こんにちは、株式会社アップリメイク代表取締役の齋藤直樹です。
「自宅の屋根、そろそろ葺き替えが必要かもしれないけれど、一体いくらかかるのだろう…」とご不安に思われていませんか。
屋根の葺き替えは、大切なお住まいを守るための防衛策ですが、住宅メンテナンスの中でも特に高額な部類に入るため、費用の目安や工期が分からないと、ご家族の生活設計や予算計画も立てづらいですよね。
この記事では、私たち屋根・外壁塗装リフォーム専門店の職人としての視点から、10坪から60坪に至るまでの現実的な費用相場や、工事にかかる日数、さらには見積もりが大きく変わってしまうポイントについて、包み隠さずお伝えします。
ぜひ最後までお読みいただき、失敗しない屋根リフォームのための第一歩を踏み出してください。
記事のポイント
- お住まいの坪数や面積に応じた屋根葺き替え費用の現実的な相場
- 見積もり書に記載される平米単価や内訳の正しい見方
- 一般的な30坪の住宅における具体的な工事日数とスケジュールの流れ
- 費用が想定より高くなってしまう「4つの割増要因」とその対策
屋根葺き替えの平米単価と基本相場
屋根の葺き替え工事を適正価格で行うためには、まずは基本となる平米(㎡)単価の相場と費用の内訳を知っておくことが欠かせません。
この章では、費用を構成する各項目の中身や、坪数だけで判断してはいけない理由、そして基準となる100平米(約30坪)の費用目安について詳しく解説します。
坪数と屋根面積の違いにご注意
お客様から「我が家は30坪なんですが、葺き替え工事はいくらになりますか?」とお問い合わせをいただくことは非常に多いです。
しかし、実は建物の「延床面積(坪数)」と実際の「屋根面積」は全く異なります。
ここを混同してしまうと、費用感を大きく見誤ってしまうため注意が必要です。
屋根面積は、建物を真上から見た投影面積に、屋根の「勾配(傾斜)」と「軒の出(壁から飛び出している部分)」を掛け合わせて算出されます。
そのため、屋根面積は必ず延床面積よりも大きくなるのです。
一般的な2階建て住宅をモデルとした場合、延床面積に対しておよそ1.1倍から1.5倍の係数を掛けた数字が、実際の屋根面積の目安となります。
例えば、延床面積が30坪(約99平米)の住宅であっても、屋根の傾斜が強かったり、軒が深く出ているデザインであったりする場合、実際の屋根面積は120平米から130平米に達することも珍しくありません。
もし、業者が現地に足を運ばず、ただ「30坪ですね、それなら〇〇万円です」と即答してきた場合は、注意が必要です。
プロの目線から申し上げますと、正確な屋根面積を把握せずに精度の高い見積もりを作成することは不可能です。
図面上の数字だけでは読み取れない、現場の細かな仕様や劣化具合が費用に直結するためです。
私自身、長年現場で職人として屋根の上に立ってきましたが、一軒一軒の屋根は全く違う顔を持っています。
だからこそ、私たちは必ず現場に伺い、ドローンや30倍スコープを使って実際の寸法と状態を測り、正確な平米数に基づくお見積りをご提示することにこだわっているのです。
ご自身のお住まいの大まかな目安を知るために坪数から推測するのは有効ですが、最終的なご判断の際には必ず「屋根面積(平米数)」をベースに検討を進めてください。
【延床面積と屋根面積の対応目安】
・10坪(約33㎡) = 推定屋根面積:約40〜60㎡
・20坪(約66㎡) = 推定屋根面積:約70〜90㎡
・30坪(約99㎡) = 推定屋根面積:約100〜120㎡
・40坪(約132㎡) = 推定屋根面積:約140〜160㎡
・50坪(約165㎡) = 推定屋根面積:約170〜190㎡
・60坪(約198㎡) = 推定屋根面積:約210〜240㎡
屋根葺き替え100平米の費用目安
一般的な戸建て住宅で、屋根面積が100平米(延床面積で約30坪に相当)の場合、葺き替え工事の総額は150万円〜240万円程度が現実的な目安となります。
