外壁塗装の挨拶なしはトラブルの元!挨拶回りの範囲・手土産・マナー完全ガイド

こんにちは、株式会社アップリメイク代表取締役の斎藤直樹です。私たちは静岡市を拠点に、1973年に父が創業した「斎藤塗装工業」を前身とし以来、地域に根ざした屋根・外壁塗装リフォーム専門店として、皆様の快適な暮らしをサポートしております。

さて、外壁塗装を計画される中で、「ご近所への挨拶」について悩まれている方は非常に多いのではないでしょうか。「外壁塗装の挨拶回りは必要なのか、もし挨拶なしで進めたらどうなるのだろう?」「挨拶は業者のみに任せて大丈夫?それとも施主も行くべき?」、「挨拶はどこまでの範囲に行けばいいのか」など、考え始めると次々と疑問が湧いてくるものです。

特に、足場の設置や工事中の騒音を考えると、ご近所への配慮は欠かせません。さらに、手土産は必要なのか、品物の金額はいくらが適切か、品物はどこで買うべきか、具体的な挨拶文のテンプレートはないか、そして工事終了後の挨拶はどうすれば良いのか、といった実践的な悩みも尽きないことでしょう。

時には、新築の挨拶は2回必要という話と混同される方もいらっしゃいますが、リフォーム時の挨拶にはまた違った大切な意味合いがあります。この記事では、これら全ての疑問に対し、長年静岡で塗装業に携わってきた専門家の視点から、一つひとつ丁寧にお答えしていきます。

この記事でわかること

  • 挨拶なしで起こりうるご近所トラブルの具体例
  • 施主と業者の役割分担と挨拶回りの適切な範囲
  • 好印象を与える手土産の選び方や渡し方
  • そのまま使える挨拶文のテンプレートと挨拶に伺うべきタイミング

外壁塗装挨拶なしはNG?挨拶回りの基本

外壁塗装の専門業者と施主である日本人夫婦が、近隣住民の家の玄関先で丁寧に頭を下げて挨拶をしている様子。円満なご近所付き合いと事前の配慮の重要性をイメージさせる画像

  • 外壁塗装で挨拶なしはトラブルの元
  • なぜ外壁塗装の挨拶回りが必要か
  • 挨拶は施主?それとも業者のみ?
  • 挨拶はどこまでの範囲で行うべきか
  • 足場設置前の挨拶が最も重要
  • 新築の挨拶は2回必要?リフォーム工事との違い

外壁塗装で挨拶なしはトラブルの元

自宅の窓から、隣家で突然始まった外壁塗装工事の足場を、不安そうな表情で眺める日本人の中年女性。挨拶なしの工事が引き起こす近隣住民の懸念やストレスを表現している

結論から先に申し上げますと、外壁塗装工事前の近隣挨拶を「なし」にするという選択肢は、絶対に避けるべきです。費用や手間を惜しんで挨拶を省略することは、百害あって一利なしと言っても過言ではありません。

後々の良好なご近所関係を維持するため、そして何より工事そのものをスムーズに進めるために、事前の挨拶は不可欠なプロセスです。

もし、何の知らせもないまま隣の家で突然大きな工事が始まったら、あなたはどう感じるでしょうか。おそらく、多くの方が不安や不快感を抱くはずです。実際に、挨拶がなかったことが原因で、ささいなことが大きなトラブルに発展するケースは後を絶ちません。

挨拶なしで起こりがちなトラブル事例

  • 騒音に関するクレーム:足場を組み立てる際の金属音や、高圧洗浄機のエンジン音など、工事期間中は様々な音が発生します。事前に知らせがあれば「お互い様」と思えることでも、突然だと「うるさい」という感情につながりやすくなります。
  • 塗料の臭い・飛散への苦情:塗料、特に油性(溶剤)塗料を使用する場合、特有の臭いが発生します。また、どんなに注意を払って養生しても、風に乗って塗料がご近所の車や洗濯物に付着してしまうリスクはゼロではありません。
  • 職人や車両の出入りに対する不信感:工事期間中は、見慣れない職人が敷地周辺を出入りしたり、工事車両が道路に停まったりします。事前に一言あるだけで安心感は全く違います。
  • プライバシーへの懸念:足場が組まれると、ご近所の室内が見えてしまうのではないか、という不安を抱かれる方もいらっしゃいます。

