をそのまま放置しておいても大丈夫ですか?

A. 屋根材が割れたり削れたりしていない限り、アスベストが飛散することはないため、直ちに健康被害が出ることはありません。

ただし、経年劣化で脆くなると飛散リスクが高まるため、定期的な点検が必要です。

屋根の剥がれやひび割れが見られる場合は、早めに専門家へ相談することをお勧めします。

Q2. 調査の結果アスベストが出なかった場合でも、報告費用はかかりますか?

A. はい、基本的にはかかります。

「アスベストがないこと」を証明するための調査そのものに、専門家の知識と工数が必要だからです。

ただし、調査費用も含めたコミコミのパック料金を提示している業者も多いため、見積もり時に内訳を確認してみてください。

Q3. アスベスト撤去の費用を安く抑える方法はありますか?

A. 自治体の「アスベスト対策補助金」を活用できる場合があります。

また、外壁塗装と同時に行うことで足場代を一度分浮かせるのが、最も効率的なコストダウンの方法です。

私たちのような職人直営店であれば、中間マージンをカットできるため、ハウスメーカーに比べて適正価格で施工可能です。

Q4. アスベストの調査報告書は、工事後にもらえますか?

A. もちろんお渡しします。

この報告書は、将来お家を売却する際や、次のリフォーム時の重要な証拠書類となります。

アップリメイクでは「工事写真報告書」と共に、法に基づいた調査完了報告書を必ずお客様にお届けしています。

まとめ:適切な調査で資産価値を守る屋根修理

笑顔のスタッフが資料を手渡す写真。「まずは無料の屋根診断をご利用ください」というメッセージと、年代確認から丁寧にお手伝いすることを伝える案内スライド。

アスベストの問題は、一見すると手間と費用がかかる厄介なものに思えるかもしれません。

しかし、正しく向き合い、適切に処理することは、あなたの大切な家族を守り、お住まいの資産価値を健全に保つための「デトックス」のようなものです。

2023年からの法改正により、いい加減な調査は一切許されない時代になりました。

目先の安さだけで業者を選んでしまうと、後から大きなトラブルに発展するリスクがあります。

まずは信頼できるプロに「お家の健康診断」を依頼することから始めてみてください。

今回の重要ポイント:

  • 2004年以前の屋根はアスベスト含有の可能性が高い
  • 2023年10月以降、有資格者による事前調査は完全義務
  • カバー工法は一時しのぎ。資産価値を守るなら「葺き替え」が正解
  • 信頼できる業者は、詳細な見積もりと資格者証を提示してくれる

私たちアップリメイクでは、静岡県を中心に5,000件以上の施工実績と、一級塗装技能士による確かな技術で、お客様の不安に寄り添った解決策をご提案しています。

アスベストの有無が気になる、まずは話だけ聞いてみたいという方も、ぜひお気軽にプロの無料診断をご活用ください。

あなたが納得できる、幸せな住まいづくりを全力でサポートいたします。

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  • この記事を書いた人

齋藤直樹

(株)アップリメイク代表取締役で元職人、塗装という仕事が大好きです。人生の大きな挫折と数多くの出会いを経て今は大好きな地元・静岡で、お客様の笑顔のために仕事ができることに何よりの誇りを感じています。

▼保有資格▼
1級建築塗装技能士・2級建築施工管理技士・有機溶剤作業主任者・高所作業主任者・2級カラーコーディネーター・光触媒施工技能士・乙4類危険物取扱者・ゴンドラ特別教育・職長・安全衛生責任者・第2種酸素欠乏危険作業主任者・宅地建物取引主任者・2級ファイナンシャルプランニング技能士・AFP