市場における標準的な平米単価に換算すると、材料や既存屋根の状況にもよりますが、15,000円から25,000円の範囲に収束することが多いです。
この総額の中には、足場代や既存屋根の撤去処分費、新しい防水シート(ルーフィング)の敷設、新規屋根材の施工費用など、全てが含まれています。
では、なぜこれほど費用に幅があるのでしょうか。
最大の理由は「どの屋根材を新しく採用するか」によって、材料費そのものが大きく変わるからです。
現在主流となっているのは、軽くて耐久性の高い「ガルバリウム鋼板」や、さらにサビに強く進化した「SGL(エスジーエル)鋼板」です。
これらの金属屋根材は、昔のトタン屋根とは全く違い、遮音性や断熱性を備えた製品も多く、坪数に関わらず最も多くのお客様に選ばれています。
一方で、高級な陶器瓦や天然石を吹き付けた輸入屋根材などを選べば、当然ながら材料費は上がり、総額は200万円を大きく超えてきます。
また、見積もりを見極める上で非常に重要なのが「下地(野地板)の補修費用」です。
葺き替え工事の最大のメリットは、屋根の表面だけでなく、長年雨水を防いできた内部の防水シートや木の板(野地板)まで新品に交換できる点にあります。
もし古い屋根を剥がした際に、雨漏りで下地が腐ってしまっていたら、大工作業による補修が追加で必要になります。
良心的な業者であれば、この下地補修のリスクを見積もりの段階できちんと説明し、あらかじめ予測される補修費用を明記してくれます。
| 費用項目 | ㎡あたり単価目安(円) | 内容・補足説明 |
|---|---|---|
| 仮設足場設置 | 600 〜 900 | 飛散防止ネット、昇降設備を含みます。安全な作業に必須です。 |
| 既存屋根材撤去 | 1,500 〜 3,500 | 瓦、スレート、金属等、材質により手間が異なります。 |
| 廃材処分費 | 1,500 〜 3,500 | 産業廃棄物としての処理。アスベスト含有時は大幅に上昇します。 |
| 下地補修・野地板新設 | 2,500 〜 3,500 | 12mm合板等の増し張り、または張り替えを行います。 |
| 防水シート | 500 〜 2,000 | ルーフィングの敷設。雨漏りを防ぐ最も重要な工程です。 |
| 新規屋根材施工 | 5,000 〜 15,000 | ガルバリウム鋼板等(材工共)の施工です。 |
これらの基本項目に、棟やケラバなどの役物(板金)工事や、現場管理費(諸経費)が加算されて総額が決定します。
見積もり書に「屋根工事一式」とだけ書かれている場合は、手抜き工事のリスクが高いため、必ず項目ごとの内訳と単価を確認してください。
規模別に見る屋根葺き替えの費用相場
お住まいの規模が違えば、発生する固定費の割合や施工の難易度も変わるため、単純な面積比だけでは正確な費用を算出できません。
ここでは、小規模な10坪から大規模な60坪まで、坪数ごとの費用相場とそれぞれの特徴について解説します。
約10坪・15坪・20坪の葺き替え費用
主に別棟の離れ、ガレージ、あるいは都市部に多い平屋や狭小住宅などがこの規模に該当します。
費用の目安としては、10坪で約40万円〜80万円、15坪で約70万円〜120万円、20坪で約100万円〜160万円程度となります。
特徴として知っておいていただきたいのは、小規模な工事であっても、足場の設置、資材運搬、産廃車両の手配といった「固定費」が必ず発生するため、平米あたりの単価は割高になる傾向があるということです。
例えば、足場を運ぶトラックのガソリン代や職人の日当は、10坪の家でも30坪の家でも、実はそこまで大きく変わりません。
そのため、屋根面積が小さいからといって、単純に費用が安くなるとは限らないのです。
また、20坪クラスが都市部の密集地に位置する場合、隣の家との距離が極端に近い(30cm未満など)ことも珍しくありません。
このような環境では、通常の足場を組むスペースがないため、「単管抱き足場」という特殊な足場を職人が工夫して設置する必要があります。