これらのトラブルは、事前に「ご迷惑をおかけします」という一言があるだけで、その多くを防ぐことができます。挨拶は、ご近所の方々の不安を取り除き、工事への理解と協力を得るための最も重要で効果的な手段なのです。

なぜ外壁塗装の挨拶回りが必要か

前述の通り、挨拶回りの第一の目的は「ご近所トラブルの未然防止」ですが、それだけではありません。丁寧な挨拶回りには、施主様にとっても、私たち施工業者にとっても、いくつかの重要な意味合いがあります。

主な理由を3つにまとめてみましょう。

挨拶回りが必要な3つの理由

  1. 良好なご近所関係の維持:言うまでもなく、これが最大の理由です。工事後も気持ちよくお付き合いを続けていくために、「自分の家だけでなく、ご近所にも配慮している」という姿勢を示すことが大切です。
  2. 工事の円滑化:事前に工事内容(期間、時間帯、車両の駐車場所など)を説明し理解を得ておくことで、工事当日に「車が通れない」「洗濯物が干せない」といった予期せぬトラブルが発生するのを防ぎ、作業をスムーズに進めることができます。
  3. 信頼関係の構築:施主様と施工業者が一緒に挨拶に伺うことで、ご近所の方々は「しっかりした業者に頼んでいるんだな」と安心感を抱きます。これは、万が一何か問題が発生した際のコミュニケーションを円滑にする上でも役立ちます。

このように、挨拶回りは単なる儀礼的なものではなく、工事の品質や、工事後の快適な生活にまで影響を及ぼす、極めて合理的なプロセスなのです。私たち株式会社アップリメイクでは、この挨拶回りを非常に重要な工程と位置づけ、担当者が必ずお客様とご一緒に伺うように徹底しています。

挨拶は施主?それとも業者のみ?

施主である日本人男性と、清潔な作業服を着た塗装業者の担当者が並んで、近隣住民に深々と頭を下げている場面。施主と業者が一体となって挨拶する誠実さを示している

「挨拶は、業者さんが行ってくれるなら、自分(施主)は行かなくても良いのでは?」というご質問をいただくことがあります。もちろん、私たち施工業者が単独で挨拶に伺うことも可能ですし、多くの業者では基本的なサービスに含まれています。

しかし、私の長年の経験から申し上げますと、可能な限り、施主様と業者が一緒に挨拶に伺うのが最も理想的です。業者のみの挨拶では、どうしても事務的な報告という印象が強くなってしまいますが、そこに施主様が加わることで、全く意味合いが変わってくるのです。

施主と業者の役割分担

  • 施主様の役割:「この度、家の塗装工事を行うことになりました。期間中は何かとご迷惑をおかけしますが、どうぞよろしくお願いいたします」という、当事者としてのお詫びとお願いを伝えます。ご近所の方々にとって、一番身近な存在である施主様から直接言葉をかけられることの安心感は絶大です。
  • 業者の役割:「工事期間は〇日から〇日までで、作業時間は朝〇時から夕方〇時頃までです。塗料の飛散防止には万全を期しますが、何かお気づきの点があれば、こちらの連絡先までお願いします」といった、工事に関する具体的な説明と、トラブル発生時の窓口としての役割を明確にします。

このように、施主様と業者がそれぞれの立場で役割を分担することで、ご近所の方々の理解と信頼をより深く得ることができます。お仕事などでどうしてもご都合がつかない場合を除き、ぜひ一緒にご挨拶に伺う時間を作っていただくことをお勧めします。

挨拶はどこまでの範囲で行うべきか

次に悩むのが、「どこまで挨拶に行けば良いのか」という範囲の問題です。これも明確な決まりがあるわけではありませんが、一般的には以下の範囲を基本と考えるのが良いでしょう。

基本の挨拶範囲は「向こう三軒両隣+裏の家」

具体的には、ご自宅から見て「お向かいの3軒」「左右のお隣さん2軒」「真裏の家」が最低限の範囲となります。これらの家は、工事の音や人の出入り、足場による圧迫感などの影響を最も受けやすいため、必ず挨拶が必要です。

さらに、以下のようなケースも考慮に入れると、より万全です。

追加で挨拶を検討すべき範囲

  • 工事車両の駐車場所の周辺:家の前の道路が狭く、少し離れた場所に車を停める必要がある場合、その周辺のお宅にも一声かけておくと親切です。
  • 塗料が飛散する可能性のある家:風向きによっては、基本範囲より少し離れたお宅にも影響が出る可能性があります。特に、高級車をお持ちの家や、洗濯物を外に干されることが多いお宅には配慮が必要です。
  • 自治会長さんや班長さん:地域のまとめ役の方へ事前に報告を入れておくと、万が一トラブルが発生した際に間に入ってくれるなど、スムーズな解決に繋がることがあります。

◆斎藤のワンポイントアドバイス

静岡は比較的、昔ながらのご近所付き合いを大切にされる地域柄があります。どこまで挨拶すべきか迷った際は、「少し広めかな?」と感じるくらいが丁度良いかもしれません。私たちにご依頼いただければ、地域の特性や現場の状況を判断し、最適な挨拶範囲をご提案させていただきますので、ご安心ください。

足場設置前の挨拶が最も重要

外壁塗装工事の工程の中で、ご近所に最も大きな影響を与えるのが「足場の設置・解体」です。金属製の部材を組む際の大きな音、そして何より家の周りに巨大な構造物が現れることによる圧迫感や日照への影響は、他の工程とは比べ物になりません。

そのため、挨拶に伺うタイミングとして最も重要なのが、この足場を設置する前です。

挨拶のベストタイミング:工事開始の1週間前~3日前

工事の直前すぎると、ご近所の方も心の準備ができませんし、逆に早すぎても忘れられてしまう可能性があります。工事全体のスケジュールが確定したら、まずは足場設置の前に一度、ご挨拶に伺うのがマナーです。この時に、工事期間全体の大まかな流れを記した工程表や、私たちの連絡先を記載した書面をお渡しすると、より丁寧な印象になります。

そして、工事が完了し、足場を解体した後にもう一度、「無事に工事が終わりました。ご協力ありがとうございました」というお礼の挨拶に伺うと、さらに良い関係を築くことができるでしょう。

新築の挨拶は2回必要?リフォーム工事との違い

時々、「新築の時は何度も挨拶に行ったけど、リフォームでも同じようにすべき?」というご質問をいただきます。「新築の挨拶は2回必要」といった話を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんね。これは、着工前と引越し後の2回を指すことが多いようです。

しかし、新築時の挨拶とリフォーム時の挨拶は、その目的が根本的に異なります。

  • 新築時の挨拶:「これからこの地域の一員になります。どうぞよろしくお願いします」という、自己紹介と今後の良好な関係構築が主な目的です。
  • リフォーム時の挨拶:「工事期間中、ご迷惑をおかけします。申し訳ありませんが、ご協力をお願いします」という、一時的な負担に対するお詫びと理解を求めることが主な目的です。

目的が違うため、作法も少し異なります。新築の場合は、これから長くお付き合いする相手として、少し丁寧な品物を用意することもあるでしょう。

一方で、リフォームの場合は、あくまで「ご迷惑をおかけします」という気持ちを示すことが中心なので、相手に気を遣わせない程度の品物を選ぶのが一般的です。この違いを理解しておくと、挨拶の際の心構えや品物選びがスムーズになります。

外壁塗装で挨拶なし?挨拶回りで失敗しない方法

  • 手土産の品物と金額の相場
  • 品物はどこで買うのがおすすめ?
  • そのまま使える挨拶文テンプレート
  • 工事終了後の挨拶も忘れずに

手土産の品物と金額の相場

日本の住宅の玄関先で、施主が近隣住民へ丁寧に手渡している。挨拶回りの際の手土産の具体的なイメージ

ご近所への挨拶の際に、「手土産は必要なのか?」と悩まれる方は非常に多いです。結論から言えば、手土産は絶対に必須というわけではありません。しかし、言葉だけでなく形として気持ちを示すことで、より丁寧な印象を与え、話もスムーズに進むことが多いのも事実です。

もし手土産を持参する場合、重要なのは相手に気を遣わせない程度のものを選ぶことです。高価すぎる品物は、逆にお返しの心配をさせてしまうなど、相手の負担になりかねません。

品物の金額と選び方のポイント

  • 金額の相場:500円~1,000円程度が一般的な目安です。これはあくまで目安であり、この範囲でなければならないという決まりはありません。
  • 品物の選び方:いわゆる「消えもの」と呼ばれる、使ったり食べたりしたらなくなるものが最適です。相手の好みがわからない場合でも、当たり障りのないものを選びましょう。
    • 具体例:タオル、ラップ、洗剤、ゴミ袋などの日用品、日持ちのする個包装のお菓子、ドリップコーヒーのセットなど。
  • 避けた方が良いもの:好き嫌いが分かれる食べ物、アレルギーの可能性があるもの、高価なもの、商品券や現金などは避けましょう。

品物には「ご挨拶」や「粗品」と書いた「外のし」をつけ、施主様のお名前(苗字のみ)を記載してお渡しするのが丁寧なマナーです。

品物はどこで買うのがおすすめ?