この足場組みの手間や、隣家に傷をつけないための厳重な養生、さらには資材の搬入経路が限られることによる小運搬の手間などが積み重なり、人件費として5万円から12万円程度が加算される要因となります。
小規模な住宅にお住まいのお客様には、「せっかく足場を組むのであれば、外壁塗装や雨樋の交換なども同時に済ませてしまうのが、長期的なトータルコストを抑える一番の近道です」とアドバイスさせていただいております。
◆斎藤のワンポイントアドバイス
狭小地での工事は、ご近隣への配慮が何よりも重要になります。私たちアップリメイクでは、工事着工前に必ず近隣の皆様へご挨拶に伺い、作業内容や日程を丁寧にご説明して、トラブルを未然に防ぐ体制を整えています。
約25坪・30坪の屋根葺き替え費用
日本の戸建て住宅で最も標準的なボリュームゾーンであり、私たちへのご相談件数も圧倒的に多いのがこの規模です。
25坪の住宅では約120万円〜200万円、30坪の住宅では約150万円〜240万円が目安となります。
既存の重い日本瓦や劣化したスレート屋根から、軽くて耐久性の高い金属屋根(ガルバリウム鋼板やSGL鋼板など)へ葺き替える標準的な仕様であれば、200万円前後が中央値になってきます。
この30坪規模の屋根工事で最も費用に差が出るポイントは、「屋根の形状」です。
シンプルな「切妻(きりづま)屋根」(本を開いて伏せたような三角屋根)であれば、屋根材のロス(切れ端のゴミ)も少なく、職人の作業もスムーズに進むため、比較的費用を抑えられます。
しかし、「寄棟(よせむね)屋根」や、さらに複雑な多面体の屋根になると、屋根の面と面がぶつかる「棟(むね)」や「谷(たに)」と呼ばれる部分が多くなります。
これらの接合部分は雨漏りの原因になりやすいため、専用の板金を職人が現場で一つひとつ加工し、念入りに防水処理を施さなければなりません。
この板金作業の手間と材料のロスにより、同じ30坪でも総額に20万円程度の変動が生じることがあります。
また、既存の屋根材がスレート屋根で、下地の木材(野地板)がまだしっかりしている場合は、古い屋根材を撤去せずに上から新しい屋根材を被せる「屋根カバー工法」という選択肢も有力です。
カバー工法であれば、古い屋根の撤去・処分費がかからないため、葺き替え工事よりも数十万円単位でコストを抑えることが可能です。
カバー工法の詳細な費用やメリットについては、屋根カバー工事とは?向いている家・工事の流れ・費用目安をわかりやすくの記事でも詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
【この規模のポイント】
30坪規模になると、様々な塗料や屋根材の選択肢が最も豊富になります。ご予算に合わせて「耐久性重視」にするか、「遮熱・断熱性重視」にするか、業者としっかり相談して決めることが大切です。
約40坪・50坪・60坪の葺き替え費用
広い敷地に建つ郊外型の大規模住宅や、延床面積の大きい完全分離型の二世帯住宅などが該当します。
費用の目安は、40坪で約200万円〜320万円、50坪で約250万円〜400万円、60坪で約300万円〜500万円以上となります。
この規模のお住まいは、立派な入母屋(いりもや)造りであったり、屋根にドーマー(採光用の小さな窓)が複数設けられていたりと、デザイン性に富んだ複雑な屋根形状であることが非常に多いです。
屋根の面数が多く複雑になればなるほど、雨水が集中する「谷樋(たにとい)」の処理や、屋根材の端を美しく納めるための「役物(やくもの)」と呼ばれる特注の板金部品が大量に必要になります。
これらは既製品をポンと置けば済むものではなく、熟練の板金職人が現場の角度に合わせて一つひとつ手作業で加工していくため、膨大な手間と時間がかかります。
当然ながら、その分の職人の人件費や材料費が加算されるため、平米単価そのものが跳ね上がる傾向にあります。
また、忘れてはならないのが「資材の搬入」と「廃材の搬出」にかかるコストです。
50坪や60坪ともなると、剥がした古い屋根材の量もトラック数台分に上ります。
敷地内に大型の産業廃棄物回収トラックや、新しい屋根材を積んだクレーン車を駐車できる十分なスペースがあれば問題ありませんが、もし駐車スペースがない場合は、離れた駐車場から職人が手運び(小運搬)をしなければならず、ここでも追加の人件費が発生してしまいます。
高額な工事になるからこそ、補助金の活用も視野に入れるべきです。
屋根の葺き替えに合わせて高い断熱性能を持つ屋根材を選んだり、耐震改修を同時に行ったりすることで、国や自治体から手厚い補助金を受け取れる可能性があります。
どのような補助金が使えるかについては、屋根カバー工法で使える補助金・助成金はある?条件と申請の流れにて詳しく解説しておりますので、大規模住宅のオーナー様は必ずチェックしておくことをおすすめします。
約30坪の屋根葺き替えにかかる日数と工期
費用と同じくらい、お客様からよくいただくのが「工事にはどれくらいの日数がかかるのか?」「生活に支障は出ないのか?」というご質問です。
結論から申し上げますと、屋根葺き替え工事は天候に完全に依存する「全行程屋外作業」となるため、標準的な30坪の住宅をモデルにした場合、工期は7日間から14日間程度(約2週間)を見込むのが一般的です。
以下に、既存のスレート屋根から新しいガルバリウム鋼板へ葺き替える場合の、標準的な工程表をご紹介します。私たちが普段、現場でどのように作業を進めているかのリアルな流れです。
| 日次 | 作業内容 |
|---|---|
| 第1日 | 足場仮設・養生(飛散防止シートの展開) |
| 第2日 | 既存屋根材(瓦やスレートなど)の剥ぎ取り開始 |
| 第3日 | 残材の搬出、清掃、既存防水シートの除去 |
| 第4日 | 下地補修・補強(野地板の張り込みで構造的な強度を確保) |
| 第5日 | 二次防水施工(ルーフィングの敷設。最重要工程です) |
| 第6〜7日 | 新規屋根材の荷揚げ、本体(平部)の葺き込み |
| 第8日 | 板金・役物工事(棟板金、雨押え等の取り付け) |
| 第9日 | 最終点検、自主検査、廃材撤去、清掃 |
| 第10日 | 足場解体、周辺清掃、工事完了報告 |
この中で最も神経を使うのが、第2日から第5日にかけての「古い屋根を剥がして、新しい防水シート(ルーフィング)を張るまで」の期間です。
古い屋根材を剥がした状態というのは、いわば家が「丸裸」になっている状態です。
このタイミングで雨が降ってしまうと、野地板を通して即座に室内への雨漏りにつながるため、天気予報のチェックは欠かせません。
少しでも雨の予報があれば作業は厳格に中止し、万が一に備えて巨大なブルーシートで屋根全体をすっぽりと覆う「雨養生」を徹底します。
また、強風下でも大判の金属屋根材が風に煽られ、職人が転落したり資材が飛散したりする危険があるため、高所作業が制限されます。
屋根工事は安全第一であり、自然の力には逆らえません。
そのため、計画された工期に対して、天候不順によるお休みを見込んだ「予備日」を含め、最低でも2週間程度の余裕を持ったスケジュールで計画することをおすすめします。
なお、工事期間中は常に足場が組まれ、職人が出入りすることになりますが、作業はすべて屋外で行われるため、お客様はずっとご在宅いただく必要はありません。
お買い物やお仕事で外出されていても、工事は予定通り進みますのでご安心ください。
費用相場や見積もりがブレる4つの要因
屋根葺き替えの見積もりを取った際、インターネットなどで調べていた事前の相場よりも高くなっていて、驚かれるお客様が時折いらっしゃいます。
「この業者はぼったくりなのではないか?」と不安に思われるかもしれませんが、信頼できる業者の場合、それは不当な値上げではありません。
お住まい特有の物理的な条件や、過去に使用された建材の環境的要因が影響しているケースが大半なのです。