外壁塗装工事のご挨拶回りで使用する品物は、高価なものである必要はなく、特別な場所で購入する必要も全くありません。「どこで買うか」よりも「何を渡すか」「どのように渡すか」が重要です。

一番大切なのは、ご近所の皆様に負担を感じさせず、感謝と「ご迷惑をおかけします」という気持ちを伝えることです。そのため、ほとんどの場合は身近なお店で手軽に揃えられるもので十分と言えるでしょう。

ここでは、具体的な購入場所の候補と、それぞれのメリット・デメリットを詳しく解説します。

主な購入場所とその特徴

  • スーパーマーケット、ドラッグストア:最も手軽で基本的な選択肢
  • ホームセンター:実用的な商品をまとめ買いしたい場合に便利
  • デパート、ギフト専門店:より丁寧な印象を与えたい場合に
  • インターネット通販:豊富な選択肢から効率的に選びたい場合に

これらの購入場所にはそれぞれ一長一短があります。ご自身の準備にかけられる時間や、ご近所付き合いの度合いによって最適な場所は変わってきます。以下の比較表を参考に、最適な購入場所を検討してみてください。

購入場所ごとのメリット・デメリット比較
購入場所 メリット デメリット
スーパー
ドラッグストア
  • 普段の買い物のついでに購入でき、非常に手軽。
  • 洗剤やラップ、タオルなど定番品が揃っている。
  • 価格が手頃で、相手に気を遣わせにくい。
  • 贈答用の包装や熨斗(のし)のサービスがない場合が多い。
  • 品揃えが限定的で、ありきたりな印象になる可能性も。
ホームセンター
  • 品揃えが豊富で、少し変わった実用品も見つかる。
  • 同じ商品をまとめて購入しやすい(在庫が多い)。
  • 贈答用のカウンターで包装に対応してくれる場合がある。
  • 店舗が郊外にあることが多く、アクセスが不便な場合も。
  • 品数が多すぎて選ぶのに時間がかかることがある。
デパート
ギフト専門店
  • 包装や熨斗のサービスが完璧で、非常に丁寧な印象を与えられる。
  • 質の良いタオルや、有名店のお菓子などが選べる。
  • きちんとした贈り物として、礼を尽くしたい相手に適している。
  • 価格帯がやや高めになる傾向がある。
  • 相手に過度に気を遣わせてしまう可能性がある。
インターネット通販
(Amazon、楽天市場など)
  • 「挨拶回り用ギフト」など専用の商品が豊富。
  • レビューを参考に選べるため、失敗が少ない。
  • 自宅まで届けてくれるため、買い物の手間が省ける。
  • 熨斗の名入れサービスに対応しているショップも多い。
  • 実物を見たり触ったりして品質を確認できない。
  • 配送に時間がかかるため、余裕を持った注文が必要。
  • 急な追加購入には対応しづらい。

購入時の3つのチェックポイント

  1. 熨斗(のし)のサービスを確認する
    品物には「外のし」で、水引は紅白の蝶結びを選びます。表書きは「ご挨拶」、名前は施主様の苗字を記載するのが一般的です。お店で購入する際は、このサービスに対応しているか事前に確認するとスムーズです。
  2. 清潔感のある包装を心掛ける
    お店の包装サービスを利用しない場合でも、袋が汚れていたり、シワが寄っていたりしないよう注意しましょう。ご自身で袋に入れる場合も、清潔感を第一に考えてください。
  3. 少し多めに購入しておく
    挨拶に伺う軒数ピッタリではなく、1〜2個多めに「予備」を用意しておくことをお勧めします。後から挨拶が必要な方が判明したり、品物を汚してしまったりといった不測の事態にも慌てず対応できます。

最終的に、大切なのはどこで買うかという点よりも、「工事期間中、ご迷惑をおかけしますが、ご協力をお願いいたします」という誠意を込めて、清潔感のある品物を丁寧にお渡しすることです。この心遣いが、円滑な工事と今後の良好なご近所関係につながります。

そのまま使える挨拶文テンプレート

いざ挨拶に伺うとなると、「何を話せばいいのか…」と緊張してしまうものです。事前に話す内容をまとめておくと、当日スムーズに挨拶ができます。以下に、そのまま使える基本的な挨拶文のテンプレートをご紹介します。

挨拶文テンプレート(施主様向け)

「こんにちは。お隣の〇〇です。突然お伺いして申し訳ありません。

実は、来週の〇月〇日(月)から、自宅の外壁塗装工事を行うことになりました。工事期間は〇週間程度の予定です。

期間中は、足場を組む音や職人さんの出入り、塗料の臭いなどで、何かとご迷惑をおかけしてしまうかと思います。大変申し訳ありません。

安全には十分注意して進めてもらいますが、もし何かお気づきの点やご迷惑なことがありましたら、遠慮なくお声がけください。こちらは工事をお願いするアップリメイクの担当者さんです。こちらが連絡先になります。

どうぞよろしくお願いいたします。」

このテンプレートを基本に、ご自身の言葉で誠意を伝えることが大切です。工事のパンフレットや工程表、業者の連絡先が書かれた書面を一緒に渡すと、相手も安心できます。

工事終了後の挨拶も忘れずに

外壁塗装工事が無事に完了し、美しくなった家の前で、施主と業者が笑顔で近隣住民に挨拶をしている和やかなシーン。工事への協力に対する感謝と良好な関係の継続を象徴している

外壁塗装の全工程が完了し、足場が解体され、清掃も終わった後――そこで気を抜いてはいけません。工事を気持ちよく締めくくり、今後のご近所関係をより良好なものにするための、いわば「最後の総仕上げ」が、工事終了後の挨拶回りです。

「終わり良ければ総て良し」という言葉があるように、この一手間が工事全体の印象を決定づける、非常に重要なプロセスとなります。

工事開始前の挨拶をいかに丁寧に行っても、完了後に何の音沙汰もなければ、「工事が終わればそれで終わりか」という少し寂しい、後味の悪い印象を与えかねません。ご協力いただいたことへの感謝を改めて伝えることで、施主様の誠実な人柄が伝わり、ご近所の皆様も心から安堵することができます。

工事完了後の挨拶が持つ3つの大切な意味

  1. ご協力への「感謝」を伝える
    工事期間中、ご近所の皆様には騒音、塗料の臭い、工事車両の出入り、職人の往来など、多かれ少なかれご不便をおかけしています。そのご負担に対し、「おかげさまで、無事に工事を終えることができました。ご協力いただき、本当にありがとうございました」と、改めて感謝の気持ちを直接伝えることが最大の目的です。
  2. 工事完了という「報告」をする
    「いつまで工事が続くのだろう?」というご近所の皆様の小さな不安を解消する意味合いもあります。「本日、すべての作業が完了し、明日からはまた元の静かな状態に戻りますのでご安心ください」と明確に伝えることで、洗濯物を干すタイミングなどを気にされていた方々を安心させることができます。
  3. 今後の良好な「ご近所関係」を維持する
    一時的なご迷惑へのお詫びと感謝をしっかり伝える姿勢は、「この人はご近所付き合いを大切にする、信頼できる人だ」という印象につながります。この最後の挨拶があるかないかで、工事後の関係性が大きく変わることもあるのです。

いつ、何を持って、どう伝える?具体的な挨拶のマナー

終了後の挨拶に伺うタイミングは、足場が解体され、周辺の清掃が完了した当日、もしくは翌日中が理想的です。時間は、日中の明るい時間帯(午前10時〜午後5時頃)で、食事時を避けて伺うのがマナーです。

手土産のポイント

  • 金額の相場:
    工事開始前の挨拶と同様か、それよりも少しささやかな500円~1,000円程度が目安です。高価な品はかえって相手に気を遣わせてしまうため避けましょう。
  • 品物の選び方:
    「ありがとうございました」の気持ちが伝わる、日持ちのする個包装のお菓子や、少し質の良いドリップコーヒー、紅茶のティーバッグなどが喜ばれます。「消えもの」であることに変わりはありませんが、工事前は実用的な日用品、工事後は少し楽しみになるようなお菓子、と変化をつけるのも良いでしょう。
  • 熨斗(のし)について:
    必須ではありませんが、付けるとより丁寧です。紅白・蝶結びの水引で、表書きは「御礼」または「ご挨拶」とし、施主様の苗字を記載します。

このように、工事の始まりから終わりまで、一貫してご近所への配慮を忘れないことが、トラブルを防ぎ、皆様が気持ちよく過ごすための鍵となります。私たち施工業者も、お客様と二人三脚で、この大切なプロセスをサポートさせていただきます。

外壁塗装の近隣挨拶に関するよくある質問(FAQ)

Q1. 挨拶に伺ったのですが、お留守でした。どうすれば良いですか?