ここでは、見積もり費用が大きく上にブレてしまう主な4つの要因について、専門家の視点から詳しく解説します。
アスベスト含有屋根材の撤去処分費
見積もり額を跳ね上げる最も大きな要因の一つが、既存の屋根材に「アスベスト(石綿)」が含まれているケースです。
アスベストは、かつてその優れた耐火性や防音性から「夢の建材」ともてはやされ、2004年以前に製造されたスレート屋根(カラーベストやコロニアル等)の多くに含有されています。
しかし現在では、健康被害のリスクから製造・使用が全面的に禁止されています。
このアスベスト含有材を撤去・処分する場合、通常のゴミとして捨てることは絶対にできません。
大気汚染防止法などの法令を遵守し、作業員が専用の防護服を着用の上、周囲にアスベストが飛散しないよう水を撒きながら手作業で一枚一枚慎重に剥がす必要があります。
さらに、剥がした廃材は二重のプラスチック袋で厳重に密閉し、特別な許可を持った産業廃棄物処理業者に高額な費用を払って引き取ってもらわなければなりません。
これらの厳格な飛散防止対策や特別処理費用が加わるため、撤去・処分単価は㎡あたり5,000円から5,500円程度と、非含有材の約1.5倍から2倍に跳ね上がります。
30坪の家でも、処分費だけで数十万円の差が出ることも珍しくありません。
この高額なアスベスト処分費を回避するための有効な手段として、既存屋根を剥がさずに上から新しい屋根を被せる「カバー工法」をご提案することが多くなっています。
カバー工法であれば、アスベスト含有建材を破壊することなく、新しい金属屋根で完全に「封じ込める」ことができるため、飛散リスクをゼロにしつつ費用を大幅に抑えることが可能です。
カバー工法の詳細なメリット・デメリットについては、屋根カバー工法のメリット・デメリット:向いている家/向かない家を整理にて徹底解説しています。
3階建てや急勾配による足場割増費用
建物の階数や屋根の角度も、コストに直結する重要な要素です。
多くの方が「床面積が同じなら、足場代も同じだろう」とお考えになりますが、それは大きな誤解です。
例えば、都市部や駅近の狭小地に多い3階建ての住宅は、同じ延床面積の2階建て住宅と比較して、縦に長い構造になります。
建物の高さが高くなればなるほど、外周を覆う足場の面積は格段に大きくなり、より多くの足場材が必要になります。
また、高所での作業は危険を伴うため、職人の組み立ての手間や安全確保のための補強作業も増えます。
結果として、階数が一つ違うだけで足場費用に5万円から10万円以上の差が出ることが一般的です。
さらに、3階建ての高さ(10m以上)になると、重い屋根材を人力で上まで運ぶのは不可能なため、資材を揚げるためのクレーン車(ラフター)の手配が必要になることもあり、これがさらに費用を押し上げます。
急勾配(6寸以上)の注意点
屋根の傾斜が急(6寸:約31度以上)なデザイン性の高い屋根の場合、職人が屋根の上で自立して歩行することができず、滑落事故の危険が高まります。
そのため、建物の周囲に組む外足場とは別に、屋根の斜面上に梯子状の「屋根足場(単管足場)」を別途設置する必要があります。
これにより、㎡あたり800円から1,500円程度の屋根足場費用が追加でかかるだけでなく、足場が邪魔になって移動効率が著しく低下するため、施工費全体に20%から30%の「勾配割増」が適用されるのが業界の標準です。
野地板など下地の傷みによる追加補修
屋根の葺き替え工事において、最も予測が難しく、かつ費用を変動させるのが「下地の傷み具合」です。
屋根の構造は、上から順に「屋根材」→「防水シート(ルーフィング)」→「野地板(木の板)」→「垂木(骨組み)」となっています。
屋根のプロであっても、外観を見ただけでは表面の屋根材の劣化はわかっても、その下の野地板がどれだけ腐食しているかまでは完全には見通せません。
いざ工事が始まり、既存の屋根材と防水シートを剥がした際、想定以上に野地板や垂木が雨水によって腐食し、ボロボロになっていることが判明するケースがあります。