A. 一度で会えなくても、曜日や時間を変えて2~3回ほど訪問してみるのが丁寧です。それでもお会いできない場合は、工事内容と期間、連絡先を記載した手紙と品物を、郵便受け(ポスト)に入れさせていただきます。直接お会いできないのは残念ですが、何も知らせないよりはずっと良い印象になります。

Q2. もし近隣からクレームが入ってしまったら、どう対応すれば良いですか?

A. 万が一クレームが発生した場合は、まずはお客様にご報告の上、私たち施工業者が責任を持って迅速に対応いたします。まずは相手の方のお話を真摯にお伺いし、原因を特定して誠意をもって謝罪、改善策を講じます。私たちアップリメイクでは、このような事態に備え、すぐに現場に駆けつけられる体制を整えています。お客様が直接対応する必要はありませんので、ご安心ください。

Q3. 挨拶回りの際、絶対に言ってはいけないことはありますか?

A. 「少しうるさいかもしれませんが、我慢してください」といった一方的な表現や、「すぐに終わりますから」といった曖昧な表現は避けるべきです。また、「〇〇さんのお宅もそろそろ塗装時期じゃないですか?」といった、セールスと受け取られかねない発言は絶対にNGです。あくまで「ご迷惑をおかけします」という謙虚な姿勢を貫くことが大切です。

Q4. 賃貸アパートやマンションに住んでいる場合も、挨拶は必要ですか?

A. はい、必要です。戸建ての場合と同様に、両隣や階下のお部屋にはご挨拶に伺うのがマナーです。それに加え、必ず大家さんや管理会社、管理組合へ事前に工事の連絡を入れて、許可を取る必要があります。無断で工事を始めると契約違反となる可能性もありますので、必ず最初に確認しましょう。

まとめ:外壁塗装挨拶なしは避け、ぜひ挨拶回りを

塗装工事が完了した綺麗なマイホームを背景に、満足そうな笑顔を浮かべる日本人家族と、その隣に立つ信頼できる塗装業者。質の高い工事による顧客満足と安心感を象徴する画像

今回は、外壁塗装工事における近隣挨拶の重要性と、具体的なマナーについて解説してまいりました。一連の工事の中で、挨拶はほんの小さなプロセスに過ぎないと感じるかもしれません。しかし、その小さなプロセスを丁寧に行うかどうかが、工事全体の成否や、その後のご近所関係を大きく左右します。

「たかが挨拶、されど挨拶」です。外壁塗装で挨拶なしという選択は、様々なトラブルの火種を生む可能性があり、最終的に施主様ご自身が心を痛める結果になりかねません。円滑な工事と、その後の快適な暮らしのために、ぜひ適切な挨拶回りを実践してください。

私たち株式会社アップリメイクは、職人直営の塗装店として、技術力はもちろんのこと、こうしたお客様の心に寄り添う対応を何よりも大切にしています。ご近所への配慮も含め、工事のすべてを安心してお任せいただきたいと考えております。

外壁塗装のことでお悩みでしたら、どんな些細なことでも結構です。まずは無料診断・お見積りから、お気軽にご相談いただければ幸いです。

  • この記事を書いた人

齋藤直樹

(株)アップリメイク代表取締役で元職人、塗装という仕事が大好きです。人生の大きな挫折と数多くの出会いを経て今は大好きな地元・静岡で、お客様の笑顔のために仕事ができることに何よりの誇りを感じています。

▼保有資格▼
1級建築塗装技能士・2級建築施工管理技士・有機溶剤作業主任者・高所作業主任者・2級カラーコーディネーター・光触媒施工技能士・乙4類危険物取扱者・ゴンドラ特別教育・職長・安全衛生責任者・第2種酸素欠乏危険作業主任者・宅地建物取引主任者・2級ファイナンシャルプランニング技能士・AFP