この場合、腐った木材の上に新しい屋根を載せることは絶対にできないため、大工職人を手配して腐朽箇所を撤去し、新しい木材で構造補修を行う必要があります。
これにより、材料費(構造用合板や角材)が加算されるだけでなく、大工の人件費と、2日から3日程度の追加工期が発生し、結果として総費用が上がる要因となります。
見積もりが上がるとお客様も戸惑われるかもしれませんが、ただ、これはお住まいの寿命を延ばし、安全を確保するために絶対に妥協してはいけない投資です。
悪徳業者の場合、この腐食を隠したまま上から強引に新しい屋根材を打ち付けてしまうことがありますが、数年後に必ず屋根が沈み込んだり、激しい雨漏りを起こしたりします。
私たちアップリメイクでは、下地補修が必要になった場合は必ず写真を撮ってお客様にご報告し、ご納得いただいた上で適切な補修工事を行っています。
複雑な屋根形状による工期と費用の増大
屋根の形状は、美観だけでなく工事費用にも大きな影響を与えます。
日本の住宅でよく見られる「切妻(きりづま)屋根」は、本を開いて伏せたようなシンプルな三角屋根で、面が2つしかありません。
これに対し、「寄棟(よせむね)屋根」は面が4つあり、「入母屋(いりもや)造り」や、窓が飛び出した「ドーマー」のある屋根、L字型の家などでは、屋根の面数がさらに増え、形状が非常に複雑になります。
形状が複雑になればなるほど、屋根の面と面が交わる部分(棟や谷)が多くなります。
これらの接合部分は、既製品の金属屋根材をそのままポンと置くことはできず、熟練の板金職人が現場の屋根の角度に合わせて、金属板をハサミで切り、ハンマーで叩いて折り曲げ、水が内部に侵入しないように緻密な加工(雨仕舞い)を施さなければなりません。
屋根の1面あたりの面積が小さくなるほど、この端部の処理作業ばかりが増えてしまい、職人の作業時間は飛躍的に延びます。
また、斜めにカットして捨てる「材料のロス(切れ端の廃棄)」も多くなるため、材料費も余分にかかります。
平らでシンプルな切妻屋根と比較すると、複雑な多面体屋根の場合は、職人の手間賃と材料費のロスだけで、20万円から30万円ほど差が出ることがあります。
◆斎藤のワンポイントアドバイス
見積もりを複数社から取った際、「一式」でごまかさず、足場代や処分費、下地補修費、そして役物(板金)工事費が詳細に分かれて記載されているかを確認してください。
私たちアップリメイクでは、見えないリスクについても事前にお客様へ丁寧にご説明し、納得いただいた上で工事を進める誠実な対応を何よりも大切にしています。
屋根の葺き替えに関するよくある質問(FAQ)
Q1. 屋根の葺き替え工事中は、ずっと家にいなければなりませんか?
A. いいえ、工事中も普段通りに外出していただいて全く問題ありません。
屋根の工事は全て屋外で行うため、お留守であっても職人が家の中に入ることはなく、作業はスムーズに進行します。
「留守中に手抜きをされないか心配」という声もいただきますが、アップリメイクでは、足場組みから下地処理、防水シートの敷設、仕上げに至るまで、留守中の作業内容も全工程を写真に収め、後日「工事写真報告書」としてお渡ししております。
共働きのご家庭でも、安心してお仕事やお買い物にお出かけください。
Q2. 葺き替えとカバー工法、どちらを選ぶべきか迷っています。
A. まず、既存の屋根材が「日本瓦」や「セメント瓦」のような厚みがあり波打っている形状の場合は、カバー工法ができないため、耐震性の観点からも軽量な金属屋根への「葺き替え」が必須となります。
一方、既存が平らな「スレート屋根(コロニアル)」で、なおかつ野地板(下地)の腐食が進んでいなければ、高額な撤去・処分費用を大幅に抑えられる「カバー工法」をおすすめすることが多いです。
ただし、屋根の寿命を延ばすためには、表面だけでなく内部の健康状態をプロの診断によって確実に見極める必要があります。
Q3. 見積書に「一式」という表記が多いのですが、大丈夫でしょうか?
A. 結論から言うと、「屋根工事 一式 〇〇万円」という表記ばかりの見積書には絶対にご注意ください。
どのようなグレードの材料を使い、どの程度の面積を施工するのかが不明確なため、悪徳業者の場合、必要な工程(下地補修や縁切り、十分な塗布量など)を故意に省いて利益を上げようとするリスクがあります。
仮設足場、撤去費、ルーフィング(防水シート)、新規屋根材など、項目ごとに平米単価や数量、具体的な部材名(メーカー名)が詳細に記載された、透明性の高い見積もりを出してくれる業者を選ぶことを強くおすすめします。
Q4. 屋根葺き替えで火災保険や補助金は利用できますか?
A. はい、条件を満たせば適用できるケースが大いにあります。
まず火災保険についてですが、台風の強風で屋根材が飛んだり、積雪や雹(ひょう)によって屋根が破損したりなど「自然災害」が原因であると認定された場合は、「風災・雪災・雹災」特約が適用され、修繕費用が下りる可能性があります。
また補助金については、耐震性の低い重い屋根から軽い屋根への「耐震改修」や、断熱材一体型の金属屋根を用いた「省エネ化」を目的とした葺き替えであれば、国や自治体の補助金が使えることもあります。
ただし、単なる経年劣化によるものは保険適用外となるため、正確な診断と適切な書類作成のサポートができる専門家への相談が不可欠です。
写真で概算!正確な費用は無料現地調査で
屋根の葺き替え工事は、家電製品をカタログで買うように、定価で一律の金額を出せるものではありません。
これまでご説明してきたように、お住まいの坪数だけでなく、劣化状況、屋根の形状、勾配、アスベストの有無、ご自宅の周辺環境など、必要な工程が1件1件全く異なるからです。
ご自宅にとって本当に必要な工事内容を見極め、正確な費用を知るための、最適なステップについてご案内します。
アップリメイクの徹底したお住まい診断
まずは、「大体の予算感だけでも早く知りたい」という場合、スマートフォン等で撮影したお住まいの外観写真をお送りいただくだけでも、過去の5,000件以上の施工実績データに基づき、ざっくりとした概算をお伝えすることは可能です。
しかし、正式な費用を確定させ、大切なお住まいにとって「葺き替え」が良いのか、それとも「カバー工法」でも対応できるのかという最適な工法を決定するためには、プロによる現地調査が絶対に欠かせません。
私たちアップリメイクでは、一級建築塗装技能士や外装劣化診断士などの国家資格を持った専門家がご自宅へお伺いし、徹底的な「無料お住まい診断」を実施しています。
地上から目視するだけでなく、高所カメラやドローン、さらには表面の塗膜の劣化具合を見る30倍スコープなどの専用機器を用いて、屋根の健康状態を隅々までチェックします。
雨漏りの兆候はないか、スレートのひび割れはどの程度か、下地の腐食は進んでいないか。
これらをプロの目で正確に見極めることで、後から不当な追加請求が発生しない、根拠のある詳細なお見積書を作成できるのです。
診断結果は、撮影した写真を用いた分かりやすい「診断報告書」としてご提出し、現在の建物の状態を包み隠さずご報告いたします。
私たちの使命は、地元・静岡に幸せを広げることです。
強引な押し売りや、しつこい訪問営業は一切行いません。
「まずは今の屋根の状態を知りたい」「他社の見積もりが適正か見てほしい」といったご相談でも大歓迎ですので、どうぞ安心してお気軽にお問い合わせください。
※本記事に記載している費用相場や工期、平米単価は、あくまで2025年〜2026年現在の一般的な目安となります。
実際の金額はお住まいの劣化状況、立地条件、使用する屋根材のグレードによって大きく変動いたします。
補助金や火災保険の適用に関する最終的なご判断や、正確な費用につきましては、必ず公式サイトをご確認いただくか、私たちアップリメイクのような専門家による無料診断をご活用いただき、ご納得いくまでご相談ください。






